81. 八甲田山
最近、雪が降った日にふと思い出してDVDを借りてみた。小学生の頃、TVで観たときは、雪の中を行軍するのが、どちらの部隊かわからず、ただ中盤以降の阿鼻叫喚がインパクトに残っていました。(寒さで発狂して裸になるシーンはトラウマです)今は組織論としても理解出来、史実を調べてみると興味深く見る事が出来ます。三国連太郎の山田少佐が無能な上司の見本のように見えるのは映画的な脚色であったのでしょう。北大路欣也の心中がクローズアップされてるので騙されてしまいますが、山田少佐の判断は、それぞれの状況では兵たちの士気を重視しており、間違いとは言いきれないです。多くは準備不足に起因する遭難だったのでしょう。高倉健の徳島隊長にしても、史実では案内人に対して、かなり非情な扱いであったらしいです。公開時は案内人に「八甲田で見たことは一切喋ってはならぬ!!」と脅しともとれるシーンさえカットされてますから、役者のイメージと2つの部隊の対比をドラマ的に鮮明にするためだったのでしょう。映像的には雪崩のシーンは本物の雪崩を起こしたというからびっくりです。すごい絵です。夏に公開され、夏に納涼のために見る映画の代名詞的存在ですが、むしろ寒い日に見ることをオススメです。この過酷さを見ていると部屋の中の寒さなんて逆に忘れてしまいます。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-13 10:53:37)(良:1票) |
82. ブレードランナー/ファイナル・カット
バージョンごとに細部でどこが変更されたか分からない程度のファンでありますが、15年前にディレクターズカットを新宿東急で観た時、この作品を劇場で観る価値を知った。そして今回のDLP上映の美しさ。古さは全く感じられない。映画館で映画を観る喜びをこれほど堪能したのは久しぶりだ。少なくとも、あと25年この作品は古びず、生き残るであろう。しかしそれは過去の作品を超えられない映画界の危機を意味しているかもしれない。 [映画館(字幕)] 10点(2007-11-27 01:21:49) |
83. 八岐之大蛇の逆襲
ビデオですが、当時コレを見たときは衝撃でしたよ。 特撮とはこうあるべきだ~!!って日本映画界への反逆精神にあふれてました。うんうん、そうだよな、こういうアングルみたいよな、自然光っていいよな、パースがついてるっていいよなって、見ながらうなずいてましたよ。 でも低予算!!なので役者もどうしようもなく素人さんですが、特撮に関しては、「スターウォーズ」で花開く前に「THX」作ってたルーカスがまんま樋口監督にあてはまる作品じゃないでしょうか? 映画としては3点!!なのですが、当時の特撮の御大たちに挑戦状をたたきつけた反逆精神にプラス1点です。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-05-22 08:04:13) |
84. ガンヘッド
いろんなハリウッド映画をパクったような作風は原田監督のセンスとして許そう。 単純なストーリーなのに、全然、時間の経過や人物の動きが分からないのもすごいことだが。けっこう、かっこいい雰囲気出てたし。当時の邦画では、珍しい感じでした。 しかし、「ガンダム」のサンライズと特撮の東宝が手を組んだ技術の結晶が、戦車のぶつかり合いだったとは、当時悲しかったです。 子供の頃、ラジコンカーで友達とぶっつけ合いやってたのを思い出しちゃいましたよ。 この映画に何を求めるかっていったら、歩くロボットに決まってるじゃないすか。 アニメのロボットをリアルにしていったら、戦車になっちゃったなんて、企画の原点を完全に忘れてます。 しかし、どういうわけか音楽は異様にかっこよかったんで、サントラ買いましたよ。 「マルサの女」の本多俊之、センスいい!! ブルックリン高嶋のアタック精神と音楽に5点。 5点(2004-10-23 11:14:32)(良:2票) |
85. 男はつらいよ 寅次郎紅の花
この作品で、満男と泉ちゃんに決着がついて本当に良かったと思います。寅さんの動きを必要最小限に押さえてるような演出(それでも、元気そうに見える渥美清)リリーの登場、震災後の神戸で終わるラストシーン。 最後のつもりではなかったであろうけど、いろいろ象徴的な感じがしました。 9点(2003-09-07 00:43:33)(良:1票) |
86. ヒポクラテスたち
傑作です。年をとってみればみるほど、自分にとってさらに傑作になっていく気がします。 そんな大事なものが入っている映画はなかなか無いです。 古尾谷さん本人も、愛作のように繊細だったのでしょう。残念でなりません。 10点(2003-08-15 22:04:35) |