81. 自転車泥棒
I am Samのレビューの直後に書いています……すいません!って気分になっています。同じ「父子もの」だと思って同類項にして(赤恥)。Hopeless=絶望的、という言葉がこうもピッタリくる映画を知りません。運命の「いかんともしがたさ」を、こうもあっけなく説いてくれる映画も。たとえ貧しくとも、子に父がいれば、父に子がいれば、人はささやかな幸せでも享受できるものさ、なんて考えていた自分の甘さに、本当にすいません!って感じです。……誰に謝ってるのか分からないけど。 9点(2003-11-28 09:24:45) |
82. 悪魔のような女(1996)
シャロン・ストーン、極悪愛人顔。イザベル・アジャーニ、かまとと少女顔。キャシー・ベイツ、肝っ玉おっかさん顔。女優の画的イメージを役柄に上手く引き付けた点は◎。 5点(2003-11-28 08:48:51) |
83. I am Sam アイ・アム・サム
フィクションとして(←ここ強調)秀逸。不覚にも泣いてしまった自分に気付いたとき、この涙は条件反射なのではないかと自問してしまった。というのも、「感動的な物語」というのを幼児の頃から読んだり見たり聞いたりしてきた積み重ねがあると、この映画のストーリーというのは正にそういうジャンルの王道的存在としてツボに入り、反射的に感動せずにはいられなくなってしまうのである。(名犬パトラッシュが死ぬ場面は何度見ても/読んでも涙が出るように。)ということで、この作り(脚本)に点数を献上。ただし、知的障害者の現状に関する考証の薄さと、個々の人物の一面的な描き方に少し疑問が残るので、マイナス2点。 8点(2003-11-28 08:32:07) |
84. L.A.コンフィデンシャル
なぜか「ユージュアル・サスペクツ並みの面白さ」と思い込み、物凄く期待。蓋を開けてみたら、約一名同一の俳優さんがいただけだった。イマイチ点数が上がらない理由は、1.ストーリーの散漫さ。原作に描かれていた枝葉を、中途半端に取り入れたり入れなかったりして分かりにくくなっていると思われ。2.キム・ベイシンガー。男たちのマドンナになるには、商売オンナっぽさ強過ぎ。事件の鍵を握るには、ボーっとし過ぎ。ミステリアスなオンナを演じるには、とりあえずキャラ立ち弱すぎ。……え、オスカーって、アナタ…… 6点(2003-11-23 10:05:44)(笑:1票) |
85. 戦場のピアニスト
あらん限りの暴力の描写に、多くの観客が幻滅したりウンザリしたり、時には退屈だと感じたかも。でも現実には、これと同じようなことが世界の様々な地域で今この瞬間にも起きている。映画の場合、不快なら目を閉じれば済むけれど、そんな現実からも目を背けていて良いのか・・・?主人公の生き方が、受身かつ強い教訓やメッセージ性とは無縁に感じられる分、むしろ「わたし」が試されているような気がする。どれだけ泣けた、どれだけ怒った、どれだけつまらなかった・・・といった感覚の押し売り的な「量」ではなく、何を考えたのか、を観終わった人に聞きたくなった映画。 9点(2003-11-21 07:22:29)(良:1票) |
86. トゥー・ウィークス・ノーティス
自分に最適な役柄・キャラを求めて未だ手探り状態の女優と、見事に「はまり役」を見つけ最近その路線で調子に乗り始めている男優。そんなサンドラとヒューの駆け引きの方が、劇中の二人の恋模様より激しく感じられたような気が・・・取り合えず、がんばれ、二人とも。 6点(2003-11-18 04:45:58) |
87. 恋におちたシェイクスピア
雰囲気に酔う映画。当時の様々な背景を有する人々の息遣いや娯楽の楽しみ方を、お茶飲みながら窓越しに眺めてみました、な後味。平井堅くらいの濃さがないとお茶が薄まってしまうので、個人的に配役は良いと思う。宮部みゆきの江戸下町人情劇のプチ大河版、みたいな感じかなぁ日本で作るなら。 8点(2003-11-17 23:00:50) |
88. ファイナル・デスティネーション
運命ねぇ。何か無理やりな感じもするけど(最初のシャワールームの水とか)「運命」って言われれば「あ、そっか」とも思えるマジック。絶叫血みどろ系はダメだけど、たまには指の間からじゃないホラーを見てみよーか、という方に。そして辛口コメディー好きのアナタにも。 5点(2003-11-17 22:45:02) |
89. ポンヌフの恋人
「説明されないと良くわかんない」映画かも。入り込めなかったです。そして、ジュリエット・ビノシュ、かなーり大根のような気が・・・(それが狙い?) 4点(2003-11-16 03:10:20) |
90. ロシア52人虐殺犯/チカチーロ<TVM>
とりあえず邦題‥‥センスなし。もとネタの「シチズンX」でいいやん。邦題から想像されるのは、血みどろの殺人シーン、いかにもな名前?の性犯罪者の変態描写、叫び声とうめき声が交錯するホラーストーリー、といったところかも知れないが、実物はシリアスな人間ドラマで、一見の価値アリ(内容に関しては、以下の↓秀逸なコメントを参照のこと)。どこかの所轄の刑事さんが「事件は現場で起きているんだ」なーんて言葉を吐けるのは、まだずっと恵まれてる証拠。ここで描かれている、警察機構の徹底的した官僚化・硬直化は、ある意味近代国家の成れの果てなのか、と薄ら寒くなる。とはいえ、そうした政治体制の下での個人の価値観や尊厳を、単純なイズム批判に特化することなく、閉塞的な社会状況の中に淡々と描く脚本、そしてそれを少ないセリフ数ながら見事に体現している役者が、どちらも素晴らしい。強いて言えば、あれだけソ連ソ連した場面でみんなが英語喋ってるのがねぇ・・・しょうがないのだけど。がんばってロシア風アクセントを導入しているあたり、なお違和感。 7点(2003-11-13 06:43:21) |
91. ふたりの男とひとりの女
ノリが命!な作品。このバカバカしさと、お下劣さと、くだらなさと、実は密かに心の隙間埋めを企む人間描写に、一秒でも乗り遅れたらつまんないかも。ジム・キャリー、「バカじゃーん」って笑われることに命かけてるし。その必死さ、はっきり言って所々痛いんだけど、ある意味潔い。最近、ここまで精巧に作りこまれたおバカって、ありそうでなかなか無い気がする。点数は期待値込み。 6点(2003-11-13 00:01:54) |
92. デュエット(2000)
↓の皆さんに同意。一つ一つのエピソードには及第点。でも、一本の糸へと話が紡がれていく際の、絡まり具合がイマイチかな。群像劇の脚本って難しいですねぇー、と誰かが眉毛動かしながら言ってそう。ただ、登場人物はみんないい味出してますよ。あ、いい「声」か。 6点(2003-11-12 09:16:44) |
93. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
国際政治学の授業で見た後、先生が「今日の授業はもういいね」と。‥‥先生、キューブリックに授業料払おうね。 10点(2003-11-12 06:53:19) |
94. ベッカムに恋して
この邦題、何とかしてくれ。純粋な恋愛ものでもベッカムものでも無いんだからさぁ。内容は、明るく前向きなサッカー少女と、彼女を取り巻く友情・家族愛をめぐるコメディー(そしてシリアス。ふり幅がちょっと中途半端か)。イギリスでは大ヒットしてDVDでも大人気。多文化社会理解の牽引役と見なされる向きも。何かをやり遂げようとしながらも、因習やら伝統やら周囲の環境にそれを阻まれている人に元気をくれる映画。 7点(2003-11-12 01:28:14) |
95. フル・モンティ
からっと晴れ上がった空、どこまでも続く草原、果てしないモーターウェイ。そんなアメリカ映画の常套風景の下で見せつけられる真っ裸は、きっと開放的だし扇情的。でも、暗くて、ジメジメしてて、ナヨナヨでヨレヨレ、そんなイギリスの天気と社会環境とオヤジの人間関係の下での真っ裸は・・・。見た人にしかわからない、くすぐったさと、たそがれ気分と、ほっこりムード。欲張ってお涙頂戴物語にしなかったのが正解。 9点(2003-11-12 01:09:02) |
96. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 ノートンが凄い。問題提起としても秀逸。ただ、人間の主義主張って数年の監獄生活や兄の一言で180度変わるものなのかな、とテーマの掘り下げ方に疑問。どこかの国では、カルトの教祖や信者が全く態度を変えないまま何年間もなめた態度で裁判に臨んでるわけで。実際アメリカで、ネオナチとまではいかないまでも人種偏見に満ちた排他的なレッドネック達に囲まれて暮らした経験がある者としては、彼らが「変化」の契機に恵まれることなどそうはないことを、悲しいながらも知っている。彼らでも変われるのか?ノートン扮する「兄」の今後が気になる。 8点(2003-11-12 00:36:09) |
97. ハピネス(1998)
ありふれた日常を鋭くえぐる→見てる人の心を深くえぐる という図式が、成り立っていそうであまり成り立っていない映画。この乾いた空虚感が狙いなのかな?幸せじゃない人が、もっと幸せじゃない人を見つけてちょっとホッする・・・その連鎖のほどけ無さ具合が、物語の最後にかけてより赤裸々になります。最後の少年の一言はその極地。 6点(2003-11-12 00:04:26) |