101. 昼下りの情事
全体的に爽やかで面白いラブコメなんだけど、 残念ながら構成の方はあまりよろしくない。 上映時間は130分もあるのに、終盤にお話を詰め込んでいるため、 どうしても中盤に間延びした印象を覚えてしまう。キャスティングに関しては、 お転婆なヒロインにオードリーは適役だが、お相手のゲイリー・クーパーはこの時56歳で、 モノクロのせいか、もっと老けているように見えた。もう少し若い人の方が良かったのでは? [DVD(字幕)] 5点(2011-08-12 21:52:27) |
102. パリの恋人
ちょっとサクセス要素の入った、オードリー主演のミュージカル映画。 冒頭からのカラフルな映像に、オードリー、風景と、全編を通してうっとりするような美しさ。 彼女の歌や踊りのほうは今ひとつで、ほとんどカバーガール的な扱いは物足りなさを感じるけど、 共演者のフレッド・アステアやケイ・トムスンがカバーしていて、一応バランスは取れている。 ミュージカルというより、まさに「美」を堪能するといった印象の作品だった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-07 11:57:08) |
103. 渚にて
第3次世界大戦による、仮想現実の世界を描いたアイデアの面白い映画。 昭和34年製作の作品ということもあり、どうしても映像的な部分での緊張感は欠けるのだが、 そのぶん様々な苦労が窺える。役者さんたちの表情やセリフで緊張感を煽りながら、 ドラマに重点を置きつつ、ストーリーを進めていくという手法。 でもやっぱり時間は長すぎる気がするし、ドラマといっても恋愛風のエピソードまで入っていて、 さすがにこれではちょっと辛いかなという印象を受けた。 一番記憶に残っているシーンはラスト。メッセージ性は抜群で、製作者の意図は十分に伝わった。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-07 07:22:45) |
104. 喜びも悲しみも幾歳月
昭和七年から三十年代までの時代を背景に、夫とその妻の波瀾万丈の人生を描いた作品。 灯台守って大変な仕事だなぁ、という印象がとても強い映画だった。 ストーリー的な妙味があるというわけではないけど、一応山あり谷ありということで、 映像は比較的きれいだし、夫婦愛、家族愛のテーマもとてもわかりやすい。 優しい夫、尽くす妻。古き良き?日本の夫婦の姿、心の機微が丁寧に描かれていて、 安心して鑑賞できる佳作だとは思う。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-07 03:51:59)(良:1票) |
105. お早よう
核となるストーリーはなく、主人公一家の向こう三軒両隣を中心に、 昭和30年代の家族の暮らしと生活風景をコミカルタッチで表現している作品。 わかりやすく例えれば、アニメのサザエさんのような構成。 細かいエピソードを散りばめており、結構笑える。 ただロケーションが、彼らの住む川沿いの建て売り住宅のような場所ばかりで、 当時の風景描写があまり見られないのが残念だった。 キャスティングは安定感があり、杉村春子が相変わらずいい味出している。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-01 06:37:12) |
106. ふしぎの国のアリス(1951)
この作品の大きな見所は、やはり多数の不思議なキャラが出てくる所。 絵や全体の雰囲気などは子供向けというよりやや幼児向けに近い感じだけど、 歌あり、笑いありで、相変わらず楽しませてくれる。 お話は中盤あたりにずっと同じ事の繰り返しが続くので、さすがにちょっと飽きてしまった。 子供に夢を与えるという点では、やっぱりディズニーはいい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-07-29 09:48:06) |
107. 追いつめられて…(1959)
推理サスペンスの要素は薄く、どちらかといえば人間ドラマに重きを置いた作り。 おマセでひねくれ者、"嘘つき"少女という設定が、この作品のキーポイントになっており、 少女役の子役さんはハマリ役といった感じで大変良かったんだけど、 序盤で彼女の孤独さをもっと表現できていたら、さらに感情移入できたかと。 終盤からラストにかけてはありがちな、少々ベタっぽい展開だが、さっぱり目で許容範囲内。 ある人物のラストのセリフがよかった。万人向けの佳作。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-25 05:38:59) |
108. 夜と霧
アウシュヴィッツ強制収容所の様子を描いた記録映画。 後半の映像はショッキング。実際には本作の映像では伝え切れない、 残虐な行為が日々行なわれていたわけで、想像しただけでも身の毛がよだってしまう。 これは、ちょっと点数をつけられるような作品ではないです。 人間の歴史から決してぬぐい去れない史実として、やはり観ておかなければいけない作品。 評価は中間点ということで。 [インターネット(字幕)] 5点(2011-07-25 03:49:35) |
109. 可愛い配当
「花嫁の父」の正当な続編で、出演者も変わらない明るいコメディー作品。 前作はタイトルからもわかるとおり、ストレートな面白さがあったが、今回は今ひとつ。 おじいちゃんになってしまった主人公の複雑な心境がメインで、笑えるシーンもあるんだけど、総体的にインパクトが弱いので、やり過ぎ感を覚えてしまう。 おじいちゃん役のスペンサー・トレイシーは、相変わらずいい味を出してるんだけど……。 [DVD(字幕)] 4点(2014-04-17 07:45:14) |
110. アニーよ銃をとれ
ヒロインのおてんばキャラを前面に押しだした、とても明るいミュージカル映画。 内容は予想外にロマンス色が濃く、とは言っても中身があるわけではないので、ストーリー自体はあまり面白くないです。特に後半は飽きたというか、だれてしまった感も。 曲数が多く、どこかで聴いたことがあるナンバーもけっこう流れるので、普通にそこそこ楽しめる映画ではあるかと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2013-11-06 20:15:18) |
111. 回転木馬(1955)
序盤の状況設定が奇抜で面白く、映像もきれいで品のあるミュージカル映画なのだが、今ひとつ乗ることができない。 お話の展開が異様にもっさりしていて、どうしても間延び感を覚えてしまう。 音楽はそこそこだけど、ミュージカルシーンもインパクトが弱いし、明らかに125分は長いのでは? もっとコンパクトにまとめたら、設定のアイデアも生かし切れたと思うのだが、非常にもったいないと感じた映画だった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-10-03 10:52:27) |
112. ノックは無用
これまで鑑賞してきたモンロー作品の中では、本作が一番主役に近い役柄かも。 シナリオ自体はそれほど悪くないと思うのだが、モンローの演技がオーバーすぎるために、 あまりにもわかりやすく、サスペンス作品としての面白さや妙味をまったく感じなかった。 彼女のファンならもちろん楽しめるだろうけど、う~ん、はっきり言ってちょっと微妙。 [DVD(字幕)] 4点(2012-03-15 21:16:49) |
113. 理由なき反抗
ジェームズ・ディーン魅力満載の映画、と言いたいところだけど、 内容は甘ったるい青春映画。この年代の他の作品にもよく見られるんだけど、 高校生にもなって、パパン、ママンの親子関係を強調しているシーンがついていけなかった。 当時の若者の生活環境や生態という点では見るべき点はあるのだろうし、映像もきれいなのだが、 出てくる奴がみんな甘ったれていて、内容はほとんどないに等しいです。 ジェームズ・ディーンのファンなら何とか楽しめる? [DVD(字幕)] 4点(2011-11-25 01:09:44) |
114. サヨナラ
日本を舞台にした、古いアメリカ映画のラブストーリーもの。 オーソドックスと言ってしまえばそれまでだけど、日本の描写はちゃんと描かれてます。 ヒロイン役の女性は宝塚の女優さんらしいが、アメリカ人の好みなのかな? 今一つ存在感がなくて、ちょっとピンと来なかった。和を前面に押し出した映像はきれい。 後半からラストにかけては、完全に日本のメロドラマのような雰囲気が漂っていて、 ここでもちゃんと描いてるなとは思ったが、逆にやっぱり違和感を感じた作品だった。 [DVD(字幕)] 4点(2011-10-31 02:29:54) |
115. ミスタア・ロバーツ
前半は何を見せようとしている映画なのかよくわからなかったけど、 中間管理職の苦悩を描いた作品ということで、後半はそれなりに面白かった。 ドラマチックな展開はないが、ほぼ艦上でのシーンという舞台設定にも妙味あり。 終盤からラストの演出はストレート一本勝負で、こちらは今一つだったかな。 ジャック・レモンは相変わらずうるさかったけど、乗組員たちの艦上生活もしっかり描かれてます。 [DVD(字幕)] 4点(2011-10-27 02:28:27) |
116. 七年目の浮気
マリリン・モンローの代表作の一本でもあるこの作品。 ある恐妻家の中年男が主人公のコメディー映画だが、ストーリーははっきりつまらない。 どうやら検閲の横やりが凄まじかったようで、セリフ回しや映像など、 変更やカットせざるを得なかったシーンが多かったようだ。 地下鉄の通気口の上でマリリンのスカートが捲れ上がる有名なシーンは、 彼女の全体像を映すこともなく、非常にあっさりとしたかたちで終わっている。 それでもマリリンの魅力だけはしっかり描かれており、彼女が見せるコケティッシュな表情や、 マンダリンのようなふくよかな躯の稜線には、やっぱり目が釘づけになってしまう。 逆に彼女しか見るべき所のない作品とも言える。 [DVD(字幕)] 4点(2011-10-01 04:55:53) |
117. ボーン・イエスタデイ(1950)
アカデミー賞に随分とノミネートされた作品らしいが、う~ん。 設定自体は悪くはないんだろうけど、それが笑いに今一つ繋がっているとは思えないし、 ラブストーリーとして観ても、取り立ててグッとくるようなシーンは見出せなかった。 アカデミー主演女優賞のヒロイン、そんなに良かったかなぁ。 全然笑えないということはないけど、個人的には普通に楽しめる程度のラブコメでした。 [DVD(字幕)] 4点(2011-09-27 07:43:48) |
118. 顔(1957)
松本清張原作の映画化作品。ヒロインが主役のサスペンスだが、 事件の概要が浅いうえに、キャラ描写も薄く、そのせいか面白さを感じなかった。 総体的に説明不足なのかな? 特にヒロインと被害者の関係。 物語が事件を起こした表面上の動機の部分ばかりを描いているので、 感情移入できないのも仕方がない。せっかく女性が主役の映画なのだから、 もう少し女性特有の奥深い情動を描いてくれないと。ちょっとスリラータッチの演出はまあまあ。 岡田茉莉子の魅力で、何とか観れる作品。 [DVD(邦画)] 4点(2011-09-11 07:58:52) |
119. 熱いトタン屋根の猫
主人公の苦悩を描いたシビアなホームドラマ。 舞台劇を見ているような構成で、雰囲気としては「欲望という名の電車」のような印象。 ポールの演技はいいし、エリザベスもがんばってはいるんだけど、 主人公のキャラは終始子供がすねているような感じで、あまり感情移入はできなかった。 何か変な家族だな、と。一応家族の絆をテーマにしているようだけど・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2011-08-17 07:44:30) |
120. 東京暮色
父親の心に芽生えた家族に対する影を描く、かなり暗めの映画。 小津作品とはとても思えない、かなり深刻な設定で、得意のペーソスらしきものはほぼ見られず、 しかもあっけらかんと終わってしまうので、父親のどういう心情を描きたかったのか、 よくわからなかった。どうも小津監督は、辛辣な状況設定というパターンが苦手なようだ。 キャスティングに関しては何の問題もなく、安心して鑑賞できた。 [DVD(邦画)] 4点(2011-08-17 06:22:28) |