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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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841.  あいつと私(1961) 《ネタバレ》 
裕次郎と芦川いづみのコンビによる石坂洋次郎原作の青春映画で監督は中平康。冒頭から登場人物たちが早口でしゃべり、テンポがよく、コメディタッチで明るく、いかにも日活らしい青春映画という感じで、見ていてけっこう楽しかった。芦川いづみをかなり久しぶりに見たのだが、やはりとてもキュートで可愛らしく、やっぱりいいなあと思うし、本作にはブレイク前の吉永小百合もヒロインの妹役で出演しているのだが、それでもやっぱり芦川いづみのほうが魅力的で個人的には好みだし、本作は彼女の視点ですすんでいくので、実質的な主人公は彼女演じるゆみ子というのも嬉しい。裕次郎も生意気できざったらしい青年役なのだが、なぜか厭味ったらしくなることなく逆に好感が持ててしまうから不思議で、このコンビの青春映画だと本当に安心して見ていられる。二人が大雨の中、木の下でキスをするシーンがとくに印象的で、なかなかの名シーンだ。日米安保反対運動が出てくるあたりは当時の時代の空気感が出ている。恋人に裏切られる友達や、裕次郎演じる黒川の出生の秘密など深刻なエピソードもあるのだが、それらをあまり深く追求しないのでドラマとしては若干の物足りなさを感じる部分もあるのがちょっと残念なのだけど、そこまで気にはならない。裕次郎のうたう主題歌がコミカルでかつインパクトがあり、矢鱈と印象に残るのだが、本作に合っているかは微妙。でも、けっしてこの歌自体は嫌いではない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-10 00:11:50)
842.  極道の妻たち 決着 《ネタバレ》 
岩下志麻主演のシリーズとしては最後の作品となる第10作。前作である「危険な賭け」と同じく中島貞夫監督が手がけているが、前作に比べると正統派のヤクザ映画という感じ。岩下志麻の演技も最後ということもあってか気合が入っている。あまりこのシリーズは見ていないのだが、今回のクライマックスは、岩下志麻ひとりではなく、かたせ梨乃と一緒に敵方である中条きよしを仕留めて二人で去っていくというのもこれが最後というのを意識しているのが分かる。(今まで見た作品はクライマックスは岩下志麻がひとりまたはゲストの俳優とで敵方ヤクザを仕留めて終わりというのが多かった気がする。)たけし映画の常連である大杉漣(この人をヤクザ映画で見るとつい寺島進を探してしまう。)や、いかつい竹内力、ワンシーン出演だが中尾彬も出ていて、一見豪華に見える脇の出演者たちだが、なんかこれまで見たシリーズと比べて大物感のある出演者が少なくそれが残念で、とくに最後をうたう今回は敵方ヤクザも中条きよしではちょっと物足りない。流れ者のヤクザ役で愛川欽也が出ているのだから、この役は菅原文太あたりでも良かったのではと思ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2014-07-12 22:26:51)
843.  極道の妻たち 危険な賭け 《ネタバレ》 
これでこのシリーズ見るのは3本目。毎回設定の変わるシリーズだが今回は岩下志麻演じる主人公の旦那が最初から死んでいて、主人公の立場も組長という設定になっているのが前に見た2本と違っていて、最後に中尾彬を仕留めるのが岩下志麻ではなく、かたせ梨乃であるという展開も新鮮に感じられる。それに話自体も思ったよりずっと面白かったし、中島貞夫監督の映画としては見るのは2本目になるが、前に見た「激動の1750日」よりは本作のほうが好み。しかし、本筋となる四代目の跡目をめぐる話が面白いのに、その本筋にまったく絡まない工藤静香と原田龍二のエピソードははっきり言って邪魔で、この二人の存在があるためにちょっとバランスがおかしくなってしまった感があり、そこが残念で、この二人はいないほうがもっとスムーズな映画になっていた気がする。また、音楽は大島ミチルが担当していて、要所要所で感動的な音楽がかかるのだが、ちょっとこの手のヤクザ映画には不釣り合いのように感じた。エンディング直前のお茶を飲む岩下志麻の姿が印象に残る。
[DVD(邦画)] 6点(2014-07-03 14:40:38)
844.  処刑の部屋
石原慎太郎原作の太陽族映画というと日活の映画という印象があるが、本作は大映の映画で、日活から移籍してきたばかりの市川崑監督が手がけている。映画としては「狂った果実」よりも面白く見ることができたが、それでもやはり今見ると「狂った果実」と同じく古臭さを感じてしまう映画で、市川監督の演出もそれほどキレを感じない。(ただみなさんがおっしゃるように宮口精二と川口浩が口論をする隣の部屋で岸輝子が新聞漫画を読んでいるカットは市川監督らしさが感じられた。)主演の川口浩は不良らしさがよく出ていて、裕次郎よりもこういう役はハマっている気がする。しかし、「狂った果実」もそうなんだけど本作に登場する大学生たちはどこか幼稚な存在に描かれていて、太陽族ものってみんなそうなのかと思えてしまった。ヒロイン役は市川監督の映画には本作が初出演の若尾文子。この頃はまだ清純派で可愛らしい彼女がけっこうな体当たり演技を見せていて、(とはいえ、まだ本作ではだいぶおとなしいが。)本作に助監督として参加している増村保造監督とのその後のコンビ作での活躍を予感させていたのが印象に残る。
[DVD(邦画)] 6点(2014-06-05 17:06:57)
845.  ボクたちの交換日記 《ネタバレ》 
ウンナン内村が監督(二作目)というのがいちばん不安な面であったが、思ったよりずっと良かった。売れない漫才コンビを主役にしているが、やはり実際にお笑い芸人が監督をすることによって本職の映画監督では出せないようなリアルさが出ているのだと思うし、テレビに出てバカなことしかやってないように見えるお笑い芸人も舞台裏ではいろいろあり、生き残りをかけた競争は想像以上に過酷なのだろうということがひしひしと伝わってくる。それにそんなお笑いに対する内村の思いの熱さも感じることができた。ストーリーはベタながらツボをきちんと抑えていて素直な作りになっていて、見終わった後に爽やかに感動できるのもいいし、もちろん、主演の二人である伊藤淳史と小出恵介もハマっている。しかし、17年後が舞台となる終盤はみんな昔の若いままの姿で、年輪を全く感じさせていないのはマイナスで、とくに小出恵介・長澤まさみ夫妻と川口春奈が親子という設定に無理がありすぎて違和感を感じる。演じる役者を代えるなり特殊メイクで老けさせるなり方法はあったはずなのに残念で、そこだけが気になってしまった。主題歌であるファンモンの「サヨナラじゃない」はけっこう好きなのだが、この映画の雰囲気にはよく合っていたと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2014-05-03 18:18:52)
846.  刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM> 《ネタバレ》 
犯人が犯行時に落としたタキシードにつけていた花(しっかりおおうつしになる。)が決め手になるという結末が弱い。今回の犯人は交響楽団の指揮者という設定なのだが、その指揮ぶりは素人目に見てもあまりにも下手くそとしか言いようがなく、これで高名な指揮者なのかという疑問を感じてしまうのも致命的だった。映画監督としても有名なジョン・カサベテスが犯人役を演じていることで知られるエピソードだが、正直出来はイマイチなように思う。しかし、このエピソードでは疑いを持ちながらも夫を信じようとする妻の描き方や、被害者の友人である少女が目撃証言をするシーンのドキドキ感、ラストで犯人が妻の耳元で愛を囁くシーンなど印象に残る部分もなくはなく、それによってだいぶ救われているような気もする。コロンボの名無しの愛犬が初登場するエピソードでもあり、この時点ではコロンボはあれこれ犬の名前を考えているが、結局後々のエピソードでもちゃんとした名前はつけてもらえていないのがなんかかわいそう。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-26 17:02:05)
847.  刑事コロンボ/死者の身代金<TVM> 《ネタバレ》 
本格的なシリーズ化を前に単発ドラマとして作られた第2話である今回はシリーズ初の女性犯人となるが、上のあらすじにもあるように自分の成功のためだけに結婚した夫を殺害し、その後誘拐を偽装して身代金まで用意するなどかなり周到でいやらしい犯人像が描かれている。でも、こういういやらしい犯人だとコロンボとの対決は盛り上がるので面白い。わずかな証拠から疑いをかけ、犯人を追いつめるコロンボだが、その追及を余裕でかわしていく犯人との対決は見ごたえじゅうぶんで、解決シーンにもさほど強引さはなく、犯人がその性格があだとなって逮捕されるというオチも皮肉めいていて印象的。それに既にこのシリーズらしいユーモアがよく出ていて、中でもコロンボの高所恐怖症。犯人と一緒にヘリに乗っていて操縦桿を握らされてあたふたするコロンボには思わず爆笑させられたし、ラストの空港の喫茶店で札束を前にして支払いのために財布を探すシーンも笑えた。しかし、今回はやや間延びした部分があり、この後の作品に比べて本格的にコロンボと犯人が絡みだすのが遅く、そこが残念といえば残念。とはいえ、このシリーズの魅力はこれ一本でじゅうぶん伝わってくる、本格的なシリーズ化を前提とした単発作品としてはかなり上出来な作品だと思う。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-15 10:27:17)
848.  刑事コロンボ/二つの顔<TVM> 《ネタバレ》 
冒頭に犯行シーンが描かれ、コロンボが容疑者と睨んだ男(マーティン・ランドー)に追及を始める。ここまではいつも通りの展開なのだが、このエピソードでは容疑者の双子の兄が登場することによってどちらが犯人なのか分からなくなるというミスリードがあり、倒叙ものでありながら視聴者もコロンボと一緒に犯人を推理していくという構成になっているのが面白い。しかし、結局はその双子の共犯というやや反則ぎみの結末だったのはせっかく犯人は双子のうちどちらかというミスリードで最後まで引っ張っていただけに非常に勿体ない気がした。仲の悪い双子という設定だったのでこのエピソードに影響を受けたであろう「古畑任三郎」の「ラストダンス」のような展開でも良かったような気がする。とはいえ今回は笑えるシーンが多く、飛び入りで料理番組に出演するコロンボのあたふたする姿もコミカルだが、やはり本作のいちばんの笑いどころはコロンボと家政婦のやり取り。コロンボがことあるごとに家政婦に怒られるシーンが最高に面白く、双子とのやり取りよりも印象に残り、ひょっとしたら今回のコロンボは双子の犯人よりもこの家政婦のほうが手強かったのではないかと思えるほどだ。既に書かれている方もおられるが、中でもようやく機嫌を直した家政婦の前でテレビを修理しようとして失敗し、それが原因でまた怒られるシーンはコントのようで楽しい。家政婦の吹き替えを演じる文野朋子(神山繁の奥さん)の声もヒステリーな家政婦のキャラにピッタリとはまっていた。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-03-22 13:03:36)
849.  暗黒街の顔役(1959)
岡本喜八監督の第3作目で初のカラー映画となるヤクザ映画。喜八監督らしいテンポの良さはあり、面白くないことはないのだが、喜八監督の映画としてはカラッとした部分があまりなく、ちょっと湿っぽすぎるし、初期作だからか作風もまだそこまで確立していないような印象がある。主演が鶴田浩二で、親分が河津清三郎というのは東宝というよりものちの東映の任侠映画を思わせるキャスティングで、実際に二人とも東映任侠映画に出るときと同じような印象であり、東映任侠映画を見慣れてしまった今となっては少し違和感を感じる。そんな中、喜八監督とは助監督時代からの付き合いという三船が脇役だが、自動車修理工場のしょぼくれた経営者の役で出演しており、これがけっこうハマっている。クライマックスでの自分の工場で好き勝手するヤクザに対してついに怒りを爆発させるシーンが三船の最大の見せ場で、ここだけで主演の鶴田浩二を食うほどの存在感を見せているのはすごい。ほかにも脇役ではこの後に喜八監督の映画の常連となる俳優二人が既に出演している。本作のあとすぐに喜八監督の「独立愚連隊」で主人公を演じる佐藤允が鶴田浩二を狙う殺し屋を演じていて、これがまた異様に存在感があり、かっこよくて印象に残る。そして、出番はわずかだが天本英世も一言のセリフもない冷徹な殺し屋を不気味に演じていて印象的だ。ほかにも本作には喜八監督の映画の常連となる俳優が何人か出ているが、とくにこの佐藤允と天本英世の二人はこの後の喜八監督の映画を支えていく存在になるのだなあと、そう思った。
[DVD(邦画)] 6点(2014-02-27 15:10:15)
850.  カルメン純情す 《ネタバレ》 
「カルメン故郷に帰る」の続編。田舎が舞台であった前作とは違い、カルメンと朱美の都会での生活を描いているが、カラーだった前作と違って白黒(ここがいちばん驚いた。)で、前作同様にコメディーではあるものの、前作と比べるとやや内容は暗めでしんみりとしており、続編でありながら印象はだいぶ違うものになっている。個人的にはやはり前作のほうが好きだが、前作で日本初のカラー映画を手がけた木下恵介監督だけあって本作でもカメラを傾けた斜めの画面の多用などはかなり実験的で面白いし、選挙に立候補する軍国主義の女性政治家(三好栄子)と「原爆」が口癖の家政婦(東山千栄子)のキャラクターも滑稽で強烈。また木下監督らしい政治風刺が利いているのも面白く、当時の時代性がよく出ている。しかし、木下監督はそういった当時の風潮を笑い飛ばしているように見え、時代に敏感で、その時代を冷静にみつめることのできる監督なのだとあらためて気づかされた。ひょっとしたら本作は「カルメン故郷に帰る」の続編としてよりも、それとは別の社会風刺喜劇として見たほうが面白いかもしれない。ラストがやや中途半端な印象があり、エンドマークも「第二部 完」となっていて、三作目の構想があるような終わり方をしているが、実際のところはどうだったのだろうとつい考えてしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2014-01-30 14:32:46)
851.  刑事コロンボ/断たれた音<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は難聴のチェスプレイヤー。冒頭からタイトルマッチでの対局を控えた犯人と今回の被害者である老人との関係や、チェスで勝ち抜くことが人生のすべてといったふうな犯人の深層心理が丁寧に描かれているが、今回の犯人の動機はこの老人との対局で勝ち目がないから殺してしまうというえらく子どもじみたもので、殺人事件を起こす動機としては正直言って見ているこちらが呆れてしまうほど弱く、プライドの高そうな勝負師のやることとは思えないし、この犯人自体も魅力には乏しい。難聴という犯人の特徴を活かした結末で、これもやや強引に感じるが、この強引さはこのシリーズらしいところで決して嫌いではない。それよりも今回は犯人が一度手にかけた被害者が一命を取り留めるというこの手の倒叙ミステリーとしては珍しい展開が面白く、結局終盤近くになって被害者は死んでしまうものの、それまではひょっとしたら今回は未遂のまま犯人がコロンボに逮捕されて被害者は最後まで死なずに済むのではと思いながら見ていた。 少し甘いかもしれないがこの展開にプラス1点。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-01-11 14:13:44)
852.  東京家族 《ネタバレ》 
山田洋次監督が前作「おとうと」に続いて往年の名作をモチーフにして作った映画で、本作のベースは小津安二郎監督の「東京物語」。「おとうと」ではあくまで市川崑監督の「おとうと」を元にしたオリジナル脚本であり、見た時はそれほど市川監督の「おとうと」を意識せずに見れたのだが、本作は「東京物語」をほとんどそのままリメイクしたような映画になっている。もちろん山田監督らしさは健在で丁寧な演出できっちり描くところや、優しさを感じさせる部分など見ていて温かい気持ちにさせられる映画ではあるし、なによりも山田監督の小津作品への思い入れの深さも伝わってきて決して出来の悪い映画ではないのだが、やはり個人的には山田監督にはほかの監督の作品のリメイクなどしてもらいたくなかったというのが本音で、そういう意味ではぼくが思う山田監督の映画とは違うし、山田監督らしいユーモアも少なく泣かせのシーンもストレートすぎる印象がある。東日本大震災の影響で延期になった映画でもあるが、その震災のエピソードの盛り込み方も無理やりねじ込んだような感じがしてあまり良いとは思えないし、少しあざとさを感じて好きになれない。山田監督のほかの映画としては「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の中で阪神大震災が登場するが、その時のほうがもっと自然にうまく現実にあった災害を映画の中に取り込めていた気がする。ほかの本作オリジナル要素としては「東京物語」では戦死していて登場しない次男が生きているという設定になっていて、物語の中心人物として描かれている。これによって山田監督は本作で自らの過去の作品で作風に「東京物語」の影響が見られる「息子」も意識していることが分かる。中でも次男が恋人を母親に紹介するシーンは「息子」で永瀬正敏演じる息子が恋人を父親に紹介するシーンと重なって見えるのはそういう山田監督の意図が感じられる。俳優陣については山田監督の指示か小津作品に登場する俳優たちのような演技をしている出演者が多いが、特に文句はない。主人公である老夫婦役は延期になる前は菅原文太と市原悦子の予定だったものが橋爪功と吉行和子に変わっているが、むしろこの二人で正解だっただろう。長女を演じている中嶋朋子が杉村春子を意識しまくったメイクで演じているのがなんともおかしい。しかし、過去の山田監督の映画には「北の国から」の出演者も多く出演しているのに今まで彼女は一度も出演していなかっただけに何かこの出演には感慨深いものを感じる。それにしても本作に続く山田監督の新作はラブストーリーとのことだが、「男はつらいよ」シリーズも「釣りバカ日誌」シリーズも終わってしまった今、山田監督にはもう一度、純粋な喜劇映画を一本作ってもらいたい気持ちはある。
[DVD(邦画)] 6点(2014-01-03 15:21:07)(良:1票)
853.  キッチン(1989) 《ネタバレ》 
バブル景気の頃に話題になった小説が原作の森田芳光監督の映画。森田監督のベストセラー小説の映画化といえば「模倣犯」が思い浮かんでしまい、見る前は不安のほうが強かったのだが、見てみるとかなり淡々としていて、ストーリー自体にはそれほど面白味を感じないものの、独特の味わいや雰囲気が森田監督らしく、この監督の作風も映画によく合っていて、見終わって妙に印象に残る映画だった。これがデビュー作の川原亜矢子(後年の面影が驚くほど全くない。)も不思議な雰囲気を持っている主人公 みかげを初々しく演じていて、演技はたどたどしいのだが、それがみかげというキャラクターを逆に魅力的にしていて、まだ新人であった彼女の起用は正解だったように思う。(大林宣彦監督の映画に登場するヒロインに印象としては近い。)ほかの出演者たちも見たことがないような俳優が多く、そのおかげで映画を見ていて新鮮に感じられるのが良かった。そんな中でみかげを自宅に住まわせる青年の「母親」を演じる橋爪功は普段の渋いイメージからは想像できないようなオカマを見事にリアルに演じきっており、強烈なインパクトを残している。そうそう森田監督といえば作中に登場する料理が印象に残ることが多いのだが、この映画ではタイトルのごとく料理が登場するシーンが多く、中でも明かりの消えた部屋でミックスジュースを作るシーンがとても幻想的に描かれていてとくに印象的だった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-12-19 23:13:19)
854.  ドラッグストア・ガール 《ネタバレ》 
田中麗奈扮する主人公 大林恵子が終始前向きで、中年のラクロスというテーマも悪くはなく、登場するオヤジたちもいい味を出していて見ていて元気になれる映画だと思うし、クドカンのオリジナル脚本作品はテレビドラマも含めて初めて見たのだが、テンポがよくて最後まで楽しく見られた。しかし、物語的にはやはり物足りなさも残るのも事実で、せめてラストには何らかのカタルシスが欲しかった。従来のスポーツ映画のパターンをあえてやらないというのは分からないでもないが、それによって試合のシーンはだらけてしまったようにも思う。もう少しなんとかすれば佳作になった可能性もあったと思うだけに残念。ところで、田中麗奈といえばなんといっても「がんばっていきまっしょい」の悦ネエが印象的だが、本作では中年ラクロスの指導者になる大学生役というのがけっこうツボで、たとえ中身がバカなコメディーであってもやはり田中麗奈にはこういったスポーツものがよく似合っている。(「がんばっていきまっしょい」のほうが好きだけど。)
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-28 00:22:42)
855.  現代任侠史 《ネタバレ》 
石井輝男監督による高倉健主演のヤクザ映画。「仁義なき戦い」がヒットして東映がそれまでのヤクザ映画を任侠路線から実録路線に切り替えた頃に作られているが、実録路線ではなく、正統派任侠映画のフォーマットで作られている。新味のあるヤクザ映画にしようとしたのか脚本にこの手のジャンルには珍しい橋本忍を起用していて、健さん扮する元ヤクザの寿司屋が持っている刀の背景が劇中でちゃんと語られたりするところなどは新鮮に感じるものの、それをうまくドラマに取り込めていない気がするし、主人公とヒロインの恋愛が描かれるところは、ヒロイン役が梶芽衣子なせいか「仁義なき戦い 広島死闘篇」の焼き直しに見えてしまい、なにも別に橋本忍じゃなくてもと思えてしまう。健さんの弟分で成田三樹夫が出ていて絶対にどこかで裏切るだろうと思っていたのが、最後まで健さんの側についているというのが意外だったが、この役は兄貴分という設定で鶴田浩二が演じたほうがしっくりしたかもしれない。敵方ヤクザを演じるのが内田朝雄と小池朝雄という「朝雄コンビ」なのが妙に印象に残る。でも、話としてはせっかく健さんの持っている刀に背景の設定を持たせたなら、やはりそれをもっと生かしたドラマ作り(橋本忍ならできるはずだと思う。)をしてほしかったところで、クライマックスもいつもの東映任侠映画のパターンで終わってしまっているのが残念。石井監督の演出にとくに不満はなく、映画自体も面白くなくはないが、橋本忍の良さが出た映画とは言えず、好きな脚本家の一人なのだが、なにか東映ヤクザ映画とは場違いで相性が悪く、不釣り合いだったようにも思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-19 22:48:38)
856.  ターザン(1999)
ジャングルで猛獣に育てられた主人公がほかの人間と出会うという展開はディズニーでもほかに「ジャングル・ブック」(アニメ版は未見。)があるようにややありがちだとは思うのだが、ちゃんとジャングルの動物たちとジェーンたちの間で板挟みになり、苦悩するターザンを描けているし、見ごたえじゅうぶんとまではいかないが、つまんなそうと思いながら見始めたせいか最後まで飽きることなく楽しめた。ヒロインのジェーンがこれまで見たディズニーアニメのヒロインの中でも特に魅力的なキャラに描かれていて印象に残る。それに全編通して流れる歌も非常にマッチしていて良かった。ターザンの吹き替えは金城武で、最初はどうなんと思っていたが、それほど違和感もなかった。それにしても「アラジン」のジャファーもそうだが、本作のクレイトンも実に気持ちのいい悪役だったなあ。
[地上波(吹替)] 6点(2013-11-11 01:38:37)
857.  あ、春 《ネタバレ》 
相米慎二監督による松竹のホームドラマ。確かに相米監督の映画としては息抜き的に手がけた感があり、ほかの相米監督の映画で感じられるような力強さや癖の強さといったものがなく、オーソドックスな松竹の人情喜劇的な色合いが強い。ストーリーは死んだと聞かされていた佐藤浩市演じる主人公の父親(山崎努)が突然現れたことによる騒動を中心に、登場人物たちの日常を淡々と描いていて明らかに地味なのだが、それが心地よく、最後まで飽きることなく見ることが出来たし、素直に好きなタイプのいい映画だと思う。しかし、あまり見たというわけではないのだが、相米監督の初期作である「セーラー服と機関銃」、「魚影の群れ」に比べると丸くなりすぎているような気もしてやや物足りなさを感じるのも事実といえば事実。ところで、相米監督のこの映画の前作である「夏の庭」と同じく人間の死をテーマにしていて、偶然かもしれないし、考えすぎだとは思うが、今にして思えば相米監督はこの頃から自らの死というものを意識していたのかもと勘ぐってしまう。キャスティングに目をやると、「夏の庭」に出演していた三國連太郎の息子である佐藤浩市が次作である本作で主役を演じているのは面白いし、富司純子、藤村志保という東映、大映のかつてのスター女優が共演しているのも見どころの一つ。父親を演じる山崎努も良かった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-24 17:49:53)
858.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
自身最大のヒット作である「座頭市」でもやらなかったたけし映画初の続編だが、前作が続きがあるような終わり方に思えなかったため、ちょっと無理やり感のある映画なのかと見る前は思ったが、そこまで無理やり話を続けているという印象はなく、むしろ続編としてはよく出来ていて面白かったと思う。しかし、登場人物が殺されまくる映画をというところから企画が始まったという前作に対して、今回はストーリー重視の作りになっているせいか前作のような勢いはなく、これでもかと言わんばかりのバイオレンスが全開だった前作に比べ暴力描写もかなり控えめになっていてインパクトには欠け、何やら普通に東映の任侠映画でも見ている感覚で、その分物足りないと感じるのも事実。(前作では印象に残る殺しのシーンが多くそれを楽しんで見ていたところがあり、それが面白さにつながった部分が大きかったのだが今回は普通に射殺が多い。)前作で新鮮な印象を残した三浦友和や加瀬亮のヤクザも2作目となるとやはり慣れて鮮度が落ちてしまっている。それでも三浦友和は好演しているが、加瀬亮はちょっと切れすぎで、前作ではもっと落ち着いたクールなキャラという印象があっただけにこれは残念。(見ていて「spec」じゃないんだからと思ってしまう。)今回は関西のヤクザが新たに登場し、その幹部のひとりを西田敏行が演じているが、普段温厚なイメージがあり、ヤクザ役を見るのは初めてにもかかわらずほとんど違和感を感じさせていないのは良かったか。「極道の妻たち」シリーズにおいて最後に岩下志麻に仕留められる役回りの多い中尾彬が序盤であっさりと殺されるのが妙に印象に残る。キャッチコピーでは完結と謳いながらラストは3作目がありそうな雰囲気だったがどうなのだろうか。この映画でたけしらしさがいちばん出ているのはラスト近くのパチンコ屋で三浦友和が殺されるシーンの無音の演出。たけしはこのシリーズや「座頭市」で大衆的な娯楽映画もできることを証明していて、こういうたけし映画も嫌いではないのだが、個人的にはまた初期の作品のような静かな雰囲気の映画を作ってほしいと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-03 17:42:20)(良:1票)
859.  網走番外地 北海篇 《ネタバレ》 
今回は冒頭から刑務所が登場し、刑務所内での物語が展開するのかと思いきや、釈放された橘真一(高倉健)が千葉真一扮する刑務所仲間にあることを頼まれ、トラックで北海道の大地をゆくという内容。トラックに乗り合わせる人々の人間ドラマがそこそこ面白く、見ていてあまり退屈はしないし、健さんもいつもどおりカッコイイのだが、やはりアクション映画なのかロードムービーなのかややどっちつかずの印象が残る。今回も悪役は安部徹なのだが、中盤に登場する小沢栄太郎扮する親分に食われてしまっており、このシリーズで安部徹が演じる悪役の中ではいちばんしょぼく感じてしまった。前回登場した時には強烈な悪役だった杉浦直樹がトラックに乗り込むわけありの男を演じていて、前回よりは今回のほうが役柄的に似合っている感じがする。アラカンも前回のような貫ろくのある親分役もいいが、このシリーズでは鬼寅として登場するほうがしっくりする。映画としては物足りない部分もあるのだが、思っていたよりは面白かったので少々甘めかもしれないが6点。そうそう忘れていたが、ヒロイン役が大原麗子で、若くてあどけなさがありながらも既に後年の面影をどことなく漂わせていたのが印象的だった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-26 13:25:51)
860.  網走番外地 望郷篇 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。今回は「網走番外地」というよりは完全に「日本侠客伝」のような任侠映画のような雰囲気で、見ていて何か違和感を感じるものの、これはこれで面白い。橘(高倉健)と混血の少女との交流がいいアクセントになっていて、これが本作を印象に残るものにしていると思うし、健さんのカッコよさも前作より今回のほうが出ている。「七つの子」を口笛で吹きながら登場する敵側ヤクザの用心棒を演じる杉浦直樹のキャラがどこかぶっ飛んでいて、ここらへんがマキノ雅弘監督の任侠映画とは違う石井輝男監督の持ち味なのかもしれない。(石井監督の映画を見るのもこのシリーズ見るのも3本目なのであまり大きなことは言えないかも知れないが。)前作では全く刑務所が出てこなかったが、今回は1作目の回想というかたちで少し登場するのでちょっと安心。アラカンが前作までと違う役柄を演じているのは先週に前作を見たばかりのせいか、ものすごく違和感を感じたが、「緋牡丹博徒」シリーズ同様にこういう親分役の彼は様になっておりカッコイイ。ただ敵側の親分がまたしても安部徹で、そこに3作目にして早くもマンネリを感じ、すぐに4作目を見るかどうするか少々迷うところ。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-13 09:44:56)
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