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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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81.  女相続人 《ネタバレ》 
中盤までの感じは正直、時代的にも超・コテコテなメロドラマ…みたいに見えてたのですが、そーするとそこでハヴィランド自身は(そりゃ実年齢30過ぎなのですから)再び素晴らしく美人ではあるモノの⇒世間知らずの箱入り娘=個人的にはどう見繕ってもハタチ前後のキャラ、には流石にちょっと見えないかも…みたいな感覚もありましてですね。しかし、その序盤のパッとしない感じが逆に、中盤で恋を得てドンドン活き活きと輝き出すサマを描いてゆく上では非常に効果的だったかも……な~んて思ってたトコロからのこの「ドンデン返し」にはまたもや、私も流石にちょっと「震えて」しまいましたよね。正に名優と称するに相応しい超演技で、オスカーも納得だとしか言い様がありません(⇒てか、こと現代に至っては、最早この彼女の演技のみを観る為の映画だ…とすら言えると思いますよね)。重ねて極めてシンプルなクラシックだと思いますが、確実に傑作だと思いますね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-27 23:29:08)
82.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
後で調べてみると、そもそものシェークスピアの『マクベス』の映像化としても史上トップクラスの評価…というコトなのですよね。私見ですがソレは、妖婆=原作に於ける魔女と、そして浅茅=マクベス夫人の表現方式にポイントがあった様に思えています。特に浅茅について、彼女を多面性を備えた「人間」として描くより、その邪悪な権力欲や冷酷さのみをより際立たせた一種の「人成らざる者」として描く方が要点が分り易く伝わり易い、その部分に所謂「能」の方法論を取入れて、不要なモノを極限まで削ぎ落した抽象的な表現・演技として纏め上げたコトが、本作に更に高度な幻想み・幽玄みや寒々しさを付与している様に思えたのですね。モノクロで、画質も特に好くはないのですが、何処も彼処も凄い迫力だな…と思ってしまいました(こないだのジョエル・コーエン版『マクベス』にも、少なからず影響はあったのではねーかと)。  他、ラストの弓矢のシーン(+ソコでの三船敏郎の狂態)も確かにスゴかったと思いましたが、あのお城のセットがまたスゴかったですね。引きで全景を映すトコなんか、たぶんもう一生忘れられないと思います(あの寒々しさ・禍々しさ…)。正直、尺的な観易さも含めて、黒澤明でも一番最初に観れば好い作品なのではないでしょーか(『用心棒』とかも短くて面白いと思いますが、ちょっと西部劇的なノリもあるので慣れないと微妙…かとも常々思ったりしてましてですね)。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-02-27 10:38:20)
83.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
まあ確かに、根っこのトコロにソコまで「体重」が乗っかってるって作品ちゅーよりは、お洒落で軽いノリの(気楽に観れる)恋愛コメディだ、とも感じるのですが、演出・脚本におけるテクニック的な部分や、主演二人の役への「ハマり様」とかに関してはまま歴史的にも高水準だと思ったのですよね(⇒ウディに関しては「ハマってる」って言い方もナンか違うよーな気もしますケドも)。ただ其処でいくぶん、ロマンスにせよコメディにせよどちらにしてもが今や「ノスタルジック」に為りかけている気もしますが(⇒特にその、お洒落と知性=シニカルを「自己防衛」として身に纏うコトが実に鼻に付く感じなぞは)それでもごく軽妙なダケに私も終始、思ったより気楽に笑えて・且つ(ラストでは)チャンとしんみりも出来たかな…と少し驚いてすらしまいましたね。随分久方振りの再見なのですが、意外なマデに楽しめちゃいました。この手の(恋愛)映画としては最高レベルに好みでしたね。  一点、ゆーて今作でもダイアン姐さんは、私としても(ある面では)非常に魅力的に見えなくもないのですよ(⇒朗らかに健やかに超・危険運転を繰り広げるサマなんかには、流石にちょっと眉を顰めるしかなかったりもしたのですケド)。でも一方で、逆に今作のウディ・アレンとゆーのは、女性の観客さん方からはどう見えてるのかな?と思ってしまったりもしたのですよね⇒つまり、女性からはコレが(シンプルに感情移入の可能な)「恋愛」映画として観れるのか?と。まあ重ねて、根本的には「相性の好い」二人だとも(ソコは確実に)思われるのでして、且つはその部分って恋愛としてはより「本質」にも近い、それを(ワリと短尺で)描き切っている映画だ…と捉えるならば、その面でもやはり「高度な方の」恋愛映画だったのだ…と言えるっちゅーコトなのかも知れませんケドね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-23 12:29:59)
84.  湯道 《ネタバレ》 
非常に優れた一つのアイデアだ、と思うのですね。こーいうのってこの国には他にも、ホントに&フツーにたっくさん在るのだと思うのですよ(⇒例えばそれこそ、こないだの『PERFECT DAYS』のアレとか、とて)。おそらくそれは、概して単なる技術・知識の体系には留まらず、或いは実践や修行の方法論や数限り無い(成功と失敗の)経験則を含めてもまだ足りない、もっと高次の文化や伝統、場所・人の集まり、価値観・思想・美学、そして更に上のナニか、までをも包含している、それに「道」と付け加えて「可視化」するというやり方は、実にしっくりと分り易く、且つ効果的だと思うのですね。もし失われるくらいなら、とりあえずも~ナンでも「道」って言い張っちゃえば好いじゃんか!な~んて(⇒ジャンルも問わず、集団だろーが個人だろーが、誰かが一生掛けて懸命に極めて・歩んでるモノだったら全部それで好いんじゃねーか…と)。  群像劇とも言える様な言えない様な、確かに少し雑多な印象が冒頭からも強いという作品には見えたのですが、この構成は結局、そーいう非常に多様な側面を持つ奥深きとある概念、を表現するための演出上の仕掛けだったのだ…と思えば、個人的にはソコにもかなりしっくり来たとは言っておきたいです。また実に、ホッコリと文字どおり「温まる」お話の集合であったコトも含めて、心置きなく一点プラスしておきます。
[DVD(字幕)] 8点(2024-02-19 23:57:37)
85.  カビリアの夜 《ネタバレ》 
『道』はマイベストと言って好い作品なのですが、主演のジュリエッタ・マシーナの魅力の引き出し方、とゆーか彼女の本来のキャラに合っているという感じ自体は、今作の方が上回るかな、という気もします。元々が小柄なので、やはり若くも見えるものの、演者の実年齢として30台中盤~後半…というコトも含め、今作中の役柄としても20代後半~30凸凹という感じでありましょーかね。娼婦役として多少「酸いも甘いも」といった世慣れた感じ(だいぶまろやかな言い方をしてる気もしますが)も踏まえて、やはり役柄としては今作の方が、名優ジュリエッタの「本来の魅力」とゆーのをより大いに感じ取るに十分だったとも思うのです。改めて観直すと、驚くほどに・稀代のコメディエンヌだと言っても好いほどに、優れた喜劇俳優だったのだな…と思いましたよね。口調や表情、所作に至るまでどれも実にコミカルで、本当にどこを切り取ってもホッコリとクスクスと微笑ましく眺めてゆける作品でありました。それで居て、今作は(同時に)高度なネオレアリズモ作品であって、その微笑ましさを取り巻く環境・境遇というのはごく「悲惨」だと言っても好いモノでもある、でもそれ等をまた、このレベルまでの正統なる「コメディ」に仕上げられる・引き上げられるというのが(それこそ)フェリーニの技術と、そして重ねてジュリエッタの素晴らしさだと再認識できたのですね。やはり、紛うコト無き傑作だと思いますね。  時世がら、或いは時代の流れに依るトコロもあるかも知れませんが、ジャンル作品のみならず、最近はこーいう「社会を映す鏡」としてのドラマ作品なんかですら、特にネガティブな状況における描写の「ネガティブさ・過激さ」とゆーのは唯々エスカレートしてゆく一方だ…という気もしたりしてます。それはそれで大いに意味の有るコトではあるのでしょーが、こと劇映画に限るなら、私はやはり今作の方が(質感として)単純に好みですし、何より本質的にアプローチとしてもポジティブである、と思って已まないトコロではありますね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-10 10:00:58)
86.  チェンジリング(1980) 《ネタバレ》 
さっき観たバーヴァの『呪いの館』で、似た様なシーンが在ったから(また)ちょっと思い出して再見しちゃったのですが、この映画ってやっぱシンプルにかなり「怖い」のですよね。ごく終盤のクライマックスまでは非常にサイレントなホラーで、ソレこそ製作年である1980年以降はめっきり減っていった系統のヤツ…だとも思うのですが、今今に観直しても(逆に)何故こーいうコトになっていってしまったのだろう…と思わざるを得ない、ソコにこそ、今作の(ホラーとしての)技術の高さ・真似の出来なさが凝縮されて居る…とも思うのですよね。何とゆーか、ウギャア!と驚く・慄く・慌てふためく、なんてコトとは真逆の方向性、正にあのジョージ・C・スコットをもが(例のボールの跳ねて来るのを見て)壁まで後ずさったかの如くに一瞬「身動き出来なくなる」という様な重くて冷たい恐怖の一撃が其処彼処に…て感じなのですね。うーん…ホラーを志す者ならば絶対に最初に観ておくべき、と言って好いレベルの傑作だと思います。未見の方は是非。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-07 21:31:52)
87.  哀れなるものたち 《ネタバレ》 
特に見た目の印象とかも含めて、私見ですが恐らく『千と千尋の神隠し』と同じ様な観方をしてゆけば好い作品かな、と思えてました(まあ、全年齢対象版か否か、といった辺りにはかなり大きな違いが在るとは思いますが)。ただ、その彼女らの「成長」の意味するトコロの解釈には、ある面において小さくない条件の違いが在る様にも思えていて、それはたぶん、今作中の表現を借りるならば「良識ある世界」をまずどう前提に置くか、というコトだと思われたのですよね。『千と千尋』の千尋というのは、その「良識ある世界」から出て異世界を旅して⇒そして(成長を携えて)そこにチャンと戻って来る、という役だったと思うのです。が今作のベラの旅というのは(ある意味)もっともっとプリミティブなモノで、彼女はそれこそ良識ある世界の「外」からやって来る、だから、結局その彼女が最後に一体ドコに辿り着くのか…といった部分については寧ろ、その予想が付かなかったコトそのものをかなり楽しんで観てゆけた、と思いますかね。  エマ・ストーンという方については、暫く前からは何とゆーかほぼほぼオールマイティ=演技のカテゴリの殆ど全てにおいて卓越している、という印象も覚えて居たのですが、その意味でも今作のベラの様な、美醜・善悪・理性と本能(或いは狂気)といった多面的な要素を包含するキャラクターには正に打って付けだったと思います。一箇所、短いシーンでしたが中盤のダンスのトコなんかも凄かったですよね!そりゃ『ラ・ラ・ランド』出てたんだからダンスは元々出来るんでしょーケド、あれはも~ダンスとゆーよりは何らか高度な「身体表現」の方のレベルだったと思うのですね(こんなコトまでこんなに出来るのか…)。いずれ、どんな域にまで到達するのか、楽しみで仕方ありません。
[映画館(字幕)] 8点(2024-01-28 13:33:26)
88.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 
史上稀に見る…と言って好いレベルで「頭で理解するのが難しい」という映画かと思いますね。そもそも、こ~んなグダグダをフル尺の映画で観せられて、んで何故にそもそも(お笑い的に)コレがこんなに面白いのか⇒更にソレだけではなく、観てるとまた他にも様々な感情が何故にこんなにココロに沸き起こってくるのか(喜怒哀楽は無論、後半は友情やらナンやら、最後には確実にちょっと感動までしてまう始末でありまして)。理に適った説明という意味ではまず非常に困難だと思いますし、率直にいまレビューも極めて書き辛いです。でも、私としては今作もやはり確実に一種の奇蹟=天才の為せるワザ、だったかとは思うのですよね⇒とゆーか、やっぱラストでアレだけ謎に感動してしまったのだから、コレはも~「そう思わざるを得ない」という方が近いです。  一点だけ、小賢しいお世辞文句も並べておくのなら、コレ、日本人たる我々にとっては、言語がロシア語だった=英語じゃなかったのが、なお一層「効いてる」よーな気もしてますよね。こーいうシュールなコメディって、むしろ日本でこそ(映画でも)見かける頻度は(特に西欧~アメリカと比べたら)多い様な気もするのですケド、逆に近年の日本のシュールコメディが諸外国ではどのようなモノに見えてるのかとゆーのは、今作を観た後だと(その観点から)少し気になる様な気もしますかね⇒まあ、今作とは違って邦画のその手のヤツって、言語的な笑いが(やっぱ)より多い気もするので、広く観られてるって状況では絶対にないとも思いますケド。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-21 23:45:59)
89.  TALK TO ME トーク・トゥ・ミー 《ネタバレ》 
いや、シンプルだケド、コレは中々…滑り込みで2023年のベスト5が一個入れ替わったな…(私が観たのは年明け後だケド)  大筋としては比較的オーソドックスな憑依もののホラーで、かつ変に凝り過ぎるコトも無いコンパクトな尺+テンポも悪くないのがまずは観易くて好いですよね。ソコで多少、憑依ものとしてはその主体が(平時の悪魔ではなく)悪霊=怨霊であるコトとか、ごくネガティブなラストの感じとかも含めてややフツーの欧米ホラーとは趣きが違うっぽい箇所も見て取れはしますが(⇒今作ってよく見たらオーストラリア産なんですね)、どちらかとゆーとソッチよりも端的な映像の力強さに第一には引き込まれましたですね。中々、大胆だな~と言って好い様な構図で禍々しいモノを思い切りバーン!と+結構ネットリと映して来るって感覚が在ったのですが、それでいてキレも十二分に感じられるとゆーか、その辺には(逆に)かなりこだわって準備してた様に思えるのですよね(⇒私もちょっと近いうちにソコだけ再確認の為に観直そうかな…と思ってる位で)。あと、そーいうカメラワークで映してるトコロの若い役者さん達の(異形のモノとしての)演技自体が、コレまた皆(チャンと若いワリにも)頑張ってたかな~とも思いますね(意外なマデの高クオリティ)。  加えて、ココに関してはホラーファンとしての個人的な好みに類する観点かとは思いますが、中盤以降また中々に「ナニが起こってるか定かにならない」という、その不可解さが至極に個人的にドンピシャだったのですね。結局、ミアの母親の死が自死なのか事故なのかも完全に明らかにもならないですし(⇒ごく強力に自死であったコトが示唆されてはいるものの)、クライマックスを踏まえても主人公を除く主要人物達の生死もまた判然としないママ終わってゆくのですし、だからラストなんかだって未だ「コレはナニかの(覚めない)悪夢?」とだって思える様な⇒チャンと終わった様でまだ悪夢の続きが残ってる様な、も~極上の不穏さを湛えて居た…と思うのですよね⇒重ねてコレって、個人的には超々好み!てゆうヤツだったのです。なので、少しだけオマケしてこの点数としておきます⇒映画館でやってるうちに是非々々。     ※以下余談:もう一点、コレは(前述どおりの)オーソドックスな前半を、私がよりホラー的に観てゆくコトが出来たコトの(結構重大な)理由なのかも知れませんが、私にはこの「降霊ごっこ」がもたらした悲劇とゆーのが、ソレこそ「薬物ラリパッパパーティ」が引き起こしたソレ(のメタファー)にしか見えてなくって、結果としてより一層暗澹たる気持ちで痛ましく眺めていた…というコトなのかも知れませんです。件のコロナ禍+例のオピオイド危機を経て、今や米国内の薬物事故による死者は年間10万人のスケール…ってゆーんだからも~トンデモ無い!すよね。そう、薬物って、正に今作で描かれるコトと同じ様に、人に依って or タイミング・体調に依っても諸々の「効き目」が違うから、だから大丈夫そうに見えてても⇒一発で即死するコトだって全然あり得るのだと思ってるのですよね。やっぱ、どの種類だろうが絶対に手を出さないに越したコトはねーです(ソレがホントにそのクスリである保証すらねーのだから)。
[映画館(字幕)] 8点(2024-01-05 23:17:11)
90.  正欲 《ネタバレ》 
何となく、劇場予告編とかをチラ見する限りでは、新垣結衣ちゃんが人に言えない変わった「癖」を持っていて…みたいなヤツに見えてて⇒そーすると畢竟その「癖」ってどんなんやねん?てのがどーしたって(イのイチバンに)気になっちゃうじゃあねーですか。だから、観終わって第一に思ったのが、その「癖」ってのが実はどーでも好かった(=何でも好かった)という今作の根本的な構造自体が、そもそも非常に「斬新」だよな…と思えたってコトなのですね⇒私にとってはもはや一種の「トリック」だったな、と。  そしてまた、このトリックの効果とゆーのが中々どーして絶大だった…とも感じてまして、正直昨今、今作とテーマを同じくする様な作品とゆーのは数多く存在する…ケドも、比較的個別の議論に落ち込んでゆきがちなその手の諸作品に比しても、中で今作はその「問題」を少し抽象化して⇒ソレに依って「普遍化」することが出来ていた…とも思うのですね(ココの感覚は直近だと、実は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』に最も近いモノですね)。ゆーて、社会の中で疎外感を感じるコトって、ある面では絶対に「普遍的」なコトだとも思うのですよ。とは言え、その「程度」は各個人に依って激しく異なるから⇒だからむしろ私なんかはあまり泣き言も言ってられる立場でもない…と何となく感じてたトコロに、この作品のこの感じとゆーのはソレ自体がどこか「嬉しい」という様なごく個人的な感覚もありましてですね。  本題に戻りますと、大まかにはコレも「多様性」をテーマに据えた(キョウビごく共感もし易い)作品だと思いますし、その意味でも「否定しないコト」という(恐らく)このテーマにおける現時点の「共通解」をシンプルに示して終わってゆくラストにだって、またしっかり深く共感してゆける(ゆけた)と思うのですよね。その上で、言うかどーか迷いますが二点言っておくとしたら、まず一点はガッキー&磯村クンのカップルに代表される「その指向」の人達が、何故そこまで高度に社会からの疎外感を感じているのか…というトコロの「オリジナルの理屈」とゆーのは、原作未読で観てるコッチからするとやや難解だったかも知れない、とは思いますかね(⇒ソコにもう一つ「工夫」が在ったら尚好かったかもな…という程度の指摘ですケド⇒とりあえずなる早で原作も読もうとは思いますが)。  もう一つ、否定しない=するべきでない、とは言いつつ、今そーやって「否定している人達」にも大なり小なり「理由」は在る…とも(私は)思ってるのですね(理由とゆーか事情はある、と)。ソレを=作中におけるその役割を、こと稲垣吾郎さんに(こ~んなコテコテな感じで)演らせちゃうとゆーのは、私も最初はワリと適役?かとも思ったのですが⇒最後まで観るとちょっと多少「シンプルに為り過ぎた」かな…と思いもしたのが正直なトコロです(最終的には少~ししっくり来ない感じの方が強かったかな…とも)。稲垣さんの演技自体は、今作も結構好かったとは思うのですケドね(⇒ここ数年、こーいう少し「空気の読めない」役にハマりまくってるという印象自体は、私も確実に抱いているトコロではあります)。
[映画館(邦画)] 8点(2023-11-27 14:24:28)
91.  ダントン 《ネタバレ》 
この『ダントン』という映画が在る一方で、どう探しても『ロベスピエール』という映画は無いよーで…とは言え、今作でもそのロベスピエールの苦悩もしっかりと描き込まれては居たり…と、作品としても善悪や敵味方のシンプルな二項対立を描くモノには決してなって居ないですし、当然の如くそれは時代考証としても+普遍的なこの事象の解釈としても正しいのだと思います。今作を観てもやはり、フランス革命とゆーのは私には、その後の歴史の中で同じ様なコトが散々繰り返されたのも含めて「こーなるしかない」歴史的必然だった様に思えるのですよね。だからその意味では、まず総てが「無駄では無かった」とも思うのですし、むしろ我々はその成果に「タダ乗りしている」側だ、ともずっと思っているのです(未だに)。この騒ぎから程無く、ロベスピエール一派もまた滅びて革命は一旦の終わりを迎える…のでしょうが、そこまでは描かずに(極度の不穏さを以て)それを暗示して終わる…とゆーのも、洒落ていて(単体の映画としても)より効果的だったと思いますし、また高度に暗示的であるが故にある種「未来予知的」だという意味でも好い演出だったと思うのですね。非常に見応えの在る、優れた映画だったと思います。  しかし、それでも尚、ワイダ監督がロベスピエールよりもダントンの側に共感を惹き付けられていたコトの理由とゆーのは、繰り返された歴史的既視感に対する共鳴と同義だったのか…とは少し考えてしまいますね。あくまで私の個人的な解釈としては、成就しなかった革命の「普遍的な末路」とゆーのが、この映画の結末=ダントン粛清に凝縮しているのではねーかな、なんて思ったりもします。要は、大きな意味での「味方」を殺し始めたらモ~終いだ…というコトですよね。だから、我々としても、もし敵が同士討ちとか始めたら、喜ばしいと思うよりはちょっとヤバいと思った方が好いのかも知れませんね⇒味方を味方とも思えなくなってるヤツってのは、敵のコトなど人間だとすら(多分)思ってないですよ、と。
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-11 11:16:12)
92.  怪人マブゼ博士(1933) 《ネタバレ》 
大作『ドクトル・マブゼ』の続編として製作されたモノの、政権を掌握した直後のナチス(のゲッベルス)に危険思想を孕む作品と見做されて上映禁止処分となった、てなコトですね。このコトもあってか後にラング自身は、今作にはナチス批判の意図をも込めたのだ…と言っているらしーのですがコレは多分後付けだろう…とゆーのも(また映画史家からは)言及されているトコロのよーです。私はとにかく第一作『ドクトル・マブゼ』を観れてないのでソコはナンとも言い難いかも知れない…とも思いつつ、今作はやはり、根本的にはごく娯楽映画的な方にハイ・クオリティな方のサスペンス・スリラーの傑作…だとは思うのですね(⇒オーラスのカーチェイスや、あと工場爆破シーンなんか最早オーパーツに近い出来ですよね!と)。しかし、ソレでも随所に垣間見える(時代的に不相応にも思える)ごく猟奇的でグロテスクな恐るべき要素とゆーのが、物語の内容を超える(=もっともっと本質的な)スリルやホラーを感じさせてくれる…とも同時に思ったりするのですよ。  その恐ろしさの根源てのは、やはりこの時代のドイツ社会自体が孕む歪み・捻れなのかな…とも(どーしたって)思ってしまうのです。ドイツ表現主義の作品として『吸血鬼ノスフェラトゥ』や『カリガリ博士』の印象を継承してるからなのかも知れませんが、所ドコロに登場する精神を錯乱させた登場人物達の有様とてまた社会病理としての種々の「狂気」の顕れである様にも思えますし、その中でマブゼ博士が唱える「テロルへの信奉」とゆーのもまた、「力」のみに頼らざるを得ない様な=そーしなければ生き抜けないという様な道理や倫理が用を成さない壊れた社会を映し出した結果…という様にも見えるのですね。で本作はまたまた、そーいうモノの象徴としてのマブゼ博士に対して善なる力=(本作においては)警察機構が完全なる勝利を収めて終わってゆく…という様にはどーにも見えないのも確かだと思うのですよね(⇒ソコは、同時代付近のアメリカ映画なんかと比べるとコレもやや異色だな…とも)。ナチスが検閲して改変してれば好かった…とゆーコトでは全くないのではありますケド、その辺も含めて個人的にはやっぱかなり「怖い・不気味な」映画だって印象がどーにも強く在り続けてます(映画自体の内容のスリルなんぞより余程…)。
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-04 17:57:53)
93.  死滅の谷 《ネタバレ》 
コレは確かにナンとも強烈な……ブニュエルが今作を観て映画監督になろうと思った、てなコトらしいですケド、個人的には(コレもその影響自体は一般的に認知されてる)ベルイマンとか+彼の『第七の封印』とかへの影響…てのがより強力かもなって印象ですね。それは技術的な部分のみならず、今作が先進的・芸術的な表現技法を駆使して描き出すトコロの力強いテーマ性の部分にもまた大いに見て取れると思うのです。中盤の3つのストーリーで実に極上なるファンタジックの渦の中に見事に引き込まれたと思うやいなや、ラス前のエピソードの余りの冷徹さにモ~首がもげる位の勢いで現実に引き戻される、この感覚が実に鮮烈で、かつ(映画的にエッセンシャルな)「快感」だったと思うのですね。うーん、まだまだ、子どもの頃にコレを観せたら(ブニュエルとかベルイマンとかと同様に)ひとりの人の人生を⇒それを通して世界の在り方をも少し変えてゆける様な超・パワフルな作品だと思われますね。傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-02 17:41:15)
94.  M(1931) 《ネタバレ》 
いや~、ド初っ端からあまりのスリラーっぷりに完全に引き込まれてしまったのですが、でも、ココなんかだってスリラーやホラーの観点からしたって、同時期のユニバーサル怪奇映画なんかと比べてもかなり異質…とゆーか私の好むトコロの現代的な「見せない」恐怖とゆーのが大いに感じられたりもしたのですよね。全編を通しても(時代相応に)ショッキングな描写に対する「制約」とゆーのはごく強力なモノとして感じ取れるのでして、暴力的・猟奇的な描写や反道徳的な展開なんかも中々描くコト自体が(そもそも)出来なかったという様に見える、その部分は当然(コレもやはり現代的な感覚からすれば)「演出の不自然さ」という印象にも繋がってくると思うのです。しかし、逆にそれ故に、全く語られない少女らの行く末を我々自身が如何ようにも惨たらしく想像し得るが為に、作中の幾つかの犯人と少女のシーンは却って実に寒々しく恐ろしいモノに見えてくる、この現象にはもはやある種の(恐怖映画としての)普遍性・不滅性が在る様にも思われますよね。そして、ソレは明らかに「監督の狙い」だ…とも(少なくとも私には)感じられるのです⇒その時点で、今今に私が観たトコロでもやはり確実にエポックメイキングな…と言うに値する傑作だと思われるのですね。  加えて、更に一つ優れていると思うのが、その映画史上に確実に残るだろう絶大な「ショッキングさ」が故に、本作にも辛うじて描くコトが許されたのであろう(極めて不埒な)終盤の「人民裁判」などといった作中の描写もろもろが、当時のドイツ社会の「歪み」という恐るべきリアルそのものをまた見事に体現している…という実に巧みな構成ですね。ココは、作中にも名前が登場するグロスマンやハールマンといった1920年代のドイツの実在のシリアルキラーについての知識が前提に無いと理解は難しいトコロかとも思われますが、おそらくこの映画は(前述した描写のまろやかさを踏まえたとしても・私なんかが現時点で観るよりも遥かに)当時の人々にとっては切実な恐怖だったのだろうと思うのです。もしかしたら、人類史上最も「本当に恐ろしい」映画のひとつだったのではねーか、とすら。だから、今作を観てのみの判断としてさえ、暢気な現代のホラー好きを自認する私の趣味の観点からとて、この時代のドイツ映画とゆーのは大いに絶対に鑑賞に値するのではないか…と一発で思わされてしまったのですね⇒そしてソレは、この時代のドイツとゆーのがまたある種、非常に高度に「狂って」いた…というコト自体を、残念ながらコレも非常に確からしい「歴史的」事実として(私も万人並みに)理解しているからだ、とでも言いますかね。なんか、全く思いがけずも実に高度なホラー的「閃き」とゆーのを勝手に拾い得てしまいました。
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-30 22:33:21)
95.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
最初は正直、軽めのコメディかと思ったのですが、後半はかなりマジメに深く共感できるというお話でしたね。ちょっと『100万回生きたねこ』とかも思い起こされてしまいました(感動しましたです)。  前述どおり、間違い無くコメディ with タイムループというオーソドックスなヤツだとは思うのですが、同時にかなり高度で真剣なお仕事映画だとも思うのですよね。私だって確かに、ちょっと前までは月曜が来るのが死ぬホド憂鬱な時期がありましたし、或いはも~「現時点から一週間(一か月)キング・クリムゾンで吹っ飛ばないかな…(⇒その私自身の未熟さ故の結果は甘んじて享受するが、その過程には金輪際関わりたくない!)」なんてコトもよ~在ったな~とも思うのです。時間操作系のヤツって、実は仕事系のお話とは根本的に相性好いんだろ~な…なんて思ったりも。  んで、そんな今作はまず、前半はしっかりそのコメディ部分がかなり好く出来ていたと思いますし、かつ後半はお話の方がまたしっかりしてる=テーマとゆーか信念とゆーか(その「仕事」や「人生」における)価値観がハッキリと語られる、という意味で二回チャンと美味しい映画だったのが非常に好きなタイプ+意外性から生じるお得感もあってとても好かったと思いました。テーマの部分もまた、押し付けがましくないとゆーか(流行りの)ダイバーシティ的なとゆーか、ソレこそ仕事における価値観・流儀になんて絶対的・単一的な答えなんて無い!とは私もつくづく思ってるトコロではありますし(「(最後に)頼りになるのは自分だけ」も「大きな仕事こそ仲間と協力して成し遂げるモノ」もどっちも真理だと思うのですよね)。小品ですが、誰にでも臆するコトなくオススメできる良作である様に思います。短尺でサックリ観れますし、是非。
[DVD(邦画)] 8点(2023-09-23 21:24:04)(良:1票)
96.  Tommy/トミー 《ネタバレ》 
わー私コレ好きですわ~シンプルに音楽の感じがだいぶ好みっすね!形式としても、そもそも私オペラ好きなんで嫌いなワケが無い。恥ずかしながら「ザ・フー」をチャンと聞いたコトすら無かったのですが、クラシカルなロックでノリが好くて実に心地好かったですわ。ゲストのティナ・ターナーとかエルトン・ジョンも存在感ありましたし、終わり方も個人的には超・爽快でしたね。また観ます。  話の内容自体が結構ブッ飛んでるので、監督ラッセルの(コレも必然的に)ブッ飛んでる映像表現とも(何とか喧嘩せずに)ウマく調和してましたよね。その上で、役者としてはお母ちゃん役の女優さんがメチャ頑張ってたのではねーでしょーか。随所でかなりハッチャケてましたし、と言ってシリアスなシーンも手を抜かず、しかも歌も自前なのですね(フツーにチャンとプロ歌手だし、その方面のステージ経験も豊富な方とのコトで)。納得&脱帽。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-31 08:51:51)
97.  バービー(2023) 《ネタバレ》 
冒頭からの「バービーランド」の描写のブッ飛び具合には、コレがこのまま最後まで行ったら流石に付いていけねーゾ!とチョイ不安にも思ってしまったのですが(⇒そりゃコッチとて、今作中でバービーが=バービーランドそのものが悪役側にひっくり返る様なコトは幾らナンでも無いだろ~と思ってたので)最後まで観ると全然無難に=穏便に・予定調和的に・共感可能なモノとして終わってってくれる映画ではあったので、そこはひとまずホッとしましたかね(⇒まあ、世界的にヒットしてるチャンとした商業映画だったな…と)  ただね、あくまで個人的には、今作って世間で言われてるよーなメッセージ性の強い・批判精神に満ち溢れた(部分的なる)社会派作品…なんて代物には全く見えていませんでしたよ。この作品が最も批判するトコロの=主人公バービーがラストにはソレを打ち破っていくトコロの「敵なる」価値観とゆーのは、ソレこそそのバービー自身が自己矛盾的に抱えてるとも言える「画一性」であって、その端的な顕れとしての「男と女の関係性の中に在る画一的な(古臭い)ナニか」だと思うのですよね(+最終的にはそこに対する批判の刃はソレこそバービー自身にもチャンと向いてゆくのですし)。でも、今作って別にそこに関して何か一歩先のラディカルなコトを言ってるワケでもナンでもなくって、唯々「男も女もどう生きても・どう在っても好い」とか、ナンなら「人間は誰しも好きな様に生きれば好い」くらいのコトしか言ってないと思うのです⇒でソレって、ナニをどう言い訳したトコロで(少なくとも)30年くらい前には完全に・白黒ハッキリ「勝負が付いた話」だよな~と。私は正直、やや刺々しくて申し訳無くも思いますが、この映画がイラついて観れない or 社会として受容し難いから上映禁止にしちゃう、とかってのは、流石に今どきソレはどーなの?と思ってしまいますケドね⇒ゴズリング演じるトコロのケンなんて、女にビール持って来させてふんぞり返る様な・海辺で焚火焚いてギター弾きながら迫って来る様な、見た目カウボーイ(or スタローン)なんてゆう激イタ男じゃねーですか⇒幾らナンでもモ~絶滅したでしょ⁉と。。  重ねての結論、私にとっては今作は特筆すべきメッセージ性など無い、とうに滅びた「過去の遺物」(or 人類全体としての「若気の至り」)を笑いの対象とした「ノスタルジック」コメディでしかありませんでした⇒で結果的には今年最高レベルに終始ゲタゲタ笑い転げてしまった…のでこの評価となっております。ただし、純粋にコメディとしては一点ダケ、こーなるとやっぱ「ツッコミ」役が欲しい…と思ってしまうのですよね。。誰かツッコミのプロ(⇒比較的毒気の少ない一流のベテランの)が唯々ひたすらツッコミ倒す…てオーディオコメンタリーとか付けてくれたら、BD買っても好いのですケド。。(ソレかもういっそ、こーいうのに対して最早「毒」でしかないウエストランド井口とかでも好いかな…な~んて。。)    ※追伸:前述どおり、作品の内容的には(個人的には全く)悪意も敵愾心も⇒だから当然イライラも感じなかったのですケド、内容とは関係無いトコロの所謂「バーベンハイマー」とかは少し話が違うのでして、例えばコレが納得いかないから観に行こうかどーか迷ってる…という人も居るかと思うのですね。個人的には、そーいう人は別に観に行かなくても好い(という程度の)作品だった…とも思いますかね。重ね重ね、本当に単なるコメディでしかなくて⇒大した中身が在る様な作品ではない…とゆーのが個人的結論なのでして。。
[映画館(字幕)] 8点(2023-08-19 14:28:42)
98.  いつかの君にもわかること 《ネタバレ》 
主人公の置かれた状況は確かにやや特殊かと思いますが、作品のテーマ自体はごく非常に普遍的なモノだと思いました。彼が唐突に・緊急に向き合うコトになったのは、子どもをどう育てたらよいのか・どう育てたら子どもは幸せに為れるのか(⇒そもそも子どもの幸せとは何か)という、ソレこそ人の親の誰しもが生涯を懸けて追い求めるけれど、答えは結局神のみが知る…という問いかけだと思うのですね。父と子の2人のシーンも(当然)多いのですが、養親を探す上でのその問いに関わる親同士の対話シーン(=子育てに対する種々の価値観が示される場面)が思ったより多くて、でも主人公と同様に観ているコッチだってナニが・誰が正しいのか(⇒この場面における「正解」は誰なのか)なんて全然ピンと来ない…というトコロに、実に非常に共感できましたですね(若干香ばしい方も居ましたケド、大半は基本、比較的真っ当なコトを言ってる真っ当な大人だったよな…とも思うのですケドも)。  演技にせよ演出にせよ、意図的にかなり抑制してゆく方のアイデアを採用しているらしく、全編非常に静かな(静謐な)作品だと思います。がソレが一層、この問いに答えを出すコトの難しさと、そして主人公の悩みの深さ(=端的には「愛」の深さ)をも好く表現している様に思われました。良作以上かと。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-07-09 13:12:47)
99.  ひかりのまち 《ネタバレ》 
観終わると何となく、全然キラキラしてないって方の『ラブ・アクチュアリー』だなコレ…と思ったのですが、製作年としてはコッチの方が先なんですね………でも、個人的にはとても好きな映画ですね~コレ。。。まァ~、何処も彼処も行き詰まって・侭ならなくて・そして焦りと不安(と幾ばくかは既に諦めと化しているモノ)に満ち溢れているコト……でも×2、ソレでも尚、何故かこの世界が光に溢れた素晴らしいモノであるコトだけは、今作を通しても確信的な迄にはっきりと私にも伝わって来るのですよね。16ミリの粗い画面(に散りばめられる種々の「光」の美しさ)も含めて、諸々と「逆説的」な映画だな、と思いました(お見事かと)。  でも×3、ゆーてコレだって音楽のクオリティの方に(少なくとも50%は)おんぶにだっこだな…とは思いましたケドね⇒んで観終わって確認したらば案の定マイケル・ナイマン!だったと。。。まあ、だからどーした!(好いじゃねーか!)と言ってしまえば済むコトだとは思いますけれど。
[DVD(字幕)] 8点(2023-07-08 15:42:41)
100.  警視の告白 《ネタバレ》 
タイトルにある「警視」てのはマーティン・バルサムのコトで、んで若きフランコ・ネロが検事の役なんだからシンプルにバディものだったらもっと分り易いのでしょーケドも、本作はソレよりは多少捻りが効いた方のクライム作品なので筋書き自体はもう少し複雑で、かつまあまあ尺もコンパクトな方なので(特に序盤は)台詞がメッチャ多かったり=イタリア語の洪水状態だったり、もするのですよね。随所で他の方のレビューも読む限り、やや「難解」と言える域の作品…なのかと思います。その分り難さ自体は、私自身にも確かに感じ取れる程度のモノではあったのですし、特にサスペンス的な完成度…という観点では少し「粗削り」と言った方が好い程度のモノ…かとも思うのですよね。  しかしコレ、その辺を差っ引いても相当に面白い方の社会派サスペンスだと思いますよ。この時代のイタリアって本当に腐敗も不正もナニもかもが凄まじかった…てのは他作品に依っても知るトコロではありましたし(『シチリアーノ 裏切りの美学』とか)だからこそ、この複雑な筋自体にも・或いはバルサムとネロの二人の「正義VS正義の闘い」にも十二分なる説得力&半ば強制的なる感情移入をひしひしと感じて観てゆけたトコロなのです。オーラスは、結構コレも鳥肌モノでしたですね⇒私が思ったのは、映画と(ある種の)実世界が繋がる瞬間を、こんなにシンプルにやってのけるか…!というコトでした。監督はこの分野の(半ばドキュメンタリ的な)映画をこの前後でも多く世に送り出したらしく、他の作品も観たい…  追伸:マーティン・バルサムがこの頃、イタリア映画に結構出てたとゆーのは(恥ずかしながら)知らなかったのですが、流石の名優の面目躍如!たる(コレも)実に説得力満載な上々の出来でした。マカロニ・ウエスタンとかにも出てるらしいので、ソッチもちょっと観てみたいトコロすね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2023-07-08 09:07:59)
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