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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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101.  インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 《ネタバレ》 
思ったホドにはインディ本人の(締め括りの)物語というワケでもなくて、結構全編ひたっすらに(年甲斐も無く)冒険しまくっているのですし、だったらそもそもこんなに長尺にする必要ある?とだって少しダケ思ったりもするのですね(⇒折角、アクションシーンが意外にもドレも降板したスピルバーグばりの良テンポで纏まってるのに)。でも、その辺り+終わり方とかも含めて最終作はコレで好かったのではないか…と(素直に)思いましたよね。重ね重ね、アクションは総じて素晴らしいテンポ&疾走感で分量も豊富、かつ細部まで非常に丁寧につくり込まれていてもう一回スローでじっくり観たい…という様な惚れ惚れする出来だと思いました。クライマックスも、1~3作目と比べりゃあだいぶん「派手」「荒唐無稽」だとは思うのですケド、コレも今風と言えば今風(の味付け)だと思います。オーラスだって、年経た二人の様子も含めて個人的にはかなり気に入ったのですよね(人生という冒険は、生きてる限り終わらないのだ!と)。一点加点しておきます。
[映画館(字幕)] 8点(2023-07-03 23:50:48)(良:1票)
102.  ハケンアニメ! 《ネタバレ》 
ふたつのアニメ作品の「覇権」争いという構造の中にも、描かれるのは更に多様なる「価値観の衝突」なのであります。新人(のフレッシュさ)なのか・熟達のベテラン(の更なる熟成)なのか、大衆性か・作家性か、或いは芸術的であるべきか・商業的であるべきか、とか、まずはそーいった種々の「対立」だらけの序盤~中盤がかなり高度にストレスフルだったのですし、また(作中表現を借りると)私なんかにもソレが非常に「刺さる」辛さでもあったのですよね⇒当然、棲める業界は違えど。  ただ結局のトコロ、その意味では今作自体はごく「大衆的」なグッド・エンドを迎えて(片方が滅びる…という様な決定的な勝敗も付けずに)晴れやかに終わってゆく、でもその中でも私には例えばひとつ、根源的でシンプルかつ純粋な「製作意欲=情熱」の大切さだとか、とは言えソレが認められるかどーかはかなりの部分で「才能」の有り無しに掛かっている…という残酷な事実だとか(+かつある種「(社会的に)適切な」製作意欲、というモノだって当然存在する=範囲が決まってる、のだろーとも)、結論的にはごく「当たり前」の内容を語ってるって映画だな…とは確かにそう思われたのですよね⇒そーすると「(私も含めて)俺たち無能はどーしたらエ~ねんな!」となってしまうだろう…という意味でも、この令和のダイバーシティな世界においてはモ~ちょっと古臭いな…とすら(⇒部分的には昭和のスポコンだ、と)。  でも一方でまたひとつ、コレが日本の商業アニメ業界を舞台にした作品だ…という点では、モノづくりの普遍的な面も垣間見せつつ所ドコロはやはり特殊で複雑で、だから「ユニークさ」てのは第一にも十分に感じられましたし、そもそもアニメって(娯楽コンテンツとしても・芸術としても)やっぱしちょっと「ユニーク」だな(⇒少なくとも、実写的な映画とはだいぶん異なるな)とかってコトも(個人的には)感じ取れた・再認識するコトが出来ましたですね。そして、更にそもそも、私はこーいう唯々「熱い」ハナシってのは完全に大好物!なのでありまして、だから結構随所でボロ泣きしながら観てしまってました。ヒジョーにシンプルに面白い作品だったと思います(⇒週末の映画としては大成功!)。オススメ。
[DVD(邦画)] 8点(2023-06-25 17:39:53)
103.  セッションズ 《ネタバレ》 
題材自体も非常に興味深いのですが、個人的には主演2人の演技の高さがまずは印象的でした。2人ともとにかく「難しい」演技の仕事だったと思うのですよね(勿論「一風変わった」かつド直球に「性的な」シーンがふんだんなコトも含めて)。ジョン・ホークスなんかそもそもずっと横になってるから表情だって好く見えない…中で、肝心な場面での繊細な表情のつくり込みや、あるいはその語る「詩」の表現力などには中盤以降モ~震えっ放しでしたよね。そして、ヘレン・ハントの見事に知的なプロフェッショナル振り!と、だからこそ際立つ善き人間味の発露の心地好さ!と来たら…重ねて、最高級に素晴らしいと言える演技を思い切り堪能しました(プラス、脇役の方々も実に好かった!)素直に、何処も彼処も好い映画だった、と言いたい作品ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2023-06-12 14:40:30)
104.  波紋 《ネタバレ》 
好きな映画ですね。ネガティブな様でそーでもない…とゆーか、結局、ナニかにのめり込むその「ナニか」って唯々「個人の嗜好」でしかないから、そののめり込みが妥当なのか=諸々の費やし方が正しいのか、なんてその人にしか分からない=判断付かないのでしょーね、と。種々の側面にごくタイムリーな要素を含む映画で、だから冒頭から居心地自体はかなり悪く在り続けるのですが、その辺には終始けっこう共感しながら観てゆけましたです。ただ、一つダケ言っておきたいのは、その「のめり込まざるを得ない人々」がナニにドレだけのめり込むかはある種の自由・自己責任なのかも知れませんが、一方でそーいう人々を喰い物にせんとする悪意ある個人・組織とゆーのは(その「需要」の如何に関わらず)唯その「悪意」故に滅ぶべきだと信じては居ますケドね。  ソレに比べれば、やはり自分ではない他人=家族・友人・あるいは社会的弱者とか、との関係性の中に生き甲斐を見出す、という方が好さそうだ・健全だという様にも見えるのですが、コレとてある種の「依存」であるコトには変わりはないのかも知れませんし、また他人てのは(例え家族であっても)どーしたって時には裏切りますからね⇒否、裏切るとゆーよりは少なくとも自分の意のままにはならないし、何なら彼らが何を考えているのかも究極的には共有できませんからね(そのコト自体は、今作でも実に痛烈に描かれていると思いました)。でも、最初に述べたとおり、特に中盤以降はごく非常にネガティブなのかポジティブなのかが判然としない(モヤモヤした)空気感で進行しつつも、最後まで観終わると(やっぱり)ごくポジティブな方の映画だったな…と思えたのです=そーいう諸々と「侭ならない」人間の有様を肯定している映画だな…と。筒井真理子さん、全編通しても素晴らしかったと思いましたが、ラストのフラメンコは(私の中では)彼女のベストアクトだったと思います。脱帽。
[映画館(邦画)] 8点(2023-06-09 15:27:00)
105.  エンパイア・オブ・ライト 《ネタバレ》 
舞台は80年代初頭のイギリス、オリヴィア・コールマン演じる主人公ヒラリーは、勤め先の映画館「エンパイア劇場」で黒人青年スティーヴンと出会って…みたいな建付けなので、最初は如何にもチョイ流行?風の「ダイバーシティ」なロマンスもの…カモ?な~んて見えてましたっすね。しかし、最後まで観ていくと必ずしもそーいうお話 or そーいう「ダケ」のお話では全くなかったのでして、もっと全然に複雑・多面的な内容を擁するドラマだったのです。で、その部分に係る脚本のごく繊細なつくりとゆーのが、率直にビックリするホド「巧かったな…」とモ~感動迄してしまいました。ナニを描こうとして居るのか、とゆーか、ナニを「幾つまで」かつ「どーいう質感・組立てで」描こうとして居るのかを、実に巧く(最後まで)悟らせなかったとゆーか・逸らかされ続けたとゆーか、でそのママ遂に辿り着いた結論…てのも「ピーター・セラーズに聞いて!」みたいなコトだったのですからね。観てるコッチとて(あくまで私は)かな~り気持ちが好かったですし、だから撮ってる監督だって(また)チョ~気持ち好かったでしょーね、と。  その、多面的で複雑なお話に対しては、この主役のオリヴィア・コールマンの演技力ってのは(コレもチョ~)ぴったしカン・カン!でしたですね(死語)。『女王陛下のお気に入り』は(私も確かに)衝撃的でしたが、ソレ以降はオスカー候補にもほぼ常連…てなモンですし、正にいま、脂が乗り切って居る…という感じっすよね(色々な意味で)。
[映画館(字幕)] 8点(2023-05-07 22:20:58)(良:1票)
106.  イニシェリン島の精霊 《ネタバレ》 
まあ確かに、お話の内容的にはサッパリ訳の分らない映画…ではありましたかね。実は、時代も場所も明確なのだし(⇒前提情報無し・劇中描写ダケ、でもある程度は察せるレベル)その意味では寓意・メタファーの類を読み取るべきお話にも(大いに)見えてはいるのですケド、正直(少なくとも)私には全然伝わりませんでしたですかね⇒でも、コレは慢心に聞こえたら大変申し訳ありませんが、そもそも伝わる様につくられた作品ではねーかな…とも(個人的には)思いましたケドね。  で鑑賞後に調べてみると、いちおう各所ではコメディの部類(具体的にはブラック・コメディとかトラジコメディとかって表現)という扱いなんすよね。んでんで、そのコトについては(コレも個人的には)ごくワリとしっくり来たとゆーか、むしろ私としては(結果的には)当然の様にコメディだと見做すしかない…という様にも思ったのですよ。結局、いちばん根本のトコロでとにかく「理由が全く分らない」から⇒納得とか共感とか感情移入とかが出来ないから、だからモ~「突っ込む」しかねーのですよね⇒そーすると、なんか「お笑い」になってっちゃう…という個人的感覚がありましてですね。か、もう一つ考えられるのはただ「ドン引く」方かな…とも⇒そーすると今度はむしろ「ホラー」になってゆくコトが可能…なのかとは思うのですケド、今作に関しては(ギリ)ソッチの方ではなかった様に(コレも個人的には)見えていたのでしてね。  結局、その「コメディ」としての(純粋にジャンル的な)出来に関して二つ、こ~んな貫禄の有るマジメそーな人達が、またこ~んな上質につくり込まれた映画空間に於いて、またココまで意味不明&奇天烈なコトをやっちまうのか…という「ボケ質」のユニークさ+ハイ・ソサエティ振りがシンプルにコメディ的にかなり面白かったというコト、ともう一つ、中盤までのその感じから「あ、コレ多分フツーにコメディだな…」と思った矢先にごくごく凄惨な展開が唐突に炸裂して⇒がソレでも今作、頑なに「まだイケるだろ⁉」てな如くにコメディの範疇に踏み留まろうとし続ける、その「チキンレース」振りが(またシンプルに)面白かった+ソコには最早、ごく上質+希少な「不条理の可笑しみ」すらも感じ取れたコト、この二つを含めて下記の評価となって居ります。私からは重ねて、ナニも考えずにコメディとして観てしまえば好さそう…とダケお伝えしておきたく。。(⇒ソレはつまり、安易に理解や共感を引き出そうとせずに、どっちかとゆーと「突き放して」観た方が好いかも…とゆーコトで。。)
[映画館(字幕)] 8点(2023-05-07 22:09:10)
107.  ワイルド・ギース 《ネタバレ》 
70年代の戦争アクションなので、それより以前のより牧歌的なそのジャンルの作品だとか、他にもごく西部劇的な方の(緩めの)質感も大いに残して居る…という感じでして、結果的には正直、単純にアクションを目当てに観る…とゆーのなら(私もまた確かに)近年のそーいう系統のヤツを観た方がおそらく楽しめるかな…と思います(でも、最近の戦争映画ってごくマジメ「すぎる」位にマジメなのばっかなので、ココでお気楽系の戦争映画の方が観たい!となると、どーしたって第三国産とかになっちゃう…という気もしますケドね⇒ロシアとか)。  ただ、特にその「傭兵の悲哀」を描くドラマ部分については、ソコでやるべきコトってのはこの映画でほぼ完成されているのではねーか…とも思いますよ。確かに、前半のリンバニ救出作戦の成功までってのは(さっき述べた)お気楽系娯楽戦争映画の域から出ない作品だとも思いますし、全体を通しても端的なアクションの質は(コレも前述どおり)陳腐化ぎみ…だと思います。しかし、クライマックスの脱出シーンの悲惨さ・惨さ・やり切れなさ+その場面に於けるリチャード・バートンの「凄み」なんかに関しては、重ねてソレを通じて描き出す「傭兵の悲哀」という概念そのモノを含めて、コレ以上のやり方とゆーのは(今後とも)在り得ないのではねーか…と思ってしまいましたよね。結論、シンプルが故にもはや普遍的…という類いの優れたクオリティを備える優れた映画だったな、と思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-30 16:49:27)
108.  透明人間(1933) 《ネタバレ》 
コ~レは凄い…シンプルなホラー・スリラーとしては、この出来はもはやオーパーツと言って好いレベルですね(超・面白かったです)。まずはとにかく映像(特撮)が実に見事なコト!個人的には1シーン、透明人間がパジャマ着てベッドで眠りに就くまでのちょっとしたヤツとか、モノ凄く凝ってて+ハイ・クオリティでモ~震えてしまいました。あと、主役のクロード・レインズの狂気を孕んだ演技(とゆーかアテレコ)も、コレも時代を考えれば驚愕…と言って好いホドの斬新さと、そして普遍的な怖さをも備えていたと思います。重ねて、超・面白い+ごくコンパクトで観易い+今ならアマプラでロハで観れる、ので皆様も是非。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-24 14:32:07)
109.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 
最近、観てなかったと思ったら観てた、というコトが発生する様になってしまったのですが、今作は、観たと思ってたのですが観てみたら明らかに(少なくともチャンとは)観てなかった…というヤツでした。。  ソレはさておき、何より内容の方が(30年以上前の作品としては)かなりブッ飛んでますよね。作画の方も、同様にごく素晴らしいとは思うのですケド、コッチは部分的には年代相応…かとも思いました(ガンダムだと『逆襲のシャア』と同じ年、ジブリだと『ラピュタ』の少し後、くらいなので、超クオリティ!とは言え個人的にはソコまでの驚きでもなかったかな~と)。でも、中盤のアキラの保管庫?が地上に引っ張り出されるシーンなんかは(今なお)相当にスゲーなコレ…と思いましたです(完全に観入って呆けてました)。シンプルな画・構図の出来やアイデアについては、やはり時代を超えてゆくというクオリティを備えていると思いますかね。  結論、映像もお話もかなり興味深く・面白く最初から最後まで一気に観切れたので、文句の付け様は特にありませんです。蛇足で2つ言わせて頂くなら、まずオーラスは流石にナニが起こってるのか(具体的なコトは)ちょっと伝わらないかな…という点と(ソレでも十二分に「感じ取れる」とは思いますケドも)、もう一つ、キャラの人物造形あるいは「魅力」の描き出しは多少甘めかな…とも思いました⇒コレについても、だったらよりボリューム有るであろう漫画版を読めば好いんじゃね?と自己解決はしてるトコロですケドも。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-04-11 22:16:44)
110.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
どだい、私の好み、とゆーかポリシーからすれば完全に真逆の映画ではあります。そして、少なくとも前半半分くらいはシンプルにごく退屈で、かつ(ソコまでとて)極めて不快な映画でもあるし、もしソコから先に(ソコまでとは違うモノが)ナニか待っているのだとしたら、ソレとてまた極めて「邪悪な」カタルシスでしかない…とも思うのですね。しかし、ひとつ確実に言えるのは、その不快さ・邪悪さこそが監督が真に、本当に描きたかったモノであって、そしてその企ては(今作の持つそのネガティブな側面に至るまで悉く)総て完璧に成功している…というコトなのですよね。個人的には、ゆーて今作に描かれるモノは『戦争のはらわた』で監督が描いたモノにもかなり近い…とは思いました。が、むしろ戦争というエクスキューズが無い分、ソレはより邪悪なモノ(=監督が描きたいモノにより近いモノ)にさえ感じられた…と言いますかね。  結論、重ねて、テーマには全く完全に共感できない作品ではあります。が他方、ココまで「完成度」の高い作品とゆーのも(個人的にも)また稀有だ…と思います。個人的にいちばんシックリ来る評点は、実は1点か9点ですかね。が、私はこーいう作品に1点を付けるってのは(ソレも)今まであんましやって来ては居ないのです。でも重ね重ね、じゃあ今作に9点を付けてしまうのも何処か「悔しく」感じるトコロではありますので、ココは日和って1点ダケ引いておくコトにします。しかし、観て損は無い作品でした(機会が在れば是非)。
[DVD(字幕)] 8点(2023-04-08 00:37:29)
111.  生きる LIVING 《ネタバレ》 
大筋は、意外なホドにほぼ原作どおりのリメイクとなっていて、特に前半は細かい演出に至るまでかなり完コピに近い…と言っても好い感じですね。ただ、原作の日守新一にあたる新人職員が冒頭から配置されて⇒我々は彼の視点で主人公の様子を観てゆけばよい…という形式になっていたり、また小田切みきにあたる役の女性も(原作では中盤に出番が集中していたトコロ)全編に渡ってより多くの役割を果たす様になっていたり、その辺を踏まえると全体的に分り易さや感情移入の容易さとゆーのは増していたかな、と思います。もう一点、尺が短くなっているのはテンポを全体的に少し上げている、というコトの他に、後半のお葬式のシーンが(やはり)大幅に簡略化されていたから、だと思うのですが、原作ではこの部分は(作品における)社会批判・官僚主義への批判といった側面が強く出ているシーンだったと思いますが、だからこのリメイクではその側面は若干薄まっていて⇒よりシンプルなヒューマニズムの描き出しの方にごく注力している…という様にも見えましたかね(⇒その意味でもより分り易い・伝わり易いかと)。  もう一点、大きな違いとしてはやはり志村喬とビル・ナイそのものの「キャラ」の違い…でしょーかね。どっちも役人ですが、日本人とイギリス人だと畢竟だいぶ雰囲気自体が違いますし、更にビル・ナイはどーしたって多少「カッコ好い」のですよね。。まァある種、ゆーて他の部分(≒お話の内容的なコト)はほぼ原作どおり⇒変えても小手先のコトで済んだケド、もし主人公のキャラまで全く同じにしてしまうとなると、ソレは志村喬vsビル・ナイの真っ向勝負!というコトになる……もし私がビル・ナイだったらば、ソレは流石にちょっと避けたいかな…(いくら何でもやや「分が悪い」かな…)な~んて思ったりもしましたですかね。  重ねて、描かれるモノ自体は全く同じ=普遍的な価値観であって、だからソレは寸分も変わっていないですね。ただ、重ね重ねこのリメイクの方が(種々の側面で)シンプルに「観易い」とは言えるかと思います。個人的には、どちらを先に観ても(コレも別に)変わりは無いかと思いますかね(私としては、評点も両作品とも同じになります)。とにかくとりあえず、もし観ていないならばドッチでも好いから早く観た方が好い…とは言っておきたいですケドね(コレは、なる早でまず観た方が好いヤツだと昔から思ってますよ)。
[映画館(字幕)] 8点(2023-04-05 23:09:18)
112.  ロストケア 《ネタバレ》 
少なくとも、この現代を生きる人間というのは、生きているコト・長く生きてゆけるコトが必ずしも「幸せ」と同義ではないから、そして残念ながら我々は未だ「幸せとは何か=人間が必ず幸せになれる方法は何か」というのを見い出せていないから、その「人の生き死に」を絶対的な尺度として社会を裁くのに用いるというのが次第に困難な時代になりつつある…というお話(=社会問題)だと思って観ていました。今作は、その部分に係る結論を導き出すというよりは、社会に対するいったんの問題提起を主眼としてつくられた作品だとも思います。全体としてもサスペンスというよりはドラマであって、特に後半は主張を違えるふたりの主人公の議論・対話と、そして彼らが一応の相互理解に至るまでを比較的穏やかに描く、という作品だったと思っています。  まず感じたのは、その問題提起としてはごく非常に分り易い・明解な映画だ、というコトでした。台詞回しやその発声からして、また登場人物のキャラクターやその背景に至るまでも実に分り易くシンプルだった、と。ある種「捻りが無い」という感覚にも繋がるモノかとも思われるのですが、私としてはそれは製作者の明確な意図・狙いだった様に思われました(=誰にこの内容をいちばん伝えたいのか、という意味での「選択」だと)。重ねて、その効果は大いに的確に発揮されていたと思いますし、キャストの方々の真摯で真剣な演技というのも、総じてそれを描き出す・表現するのに十二分に上質なモノだったと思います。見応えがありました。  個人的に、ひとつダケ少しダケ残念なコトが在るとしたら、前述どおりこの映画は「結論を出す」というモノでは(おそらく)なくて、だから主人公ふたりの議論にも明確な決着は付かない=どちらの意見にも「共感」或いは「非共感」の何れもを抱き得る、という形式で進んでゆくのですね。だからと言うか、中盤その議論がいっとき白熱するシーンというのは、それが議論であるコトは明白なのですが実のトコロふたりの主張というのは全く嚙み合っていないのです。私には、むしろ不自然なマデにふたりともに感情的で、そして何よりも言葉に「説得力が無い」とも感じられました(特に長澤まさみの方)。私としてはココだけは多少(分り易くはあるが)ワザとらしいかな…と思ったと同時に、それ以上にこのふたりであれば(結論には辿り着かないまでも)もう少し「進んだ=深い」議論ができたのではないか…というコトが少しダケ残念にも感じられましたね。  重ね重ね、作中で何らかの答えというのは提示されないのですが、あくまで私個人の考え・「答え」として、私自身は、少なくとも私と私の家族が(表向きにでも)幸せに過ごしてゆくのに求められる「強さ」を、これからも人として追い求めてゆきたい、と思います。それは、結局それがいちばん手っ取り早くて(シンプルに)「安易」だからです。勿論、真に強い人間というのは、社会そのものの弱さ=作中で言うトコロの「穴」を、あくまで自分事と捉えてそれを変えてゆく+変えてゆける人間だと思いますし、そーいう人間こそが人々の先頭に立つべきだ、とも思っています。しかし、私はおそらくそこまで強い人間には為れない(というコトが、今まで生きてきて判ってしまった)のですよね。私は、今作の松山ケンイチや長澤まさみの様な「強い」人間にはもう為れないでしょう、がそれでも、散々に挫折と絶望を繰り返しても未だ、人の為に自分が強く在りたい、という意識を(いま再び)持てて居るコト自体には、どちらかと言えば(手前味噌ながらも)ごくポジティブな感情を抱けて居るのです。    今日の映画館でも、泣きながら観ている人がワリと目立っていた作品に思いました。私も、柄本明のシーンはまだ耐えたのですケド、しかし終盤のまさみちゃんと藤田弓子さんのシーンは完全に号泣してしまいましたよね。映画を観ながら泣く、というコト自体は(個人的には)決して珍しいコトではないのですケド、それでもそれで「目が開けられない」とゆーのは、ちょっとあまり記憶に無いコトではありましたですね(だから、実はあのシーンはチャンと観れてないのです…)。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-28 14:21:18)
113.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
私は正直なコトをゆーと「え、何でこんなに評判悪いの?」というレベルでメチャクチャ楽しめてしまったのですが、帰って来てこちらのレビューも全部読みましたがソッチにも完全に納得はしました。今サラ私が言うコトでもないでしょーが、重ねて、完っ全に「監督の趣味」でしかない映画であって、だから極めて人を選ぶ・ニッチな作品だというコトではあるのでしょう。しかし同時に、こんな奇天烈な質感を映画として楽しめるとゆーのはソレこそ、この地球上でもごく限られた領域&限られた時代に生まれたからこその「特権」だとも思いました(個人的には、特に今作のチープなCGによるアクションをアクションとして受容可能なのは、実はオリジナルの直撃世代よりはもう少し我々の世代寄り=平成・2000年代のテレビ特撮に少しでも親しんだ世代…なのではねーかと思いましたね)。私は素直に、この映画を存分に楽しめたという自分の境遇を神に感謝したいと思います。面白い映画でした。  とは言え、一言だけ言っておきたいとしたら、この映画って(立派な原作が別に在るにも関わらず)本質的な中身ってまたほぼほぼ旧『エヴァンゲリオン』と同じじゃなかったですか?(+細かい演出のコンセプトとかだってそーだし)でも、演出手法とかの「外観・見て呉れ」或いは「好きな=またやりたい」展開の運び方とかに関しては、私も別にセルフオマージュだって全然好いじゃんか、とも思うのです。ただ、例えソレが自身の最大の信念・価値観であったにせよ(そしてソレばっかり描く=貫くとゆーコトにも確かに大きな価値が在るモノだとは思えども)も~アレから30年にもなるのですよね?個人的には、ならばソレ=その「中身」は多少は変化している・してゆくべきではねーのか、とも(少しダケ)思ったりはしましたですかね(⇒ある意味、シンプルに「人」として)。  ※コレはいよいよ、私もエヴァの新劇場版を観ないといけないのでしょーかね。。事前情報を入れる位なら、直接全部観た方が好いと思うので。。  ※プラス、以下余談: 今作の採点に関しては、個人的に少し外的な要因とゆーのがあって、第一に件の『シン・ウルトラマン』よりはコッチの方を上にしたいと思ったのですね。全体的にはごく似通った質感+諸々のクオリティだとも思ったのですケド、まず(先ほど少し腐したとは言え)テーマ的な部分で今作の方がより共感可能だったコト、あと全体的なテンポも今作の方が好みに近かったコト、が理由です。しかし、実は『シン・ウルトラマン』はその直前に観た『ULTRAMAN』に(本来は5点相当なのに)心情的に6点を付けるしかなくて、だから『シン・ウルトラマン』は(本来は6点相当なのに)7点になってしまって居て、んで今作はそれ故に(前述どおり)8点とするしかなかった…のですよね。従っての結論、今作は「7点寄りの」8点という評価としてご理解頂ければ…と思います(ソレでも、個人的にも良作の範疇であるコトには変わりはねーです)。宜しくお願い致します。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-26 15:00:39)
114.  汚れなき悪戯 《ネタバレ》 
子ども映画ではあるのですが、結構コテコテにキリスト教的価値観を描く映画でもあるので、内容に関しては好みとゆーのは分かれる方の作品かと思います。ただ同時に、子ども映画としては端的に最強クラスと言っても好いかと(正直、メッチャ観入ってしまいましたよね)。その子役の素晴らしき純粋さ(=それがもたらすある種の「神性」)とゆーのは、ほぼ同時期の『禁じられた遊び』よりも更に純粋で美しいモノにも感じられました。元々はイタリアの話らしーのですが作品としてはスペイン映画で、モノクロではありますがやはりどこか温かく爽やかな空気感も感じられて(+件の音楽・歌の気持ちの好さも含め)そーいったトータルの雰囲気の好さが(映画を観ている上での)多様な心地好さにも繋がっていたかな…と。個人的には、人生でも忘れ難い傑作…という類の作品に思えましたです。機会があれば是非。
[DVD(字幕)] 8点(2023-03-19 17:04:19)(良:1票)
115.  フェイブルマンズ 《ネタバレ》 
実に意外に、かなり抑制した映画だったなとゆーか、思った様なスケールのお話とは全く異なるごく控えめな青春映画に見えるのですよね(⇒殊にコレだけの長尺で、かつテンポも密度もつくり込みの質もごく全く低くない…にも関わらず)。ミシェル・ウィリアムズには流石に少なからずスペシャルな感じも覚えましたが、ゆーて彼女も中身としては「ワリと好くある」という方のヤツにも思えましたし、他に多少「キラキラ」感が在ったのは主人公のつくる素人映画の醸す「才気」、或いはオーラスのジョン・フォードの「金言」位だったかな、とも(そのオーラスとて、ココはモ~拍子抜けするホドにアッサリサッパリ、でしたし)。  でも、ソレでも私は今作にはやはり途轍も無い「奥行き」も感じ取れたのでして、今作もまた(ごく難易度の高い)ひとつの「人生」を描き切った映画だな、と。ソレは取りも直さず、今作がスピルバーグの自伝的作品であり(かつ主人公もまた映画に志す若人であり)だから結局この物語はそのまま彼の人生、そして彼の描いた全ての映画に繋がっている…からだと思われたのです。まァある種「巨匠の特権」とゆーか「約束された勝利」とでもゆーか、ソレでもスピルバーグにはこーいう作品を描いて欲しかったと思っていたとも思いましたし、その意味では(重ねて、意外なマデにかな~り洒落込みまくった方だとも思いますケド)その無意識の「期待」には十二分に応えて呉れている作品だと思いました。好きな作品ですね。  あと一つだけ、やはりミシェル・ウィリアムズは好かったですね(前評判どおり)。自分の母親がこんな感じだったら(少なくとも私は)超・ヤダな…とも思いましたが、ソレでも彼女が描き出す人間性の善きモノにせよ悪しきソレにせよ、ドコかナンだか実に確かな「説得力」とゆーのが感じ取れたのでして、だからモ~有無も言えなくなってしまった…という感覚がありましたよね(素直に凄いな…と思いました)。
[映画館(字幕)] 8点(2023-03-11 00:05:01)
116.  君は永遠にそいつらより若い 《ネタバレ》 
第一に、シンプルな作品だな…と思いましたが(以下、私の感想も実にシンプルなコトを言ってるダケに為ってしまいました)同時に(素直に)好い映画だな…と思いましたし、個人的には主役の佐久間由衣さんにも(比較的高度に)共感してゆけたのですね。ゆーて、どーしたって(女優さんなんだから)フツーにカワイイ娘だよな…(=コレで彼氏出来ない~とか言われても…)とも思いはしましたが、それでも、オマエに児童福祉士なんて無理だ!と言われて落ち込む辺りとか(⇒残念ながら私もソコは「確かに…」と思いましたし)あとは決してキャラにそぐわない「攻めた」髪色をしているトコロのワケとか、必ずしも悪い意味ではなくて「分り易くて」好かったな…と思いました(ソコは)。  でもまあ、そーいう「外見的」なコトとも(=コトとすら)あまり関係も無く、その「自己肯定感」の確立ってのは誰しもにとってやはり中々に困難なコトだ…とは思うのですよね(そもそも、ソレが自分には簡単「すぎた」てのもソレはソレで…と思いますし)。で結局、ソレって(=自分の「価値」って)やっぱどーしたって自分では決められない=ひたすら他人がソレを決める、とも思ってるのですね。だからその意味でも、いずれは必ず誰もが社会=人の海=友人関係だの恋愛関係だの仕事関係だの、の中に出ていくしかないのだと思うのですケド、その時にも多少の自己肯定感を予め装備しておかないとその泳ぎ出し自体が実に苦しい…てのが一種の「悪循環」だとも感じられるのですよね。今作でもテーマとして少し触れられてはいましたが、その「初期装備」ってのは基本は親・家族との関係性の中で育まれるモノだとゆーのも、作中からは十分に汲み取れた⇒より深い共感に繋がる「分り易い」物語の構成だった、と思います(⇒だから、またその意味でも子どもの虐待とゆーのはとても罪深いのだ、と)。   ※あと、コレは『まともじゃないのは君も一緒』を観た時にも(大いに)感じたコトですが、自分の周りの「普通の人々」と自分を比べて一喜一憂する…なんてのも決して全くオススメできるコトじゃあないと(個人的には)思ってますよ。ごく真っ当な人で在れば在るホド隣の芝なんてのは青く見えるモノなのですから、どーしたって「分が悪い」ですよね。そーいう「普通の人々」が普通に備える(と言われる)個々のアビリティを全項目完備してる人間なぞハッキリ「超人」だと、寧ろその他人が皆偉く見える自分自身の劣等感こそが(⇒他人の「善い」トコロを全力で評価する)貴方の「優しさ」と「謙虚さ」の顕れだ、とでも思っておく方が余程健全だと思いますね(「思い上がれ」と言いたいワケではねーですケドも)。   個人的な理由となって恐縮ですが、点数は(また実は)かなり迷いました。直前に観た『ひらいて』との前後関係で言えば、個人的にはアッチの方が好きだとゆーのは(私としては)「固い」トコロなのですよね⇒ソレはいったん、文芸映画としての「文学性」の観点が主たる要因だ…というコトにしておきます。ただ一方で、じゃあ今作を1点(マデ)下げてしまうのが正しいか…という点にもかなり違和感が在った(⇒前述どおり非常に高度に共感して観てゆけた身からすれば)のを重く見て、ココは高めに寄せて置きました。以上です。
[DVD(邦画)] 8点(2023-03-10 01:13:14)
117.  ちひろさん 《ネタバレ》 
ゆったりした間合いはまた監督の空気感ですが、印象は全体的にだいぶポップにも感じられました。で、とにかく非常に心地好いとゆーか、多少は在るホロ苦いシーンですらモ~心地好いとゆーか、でも「こんなにひたすら心地好い…のにタダ浸ってるダケで好いのかな?」と不安にすらなって来るとゆーか、ごく終盤までは描かれるのはストーリーと言うよりはちひろさんのキャラクターそのモノ(+ソレがもたらす単なる暖かさ)の方なのですよね⇒他にも色んな人の様子もふんだんに描かれてゆく…とは言え。結局、その終盤に少しダケちひろさんのお話の方が動き出す…あたりが個人的にはより面白く観れた、というコトを含めても、やはり私は2時間を一つのストーリーが一貫する映画の方が好みだというコトなのでしょーね。確かに、ある面で(どちらかと言うと)配信向きな作品なのかも知れません⇒重ねて、ごくゆったりと長尺なコトも含めて(内容のワリには)。  完全に楽しめた!とは言え、点数自体はかなり迷ったのですが、ココは逃げずに高めに寄せました。理由はやはり、そのちひろさんのキャラクターにごく共感できたコトです(結末部分も含めて)。生きていれば辛いコトもあるし、時にはソレを受け止め切れずに壊れてしまうコトもあるのが人間だと思うのです。そーして失った諸々のモノは、やはり完全に取り戻すコトは出来ない、とも(心身の健康とか、流れ去った時間など尚更に)。でも、ソレでも人は立ち直れるし、前向きに生きていけば(そーいう辛い出来事も)いつかは笑い話に、糧に、本当に本当の意味でごくポジティブなモノに変わる日だってきっと来るのだ、と最近は(個人的にも結構)実感していたりするのですよね。中々、好い時にこの作品に出会うコトが出来た、と心から思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-02 23:47:37)
118.  バビロン(2022) 《ネタバレ》 
映画黄金時代における悪徳の都・ハリウッドを「バビロン」と称して、ド初っ端からソレこそ『ソドムの市』みたいな勢いで下劣・頽廃・猥雑極まる酒池肉林の宴をオッ始めるのですが、観終わって描かれていたのは結局その時代+その時代の映画そのものに対するシンプルで強烈なノスタルジィだった…という作品なのですよね(でもまァある種「予想どおり」とも言いましょーか)。  ただ、私個人としては、この監督は彼の『セッション』を観た時にも感じたコトですが、現代の価値観・倫理観(ソレこそ昨今のポリコレとか)に嵌り切るコトを必ずしも善しとしない様な「きらい」のある人なのかな…と思います。所謂「表現者」の方々にとってはある点で実に「窮屈な」時代になったのだろう…とゆーのは確かなコトだと思うのですね。特に序盤1時間位に渡って描かれる古の凄まじい映画撮影現場の様子(⇒現代に至っては完全にブラック・コメディのコントとして捉えるしかない様な)を結局は前述の強力な憧憬の対象として描いているコトだって、流石にコレって現状では(特にポリコレ全盛のアメリカでは)少なからず「危うい」描き方だな…てのが正直な感覚なのでして。でも重ねて、個人的にはソコにはやっぱ共感さえ出来る状況でもあるのですよね。表現者の方にとっては(⇒特に古い時代の映画を確かに愛して、だからその時代の偉大なる先達に対する「敬意」を抱いている人達こそは)正にその自分の「好きな映画」が(場合に依っては)創れない…とかいうコトにもなり兼ねないってハナシだとは思うのです。日本でも例えばお笑い芸人の方とかがいま結構に困ってる…みたいな話はよー聞きますよね。  ※それでも、私自身は、昨今の映画に於けるそのポリコレだとかの影響とゆーのはごくポジティブに捉えている方だと思ってます。嘗てソレに依って映画は確かに社会を少しダケ善い方向に変えてきたと信じているのですし、またこれからも変えてゆくべきだ、と強く思っても居るのですよね。  結局、その最大のテーマ面においては(個人的には)共感するしかない映画であったのですし、ソレこそ監督のその感情(=価値観)とゆーのには全く「嘘が無い」映画だったとも思うのですね。実際に、まずは其処彼処に散りばめられた愛溢れる「オマージュ」の数々もごく好ましく見えましたし、また特大のサイズでありながら諸々と細部まで実にこだわり抜いてつくられた非常に優れた映画だったとも思います。そして個々のキャストの演技とかにしてもごく素晴らしい方だったかと(特に、またマーゴット・ロビーは出色で)。でも同時に少なからず、まず一つ(最初に述べたとおり)ごく「予想どおり」な範疇に留まる結末だったとも思いますし、もう一つはソコに至る理由にやや説得力を欠く⇒つまり、その「バビロン」が何故、その悪徳の存在にも関わらず監督のノスタルジィの対象となるのかが「倫理的に解決」して居ない&ならば…と「開き直って」も居ない、と思うのですよね(ある種、その点に関しては「逃げている」とさえ)。私は正直(⇒前述したその倫理的な云々についてアレコレと思い悩みながら観ていってしまった末に)終盤~ラストにかけてはハッキリと息切れ・トーンダウンしちゃったな…と感じました。なので、心情としては是非もう一点足したい…と重々悩みつつ、いったんココまでの評価としておきます。
[映画館(字幕)] 8点(2023-02-18 22:11:36)
119.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
原作がノンフィクションとゆーコトなので、内容それ自体は(劇映画=創作とゆーよりは)確実にドキュメンタリの方に近い作品だ、とまずは思うのだし、ソコに対しては正直面白かった…とか私がどう感じた…とか、或いは(娯楽として)楽しめたかどーか…などという個人的な部分の評価もナニも無い、とも思う。私の評点はひたすらに「観る価値が有ったか」という一点のみを意味しています(⇒モチロン、ここに描かれているものは概ね真実である…という前提の下ではありますが)。否、出来るだけ多くの人に観て貰いたい映画だ、とゆーのが正直なトコロの感想でありますね(出来れば全国民とかに観て貰いたい)。  ただ一点だけ、ココだけは「映画として」大いに評価したいのが、何と言っても田中絹代さんですよね。今作の絹代さんもある種モ~「演技の域を超えている」とゆーか、正に本物・本人にしか見えない…というレベルの超絶技巧だったかと思います。実にお恥ずかしいコトですが正直『山椒大夫』『雨月物語』『西鶴一代女』位でしか観たコトが無かったのでして(でも、それら作品を観た時にはやっぱ心底「凄い女優さんだな…」ともチャンと思っては居たのですよ⇒特に『西鶴一代女』は)今後はもっと意識的に古い映画も観るようにします(反省)。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-15 18:18:03)
120.  ひらいて 《ネタバレ》 
いや~シビれましたね~コレぞ文芸映画ですね!(原作の方も間髪入れずにAmazonでポチってしまいました)  否、所々では(痺れたのではなくて)むしろゾッとした…と言った方が好いと思います。まずはモ~主演の山田杏奈ちゃんからしてとにかく最初っからナンだかミョ~に怖い…のですよ。ある面では確実にサイコパスとゆーか、分かり易く言うとひたすらに自己中心的とゆーか、でも最後まで観ると私にとってより一層の恐怖の対象だったのは残り二人の方だったのですね(=今作で恐れ戦かされるのは実は杏奈ちゃんの方…だという)。  芋生悠ちゃんはコレも冒頭から病気という「業」を背負っていて、ソレがある種の「納得いく理由」となっている…とも思うのです、が一方の作間龍斗にはソレが当初は見当たらない…が故に、彼の方は一体どんな「闇」を抱えているのか(=ナニがどーなったらこんな人間に為り得るのか)という点がごく終盤まで非常に心地悪い不安として在り続けたコト。そして何より、そんな彼と彼女二人があまりにも人として「かけ離れた場所に居る」為に、杏奈ちゃんの方が(=杏奈ちゃんですらも)彼と彼女の世界には決して入り込めないのだ…という絶望的で絶対的な実感を共有してしまったコト、そのものの恐怖とでも言いますでしょーかね。  いや、杏奈ちゃんが(例えば端的に)ガキだから…とかいう単純なコトではないとだって確実にそー思われるのです。彼女は彼女で比較的ごく完成された人格を備えた方の、子どもとは決して言えない・見做せない様な女性だとも感じるのですね。だからその「差」とゆーのは(まず年月やそこらでは)埋まり得ないのではないか、ソレは恋愛においては正に死刑宣告の様なモンだとも思うのですよね(ソレこそ白鳥に恋する豚の様なコトであって)。コレもむしろ杏奈ちゃんの方こそが人間らしい(=人間臭い)人間だと見えていた私にとっては、彼と彼女二人とゆーのはむしろモ~「人間」に見えなかった…恐らくはソレこそが私の感じた「恐怖」の真なる源泉だったのではないか、と思います(思えば悠ちゃんの方だって、杏奈ちゃんと同じ様にやっぱ終始ナ~ンか怖いのですよね…少なくとも私にとっては)。  最初にも述べましたが、肝心な場面のキメ台詞の(決して気取らずも)実に文学的な趣きが超絶に心地好かったコトも含めて、少なくとも中盤以降はマジでシビれっ放し!でしたですね。大いにオススメしたい良作です。
[DVD(邦画)] 8点(2023-02-14 23:59:40)
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