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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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861.  マタンゴ 《ネタバレ》 
「ゴケミドロ」と並んで自分の中に原初的な恐怖を刻んでいた作品ですが、観直して後悔。こんな情けない脚本だったのかという想いです。遭難した男女7人のエゴが描かれるのだけど、そのエゴの先にマタンゴの存在が絡んで来ない。詰めの甘さを感じます。キノコを食べてマタンゴ化した奴らが食べていない者を襲う理由も分からない。それは登場人物のエゴとは繋がらない。キノコを食うことを一種のドラッグに喩え、都市生活の享楽によって堕落した者とイメージを重ねたかったようだけど、時代の違いもあって共感に至らない。どうも根底には、ブルジョアに対する一般人の卑屈でネガな感情があるように思える。金持ちは勝手にいがみ合ってマタンゴになっちまえーっていうような…。でも、ヨットで遊ぶ金持ちを堕落の象徴にしたら、若大将@加山雄三は真っ先にマタンゴ化するよ。「ゴケミドロ」は観直しても価値を損なわなかっただけに、大切なものを失った気分でした。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-06-20 00:19:58)
862.  夜のピクニック 《ネタバレ》 
偶然、同じ高校に入学した異母兄妹はお互いを強烈に意識しながらも会話できなかった。大人たちの都合を背負うには、若すぎたのでしょう。二人が通う高校の伝統行事「歩行祭」。1日かけて80キロを踏破するその行事は高校生活における非日常。合宿の夜や、体育祭後のキャンプファイヤーなどと同様に青春の匂いに満ちている。その行事が醸す空気と友人たちの協力を得て二人は高い壁を乗り越えた、って普通に話すだけなんだけどね。映画を一本使い、80キロを歩いて辿り着くの場所が極めてパーソナルな関係の正常化だけですが、そのチマチマ具合にとても大切な青春の断片を観せてもらいました。原作も読んでいますが視点の置き所が秀逸だと思います。■本作は特別な思いを持って接した作品でした。私が通った高校にも同様の行事があったから。そちらは真冬の夕方に出発し、徹夜で50キロを歩いて翌朝に校庭へ帰還する。特徴は折り返し点が山頂にあること。つまり、深夜の山登り付き。「歩行祭」じゃなく「夜行登山」ってネーミングでした。学校行事というより生徒会行事で2年生限定の自由参加だけど、7割くらいの生徒が参加していた。あの高校の出身者が本作を観たら、間違いなく母校の行事を思い出すでしょう。時間をかけて体力を削る行事って、個々がそれぞれに意味づけすることに意義があります。本作はその感触を再現してくれていて、なんだか嬉しかったです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-06-19 23:49:33)(良:2票)
863.  ユニバーサル・ソルジャー 《ネタバレ》 
当時としてはハイテク部隊的な見せ方にしたかったのでしょうが、全く普通の兵士にしか見えないところが鑑賞時期を逸したツケでした。でも、80年代末に「攻殻機動隊」の原作が描かれていることを考えると、決して先進的な描写だったとも思えない。表情を出さずにダイニングで飯を頬張るヴァン・ダムの微妙な可愛さが笑いどころなのでしょうが、自分は狙ってやっているところが鼻に付きました。ヒロインの魅力の無さも痛いところ。部隊員や関係者を次々に殺し、要冷蔵で血清が必要なヴァン・ダムをひとり生き残らせて放り出す。この無責任な終わらせ方にエメリッヒの個性が良く出ています。特筆すべきはドルフ・ラングレンさん。この迫力は凄いですね。ご本人はとても頭の良い人らしいけど、そんなことをちっとも感じさせないおバカな悪役ぶりに痺れます。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-06-18 22:48:45)
864.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
このサイトで高い平均点を維持しつつダントツのレビュー数を誇る。最高の映画の一本なのだろう。ちょっと難癖をつけてやろうと久々に見直したら、悔しいことにまた感動してしまった。粗が見当たらない。強いて言うと、あの所長があっさり自殺しちまうところが面白くないんだけど、減点するほどのことでもない。絶望的環境の中で希望を持ってしまったら、希望自体がその人を押しつぶす。何度も仮出所申請を拒否されたモーガン・フリーマンの言葉には説得力があります。その間、ティム・ロビンスはポスターの向こうにせっせと穴を掘っていた。ちっぽけな道具と要した年月を考えると、せっせと、なんて形容はもちろん正しくないが、その作業こそが希望です。つまり希望とは概念として「持つ」というより「育てるもの」なのですね。図書室の本を増やすために手紙を書き続ける、若者に高卒資格を取らせるために手ほどきする。主人公の行動には、「アクション=希望」という一貫性がありました。その一方で穴掘りの苦労を一切見せないことがラストで絶大な効果を発揮します。穴を隠すポスターは、リタ・ヘイワース、マリリン・モンロー、ラクエル・ウェルチと代替わりします。彼女たちは、希望の象徴であり、守り神だった。まさに女神。ちなみに、私はラクエル・ウェルチ派です。
[ビデオ(吹替)] 10点(2011-06-18 20:16:36)(良:1票)
865.  ウィンブルドン 《ネタバレ》 
私のHNの前半分は引退したテニスプレイヤーから頂戴したもので多少はテニスを嗜みますが、その種の人が観ると「どうなんだ?」って部分が多い映画であることは確かです。2週間のトーナメント期間中に夜這いまでやらかす杜撰な自己管理はトーナメントプロが見たら怒るでしょう。フェデラーは決勝までの時間を使って体調をピークに持って行くことに腐心するって言ってます。プレイの方もCGでボールを描いてそれらしくカタチにしているけれど、素振りにボールを書き加えているのが丸わかりで興ざめでした。トーナメントって無条件に喜べる人は参加者中に一人しかいない残酷な闘いで、恋愛のウキウキ気分で勝ち残れるほど気楽なものではない。テニスを扱った映画が少ない中で、そのあたりをもうちょっと真面目に描いて欲しかった。こりゃ、テニスファンの意見ですね。このヒロインは嫌いですが、真面目な顔をせずに笑っているだけなら多少は観られると思いました。勝つことへの執着と目付きの悪さがシャラポワに似ています(←これ、褒めてませんので…)。マッケンローとエバートの解説は自分も含めて往年ファンへのサービスでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-06-14 22:02:17)
866.  ファイナル・デスティネーション 《ネタバレ》 
オープニングはB級臭がプンプンと漂っていたけれど、そのうちに引き込まれて行きました。主人公が運命(あるいは死神?)から逃れるために何をするのか、という部分が興味深かったです。尖ったもの・電気で動くもの・液体状のものが危ない。文明社会で生活するなってことですね。最初はボンクラに見えた主人公の顔付きが最後は凛々しく見えるあたりがちゃんと演出されていて感心しました。自分なら健康診断の血圧とかコレステロール値がフラッシュバックしそうだ。主人公は若者限定ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-12 20:49:04)(笑:1票)
867.  デッドコースター 《ネタバレ》 
前作の主人公があっさり死んでいることに感心。ただ一人生き残っていた前作のヒロインも予想に反して終盤で落命。この思い切りの良さがこのシリーズの特長でしょう。死から逃げる究極の方法は「死んだフリ」でした。世の中の事故死は、実はすべて繋がっていると解釈できる構成はスケールが大きいんだけど、自分の死を想像するほど怖くはない。どちらかというと、テレビ局の車に轢かれかけた少年の死が怖い。いちど死にかけた人には死亡フラグが立っているってことだから。自分の過去に照らして、ヒヤっとした経験が「死にかけ」だったのどうかが気になりますなw。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-12 20:46:23)
868.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
原作は未読ですが、前半は記号学者でもあるウンベルト・エーコらしい組み立ての推理劇で、名探偵さながらに理知的なショーン・コネリーの好演が光ります。でも後半は少しトーンダウンしました。事件の謎は解かれるが、その原因となった禁書が焼失するドタバタの中で濁流に流されるように終幕する。キリスト教の教義に関わる内容なので、証拠を残さないフィクションに収める必要があったのでしょう。願わくばショーン・コネリーの謎解きで、これぞ快刀乱麻って具合にまとめて欲しかった。まぁ、ジャン・ジャック・アノー監督はそんなタイプじゃないんですが。この監督の映像の多くは、その土地の土が匂っているような錯覚を覚えます。本作はそれが顕著でした。男しかいない修道院の不健全な空気や、薄汚れた衣類など、たぶん中世ってあの通りの見え方だったと思う。それが冷たく湿った土の匂いと一緒に世界観としてまとまっている。いかにもペストが流行して人が死にそうな印象です。その不潔感だけでも観る価値はありますね。「薔薇は神の名付けたる名。我々の薔薇は名も無き薔薇」という意味深なテロップで映画は終わります。この言葉は、原作的には中世の論争にまで遡る思索的意味合いが込められているらしいのですが、映画を観る限りは宗教教義の建前と現実世界との乖離を表現していると解釈しました。劇中の魔女裁判的な異端審問が良い例です。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-06-12 08:58:51)
869.  アウトレイジ(2010)
どんな組織にも世代交代はある訳で、これはそのヤクザ版。日常業務の延長上でやっているような雰囲気なので、新陳代謝って言葉も浮かびました。出演陣は全員に見せ場があり、ヤクザ稼業が個性的に演じ分けられていて楽しめる。しかも、みんなカッコいい。國村隼や石橋蓮司の格好悪さもカッコいい。音量を大きくして5回観たら、その筋の人の恫喝に対する免疫力がアップします。たぶん。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-06-11 21:16:51)
870.  エイリアン
高校時代、友人と二人で劇場で観ました。席を立って逃げ出したくなるような怖さを感じたのは、後にも先にもこの映画だけです。ジョン・ハートの顔にアレが張り付くシーンに仰天し、友人がどんな顔をしてるか見てやれと隣を伺ったら、彼もこちらを見ていて目が合った。上映中に男同士で見つめ合った映画でした。もちろん、恐さという意味ではそのシーンは序の口で、どこから襲ってくるか分からないエイリアンに乗組員と一緒に神経を擦り減らし、劇場を出たときにはぐったり。同時に危険な宇宙から無事に生還したような安堵感も覚えました。「SF映画」で重要なのは、それらしい大嘘(fiction)をひとつ捻り出し、それ以外の描写はリアル(science)を追求すること。この映画の嘘はエイリアンの存在だけ。それ以外はもの凄く「らしく見せる」ことに腐心している。本作の描写の真実味はエイリアンを怖く見せる演出とも言える。良くできたSF映画は同じ特徴を持っている。モノリスやレプリカントで嘘を付く映画が好例です。SFという概念を自由度の高い設定や嘘の免罪符と勘違いしているSFモドキはたくさんある。しかし、SFとは本来、緻密な表現の中で初めて成立するジャンルだと本作を観ていて思う。10点はSF映画としての完成度に付けた点数です。当時、この映画に続いて「ブレードランナー」を作ったリドリー・スコットの慧眼には感服しています。
[映画館(字幕)] 10点(2011-06-10 02:21:46)(良:3票)
871.  9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~
変な人形の一人称視点で世界の変化を見せる序盤はそれなりに引き込まれた。人形の造作からして特異な世界観を醸している。でも、それで終った映画でした。機械ビーストと戦闘を繰り広げること以外にメッセージが無い。ちゃんとオチを付ければ作品の奥行や完成度が高まるような設定を無駄にしてますね。まぁ、元々が世界観だけを見せる映画だったのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-06-09 22:01:58)(良:1票)
872.  トランスフォーマー/リベンジ
機械生命体同士のバトルは明らかに前作よりパワーアップしていて迫力満点。軍隊が関与することで戦闘機や爆撃機がたくさん飛び交い、ミリタリー好きが狂喜する映画になった。まさにロボットアニメの実写版ですね。それも「エヴァンゲリオン」じゃなく「マジンガーZ」の世界。理屈はいらん。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-09 21:21:51)
873.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
映画の世界では、悪人は簡単に人を殺す。そしてヒーローも簡単に悪人を殺す。2時間で終わる映画にその後があったなら、登場人物たちはそのままの人生を送れるのだろうか? 本作は彼らのその後を描いた、言わば娯楽映画の裏側を見せるような作品でした。それぞれに過去がある登場人物たち。昔の栄光にすがっている賞金稼ぎ。正義という大義に依存してやりたい放題を続ける保安官。そして、過去の悪行が呵責となっている元極悪人。彼らはそれぞれに「許されざる者」だったと思う。だた、元極悪人のイーストウッドを「許されざる者」と呼ぶとき、それは断罪しているのではなく、悔恨を背負った状態を指した言葉でした。死んだ奥さんとの生活が自分を更生させたと、まじないを信じるように言いすがる。「俺は変わったんだ」。そのしつこさにガンマンのカッコ良さは微塵もなく、自身の肯定や自己憐憫は哀れでさえある。しかし少なくとも、悪に対して粛清意識が暴走する保安官よりは共感できる。イーストウッドが過去に演じたガンマンを普通の人にしてその後を覗いたら、地味でも深い物語が姿を現した。監督としてのイーストウッドの作風が変化して行く出発点が本作だったと思います。主人公像の変化を俯瞰した時、「荒野の用心棒」と本作、そして「グラントリノ」は一直線に並ぶ作品という印象です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-09 21:10:06)(良:2票)
874.  俺の空だぜ!若大将 《ネタバレ》 
シリーズも終盤に差しかかっているのだけど、これは随分と散漫なストーリーだった。主人公はデベロッパーの地上げ担当。実家近くの風呂屋の立ち退き交渉を始めるが、上司の青大将(田中邦衛)と喧嘩して会社を辞めて途中で頓挫。でも、風呂屋で働いていた酒井和歌子とは付き合いが続くあたりが釈然としない。親父が先物取引で他人に負わせた借金に責任を感じて、好きでもない富豪の娘から申し込まれた結婚話で真剣に悩んだりする。大学生をやっていた頃は、あり得ないくらいに「悩まない人」だったのにね。大人になったとも言えるが、世間の垢から自由ではいられない立場はこのキャラクターらしくない。「ウルトラセブン」でアンヌ隊員役だった菱見ゆり子が青大将の秘書で出演しているが、色気を強調したゲテモノ扱いだったのがとても残念。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-06-09 09:47:12)
875.  桜田門外ノ変 《ネタバレ》 
う~ん、これは何がしたかったのかな? 未読だけど吉村昭の原作なので、ある程度はドキュメンタリー的に進むとは思っていたがここまで芸の無い仕上がりになるとは…。平坦に歴史をなぞっているだけだ。幕末の動乱は池田屋や禁門の変に始まる長州藩の受難が一般的に大きく扱われるが、確かにその引き金は水戸藩尊王派が中心になった桜田門外だったのだろう。暗殺後の水戸藩内の粛清がメインストーリーだが、それを訥々と見せられても特に感慨はない。実行犯の首謀とされる関鉄之助の逃亡も地味で長い。鉄之助のキャラ描写にも魅力を感じない。いや、誰一人として魅力的と言えるキャラがいなくて、率直に退屈だった。あの暗殺が弾圧に対する報復と云うより革命的な思想を持っていたことは分かったが、やはり藩主の失脚に対する復讐色も強く感じられて、無血で大政奉還を目指した坂本龍馬らの革命と比べると思想的なレベルが低いことが分かる。つまり「桜田門外」はセンセーショナルではあっても魅力的な事件ではない。そういえば司馬遼太郎先生が、暗殺による改革は精神的に後ろ向きで暗いと仰っていた。だから、本来はエンターテイメントであるはずの映画とはマッチしない題材だと思うし、バカ正直に何の工夫もなくフィルムにしたら退屈なものになるのは必然だろう。ラストカットが現代の桜田門から国会議事堂へPANする。この事件を経て今の日本があるとでも言いたかったのだろうか。なんたる安直で浅はかな演出だろう。議事堂が映った瞬間、私には我国の情けない代議制民主主義が浮かび本作のテーマが迷走した。この感覚は私だけかもしれないが、この監督のセンスとは全く相容れない。
[映画館(邦画)] 3点(2011-06-08 23:57:19)
876.  丑三つの村 《ネタバレ》 
山間の村で秀才として持てはやされて、多少いい気になっていた主人公の境遇が、徴兵検査で結核と診断されたことを境に180度転換する。周囲の評価が一変し、役立たず呼ばわりされる。夜這い相手の女性たちからも煙たがられる。自尊心が邪魔をして、事あるごとに村の慣習に抵触して行く。思い通りにならない肉体への焦燥や、やりたい放題だった夜這いがままならない性的不満、その夜這い相手からも馬鹿にされる屈辱などと並行して、いわゆる村社会に於いて主人公が居場所を失ってゆく過程がじわじわと描写されて行く。未来にも絶望した主人公は、彼を蔑ろにした村人を標的に、村を戦場に見立てて出撃して行きます。彼自身も含めた村全体の破壊で閉塞状況を精算しようとした主人公の選択はまさしく狂気です。しかし、村社会が持つ因習への反発や、鬱々としたエネルギーの放出という意味で、当時の自分は主人公の行動に激しく共感してしまった。その共感深度の10点です。性描写と暴力表現が突出しているのでそこに目が行きがちですが、自分にとっては鮮烈な青春映画でした。ちなみに、何名かの方が勘違いされていますが、この映画は成人指定を受けています。性描写ではなく凄惨な殺人シーンが引っかかったと記憶しています。古尾谷さんが亡くなられたときは、この映画のラストシーンが目に浮かびました。
[映画館(邦画)] 10点(2011-06-08 22:48:43)(笑:1票) (良:4票)
877.  おしゃれ泥棒 《ネタバレ》 
やっていることは泥棒でも動機に同情できるから悪事に見えない。そこが肝ですね。30代後半のヘプバーンはさすがに可憐という感じではないけれど、可愛さを残した大人の女性も悪くない。掃除用具入れの鍵を内側から開けるシーンには感心。徹底したアナログ手法が、昔に観た時より新鮮に映りました。その鍵開けも含めてセキュリティ技術が進んだ現代では作れないお話に、古き良き時代の優雅な空気が感じられる。それがこの邦題と絶妙にマッチしています。泥棒がおしゃれでいられた時代という意味で、当時より今の方が邦題の価値が増していると思いました。
[地上波(吹替)] 8点(2011-06-08 01:14:37)(良:1票)
878.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
序盤の交通事故から累積して行く不可解が自分には良い具合にサスペンスフルで、それを回収するためのオチも悪くないと思いました。物語に都合の良い記憶の欠落は「昏睡の後は記憶が混乱する」と医者に言わせたことで解決なのでしょう。暗殺集団の兄ちゃんたちのモタモタも、最初は主人公を殺さずに動きを封じることを目的にしていたと考えると説明がつく。辻褄はあっていると思う。でも、主人公が自分が何者かを思い出してからの展開に大きな疑問符が付き最後まで尾を引きました。周到に練った計画の首謀者が、その計画を思い出した途端に阻止する側にまわる理由が分らない。その変心に納得の行く理由があれば相当に高く評価できたが、当たり前のように正義の味方になったのはご都合主義というより不可解です。そこで大きく減点はしたけれど、それでも最後まで退屈しなかった流れは評価します。ダイアン・クルーガーはやっぱり美しい。「あの美人に惚れたから」でも十分な変心理由になるとは思うけど、そんな描写は無かったものね。
[映画館(字幕)] 5点(2011-06-07 20:22:39)(良:2票)
879.  プリンセス トヨトミ 《ネタバレ》 
原作は読んでいませんが、映画を観る限りはかなり無理があるお話で、テーマというか物語の焦点も定まっていないという感想です。豊臣家に生き残りがいて、それを大阪市民(府民?)が匿い続けていた、というのは別に良い。地下組織なので「人知れず」なのが普通です。でも、そのことと「大阪国」との間に必然を感じない。大阪城が赤くなったら、豊臣の子孫を守るために団結せよと父から伝えられた人たちがひょうたんをもって府庁に集合する。それで何をするつもりだったのか? ほとんどの人は姫様の顔も知らないのに。年間5億の資金が何に使われていたかは説明されないが、仮にOJOが無くなっても子孫を匿うことくらいは出来るでしょう。綾瀬はるかが姫様を連れ去ったのは、やくざの事務所へ殴りこもうとした彼女を止めただけです。それで決起が起こるような見え方でしたが、姫様の携帯に1本電話を入れれば所在くらいはすぐに判明しますよ。あんな事であたふたする組織で、よく何百年も活動して来たよね。さして緊張感も無い状況のなかで大袈裟な事態が進展すると、見せられる方はとどんどんシラケて行きます。文化や気質という意味で大阪は確かに特殊な存在感を放つ土地ですが、中味のない大阪国には、大阪に住む方々の方が「そんなアホな」って想いじゃないでしょうか。父と子の関係に割り切ってストーリーを作った方がまだ観られたと思います。機能停止した大阪市街を走る綾瀬はるかには眠気も吹っ飛びましたが…。
[映画館(邦画)] 2点(2011-06-05 13:55:12)(良:1票)
880.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 
長いあいだ住宅ローンを返し続けていると、なんとか踏み倒せないものかと考えるときがある。本作はそんな庶民願望を見せてくれる傑作である。な~んて思ってたら世の中そんなに甘くないねぇ。本社に押し入りシステムを破壊するのかと思ったら、移植臓器をスキャンして債務データを消去するだけ。やっぱり借金を抱えている奴は卑屈でケチ臭い。対価を払わずに高価なものを入手するとリスクが付きまとう。そんな現代社会の当たり前を大袈裟に見せてくれました。借金は真面目に返しましょう。そう言えば彼女は女性器を移植したって言ってなかったか? スキャンし忘れてるよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-04 14:23:39)
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21316.16%
32069.69%
432315.19%
548322.71%
636917.35%
728213.26%
81758.23%
9733.43%
10221.03%

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