901. 21グラム
《ネタバレ》 脇役も含めた俳優陣の演技は十分なA級レベルで、それだけで見る価値あり。時系列操作については、ところどころやり過ぎな部分もありますが、全体として、登場人物の心理的混乱を表現するために巧く機能していると思うし、これだけいじりながらストーリーのポイントとなるべき部分を織り交ぜて分かりやすく編集しているのは見事です。全体の流れを知ってもう一度見直すと、さらに楽しめます。ただ、尺はもっと短い方がよかったかな。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-07 02:17:10) |
902. ラブソングができるまで
《ネタバレ》 まるでG.I.オレンジかカジャグーグーかといいたくなるような超ださかっこいい頭のビデオで爆笑(歌いながらのインチキ寸劇もツボ)。ついでに、途中の同窓会(?)でヒューが歌う曲は、ワム!の"Careless Whisper"のパロディでしょうか?ラストの決めの曲も、歌詞も楽曲も作品内容に適合した良い曲です。と、音楽的には文句のつけようがないのですが、マーク・ローレンスって、いい台詞やいいシーンを作る力はあるのに、全体を一貫させるような演出力とか構成力がないんですよね。で、せっかく何か所でもクスッと笑えたりじーんとしたりするのに、それが持続しないのです。特にこの作品では、本来重要な働きをすべきサブキャラ(マネージャーとかドリューの姉とか)の存在感不足が痛い。それと、演技部分でのヒューのやる気不足が窺えるのも気になります。一応、ラブコメの王道ストーリーでまとまっている部分を評価して5点、音楽部分に+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-28 21:29:46)(良:1票) |
903. カオス(2000)
《ネタバレ》 歌野晶午という人は駄作率の非常に低い作家なのだが、そんな中でこのつまらない原作を何でわざわざ選んで映画化するのか、その時点で製作者のセンスを疑ってしまうわけなのだが、そこでさらに、ポイントの場面を矮小化もしくはカットして、どうでもいい部分を延々と流してぐしゃぐしゃにしてしまっているのだから、もうどうしようもない(ところで、あの子供は何の意味があったの?)。大体、舞台裏(真相)の部分を途中からあんなにばらしてたら、サスペンスとして成立しないでしょうに。主人公2人も、人格や背景の表現などまったくなされてない単なる操り人形です。とにかくひどすぎ。 [DVD(邦画)] 1点(2007-04-27 00:12:00) |
904. 永遠のモータウン
普段接したことがないジャンルの音楽なので、新鮮味があってそれなりに楽しめました。ただし、私が一番印象に残ったのは、歴戦の老士を前に回して一歩も負けないジョーン・オズボーンの凜としたスター性。これほどの人とは思ってなかったので、ちょっと見直しました。あと、ドキュメンタリーとしては、年月その他の数字データだとか、いろんな出来事の客観的叙述の提供がもう少し欲しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-04-18 01:33:48) |
905. ダミー
似た設定の話が、漫画の「死神くん」にもありましたね。モテナイ君の切なさ・やるせなさや、人々の心の優しさみたいなのが程よく表されていて、意外に良かったです。笑わせるところでの微妙な間やタイミングもセンスが良くて好印象。ブロディとジョヴォヴィッチの関係はもう少し切なくできたような気もするけど、まあいいか。それにしても、ブロディのガリ勉眼鏡のオタク面は、はまりすぎ。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-15 21:39:24) |
906. プレッジ
《ネタバレ》 静謐ささえ漂わせながら、じわじわじわじわとラストまで一本の筋でつないでいくショーン・ペンの手際はなかなかのもの。ただ、あのラストにするんだったら、もう少し伏線の張りようはあったと思うけど。●それにしても、デルトロやクラークソンはまだしも、レッドグレーヴやミッキー・ロークやヘレン・ミレンの贅沢な使い方にはびっくり。ただ、わざわざそうする意味があったのかと言われれば、特になかったような気もするのだが。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-14 21:27:50) |
907. プルーフ・オブ・ライフ
《ネタバレ》 交渉のシーンとか、脱出未遂シーンとか、最後の突入シーンとか、切れのある部分もあるんですよ。が、あっちこっちに出てくる説明台詞が足を引っ張ってたり、繊細な演技ができないメグがお人形さん状態になってたり(その分、前半ではパメラ・リードに負担がかかって、変にハイテンションになっている)、どうもうまくまとまってないのです。あと、前振りも長くないか?(クロウが前置きを終えて交渉開始にスタンバイするまで、50分くらいかかってますね) [DVD(字幕)] 5点(2007-04-09 02:31:43) |
908. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 変なアドベンチャーもどきだったら嫌だなあと思っていたのですが、予想外に社会性とエンターテインメント性を両立させた好作品でした。ほとんど出っぱなしながらテンションがとぎれないレオのスタミナはさすがですね。変に有名監督とか豪華キャストに囲まれていないときの方が、彼は良い演技をしています。ただし、作品としては、同じような演出が繰り返されている部分があるのと、ラストのロンドンのシークエンスが蛇足っぽかったのがちょっと残念です。 [映画館(字幕)] 7点(2007-04-07 22:39:42) |
909. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
素朴な疑問ですが、このシリーズって、どれもこれもどうしてこんなに尺が長いんでしょうね?一つ一つのシーンが無意味に長く、テンポも悪いし、何が表現したいのかも分からなくなっています。私にとっては、スネイプ先生の変な渋さくらいしか見所がありませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2007-04-07 22:30:14) |
910. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
タイトルからして、華麗に空を駆け回る爽快なスカイ・アクションを勝手に想像していたので、あまりにも汚い画質にがっかり。途中で気分が悪くなりそうでした。主人公2人のやりとりも、どこかで聞いたようなものばかりで、わざわざこの2人を投入する意味がまったくありません。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2007-04-03 03:28:38) |
911. レクイエム・フォー・ドリーム
《ネタバレ》 中盤までは同じような映像の繰り返しでそんなに面白いとは思わなかったのですが、ラスト15分のインパクトはやはり強烈だったので+1点。ただし、各登場人物(特に母親)の「元の比較的まともだった頃」をきちんと描いておけば、ラストの意味合いもさらに重いものになっただろうにとは思う。最初からみんなちょっと変なので、せっかくのドラッグ描写にも「そりゃそうなるだろうな」という感覚が残ってしまうのです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-26 00:56:53) |
912. ホリデイ
《ネタバレ》 ナンシー・マイヤーズって、ほんとに想像力が貧困なんだなあということを改めて実感しました。せっかく大物女優2人を揃えたのだから、両ヒロインの人格設定やたどる道筋をきちんと対比させれば、いくらでも深みが出てきそうなのに、両方とも工夫なく同じように予定調和的にラストに向かっているだけ。また、ジャック・ブラックをラブコメに出させるという偉業を成し遂げていながら、その使い方を全然分かっていないため、持ち味がごく一部しか発揮されていません。結局、カップルをわざわざ2組出す意味がないのです。脚本で面白いと思ったのは、電話が交錯するシーンくらいでしょうか。各俳優の強力な存在感により、一応作品としては成立しているので、この点数。 [映画館(字幕)] 5点(2007-03-25 02:02:38)(良:2票) |
913. ヴァン・ヘルシング
怪物たちとの戦いは、同じようなやりとりの繰り返しでだらだらしているだけだし、主人公には特段の技術も面白みもないし、ヒロインはなんかくたびれてるし、映像はごちゃごちゃしているだけだしで、どこを見ればいいのか分かりません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-03-21 12:42:52) |
914. 華麗なる恋の舞台で
アネット・ベニングが99年に続いてオスカーレースでヒラリー・スワンクに敗れたときはかなり同情したが、内容を比較してみると、これはもうヒラリーの圧勝ですね。アネットの演技力以前に、脚本が杜撰すぎて、ありがちシーンと陳腐台詞の連続で、演技者の実力の発揮のしようがありません。辛うじて、クライマックスの舞台演技の部分が印象に残る程度かな。チャールズ卿やドリーの登場も、無理矢理くっつけたみたいな感じで、かりにいなかったとしても話が少しも矛盾しません。また、このようなどうみてもハリウッド流のベタなラブロマンスで、監督がイシュトヴァン・サボーってのも謎。 [映画館(字幕)] 4点(2007-03-20 01:05:43) |
915. ディパーテッド
こんな作品でオスカー獲っちゃって、スコセッシは内心どう思っているのだろうか?レオとマットはその場その場のシーンを力技で乗り切っているだけで、人格や思索の表現にはまったく至っていないし、ニコルソンは前後の流れをまるで無視して勝手に1人で暴走してしまっている。今挙げた誰のキャリアにとっても、それほど意味がある作品とは思えません。ただし、そんなとりとめのなさを前提としながら無骨に何とか全体をまとめようとするスコセッシ的雰囲気は感じられるので、その観点からは楽しめなくもない。で、全然関係ないけど、途中でちょっと流れる"Comfortably Numb"、ロジャー・ウォーターズの90年のベルリン・ウォール・ライブのテイクですよね?(客演はヴァン・モリソンとザ・バンド!)それと、ニコルソンが最後の取引現場に赴くときのケルティック・ブラックな曲が印象的だったのですが、あれは誰の曲でしょうか? [映画館(字幕)] 6点(2007-03-18 21:03:03) |
916. ブレス・ザ・チャイルド
それっぽく盛り上がりそうでありながら、最後まで盛り上がらない。それは、せっかく天使だ悪魔だというのを入れ込んでいながら、通常のサスペンス・アクションの枠内をまったく出ていないからです。こういう話は、はったりでそういう要素をむき出しにしながら、しかもそれが一般社会に融合しているという高度なテクニックとバランスが必要なんですけどね。ヒロインをサポートするのも、刑事そのまんま(しかも真面目刑事顔のジミー・スミッツ)とかではなく、何らか宗教関係者を持ってくるべきでした。 [DVD(字幕)] 3点(2007-03-10 00:01:01) |
917. クローン
《ネタバレ》 主人公がひたすら追いつめられて逃げ回っているだけなので、スリリングさが少しもない。近未来の設定なのに、やたら演出が過去の定型パターンなのも失笑。ラストの荒技は単純で面白かったので+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2007-03-07 01:15:44) |
918. ミレニアム・マンボ
《ネタバレ》 アホ女とアホ男のどうでもいいようなやりとりを延々と流しているだけの作品。ナレーションの三人称形態も趣旨不明。終盤の「誰もいなくなってから」の切なさに3点。 [DVD(字幕)] 3点(2007-03-03 01:04:51) |
919. ウェルカム トゥ コリンウッド
尺も短く、内容的にも馬鹿馬鹿しく笑える話のはずなのに、驚くほどテンポが悪くて長く感じる。 [DVD(字幕)] 4点(2007-03-02 20:18:24) |
920. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 タネを知ってしまえば何ということはない話なのですが、そこかしこに伏線やミスリードを詰め込んでやろうという制作者の気合の入った姿勢が嬉しい。また、ネタの「割り方」についても、前後の演出を含めて何とも美しく、単なるアイディア一発ものというレベルを超えた面白さを秘めています。オマケのオチでさっと落とす締め方も格好良い。惜しいと感じるのは、これだけの内容なら、90分で慌ただしく駆け抜けるのではなく、もう少しいろいろ見たかったということ。主人公が自分の過去を語るような「もっともらしいシーン」がもっとあってもよかったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-23 21:45:21) |