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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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801.  マリッジリング
物語に必要のない描写を電車の画を有効に使いどんどん省略してゆく。原作未読なのだが、一昨日レビューした不倫映画の代表『恋におちて』と、郊外と都会を行き来しながら不倫を描いてゆくという点で一致しているのは偶然なのだろうか。ただしこちらはいかにも渡辺淳一らしい(?)エロチックな作品となっている。エロチックといっても、主演の小橋めぐみが醸す、どちらかというと清純なイメージの女のごく普通の性欲の見せ方だとか、服を脱ぐことの恥じらいと大胆さが生々しく表現されているといった心理的というか、より内面的なエロチック。もちろん「ヌード」という外観上のエロもある。ベッドシーンは日常をことごとく省略したのとは打って変わってじっくりねっとりと服を脱がせるところから映し続ける。セックスシーンよりもこの服を脱ぎ脱がされる描写を重要視する。それはその行為(セックス)よりもその関係こそが物語を語るうえで重要だからであると同時にそのほうがエロいから。なぜエロいかは、その脱ぎ脱がされる瞬間にこそ女優・小橋めぐみの恥じらいと大胆さが表出されるからである。そしてカメラはその生々しい女の性をしっかりと捉えている。
[映画館(邦画)] 6点(2008-04-09 12:57:18)
802.  恋におちて
なんのひねりもない不倫ドラマを名作の域にまで持ち上げたのは、デ・ニーロとストリープの演技力によるところが大きいと思う。とくにストリープの一種の癖のように、そして相槌のように意味無く漏れる笑いの自然さは完全にデ・ニーロを食ってる。二人ともがどこにでもいる普通の人を演じているのだが、その二人が飛びぬけて演技が巧いのでかえって二人以外の人たちが異常に映っているのが面白い。恋愛を勧めておきながら本当にそうなっちゃうと戸惑いの表情を見せる女の友人が妙に物語から浮き始め、女の旦那はサスペンス映画の犯人のように悪者顔に見えてきて、男の妻もえらく現実離れしたドラマチックな表情になり、もともと浮いた存在のハーベイ・カイテルは最後まで馴染まない。誰かが映画の中で浮いた存在になるというのは作品として失敗なのだと思うんだけど、これに限っては偶然か計算かわかんないけど、けっきょく不倫という非常識な行動をしている二人だけが映画の中で普通の人として安定した存在であり続け、二人以外が浮いてしまうことでどこかブラックユーモア的な世界観が出来上がってしまい、そこがかえって私をそそる映画になっている。不倫というよりも普通の恋愛映画のような爽やかさを感じるのは、二人に裏切られた人たちがあっさりと画面から消え去った後出てくる気配さえ感じさせないからなのだろう。とにかく良くも悪くもデ・ニーロとストリープあっての作品。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-07 19:49:32)(良:2票)
803.  2046
ウォン・カーウァイ作品の中でも極めて評価の悪い作品になるようだが、これがけっこう好きなのだ。内容は無視。『花様年華』の続編なんてことも無視。まず豪華女優陣を堪能しましょう。健気なフェイ・ウォンの涙。勝気なチャン・ツィイーの涙。孤独なコン・リーの涙に心打たれましょう。一瞬しか出てこないキュートなドン・ジェを見逃さぬように。架空の世界に登場するカリーナ・ラウとマギー・チャンに魅了されましょう。そしてここにもメインで登場するフェイ・ウォンの、唇のラインが美しい横顔にノックアウトされましょう。中国の女優は素晴らしい。鈴木清順がチャン・ツィイーを起用したのは今の日本にピンで主役を張り、画面に映え、存在感があり、さらに色気がある女優がいないからなのかも。そう思ってしまうくらいに中国の女優は素晴らしい。そんな女優たちが総出演ですから。女優と同時に赤や緑に彩られたクリストファー・ドイルの究極の映像を堪能しましょう。過去の彼の作品と比べてもこれが最も美しい映像だと思います。木村拓哉は無視してください。こき下ろすほど悪いとは思わないのですが、そこに映っている人が「木村拓哉」であるということだけで、我々日本人が持ってしまった既成概念をどうしても拭えないから。
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-04 14:36:20)(良:1票)
804.  花様年華
映像がいちいちキザ。バラード調のジャズなんかのミュージッククリップにちょうどいい感じ。アクションでも決定的シーンでもないのにスローモーションがきまるきまる。過剰に感じるところもままあるんですが、室内シーンの雰囲気ある光の使い方とか色彩が意外とイヤミがない。構図のせいだろうか。監督ウォン・カーウァイと撮影クリストファー・ドイルと美術ウィリアム・チャンの三者のコラボレートが独特の虚構の世界を作り出している。そのなかでトニー・レオンとマギー・チャンの歩く姿がひたすらセクシー。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-03 16:14:47)
805.  天使の涙
過剰にデコレートされた映像にくどさを感じたと思ったら、夜の街の電車が画面右側を手前に奥に走るめちゃくちゃかっこいい画が何度も飛び込んできて私をこの映画に引き戻してくれる。金髪女がちょっとバカっぽすぎると思ったけど、そのバカっぽさゆえに号泣する姿に涙を誘われる。金城武の押し売りがしつこいよと思ってたのに毎度餌食にされるお兄さんの登場に大笑いする。じっくりとミッシェル・リーの顔を眺めていたいのに落ち着いた画を全然用意してくれなくてイライラするも、ふくよかな唇のアップが何度となく映されまたまた画面に釘付けにされる。極めつけは映画を締めるそのミッシェル・リー演じるエージェントの内心を語る言葉。泣けてくる。
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-02 14:38:52)
806.  恋する惑星
二つのエキセントリックな恋のお話。この二つが全然違う色で語られる。「金城武×ブリジット・リン」は香港を無国籍感漂う未来都市のようでいてゴミダメのようなオリジナルで魅力的な都市にして、技巧を凝らした映像でスタイリッシュに語る。「トニー・レオン×フェイ・ウォン」はほとんど主題歌の「夢中人」のミュージッククリップのような世界観でありながらも前半の映像よりも美しい画面が点在する。もともと洋楽カバーの「夢中人」を歌番組で歌うフェイ・ウォンを見たときに、なんてかっこよくてなんて可愛らしい女性なのだろう、そしてなんてステキな声なのだろう、と思っていたのでこの歌がかかったときはもうその歌がかかっているだけで心地良かったりした。二つのお話の舞台は同じなのにトーンが全く違うってのは違和感を感じるし、二つのお話のムリヤリなつなげ方もイマイチなんだけど、好きな人はそれがいいのかな?
[DVD(字幕)] 6点(2008-04-01 16:17:31)
807.  マイ・ブルーベリー・ナイツ
夜の街を電車が駆け抜けてゆく。ウォン・カーウァイの作品によくあるこの風景がものすごく好きなんだけど、やっぱりありました、この作品にも。これでもかってくらいに(笑)。出ている人間がアジアンから欧米人になっても、お洒落に装飾された映像と恋に敗れた女が涙してといういつものカーウァイ作品で、ローレンス・ブロックが脚本に加わったところでアルコール依存を克服するための禁酒の会のくだりがそれっぽいくらいで、やっぱり相変わらずのカーウァイ作品であった。でもナタリー・ポートマンとジャガーに乗ってラスベガスに行くあたりからこれまでのカーウァイ作品にはなかったアメリカ的なカラッとした陽気さが漂いはじめ、『ブエノスアイレス』とは全然違う「旅」の映画、つまりロードムービーをほんの少し見せてくれる。出発点でもあり帰る場所でもあるニューヨークのシーンのいじりまくった映像が鼻につくっちゃあつくんだが、キスをしたくなる唇の描写はさすがである。
[映画館(字幕)] 6点(2008-03-31 16:38:04)
808.  ミッション・トゥ・マーズ
デ・パルマとSFがどうにも結びつかなくて、それでもムリヤリにイメージすると設定だけを宇宙にしただけで実際には宇宙船の中だけで語られるサスペンスってとこだろうと思ってたのだが蓋を開けたらCGもさることながらセットもロケも実に繊細で丁寧な宇宙および火星を描き出していてビックリのSF映画であった。冒頭の長回しはデ・パルマの、というよりもアルトマン風。その後の説明を排除するための登場人物それぞれの関係やら人となりが一瞬で提示されるシーンとなる。ただ、2020年という近未来というにはかなり間近の時代設定の中で骨董品扱いのガソリンエンジンの自動車が登場するのに対し、いかにも未来カー・ルックスの自動車がシニーズと共に現れるのだが、いくら未発売のオープンモデルとはいえ「いすゞビークロス」ってのは勘弁してほしい。この辺、スピルバーグ作品との金のかけ方の差異。お話自体はそれなりに面白いものだと思うのだが、冒頭でも火星にたどり着くまでの年月が語られていたと記憶するが(数字は忘れた)その長い年月が描ききれない。イチイチ描いてたら違う映画になっちゃうので仕方ないのだが、そのせいでお話自体が軽くなってしまってるような気がする。あと、やっぱりデ・パルマに壮大なテーマを壮大に語らせるってのはどこか気恥ずかしいものがある。 
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-28 13:08:15)
809.  ボディ・ダブル
一昔前は深夜によくやってました、これ。冒頭の長廻しはけっこういい感じ。尾行のシーンはけっこうドキドキする。でもその後のお外でのラブシーンはやりすぎ。ほとんどセックスじゃんか。カメラぐるぐるもこの映画のこれに限ってはしつこい。シナリオも破綻しまくり(そもそも犯人の偽装工作は非現実的に気合入れすぎだし、ポルノビデオのCMからあれよあれよと偽装を見破る主人公もご都合主義だし)なのだが、そこに関しては何故だか意外とそれほど気にならない。これはデ・パルマ・マジックなのか、はたまた単なるお色気パワーなのか。お色気っても全然シュミじゃないから、やっぱデ・パルマの手腕ということにしておこう。
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-27 18:21:15)
810.  ミッドナイトクロス 《ネタバレ》 
巻き込まれ型サスペンスということでまたしてもヒッチコックのパロディかと思わせておいて実はアントニオーニの『欲望』のパロディ。原題が「Blowup」に対して「Blow Out」。カメラマンが写真から真実を見出そうとしたのに対して音響マンが録音テープから真実を見出そうとする。お得意の分割映像がこの録音シーンに使われているが、ヘッドホンをするトラボルタと音の発生源とが効果的に映し出され、そこに音が入り、その音に反応する両画面、そして重要なシーンへと繋がる流れが完璧。警官時代に囮捜査で囮の人間を殺されてしまうという失敗をしている主人公の姿をわざわざ回想で見せているので当然この展開だとナンシー・アレンは危機一髪で救われるはずなのだが、綺麗な花火をバックになんとも信じ難い結末が。後味が悪いというご不満もまったくそのとおりなんですが、このクライマックスのスローモーションは凄く美しいんです。この作品はデ・パルマ節の到達点である。いつものあからさまでやりすぎ感のあるデ・パルマの映像なのに、その一つ一つが他のデ・パルマ作品以上に機能している。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-26 16:38:59)
811.  殺しのドレス 《ネタバレ》 
デ・パルマ版『めまい』(『愛のメモリー』)の次はデ・パルマ版『サイコ』。ちょいと横領を考えちゃった女に対し、ちょいと浮気をしちゃった女に降りかかる恐ろしすぎる罰。剃刀の切り口と切られるときの音楽。主役の変更。二重人格。どこまでも『サイコ』。中年女の性欲を露骨に描くあたりがいかにもこの当時のデ・パルマっぽい。あのオチもデ・パルマのオリジナリティを感じる。ただ、ナンシー・アレン出演のデ・パルマ作品ってどうも細かいところでごちゃ混ぜになってしまう(私の頭ん中で)。あと、無駄に裸が多いのがどうにも安っぽい。
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-25 19:14:36)
812.  愛のメモリー
デ・パルマ版『めまい』。『知りすぎていた男』ぽいシーンもあるし『レベッカ』ぽいシーンもある。でもヒッチコックの二番煎じという印象はない。むしろヒッチコック独特の変質的な描写がなくて良い。しかもデ・パルマのお下品さもない。ミステリーは冒頭からジョン・リスゴーの役回りとか察しがつくし、フィレンツェでのそっくりさん登場もなんとなくその後の展開を予想できちゃうし、けっきょく予想の範疇を出ることのないミステリーで、筋は面白いとは思えないんだけど、霞みがかったような画質はミステリーであることよりもメロドラマであろうとしているし、実際まんまとのせられてラストのわざとらしいスローモーション+カメラぐるぐるに思いっきり感動させられてしまった。急転直下なエンディングなような気もするが、物語に占めるフィレンツェでのシーンの無邪気なまでの長さといい、その脱線具合が結果としていちいち意表を突いていて観ているこっちはけっこう楽しめたりする。これがデ・パルマの狙いなのか知らないけどコレは面白いと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-24 19:05:38)(良:1票)
813.  トランシルヴァニア
『ガッジョ・ディーロ』の女版。『ガッジョ・ディーロ』の青年はロマの中に入って行き、ロマの人々と触れ合うことでロマの生き方に共鳴してゆくのだが、この『トランシルヴァニア』の女はべつにロマの人々に共鳴したわけではなく、「何もかもを捨ててただ生きる」という野生的ともいえる本能に沿った行為が結果としてロマの生き方に被さってゆくのだ。格闘の真似事をする女を見た土地の人間があきれるくらいだから、けしてロマ的な女ではないのだろうが、絶望から逃げるのではなく、絶望の中で生きることを選んだ彼女は次第に生きる喜びを見出してゆく。ラストに見せる眩しいばかりの表情にやられた。女はどうしようもないくらいに弱いくせにとてつもなくたくましい。かなわない。そう思わせたアーシア・アルジェントも凄い女優だ。そしてこんなにも生命力に満ちた映画を作ったトニー・ガトリフも凄い監督だ。
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-21 17:42:02)
814.  ベンゴ
これはギャングのお話なのだろうか。いつの話なのだろうか。主人公の娘はなんで死んだのだろうか(映画内のお話以前に)。主人公の兄はなぜ人を殺したのだろうか(映画内のお話以前に)。よくわからないままに映画は進む。わからなくても結局困らなかったからいいんだけど。ファミリーの結束はそんじょそこらのギャング映画も顔負けの結束具合で、しかもやたらと男くさいのに怖さがなく、常に家族の結束としての暖かさに溢れている。そこに音楽。声も楽器のひとつなんだと思った。雰囲気は最高にいいんだけど、主人公の葛藤や行動に少々ついていけないところがある。兄の息子を守ること以外に自分の娘の死を引きずっていることも、最後の悲しい決断を促す要因になっているのだろうが、その行為が家族を守るための勇敢なもののようにも見え、ただただ悲しい運命にも見え、あるいは主人公のある意味投げやりな行為にも見えてしまうのが、最後の最後に自分の中で盛り上がりきらない原因になっている気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-19 12:33:37)
815.  ガッジョ・ディーロ 《ネタバレ》 
ひとりのフランス人青年がロマの音楽に惹かれ、次第にロマの文化や生き様にまで共感してゆく。共に生活してゆくなかで集めていった音楽の記録(テープ)をラストで破棄してしまうのは『僕のスウィング』の死んだ者の持ち物を燃やしてしまう行為と同じで、今を生きる、過去よりも未来よりも今が大事なのだという思想の表れなんだと思う。ロマを描くことを使命としているかのように描き続けるトニー・ガトリフの映画は、ロマと切っても切り離せない「音楽」がこれでもかってくらい前面に出ているので、音楽そのものが趣味に合わない人にはちょっとしつこく感じるかも。さらにロマについてのアレコレをけっこう詰め込んだこの作品はガトリフ作品の中でもしつこさを感じさせる方になると思う。しかし青年が想いを寄せるロマの女のその堂々ぶりというか圧倒的な存在感が映画をかなり魅力的なものにしている。「女=生命の源」ってかんじの女。こんなに魅力的な女を描けるんだから、その後に女を主人公にした『トランシルヴァニア 』が生まれるのは必然と言える。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-18 17:04:13)(良:1票)
816.  ガスパール/君と過ごした季節 《ネタバレ》 
二人の男が自由気ままに暮らしている。そこにおばあちゃんが入るだけでなんとなく擬似家族の出来上がり。その境遇ゆえに家族を求める男と家族を忌み嫌う男。いくら嫌っても家族の心地よさを否定できない。しかし擬似家族はある女と女の娘の登場によりますます家族性を強めてゆく。人に寄り添い、人と助け合い生きてゆく「家族」を捨てて自由であることを選ぶ男。ガトリフが描き続けるロマ(ジプシー)の性(サガ)を描いているのだろうか。それでもラストシーン、ついてくる犬を振りほどけない男は、また誰かと暮らすことになるのだろう。冒頭の姨捨がけっこう衝撃的だったのでおばあちゃん主体で物語が進むのかと思ってたんだけど、意外に脇役。もうちょっと前に出てほしかった。ガトリフの映画の中ではガトリフっぽさが抑えられているほうなのでけっこう万人に受けるのはこっちかも。個人的にはちょっと物足りない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-17 17:34:48)(良:1票)
817.  リトル・マーメイド(1989)
ディズニー・プリンセスの中で最も等身大の女の子。我が娘のお気に入りプリンセスでもある。性格の良し悪しではなく、キャラクターの魅力はたしかにずば抜けているかも。お話はアンデルセン童話とは全く異なるハッピーエンドのミュージカル。べつに悪くはない。ただ、うちの娘は一度気に入ると、同じものばっかり観続ける(『となりのトトロ』『アラジン』が最長期間のヘビーローテーションでした)んですが、これはいっしょに観ててちょっと飽きたかな。たぶん絵が単調なんだろうか。例えば『アラジン』の空飛ぶ絨毯の動きの繊細さとかジーニーの表情の豊かさだとかって何度観ても楽しめるんだけど、『リトル・マーメイド』にはそういった絵の魅力が乏しかったような。せっかく人魚の尾ひれとかセバスチャンの動きとかアニメーションとしての見せ所の多い設定なのに。鑑賞環境は字幕版も観ていますがオリジナル音声が思い出せないくらいに吹き替え版を観まくってますんで「吹替」にしときます。
[DVD(吹替)] 5点(2008-03-14 14:51:00)
818.  海底二万哩
幼少の頃に観たときって、物語が楽しいというより、海の中のいろいろに、へえー、へえー、と感心しているという感じで、それはそれで楽しんでいるんだろうけど本当に楽しいのは「ウルトラマン」とかアニメなわけで、これはたぶん大人向きなんだと思ってた。で、大人になってから観ると、なんだろう、やっぱり子供向けじゃない。画面はなんとなく子供が喜びそうなもので溢れている(ノーチラス号の造形なんて最高!)んだけど、人間がいちいちその内面の葛藤を含めて実にリアル。ある意味すごくマジメに作られている。これを観る子供をガキ扱いしていない。だから単純にノレないところもあるんだけど、これはエイ!ヤー!と楽しむ作品じゃなく、感心したり驚いたり考えたり意味がわかんないところは悩んだり誰かに聞いたり時々興奮したりという子供向けの高尚な映画なのかもしれない。たぶん考えすぎですけど。とにかく誠実さは伝わる。その誠実さにおいてリメイク作は最悪なのでくれぐれも鑑賞する際はこの1954年版をよろしく。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-13 11:08:19)
819.  ホーンテッドマンション(2003)
アトラクション「ホーンテッドマンション」は怖さよりも神秘さや優雅さを幽霊に吹き込んだ、子供も楽しめるお化け屋敷なわけだが、映画も当然目指す方向はこの「子供も」というところになるんだろうけど、ただ単に「怖くない」お化け屋敷になっちゃったって感じ。原因は明白でエディ・マーフィーという個性におんぶにだっこの映画だから。「怖さ」を取り払うために「笑い」を持ってくるのはいいのだが、全部エディ・マーフィーのコメディアンとしての立ち振る舞いにお任せ状態。しかもキャラクターとして映画を引っぱったカリブの海賊スパロウ船長に対し、こちらはひたすらコメディアン・エディ・マーフィーが引っぱる。演出としての笑いは皆無。怖くもなければ面白くもない。神秘的でもミステリアスでもない。ドキドキがあってもあまりにお決まりのパターン。大人どころか子供にも受け入れられんでしょう。客をなめとる。
[DVD(字幕)] 1点(2008-03-12 12:24:23)
820.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
お話は前作の続きで前作からの伏線の回収があるし、完結せずにいいところで終わっちゃってるうえに三作目につながる伏線らしきものが気になってしょうがないしで、お話的には単品だとチトきついかなとも思うんだけど、個人的にはシリーズで最も楽しめた作品。前作でも元々目的の異なる登場人物たちが結果として同じ方向へと行動してゆく様が面白かったのだが、今回はその目的の違いが明確で、そのことから起こる敵味方の曖昧なラインが登場人物たちの関係をよりスリリングに、より楽しくしている。人食い族から逃げるスパロウの笑わせながらピンチを脱するその洗練された古典ギャグの応酬に大満足。スパロウ、ターナー、ノリントンの三者によるお笑いをふんだんに取り入れた剣の戦いも良かった。シリーズものの辻褄合わせの部分が少々退屈であったりするが、三作目に比べればそれも必要最低限。これはなかなか天晴れだと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-11 14:06:57)
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