101. 愛情物語(1956)
実在人物エディ・デューチンの物語。脚色が加えられているにしてもドラマとして見応えがありました。希望と絶望に遊ばれるような人生でもその魂は永遠に生きる事を思わされるラストショットはまさに愛情物語。本作の2年後の早逝が惜しまれるタイロン・パワーの名演が沁み入る名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 00:23:05) |
102. 媚薬(1958)
ジェームズ・スチュアート&キム・ノヴァクの共に一本調子な台詞回しでのメリハリない演技も相まって、魔法のしょうもない使い方に白けっぱなしでした。エルザ・ランチェスター&ジャック・レモンも今一つ。MIPが猫だというのが何ともはやな凡作です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-05-03 02:40:50) |
103. 美女と液体人間
初見。50年前位にTVで観た「人食いアメーバの恐怖」で理髪店シャンプー台から徐々に湧き出たアメーバに気づかず青年の頭を突っ込む・・・唯一記憶に残るシーンが蘇りました。また観たいですね(思わされたところに+3点)。 観るに堪える起承転結で映像も精一杯頑張っていてまずまず楽しめました。瑞々しい平田昭彦の台詞回し&歌う姿のすらりとした白川由美のお姿が好印象です。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-04-25 13:31:09) |
104. 絞首台の決闘
《ネタバレ》 冒頭の銀行強盗と追跡逮捕劇に、強盗団 VS 保安官&街の人々の西部劇かと思いきや。1878年での判事・検事・弁護士・陪審員が揃った裁判模様と死刑執行の為の絞首台設営を犯人が目にしているのが驚き。保安官の味方は殉職保安官未亡人と婚約者の連れ子の少年だけで、娘(犯人元カノ)・婚約者・街の人々が犯人に肩入れして孤立してゆく意外な展開に目が離せません。ひょっとして無罪なのかと思った犯人が本性を剥き出しにする結末も結構手に汗握るものでした。辛くとも保安官として聖書に誓ったからには正義を貫くという胆力を見せる私的優男のイメージを覆されたフレッド・マクマレイと邪心を隠した優男を演じたロバート・ヴォーンが印象深い。短い尺でありながら見応え充分の異色西部劇にして良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-04-25 03:38:57) |
105. 三人の狙撃者
《ネタバレ》 カーニーが殺害されて「これは当たりかも」座り直したのですが、そこから会話劇がウダウダ続いてのお開きにポカーン状態です。鶏ガラみたいなシナトラの小者感漂うイキった姿は観るに堪える演技だったのですが。脚本に難ありの凡作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-04-15 01:37:18) |
106. 都会の牙(1950)
《ネタバレ》 警察署廊下を歩く男の後ろ姿に被さるオープニングクレジット、ディミトリ・ティオムキンの音楽も相まって漂うノワールの雰囲気に「これは当たりかも」 冒頭での「殺人事件がありました」「何時?」「昨日」「被害者は?」「私です」に「これは大当たりかも」 遅効性の毒物を盛られ余命1日、長くて1週間の宣告を受ける迄はモタつきを感じましたが、そこからの怒濤の展開は目が離せなく(集中していないと話に置いてきぼりにされます)見た目冴えない田舎の会計士なのに探偵ばりの活躍は、死ぬ気になれば何でも出来るを超えた死が確定した者のそれを成し遂げなければ死んでも死にきれないという気迫が度々の全力疾走に表れて胸熱に。ラストショットの D.O.A. が切な過ぎます。 本作で唯一知っていたネヴィル・ブランドは病的な小悪党を演じさせたら右に出る者無しの持ち味発揮でノワールを盛り上げてくれました。名匠ルドルフ・マテの秀作であり掘り出し物の逸品です。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-13 03:54:19) |
107. 禁断の惑星
ウォルター・ピジョンの存在感(+2点)以外印象に残らない。展開も演出も中途半端で興に乗れない。結末にも「終わりましたか、そうですか」何の感慨もない。水臭い、作品。 [DVD(字幕)] 5点(2021-04-10 09:40:47) |
108. アリバイなき男
オープニングクレジットのリー・ヴァン・クリーフ、ネヴィル・ブランド、ジャック・イーラムに座り直しました。三者共々ナイスな悪党ぶりで主役を大いに引き立てるナイスキャスティング。物語も冒頭から惹き込まれ先行きが想像出来ない展開にテンションが上がる一方。しかし! 結末=鉄棒競技で高難度の技を連発しながらも着地で尻餅! 一気に脱力弛緩、溜息が出ました。三悪人の若く瑞々しい姿を目に出来たので良しとします。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-04-08 01:40:09) |
109. 白衣の男
《ネタバレ》 イーリング作品らしからぬ純粋無垢な研究者(アレック・ギネス)による、汚れずに永久に傷まない「究極の!」繊維開発にまつわる騒動をイーリング作品らしい皮肉な視線がこもったライトなコメディで描かれています。成功するのが早いと思ったら、そこからが話の本番で、労使が揃って時代の変化を恐れる姿がなかなかに考えさせられました。好感が持てたアレック・ギネスの外連味無き真っ直ぐな演技が光る良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-23 01:51:51) |
110. ホブスンの婿選び
お金と時間を湯水のように使う超大作監督の小品は、小粋でカラリとした物語で流石のクオリティ。チャールズ・ロートン通常運転の名演でもってこれ以上ない程の憎まれ口での暴君ぶりを見せる父親に笑わされ、彼と彼の長女に腰が引けながらも徐々に男らしさを増してゆくジョン・ミルズの好演にも魅入りました。後味も爽やかな秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-19 03:10:19) |
111. ラベンダー・ヒル・モブ
オードリー・ヘプバーンにそっくりだと思ったらご本人でした。アレック・ギネスは彼女のスター性を感じ取っていたそうです。そのアレック・ギネスですが、ラストまでニコルソン大佐の面影を見いだせませんでした。(泣)ロバート・ショウは再見で発見。(嬉) アカデミー脚本賞が納得出来る飄々とした犯罪もので大オチまで見応え充分、大いに楽しめました。 傑作「カインド・ハート」を生み出したイーリングスタジオ作品に相応しい逸品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-04 01:56:27) |
112. 黄金の馬車
女一人男三人四角関係がカラリと描かれていて楽しく鑑賞できました。カミーラは大らかではあるもののあまり魅力を感じられませんでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-02-28 20:16:51) |
113. 街の野獣(1950)
《ネタバレ》 ジュールス・ダッシン監督が赤狩り糞ブラックリストに載る直前で、撮影中止の憂き目に遭わぬようにとロンドンで撮ったという本作。 感動させられたダリル・F・ザナックの男気ある尽力に+1点。 見下げ果てた卑劣漢小悪党を演じたら右に出る者無しのリチャード・ウィドマークですが、小悪党ながら思い立った途端に後先考えずに突っ走る金に餓えた姿は哀れみも誘います。95分間に詰め込まれた彼と共に登場人物全員が破綻する起承転結に片時も目が離せません。別格ウィドマーク以外でMIPはロンドンプロレス興行を一手に牛耳るヤクザ演じるハーバート・ロム。敬愛していた生涯シュートマッチを愛した父親との別れのシーン(リプレイタイム)に鼻の奥がツーンとなり、彼の殺気に同意です「殺ってしまえ」 そこからラストまでの悪あがきぶりがウィドマークテイスト全開で演じ切る役者魂に喝采。 鑑賞理由が思い出せない掘り出し物の逸品はフィルムノワール屈指の傑作でした。 [DVD(字幕)] 10点(2021-02-11 02:11:34)(良:1票) |
114. この庭に死す
《ネタバレ》 ダイヤモンド鉱山をめぐる軍と鉱夫たちの衝突とジャングルでの逃避行という2部構成のような物語。脱獄山師、娼婦、娼婦に片思いの爺さんとその娘(口がきけない)、神父の人間模様がなかなかの見応え。監督らしさが出ている大蛇と蟻の描写(ギャー、嫌~)を筆頭とする苛烈なサバイバル。シモーヌ・シニョレはどこまでズタボロになるのだろう、よくこんなの引き受けたなぁと思っていたら、綺麗なお姿になる展開に呆気にとられました。神父が「私が責任を持つから」と意思を通してことごとく事態を悪化させているのに監督の視線を感じるところです。衝撃の結末に「何で?」キョトンとなりました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-15 14:26:02) |
115. アンナ(1951)
《ネタバレ》 「にがい米」でのムチムチふとももに「原爆女優」という物凄いニックネームをつけられたシルヴァーナ・マンガーノ演ずる看護修道女の凛とした美しさに見惚れると共にらしからぬ姿だと思っていたら、担ぎ込まれたラフ・ヴァローネとの過去が綴られてからは、らしい 姿が見られました。二人のよりは戻るのか。余韻の深い結末が見事な良作です。 [DVD(字幕)] 8点(2020-12-19 00:01:28) |
116. 雨に唄えば
嘗てはいきなり歌い出すのに拒否反応が起きるミュージカル作品ですが、情熱が迸るジェームズ・キャグニー、妖艶なジョージ・ラフト、そして二人を併せ持つフレッド・アステアに接し嵌っています。本作でのジーン・ケリーは踊るジャッキー・チェンとも言えるアクロバティックさで身体能力の凄さに目を見張りますが、先の三人から受ける胸の高鳴りは感じられません。しかしながら、雨中の Singin' in the Rain は、土砂降りの中ずぶ濡れになっても 濡れて行こうや! 陽気に行こうや! の心意気に心震えた名場面で「これを見ずして死ぬなかれ」サイレントからトーキー移行期の大きな時代の変化に適応出来るか否かをコミカルに表したストーリーもしっかりしており(ジャズ・シンガーは鑑賞済。部分トーキーで、ある意味驚きました)、ジーン・ヘイゲンの憎まれ役に拍手喝采。シド・チャリシーの脚線美に見惚れるものの、冗長だったブロードウェイ・ミュージカルに-0.1点。 [インターネット(字幕)] 9点(2020-12-06 11:18:35)(良:1票) |
117. 旅愁(1950)
イタリア観光名所案内を兼ねた不倫メロドラマ。そんな都合良くいく筈無いでしょ!展開へのツッコミは、美男美女カップルの色気と、御大フランソワーズ・ロゼー、ジェシカ・タンディの名脇役ぶりと、ウォルター・ヒューストン御自らの歌唱「セプテンバー・ソング」とラフマニノフピアノ協奏曲第2番フィナーレに封殺されました。しょうもないハナシを秀作に仕上げたプロデューサー ハル・B・ウォリスに拍手。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-29 21:12:56) |
118. 足ながおじさん
展開は予定調和でダンスはアステア作品では通常運転。撮影中に愛妻が病死し周囲の励ましで降板を回避したという、何時も以上に素敵に感じた笑顔の裏に隠されていた事実に胸が詰まります。フレッド・クラーク&セルマ・リッターの名バイプレーヤーぶりも心地よい良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-28 17:35:25)(良:1票) |
119. 絹の靴下
アステアが霞んでしまったシド・チャリシーの魅力に尽きます。白眉はレッド・ブルース。元バレリーナならではの身のこなしで軽やかに翻るスカートにクラクラしました。傑作のリメイクも傑作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2020-11-24 01:40:00)(良:1票) |
120. パリの恋人
58歳アステアのエンターテイナーとしての輝きは健在で28歳ヘプバーンとのロマンスも違和感はそれほど感じる事も無く。ヘプバーンのカフェでのダンスを目にするアステアは自分の時代の終わりを感じていたのではと思わされます。ツッコミどころ満載のストーリーながらも2人の歌に踊りにファッションに充分楽しませてもらえた良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-22 23:46:32) |