961. 青い山脈(1949)
まさに「明朗青春篇」。前にNHKで祝日の朝、黄金時代の古い日本映画の名作を放映していた事があって、その時観た映画のひとつ。何と前編と後編の合間に当時の予告編が挿入されるという完璧版での放映でした。その頃石坂洋次郎の小説にはまってた時期でもあり、原節子という伝説の女優ともこの映画が出会いだった事もあり、自分にとっては忘れられない映画。全編にわたって、重っ苦しい戦争の呪縛から全てが解放されたかのような楽天的民主主義的軽やかさが伝わってくる作品です。「アマリリス」の調べに乗って原節子と杉葉子がダンスするシーン、事件解決後みんなでサイクリングするシーンが特に好き。確かこの2つのシーンは原作にない映画のオリジナルだったはず。リメイクの吉永小百合版も観たけどこれには遠く及ばない出来。 [地上波(吹替)] 8点(2006-01-28 13:00:56)(良:1票) |
962. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 日記じゃなくても、映ってるフィルムを観れば過去の自分に戻れるって事を主人公はいつ知ったんですかねえ?じゃあスナップ写真とかでも自由自在に戻れたの?後半、あまりに何度も何度も戻りすぎてるなあって思ったんで、「日記がない!→どうしよう!!→過去にはもう戻れない!!!」っていう彼の絶望感や焦燥感をもう少し描きこんだらもうワンランク上の秀作になったのになあ・・・。惜しい!それでもかなりのめり込めたんでこの点数。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-27 15:58:22) |
963. シンデレラマン
《ネタバレ》 愛する妻や子供たちがいるから人生をやり直せる!そんな熱くてまっすぐなメッセージが伝わってくる清々しい映画でした。守るべき確かなものがなにもない今の自分には、この家族のあり方が羨ましくてたまらなかったです。ラッセルの目の下のたるみでさえこの役には効果的。ボクシング映画なのに下手に八百長問題とか絡んでこなかったのも良かったと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-27 11:46:34) |
964. ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
《ネタバレ》 「サイコ」の燃えカスみたいな映画。 [DVD(字幕)] 4点(2006-01-27 10:26:46) |
965. レジェンド・オブ・ゾロ
なんかどこかで前観たようなアクションシーンの連続。ああ、多分こういう展開になるんだろうなあって観ていたら、案の定全く予想を裏切らない展開。ある意味安定感抜群の 時代劇。キャサリン姐さんはもう貫禄充分というか、バンデラスもタジタジのボリュームっす! [映画館(字幕)] 6点(2006-01-22 12:10:47) |
966. 博士の愛した数式
《ネタバレ》 真摯な製作態度のもとに作られた良心作には違いないかもしれないけど、なんとも起伏に 欠けるというか、挨拶に困ってしまうようなマジメ映画。ただひとつ言えるとしたら、寺尾聰の演技が作品の出来を上回っているという事くらい。深津絵里はいつもの彼女の枠を越えるほどではない。唯一、映画的に自分が興味を持てたのは未亡人浅丘ルリ子と寺尾との微妙な関係を描いた点だが、それも消化不良で喰い足らず。最近観た「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」(←これも数学者の話だけどこっちのがまだ面白い)と数式の単語がだぶってました。「僕は80分しか記憶が持たない」って言うのを宣伝文句にしてるなら、ふっと記憶が途切れた瞬間みたいなものを映像的に見せるのが普通じゃなのかなあ・・・・? [映画館(吹替)] 5点(2006-01-22 10:45:04) |
967. 断崖
傑作ぞろいのヒッチコック作品の中で自分が乗れなかった数少ない作品のひとつ。若かりし頃とはいえ、どう見たってケイリー・グラントが殺人者にゃ見えないのが一番辛いところ。あと刑事が何回か夫妻の邸宅を訪問するシーン、玄関に飾ってある一枚の絵画を一人がじいっと見つめてるシーンがあって、何かの伏線かって思ったらこれが全く何もなし。あれは一体何だったんだろう・・・?ジョーン・フォンテーンも前作「レベッカ」の方がガラス細工のような繊細さがうまく生かされてたんじゃないかって思います。 [地上波(字幕)] 5点(2006-01-08 15:43:40) |
968. ソウ
う~ん、「CUBE」的な不条理感横溢スリラーを思いっきり期待しちゃった自分がいけなかったんでしょうか。考えに考え抜いた(であろう)オチもアンフェアじゃないすかね、これは。 [DVD(字幕)] 5点(2006-01-08 09:59:07) |
969. ポビーとディンガン
良作。お兄ちゃ~ん、妹思いのええ奴や君は!って思わず肩を叩いてあげたくなる。他の人には見えないものが見えて一騒動っていうのは、どうしても「ハーヴェイ」を連想してしまうんですが、意外にファンタジー色が少ないのは世知辛い現実がこの家族の上に暗い影を落としているせいでしょうか。自分、10月生まれなんですが地味な誕生石、オパール採掘がメインのストーリーになってて個人的にちょっと嬉しかったかな。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-07 11:28:03) |
970. キング・コング(2005)
ジャック・ブラックよ、神の裁きを受けるべきはキングコングじゃなくてお前だ!何もわかってないくせにわかったような台詞を吐いて、この哀切なラブストーリーのエンディングを締めくくるんじゃない!随所に散見されたドラマ部分のしまりのない描写をボルトで キュッと締め上げれば、もっと評価は上がったと思います。自分はオリジナル版もギラーミン版も未見です。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-06 10:54:14) |
971. 男はつらいよ 奮闘篇
寅さんがヒロイン花子を心配するあまり、上野駅の改札でこまごました事を大声で呼び掛けるシーンがすごく好きです。やっぱり寅さんには自動改札より有人改札、新装相成ったピッカピカの今現在のJR上野駅なんかもう絶対似合わない!古ぼけた駅舎、そこの改札にいるのんきな駅員さん、そして鞄を持った寅さんっていうのは、もはや自分にとっては一幅の絵みたいなものなんですよ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-03 01:45:11)(良:1票) |
972. プルーフ・オブ・マイ・ライフ
《ネタバレ》 グウィネスが再度のオスカー狙いにこの役を引き受けたのは大いに納得。だって女優としちゃ、この手の「正気と狂気の境目ノイローゼ演技」って演ってみたいと思うはずだもん、絶対。予告ではグウィネスとジェイクのラブストーリーみたいな売り方だけど、実際にはココロを軽く病んだ女性の、挫折からの復活サクセスストーリーですね、これは。結構内にこもったちんまりしたストーリー、それほどスケールの大きい展開ではないので「恋におちたシェイクスピア」級の出来を期待すると肩透かしを食うかもしれません。グウィネスとアンソニー・ホプキンスの演技合戦に阻まれ、ジェイク・ギレンホールはいまいち影が薄くなってしまった印象。それなりの経験をされている30歳前後の女性の方に特におすすめの映画。 [試写会(字幕)] 6点(2006-01-03 00:54:48) |
973. 翔んだカップル オリジナル版
どうやら自分が当時観たのは通常版ではなく、こちらだったみたいです。同時上映は「だいじょうぶマイフレンド」。亡き相米監督のワンシーンワンカット演出技法がすでにこのデビュー作から顕著に使われてます。「毎度」「いらっしゃい!」「私、キレイ・・・?」長い長いワンシーンの中の短い台詞のやり取りが好きでした。学園祭での正面から捉えた、これも長回しのモグラ叩きのシーン、主役4人の転換期を迎えつつある微妙な関係の空気感がうまく伝わってくる名場面だと思います。昨日観た紅白歌合戦でのひろ子ちゃんには、時の流れを感じて一抹の寂しさも。難しい年齢をようやくクリアしたんで、これからもっと映画で活躍してもら いたいですね。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-01 23:50:31)(良:1票) |
974. 野性の夜に
う~ん、なかなかうまく言葉に出来ないけど身につまされた。ラストのモノローグが特に印象的。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-01 21:56:59) |
975. ラスト サムライ
自分の死に場所を捜し求め続けていた男が、ようやくたどり着いた桃源郷、それが維新初期のニッポン。サムライ道など最早求めるべくもない、我々日本人に突きつけられた果たし状。これをアメリカ人の監督が撮ってしまったという皮肉。 [DVD(吹替)] 7点(2006-01-01 21:43:05) |
976. ザ・コア
NASAの女性主任の人って「フォーガットン」で空の彼方にスパコンされちゃった刑事さんですよね。こんな地味な女優さんに間髪入れず続けてお会いできるなんて思わなかったです。出てきた時、もしや地底にフォーガットン?・・・ってヘンなトコでドキドキしちゃいました。 [地上波(吹替)] 5点(2005-12-26 10:47:00) |
977. ターミナル
ヨーロッパを舞台にしたハリウッド映画って、皆がみんな英語話すのは変だってちょっと思ってました。しかるにこの映画はニューヨークの空港が舞台、しかも生粋のアメリカ人俳優トム・ハンクスが英語をしゃべれないという設定の外国人を演じている。何か根本的におかしくないかい?って思いながらボーっと観てたら、映画終わっちゃいましたよ・・・。スピルバーグの職人技炸裂!各シーン、ツボを心得た巧みな演出でした。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-25 16:33:56) |
978. 綴方教室
山本監督の特集上映の際に「馬」と一緒に鑑賞。二作とも高峰秀子の少女時代の代表作ですが、この「綴方教室」の方がフィルムの保存状態がずっと良かったです。子役が達者に演技しているという感じは彼女の場合あまりしなくて、もういっぱしの一人前の女優がきちんと役を摑んで演じているという印象です。もうこの時期から後年の聡明な美しさの片鱗は窺えてそれだけでもファンとしては充分でしたが、ストーリーも心温まる展開で楽しめました。豊田正子という勤勉家の少女の自伝の映画化。「貧しきながらも楽しき我が家」って言葉を連想します。「冬の朝っていい匂いがするね」っていう台詞いいよなあ。この秀子少女が平成の世にテレビに出てきたとしても、俺は絶対ファンになると思います! [映画館(字幕)] 8点(2005-12-25 12:47:33)(良:2票) |
979. フォーガットン
ガットン、ガットン、フォーガットン!(←意味なし)こりゃ忘れろと言われたってもう忘れられない珍作ズッコケムービー。どなたか僕にこの映画の真相を一から解説して頂けませんか?でもドッピューン!って空中飛んでく瞬間気持ちよさそう、体験してみたい・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2005-12-25 10:00:40) |
980. 綴り字のシーズン
《ネタバレ》 一風変わった、といえば聞こえがいいが、かなりヘンテコな家族の崩壊を描いた一種異様な作品。リチャード・ギアとジュリエット・ビノシュというビッグネームの共演作にもかかわらず東京では単館上映という理由も中身を観て納得。しょっぱなからギアが常人には理解出来ない世迷い言台詞を連発するので、これはもしやチベット仏教やらに篤信しているギアの己の宗教観プロパガンダ映画か?って思ったくらい。でもこれがストーリーの伏線にちゃんとなっていたので一安心。思うにこの家族の悲劇は誰もがみんな「生真面目過ぎる」事に起因しているんだと思います。先述のパパ=ギアの世迷い言も「オヤジ、メシ食ってる時にくだらねーハナシしてんじゃねーよ!」って文句言ったり、逆に聞き流していたらあの息子だって脇道に逸れなかったのでは?ママ=ビノシュのどんどん壊れていく様の演技も迫力ありました。アメリカの父権神話を鋭くえぐった問題作。アルファベットのスペル音読大会っていうのは日本で言えば難解漢字博士大会みたいなものか? [映画館(字幕)] 5点(2005-12-24 15:22:39) |