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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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961.  スカイハイ[劇場版](2003)
なんというか、全体的に幼稚さが漂う安い創りの映画でした。深い感情を表現するようなところが無く、子供向けの戦隊ものを観ているような雰囲気です。無造作な喜怒哀楽が類型されて並んでいる印象で、さらに言うと怒と哀だけで9割を占めてました。まぁ、この監督にはシーンを並べる以上のものは期待しませんが、物語を演出しようという意思は持ってるんですかね? ちょっと言い過ぎか…。ドラマは観ていなかったけど「お逝きなさい」という台詞は知っている。なかなか印象的ないい決め言葉なんだけど、敬語を使ってキッツイことを言う私の勤め先の代表の口調に被って怖気が走る。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-02-22 23:31:56)
962.  グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 《ネタバレ》 
ジャック・マイヨールは実在の人物なので、本作は海とイルカを愛した彼の人生へのオマージュですね。そのエッセンスを叙情的に切り取った秀作という印象です。言葉少ない彼の海への憧憬が綴られてゆく内に、彼の本当の願いが見えてくる。それは海と同化すること。彼は海に魅入られたというより、海に還って行く人でした。ベッドルームの天井から海水が溢れ海中を漂う幻想を見るシーンが象徴的。そんな浮世離れした願望を、あたかも自然なことのように捉えているジャック。その危い存在感に畏れを覚える。でも、実名を使った映画ということは、ジャック・マイヨール本人も同様に海を捉えていたのでしょう。本作におけるダイビングの深度とは海とジャックの同化を演出する記号でしかなく、ノーマル人間のエンゾに勝機は無かった。でも、映画としてはエンゾの存在は欠かせなかったです。幼なじみの友人であり、気丈にジャックをライバル視しつつも、海とジャックの関わりを最も理解していたのはエンゾだったと思います。無名に近かったジャン・レノの存在感は主人公より記憶に残りました。余談ですが、福岡の空港でマイヨール本人を見たことがある。彼が亡くなる直前のことでした。年齢的にはヨボヨボに近い老人なんだけど、背筋がピンと伸びてがっしりした体格も目を引いたが、なにより纏っている雰囲気が只者じゃなかった。あのオーラは形容できません。一緒にいた友人がジャック・マイヨールだと教えてくれて、この映画を観た後だったこともあり納得しました。その姿は今も記憶に焼きついています。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-22 22:47:21)
963.  サロゲート 《ネタバレ》 
頭髪があるブルース・ウィリスと無いブルース・ウィリスが共演してました。基本設定は面白いと思う。人の感覚器官を代用するロボットがサロゲートと呼ばれている。尻尾はないけどアバターですな。ちゃんとセックスまでやります。サロゲートを破壊して、そのサロゲートとシンクロしている人まで殺した犯人を刑事役のブルール・ウィリスが追うサスペンス仕立て。それと並行して主人公の素性も少しずつ明らかになり、生身では接触しない夫婦間のいびつなコミュニケーションが描かれます。テーマはホストと五感を共有できるサロゲートによって人や社会はどのように変わって行くか?ということだと思うのだけど、その考察が浅い。ほとんどの人が活動領域をサロゲートに譲ってしまうことに説得力を覚えません。仕事を代わってもらえることが嬉しくても、娯楽まで代用させるだろうか? また、ラストで主人公が全サロゲートを破壊しますが、その選択もどうかと思います。「機械には血が通っていない」的なステレオタイプな描写に面白味はありません。しかも、あれは夫婦だけの問題でサロゲートの存在に責任転嫁する内容ではない。元々は体の不自由な人のための機械だったはずで、その需要を無視して良いのかとも思う。まぁ、少し真面目に考えてしまいましたが、本作はそのあたりを放棄してお気楽なエンタテイメントに逃げています。偏差値低いです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-22 15:32:21)(良:1票)
964.  ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
いい具合にミステリアスに進行していたのに、まさかと思っていたオチをそのままやられました。鑑賞中から、そのオチへの反証となる描写をいくつか確認できていたので、ちっとも騙された気がしない。反対に、裏切られた気分。作る側はこんなもんで良いと思ってるんですかね。いい具合だった前半を引っ張っていたのは紛れもなくダコタ・ファニングの無表情演技だったので、それを収穫にします。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-22 12:08:53)
965.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
勝手にもっとコメディっぽい作品を想像していたら、かなり真面目でした。太平洋戦争で日本の劣勢が顕著になってきた頃の満州。ロシア国境近くの帝国陸軍の陣地でのお話。ロシアとの戦端が開かれれば最前線になる場所だけど、戦闘シーンはありません。戦争と兵隊が嫌いな上等兵と型破りな二等兵の繋がりを通して、帝国陸軍の実情を見せる作品って印象でした。やってることのほとんどが、部隊間の喧嘩です。階級格差を盾に取った苛めも横行していて気分が悪くなる。元やくざの新兵二等兵を勝新が演じ、その規律に納まらない暴れぶりと反骨心をカタルシスにしていますが、私には娯楽作品とは映らなかった。製作から50年近くが経ち、当時はどういう観方をされたのかは分かりませんが、帝国陸軍の愚かな因習を見せてもらった印象です。あんなことをやってたら、実際の戦闘になっても機能的に戦えると思えない。日本が敗戦した原因の多くが、実は本作のような兵制の悪習にあったのではないかとも思われる。昨夏以来、太平洋戦争を扱った作品をたくさん観てきて、どうも私の視線は戦争責任や敗戦原因の見極めにフォーカスされているようです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-22 12:01:49)(良:1票)
966.  デンジャラス・ビューティー 《ネタバレ》 
これは、サンドラ・ブロックが美しく変身してミスコンで準ミスになることが面白い映画では無く、もともとそれなりには美人であるサンドラ・ブロックが素行が粗野なブスまがいを演じることが面白い映画ですね。でも最後のスピーチで、同性から認められて本心を覗かせ涙ぐむところがとても可愛く、ちょっと感動的だった。なんだかんだ言っても、美点を評価されるって嬉しいものなのです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-21 22:03:41)(良:2票)
967.  ニライカナイからの手紙 《ネタバレ》 
3年ほど前にも観ていて2度目の観賞。その間に実際に竹富島に行って来ました。沖縄の離島はみんな似た風景なのかと思っていたのですがそれは大きな勘違いで、あの家並みは竹富島だけのものです。あの島に何日かいると、コンクリートとアスファルトで固められた自分の職場近辺の風景がとんでもなく不自然なものに感じられます。長く都会で過ごした者に憧れを抱かせるに充分な魅力がありました。ということで、竹富島ファンの甘口レビューです。最初からタイトルでオチをバラしているんだから、それがバレたからってこの作品の価値が落ちることはない。幼くして母を亡くした主人公をおじいを始めとして周囲の島民が全員で見守り、真相を知った主人公を全員で励ます。何より、主人公が母の死を全く疑っていなかったことが純朴な島民気質の顕われでもある。その風土を描きたかった作品だと思います。対照させるのが東京でのアシスタント仕事。いや、自分の仕事があれに近い世界なのでよく分かります。カメラマンの人柄にもよりますが、アシスタントを罵倒しながら仕事を進める人を何人も見てきました。あの描写はリアルです。「自分が何をやっているのか分からなくなる」と言った主人公の言葉は、東京で働く人には少なからず覚えがあるのでは。そこも妙に印象に残った作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-21 14:26:18)
968.  BANDAGE バンデイジ
インディーズからプロへの道を登り始めたバンドを描いた青春映画。バンドの面子は若者が中心だけど、音楽を売るためには業界のシステムや営業戦略が絡むわけで、そちらは大人の世界。その相克の中でギスギスして行くメンバーたち。監督の小林武史氏はミスチルのプロデューサーとして有名な方なので、おそらく本作が描いたバンドの姿が実像に近いのだろう。自分勝手な奴が多い。才能がある奴に限ってそう。この映画を見る限り、ロッカーにとって協調性なんかはFUCKらしい。モノを創る商売って、個人でやるのでなければそんな葛藤はつきものだけど、本作はそこに新人女性マネージャーを絡めて、バンドメンバーとの関係に多少の色を付けた映画でした。タイトルは「バンド時代」と「包帯」が掛けてあり、包帯の方は傷付けあって前に進むということらしい。それは分かりましたけど、どうも見応えがしない。映画として表現すべき核が希薄でテーマが不明瞭。北乃きいは時々、どきっとするくらいいい顔をしますね。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-21 00:06:42)
969.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
ゾンビ映画としてはかなり風変わりなテイストを持った作品。そもそも、ゾンビから逃げることに重点が置かれていない。「ソーシャル~」「アドベンチャーランド~」と立て続けにアイゼンバーグ主演作を観た後だったので、相変わらず内省的なキャラしか出来ない兄ちゃんだなぁと思いつつも、それがゾンビ撃退のルールの細かさに似合っていてハマリ役である。そのルールがクライマックスのオチにも使われる工夫が好感でした。中盤でちょっとダレて来たところにビル・マーレイが実名で出て来る。「ゴーストバスターズ」ネタでひとしきり映画ファンを楽しませてくれるんだけど、あそこでゾンビの真似しちゃ、そりゃ撃たれるよね。そのおマヌケなところが実名出演でもやっぱり映画の中のビル・マーレイで、ヌケヌケと楽屋オチで笑わしてくれる。ん? 主人公って殺人犯か? まぁ、ゾンビ映画に殺人罪って概念はありませんな。死んで笑わせるビル・マーレイを除くとメインキャラは誰も死なず。窮地に陥っても死ぬような気配が無いから緊張感も無いんだけど、見返りとしてたくさん笑ってホカホカと心が温まる。とても人に薦めやすい。こりゃゾンビ映画の風上に置けない(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-19 14:33:12)(笑:1票) (良:1票)
970.  赤ひげ 《ネタバレ》 
ヒューマニズムの洪水みたいな映画。観る側に先入観を与えて環境にネガな印象を持たせたうえで、3時間掛けて色んなことをじっくりと説得される。保本(加山雄三)と入れ替わりに去る医師(江原達怡)のように馴染めない人もいるだろうが、私はコロッと説得されたクチです。最後は保本と一緒に、心地よいコミュニティに包み込まれるような充足感と希望をいただきました。ほとんどのエピソードに女性が様々な立場で絡んでいて、その多彩さで長尺を飽きさせない。全部は書けませんが、おとよが保本に恋心を抱く流れに和み、賄いのおばちゃんたちにダイコンでボコ殴りにされる杉村春子に笑わせてもらいました。縦軸には青年医師の成長がありますが、実は女性を描いた作品ですね。三船敏郎は大活躍という類いではなく、大地のような安定感と存在感で物語を支えます。ちょっと前なら志村喬が演じていた役目だけど、それを勤めて黒澤映画を卒業したんだなという感想です。波状攻撃的に連なる予定調和や役者のアドリブが入る隙間も無いような演出は、全てを計算し尽くす黒澤スタイルの完成型なのだと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2011-02-19 01:17:44)
971.  少林サッカー 《ネタバレ》 
オマージュという言葉が映画で使われる時は、他の映画のシーンや台詞の借用を指しますが、それをこんなカタチで表現した映画を他に知りません。本作では、チャウ・シンチー自身がブルース・リーのオマージュでした。体の向きや肩のラインや首のめぐらし方、顎の角度や視線の送り方。何気ない所作がブルース・リーそっくりで、そこに彼がいるような錯覚を覚えます。これはブルース・リーの映画に熱狂したことのある人にしか分からないこと。チャウ・シンチーが無意識にやっているとは思わないが、彼はもうキ○ガイレベルのブルース・リー崇拝者ですね。ゴールキーパーの死亡遊戯スタイルはオマケみたいなものでした。本編の方は、このノリに付いて行けるタイプなのでとんでもなく楽しかったです。マンガのような映画と言ったとき、ハリウッドではマーベル系のヒーロームービーになりますが、本作が正しい姿でしょう。同時にこれはハリウッドでは創れないタイプの作品で、バカバカしさにも色んな種類があることを教えてくれます。この「キャプテン翼」のような世界観を日本では実写映画にできなくて、香港でやられてしまうところが悔しくもありますね。
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-18 04:09:31)
972.  青春の門(1975) 《ネタバレ》 
有名すぎる原作なのでストーリーの大筋は知っていたけど、読んでいません。時は太平洋戦争中から昭和30年あたり。炭鉱の町で育った主人公が高校を卒業して東京へ向かうまでを描いた、タイトル通りの青春映画です。背景としての筑豊炭鉱、そこで働き暮らす人々、炭鉱の顔役だった亡父、美人の継母、朝鮮人、進歩的な高校の音楽教師、父の好敵手だったヤクザ、キャバレーで働く幼なじみ、などなど。多くの人との関係が主人公の青春をかたち作る。前半は貧困に苦しみながら、女手ひとつで主人公を育てる父の後妻(吉永小百合)の根性物語の色彩が強い。夫に先立たれた小百合さんが夜中に女盛りを持て余しているような描写があって、珍しいものを見せてもらった気分でした。主人公の幼なじみを大竹しのぶが演じているんだけど、まさに田舎の野暮ったい少女です。現在の彼女の迫力を思うと、これほど変わる人も珍しい。主人公の信介(田中健)は高校を卒業すると東京へ行こうと決意します。決意という言葉を使うのは、彼が二度と故郷へは戻らないと決めていたから。どうも彼にとっての故郷は、貧困と差別という記号で埋め尽くされた振り返りたくない場所のようでした。全編を通して清々しい若さがはじけるようなシーンが無く、主人公は陰鬱に悩み続ける。その生真面目さがまさに昭和の青春映画って感じですが嫌いじゃないです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-18 03:58:14)
973.  マッハ!弐 《ネタバレ》 
「マッハ!」と「トム・ヤン・クン」で一世を風靡したトニー・ジャーだったけど、そんなことを思ったのはごく一部だけだったのか、ひっそりと劇場公開されたようです。「マッハ!」に「弐」があったことは知らなかったが「マッハ!」の続編という訳ではない。お話の舞台は15世紀のタイ。権力者に父を殺された息子が山賊に拾われて武術を習い、復讐を目論むストーリー。それ自体は至ってシンプルだけど、主人公の回想シーンの入れ方が下手で複雑に見える。ストーリーにもアクション並みの見応えを持たせたかったようだが、ほとんど片言しか喋らないトニー・ジャーのスタイル(?)のおかげで主人公の内面が見えづらく、伝わって来るものがない。脚本の質の悪さはモチロンだけど、彼の良さは「仏像を返せ」とか「象を返せ」と云った、単純明快の中でこそ活かされることを証明してしまった。ちなみに「マッハ!参」があるらしく、それは尻切れトンボだった本作の続編とのこと。これの続きというだけであまり期待できないんだけど、トニー・ジャーにはもう一発、でっかい花火を打ち上げて欲しいと思うのでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-18 03:48:20)
974.  私の中のあなた 《ネタバレ》 
臓器提供を拒否して提訴した後も姉妹は仲が良く、見事に割り切って接していることが不思議でした。やはり異国の方々のメンタリティは理解できないなぁ、と思っていたらオチがありました。仕組まれた裁判だったとは言え、それが契機となって夫婦・兄妹・親戚・法廷関係者がタテヨコナナメに家族の繋がりを反芻する流れには無駄な描写や無理な押し付けが無く、じっくりしっとり描かれる。共感する部分はたくさんありましたが、テーマは母親のスタンスですね。本作は突き詰めるなら、母親の子離れの話でした。私は、人は究極的には自分の為に生きる存在であると思っているので、たとえ家族と言えどもドナーになることを当たり前のように考えていた母親の認識は認めたくありません。でも、否定もできない。理由は単純で、もし子供の頃の私が白血病に罹っていたら、私の母親もキャメロンみたいになったと思うから。いや、容姿の話じゃないですよ。子供の命を救うことを全てに優先させるって意味です。この命題には答えが出ない。病人である姉が最も冷静に事態を見つめていたことが、この作品の救いになっていました。本作のテーマは「母の愛情」の糾弾ではないので裁判の判決は控えめに表現されていましたが、実はガチンコの法廷ものに転んでも違った意味で考えさせられる良い映画になったと思ったのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-17 22:20:50)(良:1票)
975.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 
何がダメかって、正体不明のものを重ね合わせること。登場人物の不思議な能力に興味を持たせておきながら、それを説明する前に悪意を持ったエイリアンが出て来て焦点がボケボケ。下手くそです。更なる余計がモーガン・フリーマン。お話の展開上、彼はいなくても良い存在で、映画を分かりにくくしているだけでした。こんなに存在意義のないモーガン・フリーマンは初めて。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-17 01:54:24)
976.  幸福のスイッチ 《ネタバレ》 
「虹の女神」を観たときにも思ったことだけど、上野樹里は不機嫌な顔や態度が魅力的だ。電器屋の脇で電球を叩き割る姿に惚れぼれする。かと言って、シリアスな苦悩が似合うかというと全くそんなことは無い。つまらないことにぶつぶつ文句を言って不貞腐れている程度がいちばん良い。また、能力を発揮して成功するような描写より、もっと身近なことに喜ぶ彼女の方が素敵に見える。元来の愛嬌がコメディ向けのキャラだと思うけど、変態ピアニストを演じた某人気シリーズのような狙ったコメディより、ネガティブな態度から滲み出てくる可笑しさが彼女の個性だと思う。長い前置きになったけど、そういう意味で本作のストーリーと役柄はとても似合っていました。特に劇的な展開がある話ではないけれど、上野樹里が目に涙するシーンには彼女にシンクロして同じ気分になりました。本作に幸福になるためのスイッチがあるとしたら、それは他者の意見に素直に耳を傾け共感できる姿勢。言葉にすると簡単だけど、プライドが高く慢性的な不満を抱えている人には容易いことじゃない。しかし、そこから得られる充足を彼女は父親の代打で経験する。また、その姿勢は父親の営業方針そのものでもあり、父親を見る目も変わる。つまりは大人になるってことなんだけどね。「幸福のスイッチ」と言うよりは、まだ「不幸脱出のスイッチ」ってレベルだと思いますが、その大切さを伝えてくれる良作です。もはや浮気疑惑の真相なんてどうでもいいことでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-02-17 00:42:41)
977.  ザ・フライ 《ネタバレ》 
SFホラーの金字塔だと思います。古典である「蠅男の恐怖」を当時の世情に見事に蘇らせました。「蠅男の恐怖」を観たことのある者にとって、最初の転送でセス・ブランドルがポッドから出てくるシーンには緊張が走る。しかし、何事も起こらず肩透かしを食らう。これはどうしたことだ?という疑問を整理しようとするうちに、興味の尽きない怒涛の展開が始まる。肉体の変調に不安を覚えたブランドルがテレポッドのコンピュータで何が起こったのかを追及します。答えは蠅=フライとの「fusion」。私はここに痺れました。首がすげ替わるだけだったオリジナルと違い、遺伝子レベルでの「融合」が起こる。しかしコンピュータの回答は単語ひとつ。その呆気なさと重篤な事実とのギャップから漂うSFの香りが堪らなかった。ブランドルの肉体の変化と心境の変化がシンクロして進むシナリオも良く出来ている。ハエの生態を人の肉体に転写して行く描写が巧みで、グロさよりもアイデアに感心する。ブランドルは死を予感し、悲嘆し、やがて受け入れ、しかし最後は人間に戻りたいと願う。その心情が違和感なく受け取れるから、結末が複雑に残響する。SFの面白さとは大ウソをひとつ捻り出して、そのウソに基づいた描写で全体を固めること。グロさに目が行きがちだが、本作はテレポッドの機能を遺伝子融合装置へ転化させたところにSF作品としてのワンダーが集約されており、堅実にセオリーを守っていることが見応えに直結していると思う。私の中では「ターミネーター」と並び、B級からスタートしてA級に転じた数少ない傑作です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2011-02-15 14:07:30)(良:2票)
978.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
近所のシネコンのリバイバルで観賞。最近観た映画の中では、最も親近感を抱く主人公だった。主義や主張を持って結婚しなかった訳ではなくとも、結果的に独身生活を長く続けた男の生活には独自のペースがある。講演できるほどうんちくも溜まる。女性との付き合い方に対しては一種の諦観があって、それを気負うことなく正直に言葉にすると、学生を終えたばかりの女性には酷い男と映るらしい。分かる分かる。独身主義ではないから、相手によっては特別な関係を築きたいとも思う。でも、それは相手のあることだから、映画のようにすんなり行かない。この映画の、すんなり行かないところに大いに共感させてもらいましたよ。彼のように自分のスタイルが昂じると、マイルを貯めるといった副産物に執着したりする。ちょっと状況が変わるだけで、執着がいきなり無意味に変化する虚しさにも覚えがある。結婚の意義も、逆の意味でマイルと同様に扱われていました。そこに絶対的な価値を置かないニュートラルなスタンスが本作の良心です。ちなみに私はこのサイトで1万レビュー貯めることに執着してるけどね(笑)。達成したらプラチナカードとか、貰えないかな。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-14 20:08:08)(笑:1票) (良:1票)
979.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
村田(でんでん)の徹底した悪人ぶりに圧倒され、現実から逃げて楽な服従を選ぶ社本(吹越満)。実際、観ている側も圧倒されます。エスカレートする圧力へ反抗心が芽生えても、人のネガティブを知り尽くした悪魔のような村田の弁舌に消沈する。これは大人のイジメの話なのかと思いつつ、社本のストレスがいつ、どの方向へ解放されるかを心待ちにしました。タガが外れた後の社本は期待以上。村田をメッタ突きにして溜飲を下げた後、家族への態度も変わる。村田が口にしていたネタを教訓にしたような横暴ぶり。コイツは村田2世になって、その強権で家族をまとめ上げるのかと思ったら、そんなありがちな回答は用意していない。妻を道連れにし、娘には遺言として社会の厳しさを痛みと共に教えようとする。人生はイタイとかツライとか…。たぶん、円満な家族ならそれは伝わるけど、この家族には無理。娘にしてみれば「私だってイタイしツライわよ」で終わり。何の成果もあげずにウザイ親父の死として娘を喜ばせる。テーマはシンプルだと思う。崩壊している家族を徹底的に暴こうとした映画。あるいは、崩壊していても体裁を保つことが出来る、家族と呼ばれるあやふやな人間関係に豪快にケチを付けた映画だろうか。ウチはあそこまで酷くないと思える人には良い映画なのかも知れない。徹底的にやる映画は素敵だ。グロさのインパクトが不穏な余韻を残す反面、全てを見せられた快感がある。スクリーンに向かってもう十分と言いたくなる作品は滅多にありません。役者に対する褒め言葉に「体当たりの演技」と云うのがあるが、本作の黒沢あすかと神楽坂恵こそ、その言葉に相応しいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-14 17:09:55)(良:1票)
980.  あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 
原作にある力石戦後のエッセンスのいくつかを前倒しにアレンジして、この一作だけで「あしたのジョー」にしようとした努力は買います。同時に、丈は野性味が抜けて、かなり素直なボクシング青年に見えたことが残念でもあります。ストーリーに無駄は感じない。段平との大喧嘩、鑑別所→少年院という流れ、段平のプロライセンス再取得のエピソードなどがカットされたのは惜しいけど、これが限界でしょう。丈と力石のライバル関係だけに比重を絞っても見応えを担保できる原作の懐の深さに改めて思い至る。丈、力石、段平を演じたお三方には拍手です。原作やアニメ版をよく知る人からも不満が出ない役作りが出来ていると思います。体を作り上げた二人も見事ですが、香川照之は丹下段平にしか見えなかった。現場でも段平そのものだったらしい(笑)。これは凄いことです。原作をバイブルにしていた元青年としてひと言。「あしたのジョー」は力石戦の前後でテーマが変化します。丈が持つ闘争心や反発力は抑圧からの解放を目指したときフルパワーを発揮する。最初は力石の存在も、丈にとっては抑圧のひとつでした。それはルールに縛られた社会へのアンチテーゼでもありました。力石という目標を失ったあと、自身の青春を燃焼し尽くすことを最終的なコンセプトとしたのが力石戦後の「あしたのジョー」。この丈の変化と成長が、数多ある青春漫画の中でも特異な存在であり続ける所以だと思っています。今回の映画化は原作のひとつ目の山まで。このスタッフ・キャストなら、物語後半のテーマの実写映像化にも挑戦して欲しいと思いました。本来、そこまで描いてこその「あしたのジョー」です。
[映画館(邦画)] 7点(2011-02-14 01:59:08)(良:3票)
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