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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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921.  銀のエンゼル 《ネタバレ》 
公開当時は話題になる理由があったのだろうが今は昔である。ちなみに2018年1月にアイドルグループ「ももいろクローバーZ」を卒業した有安杏果という人が子役で出ていて、当時8歳くらいだろうが小賢しい児童の役をやっている(滑舌はよくない)。  北海道発の映画ということで、景観的には広々した平野部に斜里岳(1,547m)の山容が映えており、またJA系の製糖工場らしい白煙が特徴的に見える。冬の場面はそれほど壮絶に寒そうでもないが、積雪の状態からすると低温で湿度が低いように見えなくもない(要はサラサラした感じ)。家の造りが違うので寒いと思うことなどほとんどないと道民はいいたがるかも知れないが、そういうのを除けば基本的には単なる日本の一地方という印象で、コンビニ中心の映画ということもあって人々も一般の地方民に見える(変人はいる)。 物語的にも大して劇的なことは起こらないが、ただし突然の事故とか、外から来た人間が少々かき混ぜたことがきっかけになって変わるところは変わり(変わらないところは変わらず)、少し新しい状態に移行して終わった形らしい。主人公に生じた変化が、事故を利用した妻の企みだったとすれば夫としては忌々しく思わないかと言いたくなるが、結果は素直に受け入れるタイプの男だったようである。なお題名の意味はよくわからなかったが、5個なかなか揃わない状態で続いていくのが人生だと言いたいのか、あるいはただ待つのでなく主体的に選んでいけということなのか。コンビニダンサーの男が家出娘の挑発に乗らず、自らの意思を淡々と告げたのは少しいい場面だった。 そのように、見れば何がしか思うところもないではなかったが、基本的には長く感じる映画だった。北海道物とは相性が悪いのか。  なお別にコメディでもなく可笑しいところはほとんどないが、唯一「ホーマック」(北海道から関東まで展開するホームセンター)の駐車場で「ほんとあの子人見知りが激しくて」というのは少し笑った。この場面は斜里町ではなく少し離れた美幌町だったらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:32)
922.  ノースポイント フレンズ<TVM> 《ネタバレ》 
北海道文化放送30周年のTVドラマとのことで、「ノースポイント」はシリーズ名、その中に「つばさ」(主演・前田亜季)、「フレンズ」(主演・小山田サユリ)、「ポートタウン」(主演・宮崎あおい)、「ファームサイドソング」(主演・橘実里)の4本が含まれている。放送は2003年1~3月とのことだが、この「フレンズ」は2002年3月の撮影で、雪はあるものの厳寒期は過ぎてかなり緩んできた状態に見える。  題名のフレンズとは高校時代に同学年だった女1人男2人のことで、設定としては23歳とのことである。高校卒業後も適当な感じで生きてきた連中が、高校教員の結婚パーティーに参加するため顔を合わせたのがきっかけで、特に女1人が今後の生き方を見直すことになったという話らしい。男2人の方はどうせ今後も変わらずいい加減なガキのままだろうが、しかしそれでも一緒にいたおかげで女1人に変化がもたらされたのがフレンズの有難味ということか。 大まかにいえばそういう話と思うが、しかし個人的には特に共感できるところがない。また全編のほとんどがパーティー会場に向かうロードムービーのようなものだが、特に徒歩に転じてからは道もなくなり、どういう意図でそこを歩いて野越え山越えしているのかわからないのはさすがに気になる。全般的に長いという印象もあり、あまり好きともいえないドラマだった。北海道物とは相性が悪いのか。  なおこのドラマで注目されるのは、当時満15歳の沢尻エリカが衝撃的に可愛い(顔が)ことである。撮影時期からすると「問題のない私たち」(2004)や「パッチギ!」(2005年公開)よりも前の状態で、この時点で中学校卒業時の3月だったはずだが、役どころとしては20代の男の彼女ということになっている。人物としては極度の自己中女だが(当時からこういう役か)、それでも一応フレンズ3人の背中を押す役目を果たしていたようで、その事情によって全体のちょうど半分程度のところで退場してしまっていた。 また主人公は役柄上それほど魅力的な女性にも見えないが、主演の小山田サユリという女優は、出演者インタビューなど見るともっとかわいい感じの人だったらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:30)
923.  惨劇館 夢子 《ネタバレ》 
2004-02-23に作品登録されていながらレビュー数0だったので見た。御茶漬海苔というホラー漫画家の「惨劇館」をもとにした映画化らしい。 原作がどういうものかは知らないが、これを見る限りは中高生向け?のソフトな猟奇サスペンスのように見える。一応は21世紀らしく児童虐待とか援助交際とか、変質者が女子中学生を監禁して惨殺するとかいった刺激的な要素もなくはないが、何より主人公が純真そうな制服女子高生というところがいわゆるジュブナイル的な印象を出している。ホラーではあるのだろうが超自然的要素は主人公の予知夢だけで、基本的には頼りになる(実際はなっていない)探偵を相棒にしたミステリー調の展開である。 物語の骨格は意外にしっかりしているようだが、しかし結果的にはどうも褒めるまでには至らない。主人公が予知夢を頼りに人を救うことを決意しながらも、肝心の人物を救えなかったことを悔いての「ごめんね」とか、あるいは全ての原因になった人物の「もう終わりにしよう」など、理屈としてはわかるが軽すぎる。また終盤のスリリングなはずの部分がかったるいので見ていられないとかCGの甲虫が意味不明だとか、何のせいかわからないが画質が悪すぎるといった問題もあり、決して嫌いではないが不足な部分のかなり多い映画という印象だった。  キャストの関係では美波(名字なし)という人の初主演映画で、当時はまだ15歳くらいだったらしい。フランスとのハーフのため洋風の美少女で、外見的には可憐なところと大人っぽいところが交代する感じだが、人物設定としては無邪気で可愛らしい少女になっている。時機を失しないうちに同じ主演でシリーズ化でもできればよかったのだろうが、それなら例えばポスタービジュアル的にももっとこの人を可愛く見せればよかった気がする。 またその妹役が貫地谷しほりという人で、姉役の美波と実年齢が逆転しているのは変だが、この姉妹が自宅でいかにも今どきの女子中高生風のやり取りをしていたのは面白かった。今どきといってももう十何年も前だが。
[インターネット(邦画)] 4点(2018-12-25 22:36:20)
924.  予兆 散歩する侵略者 劇場版 《ネタバレ》 
「散歩する侵略者」(2017)のスピンオフとして、全5回で放送したTVドラマの総集編とのことである。演劇臭を感じないのはいいとしても、本編と同じSFまがいの設定自体にそれほど面白味はなく、その上に各場面が変に長いので話が前に進まない気がして、冗長な映画という印象は本編よりも強い。ちなみに劇団名に合わせて生き埋めにされた男もいたが、そういうのを面白がってみせるほど好意的な立場でもない。  物語的な面では、観客に説教しようとするような煩わしさはなく、また終盤で「愛」があっさり否定されたように見えたのも結構なことである。ただし本編と同じ話のスピンオフということは、やはり最後に愛は勝つというおめでたい世界観は共有していることになる。 「愛」より重視されていたのは「死の恐怖」のようだったが、今回はそれを知った宇宙人が死んでしまったため、侵略を止める方向には作用しなかったという結末だったのかも知れない。ただしそこで疑問に思ったのは、死の恐怖自体が根源的な存在だというよりも、まずは生物としての生存の本能というのが根底にあって、そこから死の恐怖と共存への努力の両方が派生するのではないかということである。そういう本能を持たない宇宙人が、死の恐怖からいきなり共存への努力に短絡していたのは唐突で説得力に欠けていたが、しかしホラー映画であるからにはとにかく恐怖が重要だと思ったかも知れない(同じ脚本家の「恐怖」(2009)という映画もあった)のでいいことにしておく。  なお気づいた点として、序盤の父と娘はかなり(気色悪いほど)密着度の高い関係だったようで、ここで切り離されたのがかえって幸いだったのではと思った。また侵略の開始が火球とかではなく、地球温暖化による気候変動を連想させる豪雨だったのは、本編のような安手の映像も不要でかつ今日的な意味もある表現だった。 ほかキャストに関しては、特に序盤で空を見ていて振り返った夏帆がかわいい。というか職場で髪を後にまとめた顔がかわいいということだが、そのほか全般的にこの人の見せる表情が最近好きだ(前から好きだが)。[2019/12/14追記]変な男と付き合わなければよかったが。
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2018-12-07 18:52:22)
925.  ラストコップ THE MOVIE 《ネタバレ》 
Huluと日本テレビが製作したドラマの劇場版である。1985年に重傷を負って30年間眠り続けた元刑事が突然よみがえり、もといた神奈川県警に都合よく復職して30年前の感覚で熱血刑事をやるという話で、唐沢寿明と和久井映見の組み合わせは「イン・ザ・ヒーロー」からの流れのようでもある。こういうのは何年か前の団塊向けコンテンツのように、特定世代の懐古趣味のように見られる恐れもあるのではと思ったが、エンドロールのバックに出た視聴者からのイラストを見ていると、それなりに幅広い年齢層に親しまれていたらしい。  本編は見ていないのでわからないが、冒頭の大活劇で早々にドラマのレベルが知れるので、要はこれに合わせて見ていればいいのだなと納得する。しかし本体部分が始まっても、警察は出て来るもののどこが刑事物なのかわからない状態で半分くらい過ぎてしまう。その間ほとんどレギュラー陣によるコメディ調だが、特に今回ゲストの人工知能キャラの挙動は結構可笑しい。 中盤からやっと世界を揺るがす荒唐無稽な大事件が発生するが、結局は神奈川県内というか横浜限定で終わってしまう。横浜めがけて飛んで来る弾道ミサイルのようなものを軽飛行機で迎撃するのはそういうドラマなので問題ないとして、主人公と相棒のやりとりがかなりくどいので大事件自体の緊迫感がまるでなくなってしまう。本編の経過を受けてのことなのだろうが、本編ファンにとってもここは長すぎたのではないか。 自分としては武田玲奈さんが出ているので見ただけだが、この人が劇中何度も茶をぶちまけるのを見て、本編でもこういう感じでやっていたのだなと納得した。また伊藤沙莉という人はとんでもなくオバサンに見えたが、他の若手女子2人と一緒にかわいくアイドル活動をやっていたのでそういう年齢設定だったらしい。
[インターネット(邦画)] 4点(2018-11-29 20:25:39)
926.  東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 
原作は人気マンガだそうだが、少し前に見た「寄生獣」の映画版とどこが違うかわからなかった。「寄生獣」の方はまだしも原作段階で当時なりにいろいろ考えていたようだったが、この映画は特に考えもなく上っ面だけ似せたように見える。 キャストに関しては、序盤の蒼井優は黒木華の物真似かと思った。また古畑星夏さんは、自分が見た限り昔から毎回違った顔で出る人で、女優としての固有イメージがないように見えるのはいいのか悪いのかわからない。相田翔子という人は、既にそれなりの年齢のはずだがいまだにかわいく見えるのは大変よいことだ。なお佐々木希はどこに出ていたのかわからなかった…というか薄々気づいたが同定すること自体に意味を感じない。次回は活躍の場があるのかどうか。  ところで、人間同士であればたとえ敵対関係でも妥協の可能性はあるが、人間を食わなければ生きられない生物とは妥協も共存もありえないのであって、人間側が向こうを絶滅させるか、人間側が家畜化されるまでは闘争が終わらないことになる。劇中の哀れっぽい母子は同情を誘うが、自分や身内を食わせてまでこの母子を養う義理は誰にもない。それは生物として当然のことである。 そういう設定にもかかわらず、登場人物が「正義」「倫理」「罪」といった善悪に関わる言葉をやたらに口にするのは理解不能で困った。もともと善悪の観念というのは人間が平和的に共存していくためのツールであって、共存できない生物に善悪を説いても意味がない。向こうの立場でいえば、いたいけな少女が「これ、やっぱりいけないことだよね」と思う必要も全くないのであって、目玉が栄養になるなら食えばいいだろうが、人間側としてはそんなことは許さないというだけのことである。 ちなみに個人的感覚としては、「正義」という言葉を出すからにはその「正義」を相対化して無意味化することで、社会が押し付ける正義を否定する方へ話を持って行きたいのだろうと思うわけだが、そもそも善悪の適用できない問題では何を言ってもどこにもたどり着けそうな気がしない。「この世界は間違ってる」とのことだが間違っているのは基本設定の方ではないのか。 噂によればこの映画では原作の3巻くらいまでしか行っていないそうで、次回はまた違った展開があるのかわからないが、最終的には万人が納得のいく収め方を考えているのだろうと思っておく(特に期待はしない)。
[DVD(邦画)] 4点(2018-10-25 20:42:01)
927.  都市霊伝説 心霊工場 《ネタバレ》 
心霊を製造する工場の話だとすれば斬新なアイデアだと思ったら違った。 大まかにいえば心霊のいる廃工場を訪れた連中が破滅する話で、いわばスタンダードな邦画ホラーである。全体としてそつなくできた印象はあまりなく、個別の台詞や人物の動作が不自然で引っかかる点もなくはない。ドラマとしては編集者同士の確執と姉妹の情愛の二本立てのようだったが、それ自体が大して心に訴えるところもない。こういう場所にわざわざ行く連中は本当に馬鹿だと思うが、哀れとかとか思わなくて済むので気は楽だ。ただ、こんなことでリーダーシップを求められる会長というのもしょうもない役職だとは思った。 ホラーとしても別にどうということはなく、何かに引きずられる、便所に籠るというのは定番である。しかし内部に夫婦者のようなのがいて、暗いところで密談していたあたりは悪くない。また何か良からぬことが起こっているのを音で暗示する場面があり、クラクションとか固定電話とか救急車などはありきたりの部類だが、たまたま近くにいた男が別件で怒鳴り始めたのは日常に紛れた凶兆の表現のようで面白かった。  登場人物としては、姉役の深月ユリアという人が本物の魔女?とのことで存在感を出している。時々説明なしで呪文を言っていたようなのは何語だったのか(ヘブライ語? アイヌ語? ポーランド語?)。また色っぽい編集者役の大塚麻恵という人は他の映画でも見たことがあったが、現在は結婚して別の方面にも活動範囲を広げているらしい。メイキングで大あくびしていた石原あつ美という人が実質的な主役に見えたが、ほか編集部に残っていた男女や便所ペアの扱いなど見ていると、とにかく若い役者に出番を用意しようという意図をもった企画なのかと思った。
[DVD(邦画)] 4点(2018-09-07 22:12:26)
928.  恋谷橋 《ネタバレ》 
鳥取県の三朝(みささ)温泉のご当地映画である。島根県の映画は見たことがあるが鳥取県のは初めて見た(というのは間違いで「妖怪大戦争」(2005)は見たことがある)。 題名を見ただけだと「恋空」(2007)とか「君の名は」(1953)とか演歌のカラオケ映像とかを思わせて引いてしまうが、これは現地に実際にある橋だそうで仕方ない。その恋谷橋も映っていなくはないようだが、一番出るのは主人公の実家と温泉本通りの間を結ぶ「三朝橋」で、次が足湯のある「かじか橋」なので題名とはずれがある。 映像的には結構風情があって賑わいもある温泉街のように映っており、ご当地映画らしく見所とか名物も積極的に紹介しているようだが(なぜか「ヌード」が目立つ)、足湯などはいいとして、ちょっとそこまでという感じでいきなり砂丘というのは行きすぎだったかも知れない。なお「山陰KAMIあかり」というのは隣の倉吉市で実際にやっているイベントのようで、劇中でも因州和紙というのが出ていたのでここは因幡でなく伯耆ではないかと思ったが、その点は地元でもあまりこだわりはないらしい。  物語としてはいわゆるメロドラマでもなくさらりとした感じにできており、地方の若い人々に対して一度出てからまた戻れというような、現代の情勢からしてあまり無理のない話になっている(出る気がなくても無理に出していた)。町のためにではなく「自分のために」と言っていたのも人間の行動原理の基本を押さえている。 少し気に入らなかったのは、せっかく若い連中が始めたイベントを喧嘩でぶち壊しにしてしまったことである。その後のストーリー展開につながるのはわかるにしても、見る側としては初回のイベントなので成功してもらいたい/一般のお客を落胆させたくない、という思いがあったわけで、ここは観客の気持ちを無視して制作上の都合を通してしまったように見える(一応のフォローはしていたようだが)。 もう一つ、これは絶対悪いといえるかわからないが、「河原風呂」という周囲から丸見えのような感じの露天風呂で、真昼間に女児と男児が素っ裸で入浴(混浴)している場面があり、子どもとはいえ今どきこんな撮影をしていいのかと動揺してしまって、その場面で出た開湯の由来譚が頭に入らなかった。見ている側が気にしなければそれまでだろうが。 だいたい以上のような感想だが、特に主演女優に思い入れがあるわけでもないので点数はほどほどにしておく。
[DVD(邦画)] 4点(2018-08-11 17:12:36)
929.  限界戦線 《ネタバレ》 
邦題は中身と関係なく適当に付けてあるが、原題の“Последний бронепоезд”は「最後の装甲列車」という意味のようで、英題はその直訳らしい。ちなみにロシアとベラルーシの合作ということになっているが、場所がベラルーシというだけで、ベラルーシという国の主体性は特に感じられない。 本来は映画というよりTVドラマであって、オープニングなどいかにも連続ドラマ風にできている。IMDbによれば放送時には全4回で計124分、拡大版が6回で計215分で、映画版として上映されたのはTV4回版に相当するものらしい。TVドラマをつないだためか、戦闘場面のほかに若手・年増女子2人とのからみとか戦闘ともいえない殴り合いなど、各種の見どころを少しずつ出して連続させていく形に見える。しかし全部通して見ての高揚感とか満足感があるわけでもなく、いわば暇つぶしで延々とTV番組を見ている感じになっている。  物語としては1941年6月の独ソ戦開始から3週間経った7月中旬の出来事で、ドイツ軍が早々に占拠してしまった鉄道橋を、現地のソビエト軍が装甲列車に頼って取り返す話になっている。スターリンによる粛清で軍が弱体化していた時期であり、地位を追われて収容所にいた元軍人を主人公に据えることで、最後にソ連側が勝ってもソ連万歳には必ずしもつながらない話を作っている。 軍事に関しては詳しくないが、原題の装甲列車は文字通り装甲していて砲や機関銃も備えていて勇ましい感じに見える。またグライダー(滑空機)による空挺作戦が珍しく見えたり、急降下爆撃機がこういう風に降りてきたら怖いだろうと思うところもあった。特に個人的に印象深かったのは、砲撃で死んだ男の腹が裂けて腸がはみ出していた場面で、実戦なら陸海問わずこういうことはいくらもあっただろうが、映像化してみせたのは自分としては初めて見た。 ほかキャストに関して、若い看護師役はハンガリー生まれのロシア人で、NHKの「坂の上の雲」に出演して強い印象を残したマリーナ・アレクサンドロワという女優である。この人がなんと裸になるというのがこの映画の売りになっていた(少なくとも自分はそのつもりで見た)が、実際はほんの一瞬上半身を見せるだけの控え目な露出だった。別にそれで落胆して点数を落としたわけでもないが。
[DVD(字幕)] 4点(2018-06-04 21:25:55)
930.  バニラボーイ トゥモロー・イズ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
近年、邦画のロケ地として栃木県がのしてきているようで、この映画でも最初から栃木県が前面に出ている。自分が気づいたところでは旧・喜連川町(現・さくら市)と宇都宮のオリオン通りが出ていたが、このまま最後まで栃木県では映像的に地味だろうと思っていたら後半は本物の沖縄に行ったようで、うるま市のゆるキャラ「うるうらら」が狙撃されて倒れたのは気の毒だった。 ストーリーとしてはただの高校生が世界の命運を左右するタイプの大それた話で、終盤などは一応スリリングな展開になっているが、そもそも主要キャスト3人をジャニーズJr.で固めた企画なのでたかが知れるところはある。NERV風の演出とか「宇宙人、未来人…」とか、微妙に既成アニメのパロディに見えるところもあるがだから何だという感じである。基本的にはコメディだが全編にわたって笑えるわけでもなく、寒いギャグが多い中で部分的に可笑しいところもあるという程度だが、個人的には「今日、恋をはじめます」とウィキペディアはツボだった。 なお少し感心したのは、NSAという略語の意味が2つあったということである。また1999年7月生まれの「恐怖の大王」が出て来るので、昭和年代から生きてきた者としては、もうこのネタをこういう風に使える時代になったのかと感慨深いものがあった。  ほか登場人物としては、男を見るためだけの映画かというとそうでもなく、マネージャー名目でついて来ていた女子2人(演・美山加恋、山崎萌香)も可愛く撮られているので、そこを目的にして見るのも変ではない。他の生徒役ではイケメンにデレデレしていた女子(演・北村優衣?)には笑った。またヒロイン役の竹富聖花(当時)さんはこの人に似合いのクールな美少女役だが、今回はアクションもあっての大活躍で、「女の子なのに!」のところはそうだそうだと言ってやりたくなる(反論は認めない)。この人にはどうか今後とも頑張ってもらいたい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-05-06 19:58:22)
931.  たたら侍 《ネタバレ》 
公開中はかなりの悪評だったようだがなるべく素直に見るようにした。DVDで見たので編集後のバージョンと思われる。 大まかにいうと、まずは奥出雲で製鉄の技が受け継がれてきたことを紹介し、さらに時代を戦国期に設定することで、「侍」に関する思いをそこに込めたという感じに取れる。しかし結果的には褒める気にならない映画だったので、その理由をなるべく手短に書いておく。  (1)全体構成の問題として、製鉄の伝統が途絶えそうになる危機が発生するわけでもなく、主人公のせいで一時的に混乱しただけで、事件前後で村は何も変わらなかったように見える。それはそれで変わらないこと自体の表現かも知れないが、しかし主人公の人格形成という面でも、結果的に父親や先代と同じ認識に至っただけで、あの頃おれは馬鹿だった、という物語にしかなっていない。あってもなくても同じだった(と観客の立場で思う)出来事を映画にしても、ドラマとしては弱い気がする。 (2)物語の展開に納得できない。主人公に関していえば、若者の純粋な思いと愚行と挫折、といったことが自然に受け取れず、一体この男は何をやっているのか???という疑問の方が先に立つ。また近江商人がわざわざ奥出雲まで出張って来て姑息な手段で村の支配を目論んでいたようだが、普通に考えれば劇中の発言通り「(織田が)攻め込んで来るはずがなかろう」で終わりであり、これで騙される筋書き自体が不自然である。 (3)「侍」ということに関しては、戦国時代なのに観念論のような武士の心構えなど語られても現実味がなく、またそれで結局何がいいたかったのかも不明である。劇中の村の状況を見ると、一定の制約のもとで自衛力を保持するが戦争はしない、という戦後日本の状況を容認しているとも取れるが、しかし主人公が広い天下の情勢を見てからの企てが失敗したことからすれば、あえて視野を狭めて外は見ないで武器は嫌いだ戦さは嫌だと閉じこもるのが理想だというようでもある。そういういわば社会的メッセージのようなものがありそうでいて、実際あるのかないのか不明瞭なので非常に気持ち悪い状態だった。  なお出演者に関しては、ダンスグループのメンバーには当然関心がないが、石井杏奈という人は顔を見ていると和むので好きだ。今回はダンスでもなく舞いの場面をわざわざ入れていたようである。ほか田畑智子さんも嫌いでないが、今回は何だかよくわからない役で残念だった。
[DVD(邦画)] 4点(2018-04-30 23:58:07)
932.  白魔女学園 オワリトハジマリ 《ネタバレ》 
前作から2年経っての新作ということで、前作がよほど好評だったからかというとそうも思われないが、あるいはその間に「でんぱ組.inc」というグループ自体の存在感が高まったからということかも知れない。 物語としては前作のかなり厳密な続編になっているが、そもそも前作自体がよくわかっていない上に、今回はまた黒魔女学園などというものが出て来て心の整理が追い付かず、さらに貴公子然としたイケメンが頭ポンポンしたりするのでわけがわからなくなる(ちなみに22歳くらいの男が26歳くらいの女性の頭をポンポンしていることになる)。しかし最終的には前回も出ていたように、個別の救済をこえて根本的な変革を求めようとするストーリーであって、それを前回も頓挫した「支配」で実現するのでなく、全く別の方法をもって主人公が達成したということのようである。 映画宣伝によれば「想像を超える神展開」とのことで、終盤に至ると確かにその通りとは思ったが、創世記まで遡るのはエヴァンゲリオン(「セフィロトの樹」も出る)、主人公が最後に断行したことは“まどマギ”のようで、あくまでどこかで見たことのある範囲での壮大な展開である。しかし「普通の女の子」を守りたいという点はちゃんと一貫しており、白魔女6人勢揃いで大活躍する感動のクライマックスを見れば、結果的には魔法少女モノを目指した展開だったことがわかる。また今回はピアノソロのエンディングが静かな余韻を残していた。  登場人物としては、グループ全員を出演させるために一度死んだ人間も引っ張り出す形だが、復活した5人のうちなぜか1人だけが先輩で、この先輩までが小指にピンクのマニキュアをしていたのはさすがに変だ。前回から2年も経っているので、高校生というにはさらに厳しくなっていたはずだが大して変わっていないようでもあり、主人公が黒髪のロングヘアにした顔などは可愛くも見えた。また妹役の山谷花純という人も前回より2年分だけ大人びた感じになって出ている。 当初メンバーのほか新しい登場人物もいて人数がかなり多くなっており、小池里奈という人の出演は歓迎である(が歌を聞きたいとまでは思わない)。女優系(兼声優?)の人物としては市道真央という人の熱演を見るべきだろうが劇中人物としてウザい。ほか特に自分としては「始まりの魔女」があまりに美形で神々しいので見惚れてしまった。本来この人も声優なのか。
[DVD(邦画)] 4点(2018-04-15 19:22:58)
933.  白魔女学園 《ネタバレ》 
「でんぱ組.inc」は昔も今もよく知らないが、以前に国際的な文化交流事業である「東アジア文化都市2014横浜」の広報親善大使になったと聞いて、これが日本を代表するアイドルグループなのかと思ったことはある(が本当にそうなのか知らない)。 監督は仮面ライダーや戦隊シリーズの坂本浩一、脚本は「けいおん!」「映画 聲の形」などの吉田玲子で、監督インタビューによるとこのグループ先行の企画ではなく、監督がこのグループを選んでプロットを作って脚本家に依頼した、という順序のようである。要は特撮(+アクション)・アイドル・学園モノという感じになっており、ほか女子高らしく少女の肢体を狙う視線も多いが、自分が見た限りあまりエロいとは思わなかった(悪い意味で)。 物語的には真面目に見てもよくわからない。みんなで一緒に高みを目指すのかと思ったら、結局は学園バイオレンス風の生き残りゲームになってしまい、結局この学校は何だったのかが不明に終わった気がする(虎の穴?世界征服を企む悪の秘密結社?)。しかし最終的なまとめとしては、世界を変えようなどと考えるのでなく、まずは目の前の人を救うために「居場所」を提供することが大事であって、そのために他人の痛みをあえて受入れようとする“勇気”が必要だ、という感じのことが述べられていたようである(よくわからないが)。  登場人物に関しては、当初はアイドルとしてのキャラクターの延長かという感じの(そうでもないかも知れないが)イタい人物ばかりで茶番のようにも見えた。どうしても山谷花純・小宮有紗といった女優系の人の方に目を引かれてしまうわけだが、しかし後半の修羅場になると、アイドル出演者も真剣な顔で演技する場面が多くなってアクションも結構ハードに見える(スタントの代役が多かったのだろうが)。主演の最上もがという人(この当時24歳くらい)は、このグループの中心人物なのかと思い込んでいたらセンターでもリーダーでもなかったようで意外だったが、少なくともこの中では、容貌や雰囲気の面でこの人以外に主役はありえなかった気はする。終盤で白魔女になった姿は正直格好いいと思った。 ちなみにエンディングテーマは「W.W.D II」という曲で、「やっぱり綺麗事じゃん」「綺麗事でいい」というような行ったり来たりの歌詞がなかなか心に染みた。
[DVD(邦画)] 4点(2018-04-15 19:22:56)
934.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
人が作ったプログラムからいったん本物の人間のように進化して、そこからさらに別の超越的存在になっていく、という段階を踏む発想は、ほかにあったか知らないが個人的にはユニークに思われる。ただしその本物の人間の段階では妙に性欲がらみのことが重視されていたようで、まるでエロがなければ人間の本質に迫れないとでも思っているようなのはあまり納得しない。人類の活動力の根源は性欲だとかいう前提なのかも知れないが、それならOSなどでなく普通に人工知能搭載のラブドールにしておけばいいだろうとしか思えない。 それでも前半はほのぼのした笑いもあって結構いい雰囲気だったが、後に行くほど醒めてしまって終わり方だけを気にする状態になっていく。全編を通じて何らかの人間ドラマが展開されていたようでいて、結局最後まで何が言いたいのかはわからなかった。人類が特定の個体に特別の関係を求めようとすること自体が間違っているという想定だったのなら、ほとんど破滅的な近未来像ということになる。 どうも自分としては乗れない感じの話だったが、しかし主人公が比較的親しみやすいキャラクターだったのは安心できた。また大学時代からの友人も感じのいい人物で、この二人の関係は(非常に微妙だが)これからも大切にした方がいい。  なお余談として、舞台は一応ロサンゼルスということになっていたが(街頭の路線図、元妻の台詞、小包の宛名)、なぜか特定のアジア系住民が目立つのが近未来の姿のようである。劇中ニュースによればインドは併合されるらしいので警戒が必要だ。そのほか素朴な疑問として、いわゆる膝かっくんというのは世界的に分布しているものだったのか??
[DVD(字幕)] 4点(2017-12-31 19:26:01)(良:1票)
935.  富江BEGINNING 《ネタバレ》 
伊藤潤二原作のホラーマンガシリーズ「富江」の映画化第5作で、このすぐ後に公開された第6作と合わせて、第1作の脚本兼監督の人物が脚本兼監督をやっている。富江が岐阜県から転校してきたというのは第1作に合わせており、片目を隠した山本という人物も同じ役者がやっていて、同じ劇中世界としての連続性を出している。  内容に関しては、廃校で同窓会という現実味のなさ(それを真に受けて来る男のバカさ)はまあいいとして、主要部分を回想談で語る趣向は悪くない。最初はどこがBEGINNINGかと思ったが、回想で語られている話が実は原作最初のエピソードだったことが次第にわかり、山本・松原礼子・高木(担任)という名前も原作から取られていたのは意外に原作に忠実といえる。第1作と同じく原作の内容を過去のこととして語った上で、現在の物語をここから始めたという意味と思われる。 それ自体は悪くはないのだが、人間の本性を語るとか富江の起源論とか、本心かどうかは別として殺されたくない痛いのは嫌だと訴えるとかいろいろ違和感があるところが多い(恐らくプラナリアは痛いと思っていない)。またラストのオチが拍子抜けで、どうもこの監督は他人の身体を乗っ取る話を安易に使い過ぎのように思われる。 その他、いかにも低予算に見えるとか嫌悪を催す背景音楽とかはいいとしても、おふざけが過ぎるのは弁護しようがない。教室に富江が出現した際の担任の行動はまだしも笑ったが、無宿の渡世人のような連中はさすがに羽目を外し過ぎである。ただそのあとで「何百年も前から」富江が生き続けて来たという話を聞けば、実際に江戸時代の北関東あたりではこういうこともあったのだろうと逆に想像させる効果もなくはなかったが、しかし終盤の座頭市は明らかに悪乗りである。  なお褒める点として、今回の富江は個人的に好きなタイプではないが妖しい美貌を備えており、目元のほくろというより目そのものの迫力が印象的である。富士山の見える屋上の卓球台???で担任が襲われた場面を見ていると、これなら誰でもやられてしまいそうだとこのシリーズで初めて思った。
[DVD(邦画)] 4点(2017-11-26 21:58:18)
936.  僕等がいた 後篇 《ネタバレ》 
前篇で高校生は終わりかと思っていたら、後篇でも1/3くらいまで引続き老け顔の高校生が出るので、釧路編に対する東京編と思うべきものらしい。新登場の比嘉愛未さんも最初は高校生役で、この女優自体は嫌いでないが、大人の女性に高校の制服を着せるのはもうやめてもらいたい。 内容としては前篇より深刻度が増しているので少し真面目に見ることを強いられる。老け顔の男が、かなり厳しい状況になってもグレたり暴れたりせず抑制的な態度なのは感心した。飛行機に乗って釧路へ行く夢など結構泣かせるものがあり、この男関連のドラマは悪くない。 その一方でヒロインの方は、見る側としても早く幸せになってもらいたいと思っているのに、プロポーズの場面ではもう呆れ果ててしまって勝手にしろと見放した。以降は顔を見るのも嫌になったので、最後だけ唐突にハッピーエンドにしてももう遅い。恐らく世間には愛を一途に貫くこと自体に至高の価値を見出す人々がいるのだろうが、その他グループに属する者としては付き合っていられる限度がある。 原作からしてこういう内容だとすれば何を言っても仕方ないが、前後篇で4時間もあることからしても最初から原作準拠志向の企画だったということか。これに比べると、最近見た「先生!…」(2017)がいかに一般向けに手際よくまとめられていたことかと思う。 なお余談として、本仮屋ユイカ嬢は大人になっても可愛いので劇中人物にも幸せになってもらいたいと思っていたが(「ばいばい」が切ない)、最後の姿は従来のイメージをちょっと外した感じで意表をついていた。
[DVD(邦画)] 4点(2017-11-05 17:48:13)
937.  くノ一忍法帖 柳生外伝 《ネタバレ》 
基本的には監督兼主役に焦点を当てたアクション映画ということのようで、ほかにジャンルとしては「エロティック」というのもあるがそれほどのエッチ感はない。妖怪じみたキャラが奇想天外な術を操る荒唐無稽時代劇だが、意外にも実在の歴史的事件(会津騒動、1639~1643年)を背景にしている(原作がそうだからだが)。もとは106分の映画とのことだが現在見られるのは上下巻に分かれたDVDで、いわゆる未公開映像も加えて単純加算で155分にもなっている。 登場人物では、題名の女忍者7人が大きな見どころになりそうなものだが実際は見事に誰にも愛着がわかない。オッパイ攻撃とか股開き攻撃とか恥ずかしい技を修得した者は生き延びるが、そこまで踏み切れないと途中で死んでいくというのが理不尽である。 オッパイを見せないグループでは「お笛」(演・菅原晶子)が目立っていて色気もあり、出自や最期の様子からも悲哀感を出していたといえなくはない。また敵方の「おゆら」(演・栗林知美)も目を引くところがあったが、以上2人は主人公に次々と惚れては死んでいく役で、結局みんな使い捨てかという印象だった。ほか「お品」役の鵜川薫という人も別のところで見たことがあるので注目していたが、特に何だということもなく退場してしまったのは残念だ。若手女子ばかり見るのでなく、主人公の男ぶりにほれ込んだということにでもなればそれなりに楽しめる可能性もなくはない。  なお参考として原作を読むと結構まともな時代小説であり、奇抜な妖術のようなものはそれほど多くなく、そもそも忍者は出ない。しかし映画化に当たってはかなり原作に忠実な筋立てにしようとしていたことがわかり、特に上下2巻のDVD版は、上下2巻の原作長編を可能な限り再現することが主眼だったとも考えられる。違いとしては、原作では会津芦名氏の存在感が大きく「賤ヶ岳の七本槍」の加藤家がかすんで見えるほか、特に仇討ちの女子衆7人(8人)の扱いにかなり差があったように思われる。主人公が敵の城に単身乗り込んだ際、ものすごく格好よく啖呵を切る場面は原作にも映画にもあるが、これはどちらかというと原作の方が全体との関係で活きていた気がする。
[DVD(邦画)] 4点(2017-10-23 22:42:40)
938.  島々清しゃ(しまじまかいしゃ) 《ネタバレ》 
どこか南の島のこぢんまりした静穏な劇中世界ができている。女性の登場人物が多いがあからさまな美女などはおらず、外見よりも内面を見せようとする映画のように思われる。題名の歌をはじめ突然のセッションなど音楽で聴かせるところもあり、この雰囲気に乗ることができれば、映画全体を好ましいものとして受容することができるのかも知れない。  しかし自分としては各所にある微妙な齟齬のようなものが気に障って共感が妨げられる映画だった。 そもそも少女が音を不快に思うのは音感がどうとかいうより音のずれを脳が許容できるかどうかの問題ではないかと思ったが、序盤では発達障害か何かを示唆したように見えながら、最後には単なる気の持ちようで終わった感じなのははぐらかされた気がする。また母娘それぞれの事情~思い~行動の関係とか、サックス奏者がバイオリン奏者に喧嘩を売った経過など、話のつなぎに食違いが生じているようなのは気持ち悪い。 そのほか個別の台詞や行動などにも何かと違和感のあるところが多いが、そういうことが気になって素直に映画を見られないのは、少女と同じく特殊な性質のために生きづらい人生を運命づけられた人間と思うべきか、あるいは少女と同じく心を開けば共感できるはずだということなのか。よくわからないがグルーヴの問題か。 物語的にも最後に何がどうなったのか正直わからず困惑するばかりの映画だったので、点数は4点が限界である。ちなみに、序盤のステージ上で音楽家同士が揉め始めたのと、落ち込んでいる少年にバイオリン奏者がちょっかいを出していたのは面白かった。  付記:エンドクレジットの「撮影協力」に「環境庁慶良間自然保護官事務所」とあったので、これは一体いつの時代に撮ったのかと思ったが、出演者の顔ぶれ(特に伊東蒼さん)からすると今の映画としか思われない。単純な誤記ではないかと思うが、こういうものの事務的なチェック体制などはないということなのか。
[DVD(邦画)] 4点(2017-10-12 23:53:11)
939.  世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す 《ネタバレ》 
序盤は言葉の説明が長いのでニュース映画のようだ。 はっきりしないが宇宙人は北極星から来たと思えばいいのか。劇中でたまたま捕獲した宇宙人が老齢であることが示唆され、パワードスーツの機能が老眼鏡とか補聴器のように思わされたのは意味不明だったが、個人的にはこれが日本の特撮TV番組「ウルトラセブン」第11話の元ネタになったのではと思ったりした。「我々の惑星は崩壊」したということの原因は、日本特撮なら核戦争で破滅したと説明して済ませるところだが、この映画では星の寿命で自然崩壊したイメージだったものか。 この映画で「世紀の謎」なのは、宇宙人が世界を相手にしているはずなのに何でワシントンに来るかということで、この疑問は観客だけでなく劇中人物も口にしていたので当時としても普通の感覚と思われる。博士が一応の見解を示していたが何か歯切れの悪い感じで、EARTHというよりアメリカ合衆国vs.侵略者という構図になってしまっている印象は確かにあった。ホワイトハウスが破壊される映画は見たことがあるが、ワシントン記念塔とか国会議事堂をわざわざ壊す映画は多くないのではないか。  映像面では、円盤の造形はジョージ・アダムスキー氏のデザイン(1952年発表)ではない、端正で正統派の空飛ぶ円盤である。円盤が飛んでいる場面で、手前の飛行機との相対関係で安定しないように見えるのは臨場感があった。宇宙人のスーツも素っ気ないデザインだが、円盤内で部屋の外から地球人を見ていた場面などはなかなか不気味である。 また戦闘場面では実写映像をうまく使っていたようで、実写のミサイル発射から命中まで直接つながる(ように見える)映像を作っていたのは新鮮である。攻撃された飛行機が墜落炎上する場面も実写だったが、死者が出た事故映像だったとすると面白がってもいられない。 全体としてそれほどの驚きも派手さもないが、大昔の特撮映画にしては悪くなく、特に期待しなければそれなりに見られるものと思われる。
[DVD(字幕)] 4点(2017-10-07 20:23:03)
940.  今日、恋をはじめます 《ネタバレ》 
いうまでもなく原作は読んでいない。映画としてはちゃんとまとまって見えるので、これでいいという人にはいいのだろうが、自分にとっては役に立つところ(笑うとか泣くとか勉強になるとか)が全くないのは困った。とりあえず気づいたことだけ書いておく。  (1) 劇中人物の年齢と見た目が一致しない。主人公(前半のみ)と妹だけはそれらしく見えたが、それ以外は全て演者の年齢そのままに見える。主人公の彼氏とその元彼女は23~24歳、主人公も二度目のクリスマスイブの場面で満16歳にはとても見えず、その他の人物はばらばらである。少女マンガ原作で人気俳優を使う場合にはこういうのはもうどうでもいいということになっているのか。ちなみに主人公の友人ミホ(浴衣を着せられた)役の山谷花純という人がちょうど劇中年齢ぐらいと思われる。また彼氏の元彼女はオトナすぎる。 (2) 原作段階からのことかも知れないが、主人公の彼氏の父親が「許せないってことは、愛してるってこと」だと悟ったように語っていたのは、こういう人物というより好悪の感情だけがあって正邪の観念がない人間の発想ではないか。正当な理由があって憎悪しているのに「ほんとはあたしを愛してる」と脳内変換されるのではたまらない。この映画の本来の対象層はともかく、まともな大人がこういうのを真に受けてはならない。 (3) もう一つ書くかと思ったが嫌味になるのでやめる。  なお一ついいと思ったのは、主人公が本気で取り組んでいる仕事を彼氏が邪魔しなかったことで(職場から無理に連れ出して走るなど)、色恋沙汰に振り回されるだけでなく、主人公が主体性を確立していく話になっていたのはまともである。これも原作由来だろうとは思うが。 以上、いろいろと思うところはあるが、これはこれで原作ファンその他この映画の対象層に支持されるよう詳細にわたる検討の上で製作されたものと思われるので、投下された労力なり専門知識・技術に対する一定の敬意を点数に表しておく。
[DVD(邦画)] 4点(2017-09-18 23:27:09)
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