861. 潜水服は蝶の夢を見る
このシチュエーションをこの角度(一人称)で現実に撮ってしまおうという発想が凄い。しかし、主人公の努力や業績とは別の次元で、作品の描写自体は、平坦で同じような流れで最後まで行ききってしまっているので、主人公以外の人たちがどこでどのように考えていたのかということについては、あまり浮かび上がってこない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-23 00:27:54) |
862. ミルク(アメリカ映画)
実際の資料関係が相当残っていたことは推測できるが、かえってそれに縛られてしまったのだろうか。ハーヴェイ・ミルクという人物が現実につい最近に存在していたことはよく分かっても、その中でどこを強調したいのかというところはもう一つ伝わってこなかった。ただし、ショーン・ペンの自然な存在感は実に見事としか言いようがなく、それだけで優に2時間分の濃い内容がある。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-19 01:27:15)(良:1票) |
863. 折り梅
《ネタバレ》 前半の段階ですでに、説明台詞とそのまんま台詞の連打連打に唖然。これでは問題設定がうまくいかない以上後の解決部分も光らないし、もちろん原田美枝子や吉行和子の演技力も空振りに終わってしまいます。後半は後半で、何かの拍子に芋づる式に全部が解決するという描写にしかなっていないので、ドラマとしての説得力がありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-12-15 01:28:23) |
864. イカとクジラ
奥の深そうなテーマに挑んだ心意気は買いたいが、やはり個々人の人格の背景にまで突っ込み切れているとはいえない。落ち着きのないカメラワークもマイナス。孤独感と渇望感の表現としてピンク・フロイドの"Hey You"に着目したセンスには+1点したいが、ちょっと露骨に使いすぎか。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-13 01:39:12) |
865. ホワット・ライズ・ビニース
《ネタバレ》 隣の夫婦に関してはすでに言われているとおりだし、途中の心霊関係の演出はまあまあだったものの、ラストの盛り上げ方は結局その辺のB級サスペンスと同じ。ハリソンが警察に電話をしようとする場面では、自分が自首すると見せかけて、実は犯人がミシェルであることを明らかにする(三角関係のもつれからミシェルが愛人を殺害したが、本人はそれを忘れていた)というオチだと確信していたので、ずっこけました(でも、そうでないと"You know"の説明がつかないと思うんですけど)。カメラワークはところどころ面白かったが、不必要なところまで凝りすぎ。最後に一瞬登場する「顔」に+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-12 00:00:47) |
866. 痛いほどきみが好きなのに
《ネタバレ》 主役のキャラクターに負っているところが大の内容なのに、肝心の主演の彼に魅力も存在感もないのが致命傷。脚本上は切なくてよい感じのラストのはずなのに、それが引き締まらずに終わっているし、脇役のサポートも生きていない。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-08 00:40:43) |
867. シリアの花嫁
《ネタバレ》 対象選定と設定の斬新さだけで5点。しかし、これだけぎりぎりのシビアな状況を描写しているはずでありながら、そもそも何で花嫁はこの人と結婚したいと思ったのか、というコアの部分の掘り下げが不足しているのが気になる。また、前半、未整理にたくさんの人々が次々に出てきたので、誰が何をしようとしているのかがよく分からなかった。最後のまっすぐに歩いていくシーンの単純な衝撃で大分得をしている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-04 02:51:21) |
868. いとしい人
ヘレン・ハントがあまりにも老けすぎてて、エネルギーが感じられなくて・・・その時点で説得力がありません。逆に、ベット・ミドラーは、抑えてるのは分かるんだけどそれでもパワーがありあまってて、こちらもミスキャスト。それに、この主人公は何がしたいのか、結局よく分かりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-21 23:56:49) |
869. ペイチェック 消された記憶
もっともらしくいろんな画面をちりばめてくるわりに話の内容はまったく大したことがないので、見ていてストレスが溜まる。ユマ・サーマンも、この場合はいてもいなくても同じなんでは・・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-20 23:24:35) |
870. サラバンド
何か深いものがありそうな雰囲気は感じられるのですが、ほとんど表情と台詞のみの描写で延々と2時間もやられると、その間はやはり苦痛でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-11-17 03:48:57) |
871. パッション(2004)
ひたすら残酷映像続きだけの内容だったらどうしようと思っていたのですが、確かにリンチ描写は恐ろしく凄惨であったものの、それだけに終わっていないところが、作品としてのインパクトを高めていました。特に、身柄拘束後のイエスが、毅然として粛々と磔に至るのではなく、むしろ弱々しく追い詰められた表情を終始示しているのが印象的でした。技術的には、エキストラの使い方の上手さを評価したい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-13 01:50:36) |
872. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 バレエが大好きな子が初志貫徹して頑張りました、と一言でまとめられてしまう内容なのだが、分かりやすい盛り上げを抑えて淡々と主人公の周辺生活の描写に徹しているのが良い。通知書を主人公が開封しているときの、別室での家族の表情と仕草が印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-04 01:41:20) |
873. インサイド・マン
《ネタバレ》 デコレーションの部分でいろいろ頑張ろうとはしているのだが、肝心の骨のところに特筆すべき点がないので、拍子抜け感だけが残ってしまう。豪華キャストが目眩ましに見えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-01 01:39:09) |
874. 瞳の奥の秘密
サスペンスの部分とロマンスの部分が高濃度でブレンドされて相互に上手く作用し合っている、なかなか稀有な作品。南米版「刑事ジョン・ブック」と言ったら褒めすぎか。内容を的確に象徴した原題および邦題も優れていると思う。 [映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 22:15:19) |
875. パニック・フライト
《ネタバレ》 前半にしても後半にしても、割とチマチマした空間で攻防が展開されるのであるが、手を拡げすぎず、単純なやりとりに徹しているのに好感を持った。心理戦の要素をもう少し入れてくれれば、まだ良くなったとは思うが・・・。レイチェル・マクアダムスは、久々に、「怯え顔が上手い女優」だと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2010-09-25 03:07:47) |
876. ボーン・スプレマシー
ジョアン・アレンが出てしまうとですね、すべての作品中のポイントが彼女に行ってしまうのです。どんなカーチェイスよりも銃撃戦よりも、彼女1人の存在感の方が上です。 [DVD(字幕)] 5点(2010-09-19 23:50:14) |
877. ボーン・アイデンティティー
アクションもカーチェイスもどうでもいい。「記憶の欠如」が出発点である以上、そのギャップと、それが解き明かされる快感で話を引っ張ってほしいわけです。多少はその辺も配慮した形跡はあるが、まだ不十分(「まず、逃げ道を確認してから席に座る」などという無意識の習性も、台詞以外の方法で表現してほしかった)。ほとんど台詞がないのに妙に存在感のあるジュリア・スタイルズに+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2010-09-15 02:24:23) |
878. 理想の女
もっとどろどろしまくりの内容を期待していたのに、大半のシーンが半説明的な会話が繰り広げられるにとどまっており、心理の動きが観念的にしか描かれていない。スカーレット・ヨハンソンも、あまり表情が生きていないような・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2010-09-04 23:50:37) |
879. 世界で一番パパが好き!
《ネタバレ》 今どき映画でここまでやらないだろうとつい思ってしまうくらい、何のひねりもない予想通りのストーリーなのですが、会話の節々はきちんと練られているので、退屈することなく楽しめます(エロトークや危険トークも満載)。ただし、住民相手のスピーチの場面は、音楽でごまかしたりせずに、きちんと脚本を書いてほしかった。あそこが一番の転機点なのですから。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-23 00:58:39) |
880. 約束 ラ・プロミッセ
老人の、ムッと押し黙っている(ように見える)外見と、ひたすら愚痴り続ける内面の独白のギャップが面白いです。少年の無茶な行動を何だかんだいいながら受け容れているまわりの大人たちも素敵です。老人の妻や少年の母、看護師や医師などは、もう少し活躍の余地はあったというか、もっとやりとりを見たかったという気もしますが、これくらいのあっさり風味がちょうどよいのかも。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-22 00:14:56) |