1021. ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜
《ネタバレ》 見応えあったなぁ。 さすがベテラン滝田洋二郎。 前半1時間と後半1時間がまったく違ったニュアンスの、贅沢な映画。 前半はレシピ作りへの格闘の日々。 そして後半は軍の野望と仲間への苦悶。 そこに現代の二宮くんが謎解きをしていくという本当に豪華な内容。 あまり美味いものなど食わないのだが、豪華な料理とはこんな映画のようなものかもしれない。 最後、舌にじわ〜と広がる味のように、感動の涙がじわ〜と頬をつたわる。 この映画が事実かどうかはともかく、秋山徳蔵さんというモデルがいたらしい。 このレシピが本になっているという。 早速、図書館で借りてみよう。 [DVD(邦画)] 7点(2018-10-14 13:11:05) |
1022. 火花(2017)
《ネタバレ》 菅田将暉は本当にいい役者になった。 「あぁ荒野」でも見応えがあったが、彼のこれから演じる映画が楽しみだ。 芸においても自分を見失わないことが大事なのだ。 慕われている後輩から追い越され、大事なものを失ってしまった桐谷演じる漫才師。 彼の笑えない笑いが、ボインであった。 テレビで華やかな漫才師たちの現実がわかった。 やはり大変な世界だった。 ニヒルな又吉の「怒り」が伝わった。 [DVD(邦画)] 7点(2018-10-13 20:56:36) |
1023. サーミの血
《ネタバレ》 この映画の主題は、少数民族への差別・偏見の酷さだろう。 (ただ文明の発展してる方が優位だとする考え方も転機が来てるのだが・・) 映画は、自分を見失うことになる少女の顛末は描かない。 それはいくつもの映画が描いてきたテーマだ。 この映画は、故郷に帰ってきた女性の魂の蘇りがただ静かに描かれているだけだ。 美しい自然と少女の哀しさが印象深い。 [DVD(字幕)] 7点(2018-10-13 20:45:36) |
1024. クロノス(1992)
《ネタバレ》 まったくロンパールマンほど、デルトロ映画に向いてる俳優いない。 もう素顔がクリーチャーみたいだもんね。 デルトロの美を垣間見られたのが良かった。 ゴシックとロリータが相性いいのはわかるが、スチームパンクとロリータが 相性いいのは発見だった。 まったくデルトロ、とんでもない奴だぜ♪ [DVD(字幕)] 7点(2018-10-11 00:35:23) |
1025. 顔(1957)
《ネタバレ》 北九州の松本清張記念館に行ってきた。 清張の映画コーナーでは、名場面の紹介があった。 この「顔」も紹介してあった。 そこでちょっと観てみたくなったので鑑賞。 こういう役って男に多いけど、女性の場合もあるのかな? 貧しさと戦いながら、東京の闇と光の両方にかかわる彼女。 第2、第3の殺人が起きるのではとヒヤヒヤした。 切ない女を岡田茉莉子が凛と演じる。 むぅ、これを機会に清張映画も観なくては・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2018-10-09 13:38:13) |
1026. 希望のかなた
《ネタバレ》 アキカウリスマキって、どん底の人世をそれでもハートは失わないって味だよね。 それが本作でも出てる。 難民問題を描いてる。 そこでふとカウリスマキって社会派なんだって気がつかされた。 ユーモラスなニュアンスがあるから、気がつかなかったよ。 日本が好きなとこは相変わらず。 そういえば日本の歌謡曲がながれる監督作(「過去のない男」)もあったね。 でもマッティペロンパーが出ないと、カウリスマキ色が薄くなるね。 似た俳優使ってるけど・・ [DVD(字幕)] 7点(2018-10-06 22:24:15) |
1027. 早春(1970)
《ネタバレ》 好きだなぁ。こういう少年の悶々とした、自分でも抑えられない様を描いた映画は・・・ 「アンナと過ごした~」も遠くから女性を眺めていたのが抑えられず・・だったもんね。 この少年、ちゃんと彼女がいたのに、年上の女性にいれあげてしまう。 自分を持ってるセクシーな女性に、魅力を感じちゃうんだね。 印象的なのは、女性の看板と裸で浴槽につかるシーンが、ラストのシーンと重なる。 でもその水中での裸の絡み合いは、美しいが、悲劇で終わっちゃう。 「青い体験」のように俗っぽく無くて、女優も美しいから、いっそう性春(青春?)のはかなさが引き立つ。 スコリモフスキの正直な作風が好きだ。 なんで「イレブンミニッツ」みたいな演出をするようになったんだろ? [DVD(字幕)] 7点(2018-10-06 15:56:58) |
1028. バスキア
《ネタバレ》 とにかく豪華なキャスト。 何より笑っちゃうのが、デビッドボウイのウォーホールとバスキアの合作。 これは本物? さもありなんという感じで、絵が完成していく様は楽しい。 それだからこその次にくるウォーホールの死。 観ている方も衝撃が来る。 そして旧友のデルトロが優しく迎え入れてくれる。 最後のジープでの飛翔のシーンはジーンとくる。 テイタムオニールが出てたんだね。 髪に赤いスカーフ巻いてた画商の女性と思うんだけど・・ 「がんばれベアーズ」の女の子からは、変わり過ぎてて、ちょっと自信がないのだが・・ いい映画でした。 合掌バスキア。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-09-30 21:28:53) |
1029. DESTINY 鎌倉ものがたり
《ネタバレ》 素直に楽しめた。 山崎監督のは、素直に楽しめますね。 ただ小栗康平監督が映画は痛切が大事だ、と言ってるんだよね。 難しいことだろうけど、心に残る映画って観るのが辛い映画が多いのも事実。 パティシエの創ったケーキみたいな映画だったけど、山崎監督には 生きてる辛さみたいな映画も撮って欲しい。 それをVFXで撮るとどんな映画か、観てみたい。 ギレルモ・テル・トロみたいな味わいも欲しいなぁ。 [DVD(邦画)] 7点(2018-09-28 12:30:57) |
1030. まほろ駅前多田便利軒
《ネタバレ》 面白かった。 松田龍平の「捨てられた子犬」ようでいて、実は奥さんもいるし、大きな実家もあるというのが平成風でいい。 瑛太の人情家のようでいて、実は子どもを亡くしてる辛い過去があることも・・ まほろとは、町田市がモデルのよう。 東京にいたとき、確かに町田市の知り合いは懐かしいにおいがしてた。 うなづけてしまう。 面白い着眼だと思う。 東京に近いながらも、地元密着志向の町が舞台とは、東京でも地方でもない、新しい世界を見せてくれる。 「探偵はBARにいる」とは、また違う平成日本の顔を見せてくれる。 [DVD(邦画)] 7点(2018-09-24 23:48:36) |
1031. ダラス・バイヤーズクラブ
《ネタバレ》 元よりテキサスのカーボーイ。骨があるはずだよなぁ。 女好きのヤバイ遊びからHIVに感染した男が、 病院の使う薬の方が死を近づけ、国の認めてない薬が延命に効くことを発見。 HIV患者たちへの会員制クラブをつくる。 そしてやはりやはりの国側との対決。 裁判は訴えを棄却されてしまうが、仲間から賞賛を受け、大好きなロデオにも出場。 レビュワーさんも書いているが、まさしく主人公がHIVになってから人間的成長をしていく内容である。 人間、どんな生き方が大事か、考えさせる1本になってる。 HIVへの偏見を突き返す、アメリカらしい骨のある映画だった。 どこかポールニューマンの「評決」を思い出させた。 社会派シドニールメットが生きてたら、この映画の監督をしていたかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-24 14:14:43)(良:1票) |
1032. 人生の特等席
《ネタバレ》 い~ですね~。 イーストウッドの味が美味く生かされてます。 本物を見切る目利きの老スカウト役をいぶし銀で好演してます。 シブいっす! でもやはり時代の波を読んだか、もうこの頃から 監督業に専念するようになるんですよね~。 だけどイーストウッド主演の映画を楽しむ目利きもおりますぜ~(笑) イーストウッド主演映画の、女性と分かり合っていく映画が好きです。 「恐怖のメロディ」「白い肌の~」などの女性蔑視映画に出てた頃の言い訳みたいで ファンはニンマリしてしまいます。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-24 00:53:43) |
1033. gifted/ギフテッド
《ネタバレ》 非常にだれることのない、面白い佳作。 このDVDの予告編が映画のストーリーを見事に言ってのけてたので、 終始、安定した気分で観られた。 それも面白く観られた原因かも・・ 確か次のような解説が予告編であった。 「一番大切なのは人を愛する才能でした」とか・・ ネタバレもたまにはいいか(笑) [DVD(字幕)] 7点(2018-09-16 00:57:09) |
1034. スリー・ビルボード
《ネタバレ》 アメリカ南部の田舎町。 ある事件がきっかけで、小さな田舎町全員が傷つく。 このクビになった警察官の描き方がいい。 小さな町では、同じ人間がイヤな奴になったり、人情ある味方になってくれたりするのだ。 最後の代理復讐という展開を思いつくあたり、神の信仰がベースにある国だと思った。 ラストの車内の会話がいい。 代理復讐が気乗りしないとお互い正直に言うと、「まぁ道々考えよう」と言うくだりが 映画に余韻を持たせている。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-16 00:51:20) |
1035. ドリームガールズ(2006)
《ネタバレ》 ドリームガールズというより、エフィが主人公のような映画ですね。 ネットで調べると、実際のエフィはグループを離れて、若くして死んじゃうんですよね。 現実はキツイ! あと劇中の「クレオパトラ」は、ルメットの「ウィズ」だとか・・ あれは・・ミュージカルとしてはどうかなぁ・・ 社会派映画の趣の方が強かったと思うけど・・ それにしても、この映画を観てて、役者さんの目がどれもいかしてるなぁと感心。 ジェイミーフォックスもダニーグローバーもエディマフィーも、 ビヨンセも、そして一番が、ジェニファーハドソン! 彼女の目つきは、セクシーだわぁ。 健康的で、いやらしくもない彼女の目にただただ釘づけ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-09 00:44:37) |
1036. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 主役の3人、本人なんだね~。 それを知ってからでは、映画の印象がガラリ。 とてもじゃないが、恐れ多くて、マイナスのコメントなど言えないです。 いくら軍で鍛えられてるからって、銃を構えてる人にタックルなぞ・・・・俺は無理だなぁ・・ もし弾がひっかかってなかったら、確実に撃ち殺されてるのに・・ 強運というか・・ それにしてもイーストウッド監督は、前作「ハドソン」から アメリカ人の勇気を称える映画を創り続けてますね~ っていうか監督は、よく考えると、どの作品もアメリカ万歳だね。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-02 22:41:06)(良:1票) |
1037. Dolls ドールズ(2002)
《ネタバレ》 幸せ薄いカップルを三組、人形浄瑠璃の悲恋もの「冥途の飛脚」(※自分はよく知らない話です) とかぶせて、現代アートとたけしさんのセンスがブレンドされ、 不思議な映画になっている。 最後の崖にひっかかって陽がさしてるシーンが美しかった。 菅野美穂の最後の方のネックレスを持っての表情が次々変わるシーンが 印象的。 きれいな映像と、それに似合わぬ暴力的なシーンもあり、 そこを久石さんの音楽がつないでるといった感じか。 [ビデオ(邦画)] 7点(2018-08-26 17:53:53) |
1038. TAKESHIS’
《ネタバレ》 うん?何故か笑ってしまった。 考えるんじゃなくて、感じる映画ですかね。 タダでさえこんがらがってる脚本を、さらに編集で切ったり貼ったりするうちに こんな混沌な映画ができてしまった。 たけし版「8・1/2」という感じでしょうか・・ でも映画を見せる技術は、本当に引き出しの多い人ですね。 フェリーニの方は映像画面の演出で見せたけど、 たけしのこの映画は、笑いやエンタメ、バイオレンスの演出で最後まで 見せますもんね。 天晴れだと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-19 19:36:40) |
1039. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 なんとも不思議な映画。 ストーリーもあるようでないようで、でも面白い。 間にきれいな景色のCMがある、たけし軍団の悪ふざけをテレビで見たような そんな感じ。 印象に残ったのは、機関銃乱射シーンのホテルの外からの構図。 沖縄で抗争があるとして、この映画のイメージも壊さない、 実に見事なカットだと思う。 淡々とした音楽もいい。 ホント、不思議な映画。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-19 16:43:36) |
1040. ミックス。
《ネタバレ》 面白い。 娯楽映画はこうでなくちゃあ。 前のレビュワーさんがおっしゃてるのは、石川佳純さんですよね。 ホント、素敵なサプライズでしたね〜。 人生に奇跡はおきない。 確かに試合は負けましたが、勝者の江島ペアが その後どうなったのか、興味ありますね〜。 辛いばかりの人生にも、こんな風が吹く、そんな映画でした。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-18 15:59:27) |