81. 幕末太陽傳
面白いと思った映画でも結構退屈なシーンが幾つかはあるものですが、この映画は本当にだれる箇所が無くラストシーンを迎えます。スピード感のある小気味良いテンポが 素晴らしいです。登場人物のフランキー堺や裕次郎も躍動感があり、まさに活きています。 [DVD(字幕)] 9点(2006-01-21 14:42:51) |
82. チョコレート(2001)
ハル・ベリーのデブの息子、寂しさを甘い物で 紛らわしていたのかもしれません。甘いものには人の心を癒す効果がある。 ラストに二人で食べるチョコレートアイスクリーム。 黒人と白人、絶対に埋まらない厳しい溝があります。 ハル・ベリーは確実にそれを感じつつ、甘いチョコレートアイスクリームの効果なのか ほんの一瞬だけ、全てがうまくいくような雰囲気が流れます。 不幸なだけなら電話で呼び出される娼婦のほうが もっと辛い人生を背負っているかもしれません。 やっぱりアメリカの人種差別問題という背景を抜きには この映画は見れないのではないでしょうか。 5点(2005-01-19 23:28:16) |
83. 鉄道員(ぽっぽや)(1999)
雪のホームに立つ健さんが本当にかっこいい。 原作とイメージが違うという意見がありましたが、 そんな事は見なくてもわかります、 結局この人は幾つになっても、どんな役をやっても高倉健だった。 7点(2005-01-19 23:15:29) |
84. 旅の重さ
なぜだろう、ちょっと前だったら「たるい映画」と切り捨てていたのに、 70年代前半のユルい感じがなんかすごく心に染みた。 たくろうのフォークソングも映画の雰囲気に良く合っています。 7点(2004-12-19 19:45:23) |
85. 呪怨<OV>(2000)
自分の妻が他の人を愛し続けていたことを知り、 殺して天井に隠す夫、好きな人に近づけずストーカーそのものの妻、 虐待されていたと思われる子供、 映画では敢えてはっきり説明していない為、 ふと彼らの狂気を想像してしまう瞬間が一番怖いです。 やっぱり世の中で最も怖いのは人間の"業"でしょう。 7点(2004-11-14 20:29:56) |
86. ゲロッパ!
JBファンなら良く分かる。突然ステップ踏んだりとか「Getup、Popcoon」とか 叫びたくなったり、ダニーレイのオープニングを真似したり。 フォークのアリスが始めて日本にJBを呼んだとか小ネタも挟んで ファンにとっては楽しい映画です。 5点(2004-10-18 22:48:21) |
87. 2001年宇宙の旅
キューブリック監督の映像美に圧倒されます。 船外での作業シーンなど本当のドキュメントフィルムを 見ている気がしてきます。 示唆が多い為、謎に満ちていて、わけが分からないと言われる映画なのですが、 小説を先に読んでいたのでその辺の フラストレーションはあまり感じませんでした。 6点(2004-10-02 20:26:06) |
88. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
ブルース・リーは強すぎ。コロシアムでの決闘シーンも、 最初にチョットやられただけで、後は全くブルースにあたらず、 一方的に攻撃して倒してしまいます。 多分、弱そうに見られるのが単純に嫌だったからだと思うけど。 でも彼のアクションシーンは理屈ぬきでかっこよい。見ていて気持ち良い。 コミカルな普段の姿や平凡なストーリーも、 ブルース・リーという特異な才能が自分を最もかっこよく見せるために 考えて作った映画。 8点(2004-10-01 20:31:37) |
89. Stereo Future SF episode 2002
色彩感覚がすばらしい。 特に電車のシートや茶店の看板など緑色のアクセントが効いている。 チェロの曲をサックスで演奏する音楽もGOOD。 なにより緒川たまきがかわいい。 5点(2004-09-30 11:17:17) |
90. 晩春
初めて原節子と組んだ作品。この後家族について似たようなテーマの作品を 小津はとり続けることになります。ただ、本当に言いたかった事は分からない。 「娘を嫁にやる父親の寂しさを表した」。ストーリーは確かにそうかもしれませんが、 そうなのかなあ?この静かな作品は観る度に考えさせられる謎に満ちた映画です。 9点(2004-09-26 13:43:30) |
91. 椿三十郎(1962)
面白い。用心棒とどっちが面白いと意味の無い議論をしたくなるのが ファンの楽しみかも。 9点(2004-09-26 13:29:26) |
92. 用心棒
面白い。見ていて全く飽きない。 色々と監督や評論家が御託を並べる面白くも無い映画を ありがたがって見る人たちがいるが、まず面白くなくっちゃ、映画は。 ストーリーやキャラクター、セリフなど全てが最上のエンターテイメント。 9点(2004-09-26 13:16:35) |
93. SF サムライ・フィクション
侍というのは人を斬る職業で、 能力がある人間とは剣が優れた人間です。 ところが平和になるとそのような人間は不要、かえって危険と いうことになり、その辺の矛盾がテーマなのか? と難しいことを考えて見なくても、時代劇のフェイク感が楽しいし、 何より、緒川たまきがかわいい 7点(2004-09-26 12:59:52) |
94. 2010年
チャンドラ博士と人工知能HALとの別れの場面が白眉です。 皆を助けるために自身を破壊する命令を受けた時どうするか? 生き延びたいと嘆願するか、あるいは錯乱するか、不公平だと抗議するか、 腹癒せに反撃するか。 HALは使命を全うするために自己犠牲も厭わず理性的に対応しました。 一方人間(チャンドラ博士)は、自分たちだけ生き延びようとする事に欺瞞を感じ、 HALへの憐憫の気持ちから後先考えず「僕も残ろうか」とつい 言ってしまう。HALにはこの人間的な気持ちが理解できたのかな? 7点(2004-09-12 22:14:03) |
95. わが青春に悔なし
小津の映画で、妹役の有馬稲子にマージャン屋のおじさんが「あんたのお姉さん、 きれいだねえ」と言う場面があります。考えてみれば、 映画に出ている女の人は皆女優なので普通の人より綺麗な人ばっかりなのに、 その中でこの台詞に観客が納得してしまう女優、が原節子でしょう。 この映画でも、村八分状態の中堂々と歩いていく場面があります、 しかもお嬢様が野良着を着て。 村の人は気迫に負けて距離を置いて非難の目で見ているだけです。 やはり、あの顔なので成立つというのは否定できません。 それは黒澤監督がいかに原節子の魅力を撮るかを追求した (と勝手に思い込んでいますが) この映画の全ての場面に言えると思います。 7点(2004-09-12 20:08:33) |
96. 白痴(1951)
原節子の顔がすごい。日本映画史上最も美人と言われた人が、 この作品では綺麗30%と怖さ70%で、変なマントを着て怪演している。 ついでに、三船の家も変なステンドグラスが張ってあって怪しすぎる。 原作はロシアの文豪ドストエフスキーだが、 映画は原作を忠実に再現するものでもないし、する必要もないと思う。 単純にこの映画は面白い。 7点(2004-09-05 23:52:07) |
97. 東京暮色
《ネタバレ》 英語で映画はMovieです。 派手なカーチェイスやアクション等の「動き」は小津の映画にありませんが、 何故か退屈せずに最後まで見てしまいます。 現在の視点から見ると、長女(子供の為に離婚せず夫婦生活を続ける)と 次女(映画でははっきりしないが自殺と思う)の選択は 疑問に思う人もいれば、今でも同感という人もいると思う。 かなり昔の作品ですが、この映画が提示する家族についての問題は永遠に 古くなりません。 蛇足ですが、「決して人が画面を横切らない」「同じ動作をする二人」 「坂を上がって玄関を開けるシーンの繰り返し・繰り返し」など 小津の特徴がこの映画でも見られます。 8点(2004-09-05 23:41:34)(良:1票) |
98. 居酒屋兆治
健さんはいつもの寡黙なキャラで 登場人物達もけっこう悲惨な人が多くシリアスなはずなのですが、 どこか現実感が無く御伽噺のような感じです。 大原麗子は昔のウィスキーのCMしか知らなかったので、 ウィスキーの飲みすぎで死ぬのが少し面白かった。 でもとても綺麗で驚きました。 7点(2004-06-19 00:16:29) |
99. 駅 STATION
ロス五輪の開会式で、北朝鮮バリの整然とした一糸乱れぬ 行進で日本は入場してきました。ところが最後のアメリカは まったくバラバラ、笑顔で観客に手を振ったり、手持ちのカメラで 記念撮影したり。次のソウルの開会式から日本もアメリカを真似するように なってきましたが、まさに このころから日本人が変わってきたように思います。 この映画では、紅白や円谷選手の遺書、熱燗など 日本人がどこか郷愁を覚える「かつては絶対的に日本人的と思われていたもの」が 効果的に使われています。良い映画だと思います。 良くも悪くも日本人的感性を刺激されてしまいます。 8点(2004-06-19 00:08:07)(良:1票) |
100. 砂の女
一見ありえない不条理な状況を設定していますが、見ていると 色々な問いを投げかけてきます。 「日々の仕事など意味の無い砂掻きと同じなのでは?」 「帰りたいと思う家など幻想では?」 「生活に不満が多いけど本当は好きでそうしているのでは?」。 怖い映画です。 8点(2004-04-18 00:18:37) |