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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1121.  恋するナポリタン 〜世界で一番おいしい愛され方〜 《ネタバレ》 
よくある話とはいえ、こういう荒唐無稽な設定を普通に受け入れる現代人は思考が柔軟なものだと感心する。そもそも題名からしてチープで安易だが(「恋する…」「世界で一番…」の両方)、中身の恋愛ドラマの方も納得がいくものではなく、ヒロインを幸せにするために男2人を使い捨てにしておいて、“だって死んじゃったんだからしょうがないじゃん”的に決着をつけたようなのは男の立場として悲しい。一方ではヒロインが乗り換えた先の男が、口は達者だがどことなく胡散臭い顔で素直に祝福してやる気にならないのも問題である。  ところで、自分にとっては食い物など①嫌いなもの、②まずいもの、③その他の3種類しかないので、劇中の料理がどれだけ美味そうなのかも実のところわからない。しかしこの映画では、劇中の武と瑠璃に“作る人”と“食べる人”の立場をきっちり代表させることで、人間にとっての料理(食料ではなく)の意義を端的に表現しようとしていることくらいはわかる。瑠璃が料理を食べるときのデレっとした嬉しそうな表情は中学生時代も現在も共通であり、またこの顔を見ることが武にとっても何よりの喜びだったわけで、そこには料理が仲立ちになって“作る人”と“食べる人”の両方が幸せになる関係が成り立っていたが、これは現実に料理に携わる人々の理想とするところではないかと思われる。それで成人後の武はシェフになり、また瑠璃もグルメ情報誌の編集者になったということなら、この関係が互いの資質を高め合って自己実現にもつながっていたということだろう。 味オンチの自分はそういう幸せな関係から疎外されていて不幸だとは思うものの、世の中に幸せな人が多いのはいいことだし、この映画を見て触発される人が多ければわが国の食文化の向上にもつながるのでは、と他人事ながら思わなくもない。武(佑樹)が南紀白浜の海岸で即興的に作った料理をその辺の皆さんにふるまうのを見ていると、料理人というのはみんなに幸せをふりまく人、というように感じられて、自分には利害関係がないながらも変に感動的だった。  まあ世間的にはあまり評判がよくない映画のようだが、それも料理に関わる上記の関係と恋愛感情をあえて混同させないようにしたことで、恋愛ドラマとしては捉えにくくなった面もあってのことと考えられる。そのため自分としては、まずは料理映画という面から一定の評価をしておきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-08-11 18:25:36)
1122.  信さん 炭坑町のセレナーデ 《ネタバレ》 
劇中で信さんと主人公の母親の間に何が起こっていたのかは、見ればある程度はわかるが個人的に共感はしない。特に成人後の信さんが自分の母親に性愛感情を持っていたことに関して、主人公が何とも思わなかったのかどうかは疑問を感じる。また信さんの妹が不快感を示していたことについても、その背景事情や主人公への思いとの関係が不明瞭に感じられ、どうもこの辺の人間関係が納得できていない。  一方で個別の場面に関していえば、個人的に最大の見所だったのは(米とぎの場面ではなく)主人公と信さんの妹が岸壁にいる場面で、ここは何度見ても息を詰めて少女の表情に見入ってしまう。役者の年齢では4つも違うのに女の子の方がちゃんと大人びて見えるのが可笑しく、また最終的には少女の側から打ち切りをくらってしまったことで、見ている側としてもこのバカな少年に同化して一緒に悶える気分になる。そのほか親友との別れの場面では、まっすぐな気性だが素直になれない主人公に対し、親友の方がしたたか、かつ大らかなのが印象的だった。 こういうちょっといい場面はあるのだが、やはり自分としてはこれをストーリー全体の中でどのように位置づければいいのかがわからないのが残念だった。  なお原作を読むと、信さんの妹はちゃんと高校を卒業して就職したことになっているので安心するのだが、この映画では切ない感じにしようとしてわざと状況を苛酷にしているのが嫌いだ。そうしないと映画にならないということなのか。
[DVD(邦画)] 4点(2013-08-11 18:25:28)
1123.  60歳のラブレター 《ネタバレ》 
大変ハートウォーミングな映画で、医者と魚屋に関してはまあ素直に共感できる。 ただし中村雅俊氏の役は感情移入が難しいキャラクターだけに、最後の締め方もアクロバティックというか突然ファンタジー調になった感じで、これが映画的な盛り上げというものかも知れないが少々無理がある。この男だけは、これまでの積み重ねを怠ったために因果応報ということでもよかったのではないかと思うが、だからといって元妻と人気作家がこのままうまく行くというのも変であり、見ている側としては困ってしまった。団塊世代の大量退職を背景にした企画というのはわかるにしても、それまでの行状にかかわりなく60歳というだけで免罪してしまい、とにかく全員にエールを送らなければ済まないというのでは、“年齢関係なく”という脚本家の言葉も説得力が薄れる気がする。  なお個人的な見どころとしては、医者をめぐって対決する中学生女子と50代女子が、それぞれ本気で一生懸命で愛らしく見えることだった。それから綾戸智恵という人は映画の外でも相当に可笑しい人物であるらしい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-08-11 18:25:22)(良:2票)
1124.  あしたはきっと… 《ネタバレ》 
最初は葡萄畑だけ見て甲府盆地かと思ったが、実は大阪府羽曳野市のあたりだったらしく、そうして見れば「ブタのケツ」などという言葉も地域性を示しているように感じられる。実際の登場人物は全部大阪言葉(河内弁)でしゃべっているのを、映画では東京言葉に吹き替えたような形になっているのだろう。この「ブタのケツ」の場面では、女の子連中がとにかくやかましくてもう何を言っているのかわからなくなるのが可笑しい。  ところで、この映画を見る上で考慮に入れた方がいいと思うのは、この監督が原田知世のファンだ(と別映画のメイキングで言っていた)ということである。その原点は、ほぼ同世代の男ども(自分を含む)と同じように「時をかける少女」(1983)だっただろうから、この映画はそのリメイクのような感覚で作っていると考えれば、ストーリー中で時間が前後するのもそれほど奇異には感じられない。 ただし話の中身は1983年版とは全く似ていない。劇中では時間の繰返しが二度(範囲は異なる)行われていたが、そこで表現されていたのは自分にとって都合のいい結果のセットなどというのはありえず、現実にはいま自分の持てるもので一つひとつに立ち向かうしかないということなのだろう。ここには否応なしに変化を迫られるこの年代を暖かく見守ろうとする視線が感じられ、1983年版のように趣味的にひん曲げたようなストーリーよりはるかに素直に受け取れる。むしろ2006年アニメ版との類似性が強くなっており、あるいはその元ネタがこの映画だったのではないかとも思われる。時かけファンの立場としては、1983年から2010年に至る時かけ系列映画の関連作としてこの映画も位置づけておきたい気がする。  そのほか登場人物に関しては、主人公は個人的趣味の範囲内ではないが、ピュアでまっすぐな人物像がきれいに映像化されているとは思える。先輩への告白の場面(1)では、話の流れをぶった切って正面攻撃したもののあえなく撃破された(逃げ足も速い)のが印象深かった。また個人的には「葡萄畑の女の子」(役名)が個性的で可愛いと思ったが、これが若いのに何となくばあちゃんぽく見えるのも面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-11 18:25:17)(良:1票)
1125.  乙女のレシピ 《ネタバレ》 
まず苦情から書いておくと、序盤から笑えないギャグを連発していること、及び最後の締め方が不親切なことは一般客に悪い印象を与える恐れがある。ただ個人的には、そういう具合の悪いものを見なかったことにする能力を有しているので特に問題はない。 内容としては高校料理部の半日程度(5時間くらいとのこと)を切り取ったもので、高校時代の日常を楽しく描いている点では「けいおん!」を思わせるものがある。登場人物と同年代だけでなく、少し時間の経過した人々が暖かい気持ちで昔を振り返るための映画という意味もあるだろうが、しかしそうした日常の幸せは決して記憶の中だけにあるのではなく、今この瞬間にもあるかも知れないと気づくことで、全ての年代の人々に、日々の何でもない時間を大切にしようと感じさせる映画にもなっている。 また登場人物のうち3年生の2人は進学でこの土地を離れることにしていたようだが、それぞれの思いを果たしたあとでいずれ戻って来てほしい、というのは人口減少に直面した地方共通の願いだろう。そのために、若い人々に向けていま何をすべきなのか考えてみようというのも、この映画の大事なメッセージかも知れない。  ところでこの映画では、まずは画面に出る炊き込みごはんを食いたくなるのが顕著な特長点だが、そのほか“恋する乙女はクリエイティブになれる”というような感じのことも重要事項であるらしい。劇中で「恋する乙女」をやっているのは2人だが、どちらも見ていて気恥かしいので“微笑ましい”を通り越して大笑いしそうになり、劇場で我慢していると涙が出る。頭ポンポンのあたりも笑えるが、衆人環視の中なのに彼氏と2人だけの空間ができてしまっていた場面は激しく可笑しい。 出演者は役者として活躍中の皆さんであり、人によっては剣劇や漫才までこなしているが、普通の演技だけでなく、あえて素の状態でしゃべっているような場面もあるのが興味深い。また特に夏希役の女優は他の出演作を見てもコメディ専門などでは全くないわけだが、この映画ではとぼけた表情がとにかく可笑しくてかわいい。金澤さんをはじめ、出演者の皆さんにはぜひ今後も幅の広い活躍を期待したい。  そういうことで全体の雰囲気といいキャストといい、個人的には変に絶賛したい映画になってしまった。舞台挨拶で“自分でも大好きな映画になった”と語られていた監督と出演者の皆さんには、今後一層のご活躍とご多幸を祈念申し上げる。    [2016-11-04 DVD発売を記念して追記] こんなマイナー映画がDVD化されるとは思わなかった。ジャケットには優希美青さんの写真が大きく出ており、別にこの人が主役というわけではないが、劇中では見事な妹キャラになっていて和む。映画の撮影は2012年11月とのことなので、この人のデビュー後間もない時期での映画初出演ということになる。 DVDを見て久しぶりに幸せな気分になったので、この機会に補足として2点書いておく。 ○笑いの種類 序盤から笑えないギャグにかなり力が入っているので呆れるが、しかし世間的には、例えば鼻水が垂れているといった絵柄自体に直接反応して笑う人々(例えば高齢者)もいるわけで、この辺は対象層が自分とずれていると思って少し耐える必要がある。 そのほか劇中にはいろいろな種類の笑いが含まれており、例えば中盤のラブコメ展開でも金澤美穂さんの表情で直接笑わせる場面のほか、シチュエーションとの関係で笑いを誘うといったバリエーションも出している。また終盤では、顧問の教員(赤間麻里子さん)が地を出した感じで笑ったのにつられて、校長(徳井優氏)までもが役を離れて吹き出してしまった(ように見える)演出が個人的には非常に面白かった。結果としては笑いの面でもさまざまな観客を想定しながら充実させた映画に思われたが、これは監督がサービス精神旺盛な人物だからだろうと想像している。 ○物語の結末 肝心のコンテストの場面がない、というのは初見時には誰しも戸惑うところだろうが、要は予算の関係でできなかったのだろうと想像している(実態は知らない)。全体構成上は、自転車の場面がクライマックスで月見はその余韻だったと事後的に考えて納得するしかない。ただ、できればエンドロールの最後を、登場人物が賞状のようなものを持った記念写真で締めてもらえば一般客も納得しやすかったのではないかと思われる。 ちなみに今回のコンテストで何らかの成果を出せなければ、校長の意向と関係なしに入部者がいなくなるため自ずと廃部の見通しだったのであって、この物語世界でそういうことはありえない。この話の続きがあるとすればコンテストの結果がどうとかいうことではなく、劇中の4人(5人)がこれからどういう道を歩むのかがテーマになるはずだという気がする。
[映画館(邦画)] 9点(2013-07-31 19:25:12)
1126.  テケテケ2 《ネタバレ》 
今回は死人が9人で残骸が17個、ほか1個は行方不明(自走して逃亡?)という結果である。出演者には申し訳ないが(特に主役)、今回は冒頭の1人を除いて個人的に死んでほしくない人物がおらず、かえって1人残してしまったのが心残りという感じだった(役名は小西佐季)。 また最初は少々勘違いして真面目な学級委員長が主役なのかと思ったが、それにしては怖い顔だし、そもそも後に“富江”役を務めるほどの人であるからただの優等生で済むはずがない。この人がメイキングで「みなさんもテケテケには気をつけましょう」と言っていたのでそのようにした方がいい。  ところで都市伝説というのは、多少なりとも“現実にあったこと”っぽい雰囲気で語られるからこそ「伝説」に分類されるわけだが、この映画ではこれをさらに一歩進めて、都市伝説→現実化→また都市伝説化→また現実化…というサイクルを想定している。さらに、その都市伝説が口承を経て様々に変化した場合は、変化した状態で現実化することになるらしい。 今回は赤い色が決定要因ではなくなる一方、歩道橋(跨線橋)より線路が重要となり、踏切はもちろん鉄道が近ければ屋内(便所)も活動範囲だという事実が明らかになったりして、何か基本条件がめまぐるしく変わる印象があるが、これは誰かが話を適当にアレンジして語っているのがいちいち現実化した結果なのだろう。また前回から出ている通り、そもそも都市伝説などかなりいい加減な話なわけだが、いい加減なままで現実化するのがこの映画の怖いところであり、漢字の構成要素で生死が分かれるなど合理性のかけらもない話でも無理に納得させられてしまう。これはもう最強の屁理屈といえる。 それから防御用の「呪文」に関して、劇中では幸い2つ目で効果があがっていたようだが、こういうものは噂が伝播する過程で何種類にも分化するのでどれが効くのかわからず、心配なら全部憶えておくしかないのが現実である。ウイルスの変異でワクチンが効かなくなるようなもので、これは非常に恐ろしい設定といえる。  そういうわけで、死人の数よりむしろ基本設定が面白いので、少しだけいい点を付けておく。 なお、これを見終わって部屋の窓を開けたところ隣家の窓も開いていて、子どもが廊下をトテトテトテと走って行く音が聞こえた、というのが自分にとってのオチだった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-31 19:23:42)(良:1票)
1127.  テケテケ 《ネタバレ》 
それなりに面白いという印象である。特に深刻な破綻もなく、大きな減点もないというのが有利に働いて、少なくとも口裂け女(2007)よりはかなりマシになって見える。また主役は絵に描いたような美少女ではないがなかなか愛らしく、必要な場面ではそれなりの表情をして見せるので好感が持てる。しかし一方、準主役(従姉)は言動が粗野なことに加え、主役(152cm)と並ぶとでか過ぎる(169cm)ので全く可愛くないが、だからといって半分に切れば可愛いというわけではない。  ところでこの映画では、怪異の原点として兵庫県加古川市という非常に具体的な地名が出るのが若干唐突な印象を受ける。標題の都市伝説そのものは北海道が起源として語られるのが普通だろうと思うが、これと関連付けて語られている別の都市伝説では実際に加古川市(と高砂市)が出るようなので、これで誤りということでもないようである。 この加古川市の場面では、地元の親父の「こんな田舎に進駐軍なんか来るかいな」という元も子もない発言が可笑しい。また赤い色を嫌う理由を老婦人が説明していたが、これもかなり適当に理屈をこねた感じである。ここでは、冒頭で児童が安易に昔の処刑場を理由づけにしていたのと同じような、怪談や都市伝説というもののいい加減さが端的に表現されているようで興味深く思われた。 ただしこの件については、実は2の方でまた新たな説明が出るので、これはあくまで途中経過としての印象である。  またこの映画によれば、一般人でも可能な対策として、まずは歩道橋(跨線橋)に行かないこと、また振り向かないことが必要とされていたが、後半になると赤いものを身につけないことが重要視されるようになっていた。何にせよその程度なら結構簡単なので恐れるに足りないともいえるが、これも実は2の方でまた新たな展開が生じる。 どうも1と2は初めから連続で見ることが期待されているようだが、別に誘導するつもりはないので、1で終わりにしてもそれまでだ、と断言しておく。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-31 19:23:39)
1128.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作で「こんな何もない田舎」と言われていた場所が、今回の劇中の新聞で長野県須坂市であることがわかった。須坂市の人々は、こんなZ級映画にそんなことを言われて黙っていていいのか。 まず当方としては最大限に好意的に見ようと思っているにもかかわらず、その好意に全く応える気のなさそうなことに呆れ返る。そもそも女子高生の映画のはずなのに男が出るのは観客への裏切りだろうが、この男がとにかくバカ丸出しの足手まといでしかなく、代わりに仲村みうが暴れてくれればそれでいいとも思うわけだが、その後二人で学校のような建物に数日こもっているうちに仲村みうもデレっとしてしまってテンションダウンする一方となり、わずかに最後、取ってつけたような勇ましい場面も動機づけがアレでは気が抜ける。この人のほかは女子高生役の出演者も激減するため、全体としても灯の消えたような寂しさだったのは救いがない。  一方ストーリーに関しては、最初の方で真面目な顔をした登場人物が「地球全体が乗っ取られる」とか言って仲村みうがハッとした顔をした時点で、これは自らバカ映画たらんと志しているのだろうと個人的には確信したのだが、その後は意外にもシリアスな方向に話が展開していく。終わってみればバッドエンドを伴うバイオホラーであり、また極限状態のもとで若い男女が真実の愛を確かめ合う話にもなっていて、少なくとも形の上では極めて真面目な映画を作ろうとしたように見えなくもない。しかし実態としては、かったるい進行の上に台詞は陳腐で映画初出演の男も見るに堪えず、そのため終始“真面目に見る奴はバカ”と書かれたテロップが画面の隅で点滅し続けているような気がして非常に困惑するものがあった。これは一体どういう事情でこういうものができたのか知りたいところだが、要は低予算ということに帰着するのか。  そういうことで個人的評価としては最低レベルだが、それでも0点とかにならないのは、少なくとも仲村みうは真剣に演技しているように見えたからである(飛鳥凛も)。わずかに残した点数を、些少で恐縮だがこの人々に捧げたい。本当にお疲れさまでした。
[DVD(邦画)] 1点(2013-07-31 19:23:33)
1129.  制服サバイガール I 《ネタバレ》 
DVDの宣伝文を見ると、“女子高生アクション”をクールジャパンの旗手たるアニメに比肩しうる可能性を持った存在であるかのように位置づけており、その発想自体は買わないでもない。それを真面目にやって実証してくれれば褒めたいのだが、この映画に関しては期待する方がアホだったという結果になっている。 何しろ女子高生が7人も出ているのだから、全員に思い切り戦ってもらえば観客としても満足感が得られるだろうが、実際はゾンビ風に感染していく設定のため同士討ちが多くなり、最終的に本気で戦うのは優等生・不良グループそれぞれの中心人物だけというのが面白くない。オヤジどもが押し寄せて来るのを「七人の侍」よろしく女子高生がぶち殺していくような話だったら面白かったと思うが。 また主人公に関しては、誰に教わらなくとも薬剤噴霧器やチェーンソーの使い方を知っているのは頼もしく思われるものの、優等生らしく途中で妙に弱気になったりするのは見たくない。ただしさすがに終盤だけは頑張ってみせてくれたので、ここは花マルをあげたい。 結果的には①飛鳥凛が主演(個人的趣味) ②その他女子高生がたくさん出る、という以外に意義の感じられない映画だったので、この2つに計3点をつけておく。
[DVD(邦画)] 3点(2013-07-31 19:23:30)
1130.  七つまでは神のうち 《ネタバレ》 
前後関係の不明なエピソードを連ねるのは「呪怨」形式であり、また途中で一気に謎を解消した上で衝撃のラストにつなぐのは「白い老女」と似た趣向と思われる。 これにより前半は先の見えない展開だが、中盤で全体の構図がわかってしまうとスリリングな感じは失われる。あとはどう終わるかだけの問題になるのだが、結果としてはとにかくラストが圧巻で、エンドロールの間くらいはボーッとしたままだった。ここではもう神の助けも否定されており、また相手がこの世のものでないとすれば人情も心変わりも期待できなさそうなのがやり切れない。この場面で見せる人間の生への執着は、裏返せば“生命の尊さ”と呼ばれるものを実体化して見せているのであり、映画の宣伝で「命の叫び」と書いているのはベタだが適切な要約に思われる。 そのほか映像的にも、寂寥感のある山中の風景が印象的な映画だった。  ところで現代ホラーによくあることだが、登場人物が当面なすべきことをしなかったり、明らかに余計なことを始めたりして自ら窮地に陥るのは苛立たしい。カウンセラーや窓に張りついていた連中も正体不明であり、どうもホラーという性質に甘えて適当に作っていると感じられる。 また標題の言葉に関して、昔は乳幼児死亡率が高かったため満5~6歳程度までなら諦めろというのが第一義だろうが、同時にこの年齢だと加害者としての責任も問えないように思われる。劇中の母親が「神にお返しする」ことに納得できず神を否定し復讐を実行してしまっていたのは、子に対する母の執着と、主人公の生への執着をあえて同列で衝突させて見せたのかも知れないが、しかし第三者的に見れば7歳の仇を17歳でとるのは理不尽というしかない。古来の伝承における含蓄もこれを支持しているように思えるが、それを題名にした映画の意図としてはどうなのか。まさかわが子に執着するあまり他を顧みない現代人の親心に迎合しているのではないだろうが、そういう結末になってしまっていたのは正直気に入らない。  なおキャストに関しては、ホラー女優役の女優(必ずしもホラー女優ではない)はもとから好きで見ていたわけだが、そのほか串刺され役の女優(藤本七海)も童顔ながらいい感じに見えている。この人が外見的に幼いため中学生程度にしか見えず、結果として前半の各場面が同時進行に思えなかったのは、わざと混乱を狙ってやっていたのかとも思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-28 18:47:34)(良:1票)
1131.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
昔こういうTVアニメがあったことは当然のように知っているが、当家では下劣でエッチな番組は見ないことになっていたためほとんど憶えがなく、特別な思い入れなどもない。しかしそれにしても、この女優が適役なのかどうかは正直疑問である。素材としては決して悪くないわけだし、本人も結構その気になってやっているのだろうが、丸顔というか縦横比の関係でハニーのイメージに合致しないのは非常に残念である。 それから普段の性格が天然というのも実写のせいか苛立たしく感じられる。映画では最後にみんなが友達になってハッピーエンドだったが、自分だったらそうはならず、うるさいあっち行け、と言って終わりになりそうなキャラクターである。  一方、映像面では序盤が面白く、特に敵の戦闘員がふっ飛んでいく可笑しさは実写ならではだろうと思う。またオープニングのアニメではハニーのかわいさが絶品で、もう全編これでやればいいのではないか、という気もする…というか実際には、まずネット上の某所でアニメ版「Re:キューティーハニー」のOP部分を見て惚れ込んでしまい、その後にアニメ本編を見て(DVD)、それからこの実写版を見た、という順になっている。アニメ版の方はエッチ度が高いし、またいかにもこの監督風のアニメとして出来上がっている(少々ベタだが)と感じられるので、それに比べると実写版はやはり少々残念な結果だったといえるかも知れない。  ただし自分としては基本的にこういうのは嫌いでないので、原作との兼ね合いは度外視した上で、サトエリと市川実日子(と片桐はいりほか悪役女優の皆さん)に敬意を表する意味を含め、ここでの平均点を少し上げる程度の点は付けておく。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-28 18:47:29)
1132.  口裂け女 リターンズ 《ネタバレ》 
自分の知る限り、口裂け女の起源を最も古い時代に置いた映画である。従来の常識からすれば発想にかなり飛躍があるが、それでも70年代の都市伝説との関連付けをちゃんとやっているのは真面目ともいえる。また公式HPでは主人公を“口裂けハンター”と称しているが、村祭に行ってトラブルが起きるというような展開にも「妖怪ハンター」シリーズのような雰囲気が感じられる。そのほか硫酸が出るのは「口裂け女2」(2008)へのオマージュかも知れない。 一方、民俗学専攻の主人公が終盤でまとめていた結論を聞くと、この映画はどうやら古代以来のわが国社会構造に根底から疑問を投げかけているらしいのだが、これがまた一体こんな話をどこから仕入れて来たかという感じでコメントする気にならない。またラストこそ泣ける映画風にまとめてあるものの、それに先立つ住民の描写を見ているとバカ映画のようにしか思えず、どこまで真面目に見ればいいのかわからないのは「制服サバイガールII」(2008)のようでもある。  ところで前置きが長くなったが本題に入ると、まず冒頭から若手女子4人が揃って出るだけで豪華キャストと思ってしまう自分はどれだけエロオヤジなのかと思うが、若ければ何でもいいというわけでは決してなく、よく見れば主人公以外もそれぞれ個性的な人物を揃えているので少しずつ見所はあると思える。公式HPにある“アイドルホラー”というジャンル設定は、何歳までがアイドルかという問題を別にすればまあ妥当だが、ちなみにホラーとしては全く怖くない。 また問題のレイコさまに関しては、口が大きいだけでなく歯並びまで悪いのは非常に不幸なことだが、支障があるのは顔だけで髪型や体型や服装はけっこう現代風なので、顔さえこうでなければ、というのは誰しも考えることと思われる。特に胸の谷間に関しては、主人公よりレイコさまが明らかに勝っていたことは指摘しておかなければならない。 そういった面から一定の評価をすべき映画だと感じられたので、必要以上に貶めることなく適正と思われる点を付けておく。
[DVD(邦画)] 3点(2013-07-28 18:47:25)(良:1票)
1133.  口裂け女0 ~ビギニング~ 《ネタバレ》 
この映画では①1968年の飛騨川バス転落事故を口裂け女の説話が発生した契機とし、②それから10年程度経過した1970年代後半に劇中人物が実験的に都市伝説として流布、③さらに30年程度経過した今回の映画で本物の口裂け女が世に出た、という設定になっている。いろいろ工夫するものだと感心はするが、都市伝説に関しての「噂とは悪意の子供である」とかいう認識が劇中で生かされたようには思われず、実際はマッドサイエンティストがバケモノを作った話になっており、ノートの殴り書きを含めて「輪廻」の殺人犯を思わせる。また心霊現象がメインになっているのは、意図してやったらしいが話が違うだろうと言いたい。 一方で単純なホラーとしては割と怖い方だとは思うが、しかし変な音響は正直やかましく、暗い場面ではまず電気をつけろと言いたくなる(特に冒頭では、お茶など出す前に部屋を明るくするのが礼儀)。また低予算ホラーにオリジナリティなど求めても仕方ないのだろうが、“眼”だけはやめてもらいたかった。  ただし、これは褒めていいのかわからないが、昼夜(明暗)の場面が頻繁に交代して時間(記憶)が飛んでいるように見えたのは、結果として妙な非現実感を醸し出していたように思える。また終盤の失われた可能性の場面では、妹が姉に甘えたところを見せるのが切ない感じで印象に残った。この場面をずっと見ていたいと思ったのは、自分としても少しは制作側の意図に乗せられていたということかも知れない。 なおメイキングを見ていると、妹役(折山みゆ)は素の状態ではけっこう可愛くて面白いキャラクターらしく、本当にこんな子が妹だったら溺愛するだろうと姉役(遠藤舞)が言っていたのは共感する。映画外のことが本体の評価に影響するのは許されないだろうが、どうせ映画に対する世間の態度などそんなもの、というのを口実に、これで点数を少し嵩上げしておく。結果的に「シリーズ最高傑作」とはいかなくとも2位の評価(当社比)となったのだった。それでも1位の半分以下だが。
[DVD(邦画)] 4点(2013-07-28 18:47:22)
1134.  口裂け女 《ネタバレ》 
子どもの虐待をからめる発想自体は悪くないと思うが、ラストがああなるのであれば、憑依の相手は現に虐待している母親限定でなければならないのではないか。多くの人が潜在的に持つものが運悪く発現したばかりに、異形のものと化してしまった悲しみを表現しようというなら容易に理解可能であり、またそれでこそ口裂け女が現代に蘇る理由づけにもなるはずである(地震では理由になってない)。しかしこの映画では幼い姉妹の母親や夏樹の母親にも憑依しているため、虐待との関連が不明でわけがわからなくなっている。 また登場人物が人を殺して放置したまま路上で思い出話を始めるとか、警察に行った少年がやっと真実を語り出したのに何の役に立ったのかわからないとか、救出すべき女児のすぐ近くまで行きながら放っておいてまた長々と思い出話をするとか、キーワードのはずのオヤジギャグが結局生かされず、どうすれば解決につながったはずなのかも示されないなど、全般的に納得のいかない展開が多い。ほか登場人物の行動がいちいち面倒臭いので苛立たしく、単純なホラーとしてもそれほど怖くない。  以上、やたらに苦情が多い上に褒める点もないので困るが、さらに個人的に許容できないのは児童に対する直接の残酷描写(効果音を含む)である。子どもに危害を加えようとするのはこの都市伝説の基本とはいえるが、期待されているのは怖がらせることであって、実際にやって見せることではない。ほか幼い姉妹の母親を殺してしまったのも感情的に受け入れられない。 そのようなことから、評点については懲罰的な意味でシリーズ最低(当社比)まで落とすことにする。好きな女優が出ているとかいう事情があればもう少し寛容になっただろうが、別にそういうこともない(佐藤江梨子が嫌いなわけではない)。
[DVD(邦画)] 1点(2013-07-28 18:47:18)(良:1票)
1135.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 
宇宙空間から見た過去の地球の映像というのは、自分の記憶ではNHK大河ドラマ「北条時宗」OPの例があるが、年代的にはこの映画が先かと思われるので、当時としては斬新な発想だったろうと想像する。子午線に沿ったグリッドパターンの都市設計が惑星表面に浮かび上がるのは、理性と意志をもった文明の存在を如実に示しているように思われる。 ただし、地面に降りて見ればあまりに草ぼうぼうで文明の実態が伴っていない。まあ大昔の京都などこんなものかも知れないと自ら納得するにしても、さすがに五条橋がこれほど辺鄙に見える場所かどうかは疑問である。またロケ地がどこかを知ったとたん、そこら中全部が岩手県にしか思えなくなるのはご愛嬌である。  内容としては義経と弁慶の話を大胆に組み替えた娯楽映画になっており、過度に期待せず気楽に見ていればそれなりに面白い。また事件後は普通に知られた歴史の流れになったのだろうから後腐れのないフィクションともいえる。しかし逆にこの事件があってもなくても平家の没落自体は変わらなかっただろうから架空の歴史モノとしては半端な気もするが、そこはまああえて突っ込むほどのことでもない。 また登場人物の背景は別にわからなくても見られるが、DVDのキャラクター解説では「平家の高官に手込めにされ…」といったことを監督本人が書いており、考証的にはどうかわからないが「白河飛礫(つぶて)」という設定は面白い。刀鍛冶の男は歴史上の有名人とは思われないが、最後は失明していた(鬼を見ると目がつぶれる、と自分で言っていた)のを見ると、その後は琵琶法師にでもなったのだろうと想像される。  なお個人的に不快な人物としては巫女(すぐ出なくなった)、水辺で自害しようとしていた男(すぐ死んだ)であり、また遮那王側の僧も途中で斬られるかと思ったのに最後まで生きていたのが残念だが、これは実在の人物だったらしいので仕方ない。ほか京劇風の剣術はどうも好ましいとは思えない。現代風の映像表現や背景音楽は別に構わないが、日本の伝統には敬意を払っていただきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-15 18:49:03)
1136.  危険な斜面<TVM>(2000) 《ネタバレ》 
ストーリーは原作をほぼ踏襲しているが、犯人探しの情報提供者がたまたま人事課所属かつ鉄道愛好者という点は少々都合良すぎという感じである。 またこのドラマでは殺した男・殺された女とも、打算で動くだけでなくそれぞれの思いを抱えているという点で、無彩色の印象だった原作よりも少し色付けされているように見える。しかしそれが必ずしもストーリーに生かされているとは思われず、理屈はわかるが心を揺さぶられるまでに至らない。特に殺した男を変に情けなく安っぽい男にしたことで、“タフでしたたかな壮年の男 対 純粋で一途な若者”という対立軸が成り立たなくなり、結果として若い男は単に話を進めるための駒のようでしかなくなっている。この若い男が殺した男を前にして憤ってみせているのも白々しい。  一方で、殺された女が本来の夢だった文房具屋ではなくブティックにしたというのは、業界の実情に照らして新規の開業は無理と会長が判断したということだろうか。最初の方でグループ企業の独立採算の話が出ていたが、愛人に対しても経済的な自立性を付与することで一方的な扶養ではない関係を作ろうとしていたかに見える会長は、ここに出ていた男の中で最もオトナだったということかも知れない。 なおこの女に関しては、とにかく女優が適役でたまらなく魅力的な人物になっており、それで見ている側も少し肩入れしてしまうところがある。ドラマ版で加えられた設定(三角定規の件など)を見ていると、個人的にはこの人のために泣いてやりたくなったのだが、残念ながら最終的にはそうもならなかった。TVドラマならもっとベタに泣かせてもらいたい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-15 18:49:00)
1137.  ひまわり(2000) 《ネタバレ》 
個人的好みの問題でヒロインの大人状態には全く魅力を感じないが、しかし小学校の記憶に出る少女はなるほど初恋の相手っぽい。現実には1980年代初めに伊豆半島で見えた金環食は存在しないようだし、また主人公はどうも妄想癖があるようなので全てが幻だったのではと疑われなくもないが、そうだとしてもファンタジーとしては割と素直に受け取れる。また終盤で同窓会のような雰囲気になってから、現実への回帰に至る過程も好意的に見ることができたので、これだけなら激賞するほどではないが佳作だとは思える。  ただしここのレビューにあるように、実は登場人物のほとんどが冒頭時点で死亡していたことになっていたというのは全く感心できない。そもそも虚実が不分明な展開の上にそういうことをやってしまっては、何を軸にして見ればいいのかわからなくなるだろう。あるいは何度も見返して、全体の意味を転換させる裏ストーリーをじっくり考えろとでもいうことかも知れないが、そんな子どもじみたことにつき合っているヒマはさすがにない。それとも誰も気づかない前提で悪ふざけをしただけ(都市伝説にあるTVの死亡予告のような)というなら、それこそ小学生並みで大人のやることではない。何にせよこれでは真面目に見ること自体が馬鹿らしくなるのであり、そのため好意的に見ているうちは抑えていた苦情までが表面化して、遺族まで巻き込むコメディが不快だとか、靴はともかく傘を持ってないのは自分のせいだろうとか、深夜の草地を照らす光源はどこに設置されていたのかなどといったことを改めて指摘したくなる。  そのようなことで、結果としては独りよがりで付き合ってられない映画、というのが確定評価となった。評点は主に湊弓子役の女優(個人的好み)と、ヒロインの少女役の子に献上しておく。 なお大したことではないが、転覆した船と砂から掘り出した船は船尾の形状が異なっており、別の船と思われる。
[DVD(邦画)] 4点(2013-07-15 18:48:57)
1138.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
もともと中山美穂という人に関心がなかったので、これほど魅力的に見える女優だったことにこの映画で初めて気づいた。とにかくきれいだし可愛い(若い!)が、同じ顔で二人の女性を演じ分けているのも素直に評価したい。ストーリーに関しても、手紙のやり取りを通じて男の思いが明らかになっていく(しかし書いている本人は気づかない)構成は巧みと思える。個人的には、学校を訪ねて写真を撮って、それから後輩と出会って…という一連の部分に特に愛着を覚える。  しかし一方、終始出る関西人の男はどうにもイラつくので、神戸のヒロインを素直に祝福してやっていいのかどうかが怪しく思える。ほか無駄にコミカルな場面が多いが笑えるわけでもなく単に不快であり、またロケ地と劇中の設定との関係がでたらめで(彼氏が死んだ山へ行くには余市駅で降りて歩くのか?)、最初から最後まで関係者全員が小樽にいたようにしか見えないのも変だ。周囲の風景がどうでも観客の方が頭を切り替えろというのでは無理がある。 それからストーリーも終わってみればいかにも作り物で、劇中の設定や出来事を全て製作上の思惑通り都合よく作り込んだようで鼻白むものがあり、その上に世間の常識や周辺社会や自然現象までをもねじ曲げるような強引さが感じられる。特に救急車の件については、そもそもが積雪寒冷地なのに窓にチラチラと雪がかかる程度の天候で、それも都市部で1時間かかるなどということは想像もできず、仮にそうだとすれば流しのタクシーなどいるはずもないだろう。その上、いつの間にか時間が40分以内とかいう問題にすり替えられてしまい、外気温が何度なのかといった考慮もなされないまま、吹雪の中で傘をさして走ったりする支離滅裂さはさすがに受忍の限度を超えている。一体どこまで観客に寛容さを求めようというのか。  そのようなことで、愛憎相半ばする映画、というのが正直な印象である。評判がいいのでベタ褒めしたかったのだがそうもいかない。難点を美点でカバーして不問に付すという状態にならなかったことからすれば、結果的にこの映画は性に合わなかったということになると思われる。 ただそれでも、ラストシーンに問答無用で泣かされてしまうのは悔しいが認めざるを得ない。これに免じて、評点は少しいい方にしておく。
[DVD(邦画)] 7点(2013-07-15 18:48:54)(良:1票)
1139.  カーテンコール(2005) 《ネタバレ》 
下関市役所では個人情報を出さないのに、民団の事務所ではコピーをホイホイ提供していたのは苦笑したが、まあ民団では日頃からそういう業務が重要だということなのかも知れない。あるいは、日本人は冷淡で情が薄い、とかいう皮肉のつもりだろうか。  それで内容としては、差別だとかいうのをあまり気にしなければ普通に心温まるお話である。また途中から在日の話に移行するのも、実はそれほど不自然には思わなかった。実際こういう取材の仕事をしていれば、途中で当初想定と全く違う背景事情がわかって来て収拾に困ることもありそうだし、そのような展開をそのまま映画に取り入れたといえなくもないからである。ただ自分はあらかじめどういう映画かわかって見たわけだが、公開当時の宣伝がどうだったかは知らないので、騙された気になる人が多かったとすればそれも否定できるものではない。 一方、最終的にはどうやら父と娘の関係がテーマになっていたようだが、それと在日の話をからめる必然性はよくわからず、また登場人物の映画愛も半端な扱いで終わっていて、どうも全体として焦点が定まっていない印象が残る。  それでもまあ心温まるお話に一応なっていると思うのは、穏やかに見える人物が多いせいだろう。特に藤村志保さんが全体の印象を柔らかくしていると思えるが、個人的には夏八木勲氏が意外に温和な父親役だったのも少しほっとした。 そのほかキャストに関しては、劇中の“良江さん”や若い頃の“宮部さん”は、いくら昔の話でも化粧っ気がなさすぎに見えるのが個人的に不満で(この女優2人を見るのも目的のうち)、特に“良江さん”の方は役柄上、もっと普通にきれいな女性に見えないと困るのではないかと思う。ただ、とりあえず主演女優をゆっくり見られる映画だという点では基本的に満足だった。  なお些細なことだが、最後に父と娘が再会した場所の選定はかなりわざとらしい。これは地元の文化財(王朝時代の郷校)であり、観光資源ではあるかも知れないが、こんなところでハーモニカを吹いている者はいないだろう。それから昔の話を白黒にするというのはよくあることだが、そのせいで当時すでにカラーだった映画まで白黒に見えているのは絶対に変だ。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-01 21:32:19)(良:1票)
1140.  純愛譜 《ネタバレ》 
当初の予定としては、一応見てからせせら笑って2点とか1点とか付けてやるつもりだったが、実際見るとそれほどでもない。主役は当初さえない顔に見えたがなかなか味のある俳優だし、またストーリーはよくわからないながらも何かじっとりした説得力があると感じられる。それが俳優の演技なのか監督の力なのか国柄のせいなのか、映画通でない自分には分析的に説明できないのが残念である。 ただし、やはりどうしても困ったことだと思うのは、男の方がこれほど徹底的に気色悪い・汚らしい・変態なところを見せつけなければ映画にならないのか、ということである。少なくともわが国では、女子トイレで(それも職場の)常習的に覗きをするような男が恋愛モノの主人公になる資格はないわけだが、向こうは下世話で露悪的なのをリアルとみなす国民性なのかも知れず、まあこれが異文化というものだと思うしかないだろう。  ところで劇中では、“痛い”とか修学旅行の写真とかで何やら運命的なものが演出されてはいたようだが、それでも最後にアラスカで2人が出会うというのはかなり強引な展開に思われる。あえて引き合わせずにネット上の恋で終わらせることもできたはずだと思うが、そこはやはり物理的にモノにしなければ気が済まないということか。そもそも主人公も最初からそういうことしか頭になく、それで毎日悶々としていた感じに見える(心情はわかるが肯定はしない)。 またヒロインに関しても、友人が出産の決意をしたことなどで気分が生殖の方へ向いて来たらしい描写が見られ、一方ではその友人の彼氏がイラン人だかイラク人だったことで、外国人との心の壁が低くなったようにも思われる。もしかするとこの映画は、日本人(女性)の恋愛市場をアジア(の男)に開放せよという、今日の目で見れば非常に先駆的なメッセージを含んでいるのかも知れない。 しかし本当にそういう目的の映画だったとすると、この内容では明らかに失敗であり、また個人的には「地球防衛軍」(1957)という映画を思い出す(ほとんど誰も知らないだろうが)。主人公とヒロインの国を逆にした場合に、このような合作映画は成立するだろうか。
[DVD(邦画)] 3点(2013-07-01 21:32:14)
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