101. ストロベリーショートケイクス
《ネタバレ》 四人(距離感でいうと二対二)の女性の群像劇。しかし、双方はまるで別世界に住むわけではなく、立ち寄る場所やアイテムでリンクしている(個人的には、秋代が捨てたトマトが、塔子を介して、美しい絵となって戻ってくるという繋がりが一番好きだ)。わからない人には絶対にわからないし、わかる人にはわかる感じの映画。 四人の女性で一番共感票が多いのは、デリヘル嬢・秋代だろう。仕事柄色んな男と寝るのに、キクチへの想いはとても純粋。女友達というポジションの物足りなさを感じながらも、それでも彼の傍にいられるならと、敢えて男らしいサバサバキャラを演じるあの感じ。帰り道、家まで送ってもらわず、途中でわかれた彼の姿を見つめる秋代の、何とも言えない表情がいい。 女優の中でも、儚い大人の女というジャンルが私の中では存在するのだが、中村優子という人は、その中でもぴか一である。別の作品で同じくデリ嬢を演じた同ジャンルの麻生久美子より断然いいと思う。 ついでに他の女優に関してもコメントを。 ちーちゃんの美少女扱いに違和感を感じていた私は、少し冴えないくらいの女を演じている彼女が一番リアルだと思った。 岩瀬塔子さんは、後半MEGUMIのスレンダーバージョンとしか思えなくなったものの、実際にいそうな女性像として判りやすい。 中越典子は、あまり好きな女優ではないが、この作品でやや好感が持てた。 つまり全てが絶妙なキャスティングだった。(蝉之介含む。私は、やたら彼が葬式用の写真に納まっているシーンを目にする気がするのだが、気のせいだろうか) 映画としてはものすごく好きなのだが、他の人も書かれているように、とても会話の音が小さく、いいシーンでも画面に耳を近づけなければいけないのが辛かった。その点がマイナス。それでも初レビューなので、少しおまけの8点。 [DVD(邦画)] 8点(2007-07-22 14:57:24) |