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プロフィール
口コミ数 1335
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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921.  チェケラッチョ!! ネタバレ 
若い連中がバカをやらかす映画は嫌いなので、これもその類かと思って期待度が低かったが、実際見れば男どものバカさ加減も適度で心地いい。女子が暴力的で男子が抑制気味というあたりでバランスが取れていた気もする。けっこう笑える場面も多く、自分としては教員が生徒に「恋は遊びですか」と聞かれて否定できない構図が面白かった。 全体としては若年者の成長物語の形になっていたようだが、個人的にはたまたま最近見た「ウォーターボーイズ」(2001)と同様に、努力の部分はほどほどにして根性モノの印象をなくしておいて、専らラストで盛り上げるパターンかという気もした。ただ終盤の盛り上がりもほどほどだったため、最終的にもほどほどに心地いい映画という印象にとどまっている。娯楽としての基本は押さえてあるように思ったが、TVでいいだろうと言われればそれまでである。 それより自分としては登場人物のうち、すらりとした体形のキレイなおねえさんを見るのがそもそもの目的だったため、その点で満足できればほかは実際どうでもよかったというのが本心である。また年少のヒロインは対照的な役柄で美少女的な印象はないが、劇中人物のキャラクターに即した愛嬌があって可愛らしい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-01-26 00:17:00)
922.  校歌の卒業式 ネタバレ 
三重県志摩市大王町船越という場所にあった志摩市立船越中学校が2013年3月をもって閉校することとなった際に、「船越中学校閉校記念事業推進会議」の委員だった地元の人物が、同校出身の映画プロデューサーである山際新平氏に相談したことがきっかけで製作されたとのことである。その経緯からしても学校統廃合の方針自体に異を唱えるものではなく、世の趨勢はそれなりに受け止めた上で、人々の思いをどのようにすくい取るかを主題にしたものらしい。 脚本・監督はアニメ中心に活動してきた宇井孝司氏が担当しているが、出演者に関して本物の役者は中学生の「喜田明日香」役1人だけである。ほか役者のように見えなくもない音楽教員役は映画音楽を担当する音楽家(佐田詠夢)、また飛入りのバイオリニスト役も本職のバイオリニスト(佐田大陸、佐田詠夢の実兄)の飛入り出演とのことである。有名人はここまでで、その他はどうやら地元のまるきり素人らしい。中学生は当時の在校生で、役のある人は一応のオーディションを経てそれなりに選抜したようだが、主人公役については全く別の観点から選出したらしく、この人物の素人感が突出していたのが微笑ましい。ほか「ガールズトーク隊」の4人組などは結構こなれた感じで、やはりこういう場面では女子の方が器用に立ち回るもののようである。  本筋としては題名通りの「校歌の卒業式」になっているが、劇中ではこれと並行して中学生の素朴な青春ラブストーリーが進行する。シナリオ自体が笑えるように書かれているわけだが、これに主人公役の朴訥な演技が輪をかけて大爆笑させられる場面が多く、そういうところがこの映画の自然体でほのぼのとした印象づくりにも役立っている。ラストもあまり作為的でない自然な終わり方になっており、具体的成果というより思いをあとにつなぐ形になっていたのが印象深かった。 劇中に出ていたように、歌は単なる音響芸術というだけでなく人の思いを担う存在でもある。特に校歌は全ての在校生が間違いなく習う歌であり、人口移動のあまり激しくない場所では、世代にかかわらず地域住民が一緒に歌えるという意義を持つことにこの映画で気づかされた。この映画も、映像と音楽と人々の思いを全部まとめて後世に残すことにつながれば部外者としても幸いに思う。 なおついでに、今年の伊勢志摩サミットが平穏裡に開催されることを願っている。
[DVD(邦画)] 6点(2016-01-13 23:39:13)
923.  脳漿炸裂ガール ネタバレ 
これを見た動機は、竹富聖花という人名をたまたま自分が登録したために、その後の経過も追わなければならない気がしていたからである。そういう理由で見たからには、この人の凄味のある美少女ぶり(超絶美女/超お嬢様/まぢキレーーーーーー!!!!!!)を賞賛するのは当然のことで、また途中でそれまでの言動をひっくり返すようなことを言ったとしても、自分としてはどこまでもこの人を信じていくのが義務と思っていたが、最終的にその信頼は裏切られないで済んだことになる。この人の最後の言葉は見事に映画全体の締めくくりになっていて感動的だった。 またこの手の映画で全く血が飛ばないというのはかなり斬新だったかも知れない。実際誰も死んでいなかったらしいが。 ちなみに世情に疎いため、ボーカロイドがボカロと呼ばれていることを知らなかった。音だけだと聞き取れない言葉が多いが、動画を見ると全部字で書いてあるのでありがたい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 22:36:38)
924.  映画 暗殺教室 ネタバレ 
率直な感想として、高嶋政伸には死んでもらわなければ気が済まない程度の怒りを感じたにもかかわらず、最後に愛想笑いでごまかしていたのが許せなかったので低い点にしておく。それ以外はけっこう面白かったので残念だが、要は全体的なほのぼの感と、高嶋政伸の態度のバランスの問題ということか。
[DVD(邦画)] 2点(2016-01-11 22:36:33)
925.  でーれーガールズ ネタバレ 
原作者が「カフーを待ちわびて」(2009)と同じであり、今回の題名を見てまた沖縄かと思ったら違うのだった。 まず苦情から書いておくと、終盤の大事件のような展開は個人的に嫌っている。原作がそうなので仕方ないとしても、単なる偶然ではなく必然を感じさせる工夫はなかったかと思う。また時代を象徴するものとして山口百恵を取り上げていたが、これで特定の年代感が強調されてしまうと、少し前の団塊向けのような世代限定モノとして取られかねないと心配される。 ただし近年ティーンエージャーをとりまく過酷な環境を強調したがる傾向があるように思われるのに対し、30年前に遡ることで、年齢本来のより自然な感覚を素直に出せる意味はあったように思われる。当然ながら原作者の高校時代そのままの年代でもあったわけだが(細かくいえば2年差?)。  ストーリーに関しては、主に女子の友情に関わる話であるから個人的には共感しにくい内容のはずだが、見れば意外にも素直に登場人物の心情を受け取ることができ、笑うところは笑い泣くところは泣ける映画になっていた。自分の性格として過去の知り合いを大事にしたいなどという気持ちはほとんどないわけだが、かえってその分、自分に欠落したもの、あるいは拒否してきたものをあからさまに見せつけられたのが切なかったかも知れない。 また映画独自の趣向として、鮎子の過去に対する複雑な感情を不安感の形にして(または友人を失う予感を不吉感の形にして?)音なり映像なりで表現していたのは印象深かった。ほか細かいところでは、登場人物の表情を他人の表情の変化で予告してみせるとか、泣きの場面を長引かせずに次の笑いの場面に直接つないで笑い泣きさせる、といったことで心を動かされるところもあった。 なおキャスト面ではダブル主演×2の豪華状態になっているが、うち高校時代の鮎子役は、高校生役の中で唯一劇中人物と同年代(というかまだ中学生?)ながら少なくとも素人目には立派な主演女優であり、ほぼデビュー直後の状態を見たことのある立場からすれば感無量といえなくもない。また大人のアユコ先生は、艶っぽ過ぎてとても40代半ばに見えないのは不自然ともいえるが、自分としては思わず見惚れてしまう場面が多かった。この人も映画の満足度にかなり貢献する存在になっている。
[DVD(邦画)] 8点(2016-01-11 22:36:27)
926.  神さまの言うとおり ネタバレ 
個々のエピソードを面白く映像化するのが主眼とすれば見られなくはない。「悪の教典」よりはよほどましに見える。個人的には登場人物の心理が結果を左右する白熊が一番面白かった。ここで主人公が自分の好き嫌いを言われた反応は少し可笑しい。 登場人物についてはヒロインを含めて別にどうなろうが構わないと思うような連中ばかりだったが、唯一かわいそうだったのは一応のドラマを背負った形の高瀬翔子だった。これが終盤の年少者向け教育的メッセージにつながった形のようだが、そういう教訓的なものはあまり真面目に受け取る気にならない。 そのほか原作由来の背景設定や登場人物を意味不明なままで出すのが目障りだというのは同感である。これがないと納得しない原作ファンがいるということなのか、あるいは続編があるのか。
[DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 22:36:22)(良:1票)
927.  拳銃と目玉焼 ネタバレ 
ビデオ撮影業を本業としている監督(安田淳一)が徒手空拳で作ったような自主製作映画で、題名からすると格調高い文芸映画のようだが全くそうではない。効率性度外視でこだわって作っただけあって非常にまともなエンターテインメントになっており、素人映画だからと割り引いて見る必要は特に感じない。 内容としては触れ込みどおりの正統派のヒーロー物で、かなり昔の仮面ライダーを意識しているらしい(口が出ているのでライダーマンだが)。正義の味方をオトナの世界でやるとこうなる、というのをまともに見せた感じになっており、結末は文句なしに感動的である。純粋な正義の味方など現実には存在しえず、真の動機は別にある、といった話になっているのも大人向け仕様だが、決して見返りを求めないことだけはヒーローとして外してならない条件である。 ただ一つ苦情をいえば、ラストの後日談はやりすぎである。今回のことは今回の条件のもとでたまたま成り立った奇跡のような話であって、このまま続けてしまえばボロが出るだろうし(すでに出かけている)、また性犯罪対策専門のヒーローになってしまうのも変だろうが、まあ後で恥ずかしい思いをすることにならないよう、ほどほどにやってもらいたい。  ところで出演者はちゃんとした役者に依頼したらしく安心して見ていられる。主人公は完璧な中年男だが黙っていればそれなりに見え、シャイで口下手なところは健さんのようでもある。またこの映画の最大の見どころになっているのがヒロイン【演・沙倉ゆうの】であって、つらい境遇に耐えながらも真心と優しさを失わない女性像がたまらない。外見的にも可憐で可愛らしく、やはりヒーロー物はこういうところで手を抜いてはならないと思わせるものがある。このヒロインと彼氏の若い男(演・矢口恭平)がベッドでキスする場面があったのは憎たらしいが(編集で落ちた)、まあ悪い奴ではなかったようなので許してやる。 なおこの監督が立ち上げた「未来映画社」は次回作となる劇場公開映画「ごはん」を制作中であり、今回のヒロイン役【再掲:沙倉ゆうの】が一転して米づくり農家の主人公を演じるとのことで期待している。現時点での公開予定はよくわからないが、少なくとも予告編はできているので完成するものと信じて待ちたい。
[DVD(邦画)] 8点(2016-01-10 15:17:17)(良:2票)
928.  ヲ乃ガワ -WONOGAWA- ネタバレ 
「山形県米沢市小野川温泉の全面協力で完成させた」とのことで、地元温泉街などから多大の支援を受けたものらしい。メイキングを見ると、2010年から準備を始めていたが2011年の震災で一時中断し、その後の2012年夏に地元での撮影を行ったようである。完成品を見ただけではどこが温泉の映画かわからないが、かろうじて女性2人が揃って入浴する場面があるのと、温泉の蒸気を動力源にしている??というのがそれらしい感じである。内容としてはストレートなSF志向のお話で、資金等の制約に臆することなく真っ向から取り組んだ感じになっており、アイデアはそれほど独創的とも思われないが文字デザインなどは面白い。 また場所が「スウィングガールズ」(2004)と同じ地方であり、劇中の各所で地元方言が使われているのが特徴的である。大した人口もいなさそうな場所で標準語?と地元言語(完全字幕)の2系統が並存していたのは変だが、標準語の方にも「おしょうしな」「オボゴナシ」(おぼごなす)といった地元の言葉が混じっていたらしい。地元言語を話す人物が、役所に行く際の身なりをどうすればいいか医者に相談していたのは可笑しかった。個人的にこの地方の言葉はよく知らないが、ほかにも人名や地名などで必然性のない地元の言葉が盛大に使われていたようである。登場人物が真顔で「ホダベシタ地区」などと言っていたのは明らかにおふざけだが、地元限定サービスのためそれほど羽目を外した感じはない。 物語の上ではラストがよくわからなくなっているが、これは映像特典の「幻のラストシーン」が種明かしと考えれば問題ないだろう。それまでの劇中人物の発言を総合または超克した結論だったと解すればいいかも知れない。ドラマ的には登場人物への共感がいま一つだったが、主人公が初めて主要人物に対面した場面では子役が可愛らしいのが印象的で、ここは全体構成から見てもポイントを押さえていたように思われる。 なお主演女優は他の映画で悪役女子高生をやっていたのを見たことがあるが、今回は清廉で一途な主人公役が好印象だった。話す相手によっては女の子っぽさが出すぎている気もしたが、温泉で年上の女優と一緒の場面では初々しさが際立って自然な愛らしさがある。こういう場面はどうしても若い方に目が行ってしまうのは仕方ない。 以上、正直絶賛するには至らないが、地元の人々の頑張りに若干加点しておきたくなる映画だった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-01-05 21:55:21)
929.  キトキト! ネタバレ 
終盤で母親から子へ伝えられたメッセージは、親というものに共通の心情を素直に語っていたように聞こえる。それ自体はいいのだが、劇中でそのことをどう具体化しようとしたのかわからない。 富山方言の「キトキト」というのは場所柄に関係なく突飛な行動を平気でやらかす意味なのかわからないが、とにかく母親自体が堅実路線には全く見えず、そのため娘と息子が高校卒業もしないまま東京に出て、夜の業界に入っていたのも自然な流れに思われる。そういうことなら母親が語っていたとおり、どんな仕事であっても子が自ら望んだようにできていればいいという話になりそうなものである。 しかし最後は結局、地元で安定的な暮らしをしてもらいたいという、よくある地方在住の親の本音を代弁したかのような無難な終わり方をしたのが興醒めだった。これはストーリー上の要請というよりも、地方の定住人口維持に貢献しようという志でもあったのか? それにしても劇中ではそのような展開を可能にするための好都合な偶然が多すぎて見ていられない。ハッピーエンドなのはいいことだが割り切れないものの残る映画だった。 かろうじて最後の場面で伊藤歩嬢が幸せそうな顔をしていたのはよかった。主人公が東京にいた間、このキレイなおねえさんの姿が、自分にとっては最後まで見続けるための強い動機づけになっていた。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-31 09:31:19)
930.  ラヴァーズ・キス ネタバレ 
最初の章を見ていると、この調子では全編見るのがちょっと大変だと思っていたが、次の章は少し気が抜けた感じで助かった。題名のキスが男女間で行われたのはいいとして、もしかしてこれを同性間でもやるのかと思っていたところ、終盤に至ってついに関西弁の男がやってしまったのは見たくもなかったが、接触部分が隠れていたので最低限のところはクリアしている。宮崎あおいがやったのは可愛らしいので当然許せる。 全体としては共通場面を設けながら登場人物の関係変化を多角的に描写し、その過程で背景事実も明らかになっていく構成が面白い(原作由来だろうが)。これで結構見た甲斐があると思わされる映画ではあったが、しかし劇中で行われていること自体に共感する素地が全くないのは残念である。ちなみに話す人物の顔が近すぎるのは耐えられない。 それよりこの映画では、少女マンガ原作にふさわしい美形の男女ばかりでなく、脇役に個性的な登場人物を揃えていたのが部外者的観客にとってはありがたい。特に関西弁の男に関しては、すぐ隣にこんな可愛らしい女子がいるのに何で男の方ばかり見ているのか、馬鹿ではないか、という思いが募るのだった。こういう感じの登場人物が出るほのぼのラブストーリーを見たかったとどうしても思ってしまうわけだが、そういうことを言っているようではそもそもこの映画を見る意味がないということだろう。無理に見てもらわなくていいと言われそうだ。どうもすいませんでした。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-31 09:31:16)
931.  ウォーターボーイズ ネタバレ 
若い連中がバカをやらかす映画は嫌いなので、なんでこの監督はこういう面白くもないおふざけをやっているのか、と醒めた目で見ながら半分以上が経過する。ときどき突発的に可笑しいところはあるがその気分があとに続かず、こんな映画に時間を使っているおれはアホではないかと思っていた。 しかし転機になったのが桜木女子の伊丹弥生さん(演・秋定里穂)の登場である。この人はもう個人的に大好きだというキャラクターで、ここから気分が一気に好意的な方向に変わる。その後は男どもの大舞台であって、満場の女子に大受けというのは男子にとって最高の見せ場といえる。男子校と女子校を分けていたのはそういう意味だったかとここで初めて納得した。最初の方では何のためにいるのかわからなかったヒロインもこの場で俄然輝きを増し、バカな主人公を全面肯定してくれる存在になるのが嬉しい(:例のパンツは、本当は前の晩に用意していたのを当日になって渡すことができた、という話だったのか? 物わかりの悪い観客ですいませんが)。 上達の過程をろくに描かないのはスウィングガールズと同じだが(製作順と逆に見た)、クライマックスは映像+音楽の面でもかなりインパクトのあるものになっており、見る者をしあわせな気分で一杯にして終えるので細かいことはもう関係なくなる。監督はこの時点で30代前半だったわけだが非常に才気ある人物という印象だった。 なお関連して、「桜木の天使たち」3人組が出るサイドストーリー(監督・脚本:矢口史靖)も好きだ。この連中の漫才は腰が抜けるほど可笑しい。
[DVD(邦画)] 7点(2015-12-31 09:31:13)(良:1票)
932.  学校の怪談 春の物の怪スペシャル〈TVM〉 ネタバレ 
【 】内は話数、[ ]内は評点。 【OP&ED】くだらない。[2] 【一】笑いを取ろうとしているがそれほど笑えない。ラストのオチもそれほど納得できない。[3] 【二】原作が「ほんとにあった怖い話」となっており、実話(とされているもの)を脚色したということになるか。いかにも女子中高生の体験談そのままのような微妙なお話のため素直に共感できないが、同年代の女子が見れば心に染みるものがあるかも知れない。池脇千鶴が可愛らしい。[4] 【三】年代にこだわる必然性が感じられない。恐らく制作側には、この時代でなければこういう話は作れない、という信念があったのだろうが、21世紀にもなっていつまでも昔を回顧したがる世代の感傷には付き合っていられない。[2] 【四】最もホラーらしいエピソード。自分の気持ちの整理のためだけに死者を再度呪うというのは人の心の暗黒面をさらけ出したかのようで、子どもだったなどというのは全く言い訳にならないということである。その点はいいのだが、ホラーとしてそれほど面白いものではない。[4]  もとのTVシリーズをよく知らないが、題名から受ける印象よりはまともに見られる内容になっている。制作側にそれなりのビッグネームが関わっているので軽く扱えない気がするが、しかし結果としてそれほど愛着のわくような内容にもなっていない。 全体の評点は個別の点数を時間で加重平均した数値(3.2)を四捨五入した。
[DVD(邦画)] 3点(2015-12-31 09:31:10)
933.  フィンランド式残酷ショッピング・ツアー ネタバレ 
序盤はただのバス旅行だが、ここも個人的には結構面白い。出発地の風景はサンクト・ペテルブルグだったようで、そこから国境までは直線で150kmくらいしかないのでそれほど遠くはない。国境の手続関係は面倒臭そうだったが、ヨーロッパの内部ではすでに統合が進んでいるのに、ロシアとの間ではいまだに高い壁があるというのはロシア人も内心面白くないのではないかと想像する。 中盤からは予定どおりの惨劇が始まるが、それで特に面白くなるわけでもなく、かえって親子の会話を真面目に聞いてやるかという気になる。ラストの場面はよくわからなかったが、例えば母親はここで人を食ってしまい、息子は食わなかったことで、一度は急接近したかに見えた親子がまた別の世界に分かれてしまったと解釈できないかとも思う。母親役はそれなりの年齢だろうがなかなか魅力的な女優さんだった。  ところで自分が確認した限り、イベントでの上映を除いてこの映画が劇場公開されたのは、日本以外では当のロシアとフィンランドだけだったようである。現地で見た人々が何を思ったか不明だが、これは両国の欠点をひけらかし合っている図と思えばいいのか。ロシアはともかくフィンランドに関して言える悪口は多くないだろうが、パキスタン人が言っていたような権威主義はあるのかも知れず、また自殺者の多さという問題もある(改善されたと聞いていたが)。ロシア人にとってフィンランドは、帝政時代や冷戦期を含めて最も身近な先進地だったのではないかと思うが、こういった欠点を同じところに並べることでかえって両者の親和を図るつもりかと思えなくもない。 フィンランド人も上品な人ばかりではないだろうし、エンディングの曲がタピオラ合唱団の清らかな歌声で始まりながらクソやかましい曲に変わって終わるのも、物事の裏表というか通り一遍でない人々の実像を示しているようである。しかし劇中人物の言っていたように、この国の人は優しい(ロシア人と違う)というのは疑いようのない事実というかロシア人の正直な実感だろうと思われる。隣人は選べないのだから、どうか両国ともうまくやっていってもらいたいと他人事ながら願っている。  なお自殺に関する警察署長の演説は聞いたが、暗く陰気な冬(日照ほとんどなし)に死ぬよりも、幸せ絶頂の夏至に死ぬ方がいいと言っているなら気持ちはわかる。また老人をしつけることはできん、というのは名言である。
[DVD(字幕)] 6点(2015-12-19 09:58:33)
934.  アイアン・スカイ ネタバレ 
あまり期待しないで見たが、爆笑する場面が1か所ある(これは実在の国連加盟国に対する侮辱だ(笑))だけで、それほど笑える映画とは思えない。最近話題になる風刺画というものも、風刺しているのはわかるが笑えるようなものではないというイメージがあるが、それと似たような感覚である。 その風刺にしても、それほど辛辣な社会批判があるわけでもなく無責任なヨタ話にとどまっている。終盤で戦闘に参加していた国の顔ぶれを見た限りでは、世界大戦争の後に地球を支配するのはやはり中国ということか(巨大戦艦を温存していそうだ)。日本など基本的にはアメリカに追随するばかりと思われていたのだろうが、しかし国際社会に黙って武装船を作る程度の才覚のある国として扱われたのは少し嬉しい。また韓国が小型の宇宙艇(10隻)を出していたのは不自然で、所詮その程度の国と侮っていたのかも知れないが、実際は日本を下回らないサイズのものを作ろうとするはずである。フィンランドだけは一人でいい子のようにしていたが、どうせならここはひとつフィンランドが喜々としてナチスに加担する話を作ってもらいたかった。前回はそれで散々な目に遭ったわけだが。 正直ほめたくなるほど面白かったわけでもないが、しかし若手の皆さんが盛り上がって作ったものを一緒に喜んでやらないとノリの悪いオヤジだと糾弾されかねない時勢になっているので、あまり角が立たない程度の点数をつけておく。 なお個人的感覚としては、主役の女性の魅力が全編を支えている。この人だけは好きになってしまった。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-12-19 09:58:30)(良:1票)
935.  リアル鬼ごっこ(2015) ネタバレ 
この監督の映画はあまり積極的に見る気にならないが、この映画に関しては若干の義理があったので見た。結果的にそれほど悪くないとは思ったが、具体的にどこをほめればいいのかよくわからない。 とりあえず女性性を扱った部分には理解なり共感を寄せる立場にない。最初のバスのあたりはドローンを使った風の視点が面白いと思ったが、触れ込み通りの大殺戮が爽快なのは序盤だけというのは観客を小馬鹿にしたように見える。原作と比べても全く別物になっているのだろうが、しかし自分としては別に原作に忠実に作ってもらいたいなどと思っていたわけでは全くなく、かえって題名だけ使って中身は勝手放題というのは原作の方を小馬鹿にしたような感じもあり、ここだけは基礎的な評価ポイントになったかもしれない。 ほかトリプルヒロインのうち外人顔の女子高生役はかなりいいキャスティングだったようで、今回はこの女優の顔を見ていて少し感心した。また「呪怨 -終わりの始まり-」(2014)と「呪怨 -ザ・ファイナル-」(2015)で印象的な役をやっていた女優(最所美咲)が、この映画では普通の顔でさりげなく登場していたのが個人的には嬉しい。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-16 23:24:44)
936.  呪怨 -ザ・ファイナル- ネタバレ 
いよいよ最後とのことでどのように終わるのかだけ期待していたが、結果的には「繰り返す」「終わりはない」ことが明らかになっただけだった。 しかし最初の家が壊されて別の家に移るなら場所に憑くモノではないことになり、毎度の冒頭に出る辞書的説明にも合わなくなるところがあるので、その意味で旧来のシリーズとしては終了といえるのかも知れない。その代わりこれからは、場所に縛られることなく貞子のように独立キャラクターとして存続していくということなのか。先日の12/10には「貞子vs伽椰子」(白石晃士監督)の製作が発表されたようだが、当初からそういう展開を目指した準備だったようにも見える。 なお以前はそれなりに役目があったように見えた夫/父親は、今作ではもう不要の扱いになったらしい。また他人の腹を借りるという前回の設定はどうなったのか、少なくとも自分にはよくわからなくなっていた。  ところでこのシリーズは事実上、多彩な出演女優が大きな見どころになっていたわけだが、前回に比べて今回は全体的に少し落ち着いた印象がある。 まず女子高生の長谷川玲央役が、素朴な感じの癒し顔で出ていたのはなかなか好印象だった。前回の外人顔の女子高生が最後までキレイな顔のままで終わり、これは一体何のために出て来たのかと怒りを覚えたのに対し、今回は腐乱死体までやっていたのは覚悟ができている。友人の女子高生2人も年齢的に高校生には見えないところがあるが、堅実な感じでボケとツッコミをやっていたのは可笑しい。こういう微妙なおふざけ感が、OV版以来のこのシリーズの持ち味ではないかと思われる。 また主人公は前回よりさらに年上で大人の雰囲気だったが、女優本人は極度の怖がりとのことで撮影現場でも大変だったらしい。オールアップ時に泣きながら怖かったですと言っていたのを見ると、なんかかわいい人だなと思ったりもした(見る側からすれば全く怖くなかったわけだが)。この女優は自分としてはよく知らない人だったため、現在の活動状況を動画サイトで確認しようとしたところ「平愛梨 天然」とかいう予測候補が出て、バラエティ番組での受け答えなど見て大笑いさせてもらった。結果として、個人的にはこの女優が大好きになった映画ということで終わった。 またついでに書いておくと、佐伯俊雄役の子役(小林颯)が、素顔の状態ではいつも非常ににこやかな表情をしているのが可笑しい。
[DVD(邦画)] 4点(2015-12-12 13:55:33)
937.  呪怨 ザ・グラッジ3<OV> ネタバレ 
日本ではオリジナルビデオの扱いになっているが、アメリカはじめ海外では劇場公開したところが多いらしい。公開年としては邦画の「白い老女」「黒い少女」と同期する形になっていたようである。 今回は監督をはじめ基本的にアメリカ人の作った映画になっているが、それだけでなく撮影地がブルガリアというのはわけがわからない。エンドクレジットを見るとけっこう多くのスタッフが地元民らしい名前であり(-ovとか-ovaなど)、これは主に人件費の問題ということか。出演者に関しても、序盤で犠牲になった台詞のない少女(Mihaela Nankova)は現地の人だったかも知れない。  ストーリーとしては前作のあとに直接つながる形になっており、ここまで来ると邦画版から完全に枝分かれした印象がある。メイキングで監督が「解決策があるというのはアメリカ人らしい発想だ」と言っていたのはいいとして、それなら東京から来た女がちゃんと片をつけてもらいたかったが、しかし現地に身代わりを残して大元は別のところに移動していく?というのは前回のパターンを踏襲したような感じもある。ここでさらなる続編の可能性も留保していたのかも知れないが、それならせっかくなので初めから地元を舞台にしたブルガリア映画でも作れば面白かっただろう(最低限おれは見る)。それでこそ前作でいうパンデミックのイメージに近い形になるだろうが、毎回日本人を呼ばなければ映画が成り立たないらしいのが阻害要因か。 ちなみにホラーとしてはドッキリ+スプラッターが基本のようで深みがなく、白塗りの女と子どもを見せて外国人はそんなに怖がるものかどうか不明である。  以上のようなことで、いまさら特に感心するようなものでもないが、ただ今回のヒロインは個人的趣味としてもチャーミングに見え(彼氏は邪魔)、またその妹も愛嬌があって可愛らしい。これに兄を加えた感じのいい家族が、呪いのせいで壊れていくのは少し心痛むものがあったといえなくはない。
[DVD(邦画)] 4点(2015-12-12 13:55:29)
938.  呪怨 パンデミック ネタバレ 
今回は邦画劇場版2の女子高生に加えてOV版1の栗山千明のエピソードなども拾っており、またOV版2の見どころだったフライパンが採用されていたのは個人的に嬉しいが、変にシリアスな場面になってしまって可笑しさを感じないのは残念だった。その代わり、劇場版1の谷津勲氏がさりげなく登場していたところは笑った。事情を知らない外国人ならいたたまれない気持ちになるだろう。 ストーリーとしては前作の続きになっており、題名の印象ほどいきなり拡散はしていないが、邦画版の試みを受け継ぐ形で今後の新たな展開を企図したようでもある。最初の家で惨劇を再現することで新たな呪いを生むのは劇場版1のラストに通じる感じで、また新人を身代わりに残し、その上で母子が外国に移住したということならちゃんと手順を踏んだように見えなくもない。けっこう細かい疑問点が残るため前回ほど整理された感じはないが、それはまあこのシリーズでは普通のことである。 一方で、今回はどうも日本古来の精神文化がこのような怪現象(というかホラー映画)を生んだことをPRしたかったようで、変な田舎に不気味な習俗があるというような話を今回独自にでっち上げていたが、このシリーズはどちらかというと都市的な怪異を扱ったホラーと個人的に思っていたので、いきなり外人が山間地まで出かけて行くのはかなり違和感があった。 以上のほか、今回は母と娘の関係でわりとまともなドラマを作っており、これはこのシリーズとしては特異に見えるが悪い印象はない。また前回でも示唆されていたようだが、今回はガガガ音の由来を初めてまともに説明したように見えたのが新鮮だった。  ところで今回の主人公は比較的かわいく見えるので結構だが、女子高生連中は明らかに可愛くない。金髪と帰国子女?(日系人?)などは早目に死んでもらっていいと思ったが、もっさりした女子高生役の女優が、映像特典のインタビューを見るとけっこう可愛い人(ただし20代初めの状態)だったのは意外だった。邦画ホラーならかわいい女優はかわいいままで出すのではないかと思うが、この辺も少し感覚の違うところか。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-12 13:55:24)
939.  THE JUON/呪怨 ネタバレ 
邦画の劇場版1を基本にしてOV版1の発端部分その他を加え、わけのわからない箇所やおふざけを除いて再構成した結果、非常に筋の通ったまともなホラー映画になっている。邦画版の特徴だった時間の前後もわかりやすく単純化されており、初めからこういう風に作ればよかっただろうが、と思わせるものがある。 真面目な映画のため、特にOV版にあったような笑いを誘う場面は目立たなくなっているが、かろうじてバスに乗っていたバカップルのようなのは存在自体が微妙に可笑しい。また細かいことだが、外国人教授が少年の額に手を当てようとしたときに、瞬時に少年が避けて無表情に睨んだのはネコの動きのようで面白かった。 ただ個人的に不満なのは女優が全般的に可愛くないことで、これは邦画版との大きな違いに思われる。邦画版と一対一で対応している人物も多いが、邦画版のあの人物がこれかと思うとあまりの可愛げのなさに呆れてしまう。その中で主役はかなりいい方で、終盤で日本人看護師と並んだところを見ても外人にしては大柄でないのが好印象だった。  ところで中盤過ぎに日本の刑事が、毎度の冒頭に出る辞書的説明をまるで日本全体の事情のように一般化して語っていたが、これはわが国に関する著しい誤解を生む恐れがある。映画全体としても日本の風景の中に外人多数を連れ込んだような違和感があることもあって、“日本にさえ来なければこんな目には遭わなかった”という教訓的な感じの映画になっている。タクシーの窓に「ようこそ日本へ」というシールが貼ってあったのは皮肉のようだがこれも笑うところなのか。 この当時はともかく現在は訪日外国人数が著しく増加しており(2004~2014の10年間で倍以上)、外国人観光客などを対象にした民泊の動きも全国的に活発になっている。そういうときに、古風な日本家屋には何が憑いているかわからない、というこの映画は水を差すのではという話だが、まあそういうことも含めて外人には受けるだろうと思うべきか。劇中の家の内部も微妙に外人受けしそうな作りのようでもあり、これが日本への旅情を誘うことになるとすれば幸いである。  [2020/02/16追記] 2015年の時点では、当時のインバウンド拡大の風潮に乗って外国人観光客を無条件で歓迎するようなことを書いてしまったが、その後に民泊の弊害とかオーバーツーリズムとか(感染症のリスクとか)の問題が出て来て、今となってはあまりよろしくない書き方だった気がする(反省)。政界や経済界の思惑はともかく個人の立場としては、人数や金の問題というよりも、日本に関心があって日本のことをもっとよく知りたいお客さんに来てもらいたい。
[DVD(邦画)] 6点(2015-12-12 13:55:18)(良:1票)
940.  女子カメラ ネタバレ 
人生の変動期に焦点を当てたちょっといい話で、登場人物の描き分けも悪くないが、それぞれの将来を応援したくなるほど強い思い入れは生じない。特に怒声が苛立たしい関西人は個性的どころでなく明らかに不快であり、最初に生じた嫌悪感が容易に解消されずに最後まで目障りな人物のままで終わった。テーマ的には家族写真に焦点を当てているが、家族も写真も話が薄いのでそれほど心にしみるものはない。ただ途中で何度か出る写真を見ていると、写真というのもいいものだなという気がして、うまく写真の撮れる人はうらやましいと思ったりもした。 なお劇中に何度か出る9年以上前の話というのは結局何のことか明示されなかった気がするが、劇中に出た情報だけで適当に想像しておけというならできなくもない。  ちなみに見て思い出したが、4人が宿泊した指宿の観光ホテルには、自分も映画公開の4年前に泊まったことがある。なんでこんな高そうな宿を幹事が選んだのか今となっては不明である。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-19 21:53:37)
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