Menu
 > レビュワー
 > 鉄腕麗人 さんの口コミ一覧。60ページ目
鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2593
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1181.  アマルフィ 女神の報酬
某キー局の開局何十周年記念か何だかで、日本映画とすれば「巨費」をかけたと言える今作。 オールイタリアロケが功を奏し全編通して一定の雰囲気はある映画だと思う。無駄に長い気もするが、サスペンスのテンポ自体は悪くはなかったと思う。  主演の織田裕二の演技なんて端から期待はしていないので、この手の作品としては珍しい「外交官」という役どころにも特別違和感は無かったと言える。  ただし、違和感は無い一方で、主人公が外交官である必要性をあまり感じなかった。 原作を読んでいないので何とも言い難いが、なぜ外交官である主人公があそこまで大立ち回りをしなければならないのか?そもそも彼は何者なのか? 主人公のキャラクター性自体の描き方があまりに不十分なまま物語は終結してしまい、ストーリーに入り込めなかった。  ストーリー自体も、一応の整合性は保っているけれど、配役その他から“オチ”が終始見え隠れするので、サスペンスによるカタルシスは得られなかった。  描かれなかった主人公のキャラクター性、主人公がちょこちょこ電話する相手に中井貴一を声だけ出演させるなど、某キー局の相変わらずのビジネス戦略が随所に見られる映画だ。
[地上波(邦画)] 4点(2011-01-06 16:57:02)
1182.  ハリー・ポッターと謎のプリンス
最終章前の“つなぎ”的な要素がありありと伺えるシリーズ第6作目。 明らかに、前作「不死鳥の騎士団」の盛り上がりを一旦トーンダウンさせて、次の最終章まで引っ張りましたという感じが拭いきれず、特に原作未読でファンでない者とってみると、この章自体が「不要」と思えてしまった。  ラスボスであるヴォルデモード卿のバックボーンを描く過程は、物語全体において不可欠な要素だったと思う。 しかし、そこに毎度お馴染みの魔法学校でのほんわかエピソードや主要キャラクターらの恋模様が、必要以上に絡んでくるので、ストーリーの焦点がぼやけてしまっている。 敵方のディティールを描くのであれば、主人公らのエピソードなど脇に追いやって突き詰めていった方が、映画作品として締まったように思う。  まあしかし、ここまでくればもう最後まで観るしかない。 本当は一年くらいかけて過去のシリーズ作を観ていくつもりだったのだけれど、結局3日間で未見だった4作品を観尽くしてしまった。  残るは現在公開中の最終章のみ。ここまでの伏線や思惑が一体どう解消され、世界的人気シリーズを締めくくるのか。 こうなりゃこの勢いのまま劇場まで足を運ぼうか……。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2011-01-05 17:07:30)
1183.  ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
シリーズ第5作目にしてようやく「ハリー・ポッター」というエンターテイメントの面白味を味わえるようになった気がする。 この物語は、表面を何重にも“お子様向け”のファンタジーでコーティングした飴玉のようなもので、飽きるような甘ったるさを何層も溶かしていくと、やっと深い旨味に到達する。 そしてその旨味に達すると、前の甘さが懐かしく、大切なものだったということに気づかされる。  そんなわけで、物語全体が核心に向けて突き進んでいく5作目で初めて、全編通して鑑賞に堪える面白味を備えた映画作品として仕上がっていると思った。  主人公が両親の敵であり最大の敵であるラスボスに立ち向かっていこうとする様は描いた今作では、そのための礎となる自分自身の確固たる”居場所”と共に闘う“仲間”を見出していく。 そのくだりは極めてベタでストーリー展開として目新しさはないが、シリーズ4作目までの時に回りくどいほどの長い長い物語が伏線となり、ベタさを”王道的”とも言い換えられる説得力を備えていると思う。  世界的人気シリーズの面白味にようやく気づいた反面、やはりこのシリーズは”お子様向け”だと改めて思う。 それは、自分自身がきっちりと“お子様”の頃に、第1作目「賢者の石」を観て、自身の成長と共に各作品を観ていけていたなら、どの作品に対してもその時々に応じた面白味を感じることが出来たであろうと思うからだ。 
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-01-05 13:49:09)(良:1票)
1184.  ハリー・ポッターと炎のゴブレット
シリーズ第四作目。それが児童文学である原作そのものの売りなのかもしれないけれど、魔法学校生活の中の”たわいもない”シーンが、まどろっこしくて眠気を誘う。 プロダクションが巨費を投じるイベント映画でもあるだろうから、これでもかと様々な要素を盛り込んで尺が長くなってしまうことも仕方がないのかもしれないが、特別にファンでない者からすれば、「もっとコンパクトにしてくれよ」と正直感じてしまう。(まあ、じゃあ観るなということになるだろうけれど……)  今作では、三大魔法学校の対抗戦という、この手の物語にはよくありそうな“つなぎ”の要素がメインに描かれるため、真に迫った緊張感が無いまま、映画が展開していく。 「これは前作に比べて、ずいぶんと“子供向け”の要素がぶり返してきているな~」と眠気に耐えながら、というか途中で睡眠を挟みながら、ようやくクライマックスを迎え、そこで映画のテンションは一転した。  “ラスボス”であろうヴォルデモード卿がついに復活し、いきなりハリー・ポッターと対峙する。 公開中の最新作の予告編で登場しているこの悪役の造詣を見て、その派手さの無い”気味悪さ”がいやに印象強く残っていた。 そして、今作のクライマックスでの登場シーンはせいぜい十数分程度だが、映画の雰囲気を一変する抜群の存在感を放っていた。エンドロールで初めて知ったのだが、演じているのがレイフ・ファインズだと知って、即座に納得した。  ストーリー自体にも明確な「死」が描かれるなどしており、「ハリー・ポッター」の物語全体が終幕に向けて転じていく様には興味を掻き立てられた。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2011-01-04 16:24:17)
1185.  イヴの時間 劇場版
手塚治虫の「鉄腕アトム」を礎にして永年に渡って、様々な媒体で描かれてきたテーマ。それが、「人間」と「ロボット(アンドロイド)」との関係性。 何度も何度も描かれてきたテーマだけに、このアニメーション作品で描かれている主題は、善し悪しは別として「古典的」だと思う。 新進的な秀麗なアニメーションにおいて、その古典的な要素が際立っていることは間違いない。  それを素直に受け止められるかどうかで、この作品に対する評価は大いに左右されるような気がする。  想像よりも“驚き”は少ないストーリー展開に対して、拍子抜けしてしまう部分は確かにある。 ただし、それをある時点で受け入れられてからは、人間とロボットの心情が交じり合う様に純粋に感動も出来た。  物語全体のバックグラウンドはしっかりと設定されているようで、今作に収まり切れていないストーリーの展開も今後期待できるようだ。 どういう形で公開されるのかは知らないが、「続き」に対する興味は充分に大きい。  あまりに都合の良い設定や、台詞や展開のあざとさも随所で見受けられる。 が、決して嫌いではない。
[DVD(邦画)] 6点(2011-01-03 21:33:00)
1186.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
2002年の「秘密の部屋」以来、実に8年ぶりに「ハリー・ポッター」の続編を観た。別に公開されている最終作を映画館に観に行こうと考えているわけでもなく、ただ正月の気まぐれだ。  第二作目までを観て、この作品がどう転んでも“お子様向け”であることを見せつけられたことが、8年間見向きもしてこなかった理由だった。 このシリーズ3作品目も、トータル的に見れば“お子様向け”であることは否めないし、児童文学の映画化である以上、そのことが悪いと評する理由はないと思う。  ただ、前2作品に比べると、監督が変わったこともあり、ダークな映像世界には雰囲気があったと思う。 まあゲイリー・オールドマンを副題にもなっている囚人役で登場させておいて、ベタベタなクリスマス映画に仕上げる方が逆に難しいかもしれないが。  こうなれば公開を控えている最終作も含めて、何とか今年中にシリーズ全作品観てみようとは思っている。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2011-01-03 20:43:44)
1187.  デイブレイカー
バンパイアが全世界を支配した近未来。残り僅かな“人類”は血液補填のために大企業に「飼育」されている。 という設定は、新しく、非常に興味をそそられたので、大晦日前の気忙しい中、街の映画館まで観に行った。  イーサン・ホーク演じる主人公ももちろんバンパイアで、血液供給会社のエリート血液研究者をとして勤めている。 その目新しい設定から期待していたストーリーは、バンパイアであることが「正常」である世界における価値観と、そこから展開する新しい視点のドラマ性だった。(藤子・F・不二雄の短編「吸血鬼」は絶品!)  しかし、残念ながら繰り広げられたものは、結局残された人類とバンパイアの対立の構図で、極めて凡庸だったと言わざるを得ない。 そもそも主人公がバンパイアであることが面白いと思ったのに、彼が人間の血液を摂取することをはじめから嫌がっているようでは、ストーリーに深みが生まれるはずも無い。  ダークな映像世界の中の独特の味わいには非凡さも垣間みれたが、オリジナル性が高いとは言えず、ストーリーのチープさと粗さをカバーするまでには至っていない。 主人公のキャラクター性にイーサン・ホークは合っていたけれど、せっかく脇に据えたウィレム・デフォーやサム・ニールのキャラクターに特筆する程のインパクトがなく、勿体なく感じてしまった。  今年の観納めとして観に行った映画だけに、殊更に残念な部分が際立ったように思う。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-31 16:37:06)(良:1票)
1188.  恋はデジャ・ブ
十数年に渡って、この映画のジャケットをレンタルショップで幾度となく見続けてきた。 そしてその度に、「若いビル・マーレイが出ているチープなラブコメなんだろうな」と思い続けてきた。 何より、「恋はデジャ・ブ」という邦題がださ過ぎる。恐らく、多くの映画好きの日本人が同じような印象を持っているんじゃないかと思う。  ところがこの映画が、アメリカの歴代映画ランキングの「ファンタジー」部門で8位にランキングされており、驚いてしまった。 そして追い打ちをかけるように、TSUTAYAの“発掘良品”の企画棚に並んでいるのを観て、この映画の存在を知って十数年目、初めて手に取った。  いやあ、良い映画だった。まさに“8位”、まさに“発掘良品”に違わない。  自尊心ばかりが強い意地の悪い主人公が、嫌々訪れた田舎町で、“或る一日”を抜け出せず、繰り返し繰り返し同じ一日を生きなければならなくなる。 良いことも悪いこともすべてが繰り返され、主人公は時に楽観し、時に悲観し、心情の浮き沈みさえも繰り返す。  人は誰しも、とても良いことがあっても、とても悪いことがあっても、「また同じ一日をやり直したい」と思う。 では、実際にそういう状況に陥ったとき、果たして何が出来るのか?ということをこの映画はひたすらに描き出す。  永遠に繰り返される一日。それはやはり“悲劇”であり、“恐怖”だと思う。 何を成功しても、何を失敗しても、目が覚めると”ゼロ”に逆戻り。 その儚さは、「一日」に“始まり”と“終わり”があることの「価値」を雄弁に語る。  ラブコメであるこの映画は、恋の成就とともに一応ハッピーエンドを迎える。 ただそのハッピーエンドには、また繰り返される一日が表裏一体で存在しているようで、何だか怖い。  ビル・マーレイが演じる主人公は、繰り返される一日に苦悩しながら、人生における様々な発見と経験を得ていく。 この映画は、“同じ一日”を繰り返して描くことで、人生にまったく“同じ一日”なんてものは無いということを、ファンタジックな辛辣さの中で物語っている。  最後に……やはりこの邦題だけは最悪だ。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-28 17:41:18)(良:3票)
1189.  あしたのジョー(1980)
この劇場版自体が、自分が生まれる前の作品なので、当然「あしたのジョー」をリアルタイムに知る世代ではない。テレビアニメも見たことが無かった。 ただ、アニメのスペシャル番組などにおいて、散々放送されているので、矢吹丈の最大のライバルの名が「力石徹」だということも、彼の最期がどういうものかも、「知識」として当然知っていた。  この劇場版は、テレビシリーズの再編集版に過ぎず、そこに「あしたのジョー」という伝説的なアニメーションのすべてが凝縮されているとは到底思えないが、それでも、ようやく力石徹の「最期」をちゃんと見られたことは、意義があったと思う。  来年、ついに「あしたのジョー」が実写化される。 それを前にして、原作漫画を中古で買って読み、この映画を観てみた。 原作のファンである人からも、そうでない人からも、実写化そのものについて、配役について、賛否は尽きないだろう。  が、個人的には「期待」の方が大きい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-12-28 16:16:26)
1190.  シーサイドモーテル
やりたいことは分かる。狙っている世界観もファーストシーンからラストシーンまでビンビンと伝わってくる。  だが、ウマくいっていない。そして、面白くはない。  山間の小汚いモーテル、海なんて何処からも見えないのに、その名も「シーサイドモーテル」。そこに集まった4組の訳あり男女。それぞれのシチュエーションの中で巻き起こる”騙し合い”。 キャストは生田斗真、麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、成海璃子、古田新太……と華やかさを併せ持つ曲者揃い。  「ああ、面白そうだ……」と、予告を見た段階で止めておくことが、最も幸福なのかもしれないが、もちろんそういうわけにはいかないわけで……。  何と言うか、面白く無さ過ぎて腹立たしいなんてことは全然ないのだけれど、きっぱりと面白くないと断言は出来て、その失敗の様を何故だか微笑ましく眺めてしまう。そんな映画。  それは、この映画に携わったスタッフも演者もみな決して手は抜いていないということが、ひしひしと伝わってくるからかもしれない。 「タランティーノばりに面白い映画を作ろう!」とそれぞれが頑張っているのだけれど、噛み合っていないというか、そもそも話が面白くないというか。  無意味にハイテンションな演出なので、舞台で各部屋のセットを立体的に組んで演れば、結構面白い舞台になるかもしれない。と、可哀想なのでフォローしてみる……。  まあ、いいよ。こういう映画もあって良いよ。   P.S.「手紙」の後にこの映画を観た。山田孝之&玉山鉄二の役柄のギャップは、楽しみがいがあった。そういう要素も、映画の醍醐味だと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2010-12-25 02:10:49)
1191.  手紙(2006) 《ネタバレ》 
「手紙ってめちゃ大事やねん」と、沢尻エリカが主人公をこれでもかと諭すように言い放つ。 もう映画のクライマックスだと思っていたシーンでのこの陳腐であざとい台詞を聞くや否や、思わず大あくびをしてしまった。 物語としての面白さがまるでない道徳映画を観てしまったなあと思った。  が、映画はもう少し続いて、結局最後は泣いてしまった。  東野圭吾の原作は読んでいないので、一概には言えないが、ストーリーには彼らしい捻りはない。 殺人を犯した兄を持つ主人公の苦闘の日々を、兄弟間の“手紙”のやり取りを絡めながら、つらつらと重苦しく描く。 映像となり、主人公を山田孝之が演じることで、その“重さ”は余計に”じっとり”としたと思う。  だからと言って、特筆する程の「悲劇」も描かれない。明確だけれど地味な「不幸」が波のように訪れるばかり。  苦悩し続けた主人公は、ついに兄との明確な「決別」を決意する。 ラスト15分、そこから物語はようやく感動へ転じていく。  映画の中でも説教臭く描かれる通り、世の中から「差別」が無くなるなんてことはないのだろうと思う。 なぜなら、人の世の中は、差別し、差別されることで成り立っている要素が多分にあるからだ。 そして、そのことと同じく、一度繋がった人と人との関係性を完全に消し去るなんてことも、実際不可能なことだろうと思う。  それが血縁者であるなら尚更。ただただ受け止めて、生きていくしかない。 使い古された言葉を敢えて使うなら、それが「宿命」というものなのだろう。  そういうことをこの兄弟がそれぞれに受け止めたラストシーン。 受刑者の兄を演じる玉山鉄二が、漫才をする弟の姿を見つめながら、号泣を押し殺すようにひたすらに両の手を合わせる。 それは、延々とありふれた道徳論を描いてきた映画の果てに辿り着いた、綺麗ごとではない真実味だったと思う。  映画としての展開は非常に稚拙で、ラストシーンにしても小田和正の楽曲を無理矢理持ち出して、強引に涙を誘うというあざとさが溢れていることは否定できない。  ただあざといからこそ、人間と社会、人間と人間の結びつきについて考えさせられる映画だとは思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-22 17:20:08)
1192.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
「相棒」というテレビシリーズは、不思議な魅力を持っていると思う。  本来は某キー局制作の2時間ドラマ臭がプンプンする刑事ドラマだったにも関わらず、地味というか地道というか根強い人気が続き、10年間にも渡る人気シリーズになってしまった。 描かれるストーリーも、徐々に「謎」が洗練されていき、一定のクオリティーを保つミステリーシリーズとしても育っていったと思う。  テレビシリーズの深いファンではないので、本当に時々放映されている回を見たことがある程度だが、最初は”失笑”せずにいられなかった水谷豊のキレッぷりも、今では”お約束”となり、アレが無いと少々物足りなさも感じる。  この「劇場版」も全く観たくないなんてことはなかったのだけれど、まあ所詮テレビドラマの雰囲気の枠を出ない作品だろうと、特に期待もしていなかった。 そして、実際その予測は外れていはいなかった。  良い意味でも悪い意味でも”豪華な「相棒」”という印象。 1本の映画として完成度が高いとはとても言えないが、普段のテレビシリーズでは見られないであろう大々的なロケーションと豪華キャスト陣は、ファンを存分に喜ばせるスケール感を伴っていたと思う。  人気のテレビシリーズが、予定調湾ごとく映画化される現状には辟易しているが、「映画」にすることで面白味が膨らむ作品は確実にあるだろうし、一概に否定はできないだろうなとは思う。  同シリーズ「劇場版Ⅱ」にも、密かに期待している。
[地上波(邦画)] 6点(2010-12-21 14:12:20)
1193.  知りすぎていた男
ああ、もうしかしたらこうなるのかもな。こうなったら面白いな。 と、卓越したサスペンスの中で、その先の用意されているだろう「顛末」に期待が大いに膨らんでいく。 しかし、ストーリーは想定外に”ストレート”に展開し、“ストン”と終わってしまう。  アルフレッド・ヒッチッコックの作品を観ていると、決まってそういう感想を抱いて、「これでおわり?」と思いながらエンディングを迎える。  残念ながら、この作品もその例に漏れなかった。  ある幸福な家族が北アフリカでの旅の途中、「陰謀」に巻き込まれる。 最愛の息子をさらわれ、誰も信じられない状況の中、夫婦は自分たちのみで息子の奪還に挑む。 映画は北アフリカの情緒感の中から始まり、「何が起こっているのか?」というミステリアスな導入部分から途端にトラブルに放り込まれる感覚は、上質な緊迫感に溢れていたと思う。  ただやっぱりストーリーの展開に面白味が無い。 主人公たちがバタバタとトラブルに巻き込まれるばかりで、意外性や衝撃性がまるでない。 逆に、無駄にぐだぐだとした惰性のシーンばかりが目についてしまう。  五十数年前の映画に、現在でも通用するような“驚き”の提供を期待することは酷なことかもしれない。 でも、それが映画史を代表するサスペンスの巨匠の映画というのであれば、やはり期待はしてしまう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-10 12:10:40)
1194.  裏窓(1954)
もう10年以上前のことなので白状するが、中学生の頃、自室での勉強の合間の気晴らしで、窓から見える公園の様子を双眼鏡で眺めていたことがある。 住宅地の中の何の変哲もない公園なので、特に何があるということでは無かったが、それでもいろいろな人がいろいろな表情で過ごす様を“覗き見”することは、大きな声では言えないが好奇心をかき立てられた。  詰まるところ、この映画は、そういう誰しもが持つちょっとした「好奇心」を、仰々しく膨らませたサスペンスなのだと思った。  窓から見える近隣住人に対してふと生まれた「疑念」。それが主人公の中でどんどん膨れ上がって、自らを「危機」に運んでいく。 彼の「疑念」は正しいのか、間違っているのか。このサスペンスのハイライトはまさにその部分で、観客はその狭間で揺さぶられる。  アルフレッド・ヒッチッコックの「名作」との誉れ高い作品なので、期待感は強かった。 ヒッチコック独特の心理上ので緊迫感は流石だと思った。 ただし、「結末」については、他の同監督作品と同様に”物足りなさ”を感じた。  もう60年近く前の映画なので、一概に現在の価値観ではかるべきではないとは思う。 映画の手法としてこの映画が確立しているものの価値は揺るがないだろう。  しかし、ラストもう「一転」させてくれないと、現在の映画ファンは納得できない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-09 12:13:16)
1195.  SPACE BATTLESHIP ヤマト
映画、特に娯楽映画においてはっきりと言えることが一つある。 それは、観る者のそれぞれの感受性と価値観によって、一つでも「印象」に残る要素があれば、その映画の価値は揺るがないということだ。  この映画には確実に“それ”がある。それがある以上この映画を否定することなんて出来ない。  それは、日本映画界で考えられる最大限のレベルで実現させた宇宙戦艦の発進シーンでも、 良い意味でも悪い意味でも“木村拓哉らしい”ヒーロー像ぶりでもなく、 ずばり“ヒロイン”の魅力に他ならない。  そう、“森雪”を演じた黒木メイサが素晴らしかった。  映画や漫画において時折、堪らなく魅力的なヒロインにめぐり会う。 そういうときは、その作品を観終わった後もしばらくの間、“彼女”のことばかり考えてしまう。 それはまさに、現実と創造の狭間に生まれるささやかな“恋”だと思う。  必ずしも黒木メイサの演技力が高いとは思わないし、原作を知らないので“森雪”というキャラクターに彼女が合致していたのかどうかも定かではない(おそらく随分違うんじゃないかと思う)。 ただそんなこと「どうでもいい」と思わせるほど、“黒木メイサの森雪”は魅力的で、木村拓哉の古代進と同様に彼女に恋し、守りたいと思ってしまった。  繰り返しになるが、世代が随分違うので、原作のアニメは見たことが無い。 原作を知らないからこそ楽しめた要素は多くあるのかもしれない。  基本設定は「スタートレック」にも似たこのSFエンターテイメントを、もしハリウッドが映画化したならそりゃあ大迫力のブロックバスター映画になったことだろう。  だが、この「宇宙戦艦ヤマト」の精神的な荒涼感や孤独感、奥ゆかしい情緒感は、やはり日本人が描くべき世界観だと思った。 映画としての粗や突っ込みどころは非常に多い。 ただそれでも、この映画を、日本人が一生懸命に挑戦してつくりきったことが、非常に重要なことだと思う。   まあそんなことより何よりも、僕にとっての“森雪”がとびきり可愛くイーッとして古代進を見送る。そのシーンがすべてだと言いたい。  ヒロインの漆黒の瞳から始まり、「未来」を見つめる彼女の姿を映し出して終わるこの映画において、その価値観は決して間違っていないと確信する。   余談になるが、某スキャンダル女優が降板したことが、今となっては「運命」だったとすら思う。
[映画館(邦画)] 8点(2010-12-06 22:07:03)(良:3票)
1196.  ヘアスプレー(2007)
素晴らしい。まさにこれこそがミュージカル映画だ。  歌って踊ることが大好きなおデブちゃんの女子高生が、テレビスターを夢見る。それに当初は反対する巨漢の母親。その母親役をなんとジョン・トラボルタが演じている。 そう聞くと、なんだかエディ・マーフィのコメディ映画みたいな印象も受けるが、ある意味、圧倒的に正統な楽しさに溢れるミュージカル映画に仕上がっている。  数日前に豪華俳優陣を揃えて大ヒットブロードウェイミュージカルを映画化した「NINE」を観たばかりだった。「NINE」は流石に豪華な大ミュージカル映画だったが、あくまで舞台ミュージカルの映像化という範疇を抜け切らなかった点が、ミュージカル映画好きとしては残念だった。  でも、今作は、映画だからこそ表現出来るミュージカルシーンをきちんと見せてくれる。 主人公の女子高生が、丸々とした愛らしいルックスで朝の街を歌い踊りながら登校するシーンからはじまり、ロケーションとカメラワークで多面的でバラエティ豊かなミュージカルシーンに溢れている。  ストーリーなんて二の次で、とにかく見ているだけで「楽しい」。ということこそ、ミュージカル映画が持つべき根本的な魅力だと思う。 その本質をしっかりと押さえつつ、“他人と違う”ということを肯定しその価値を魅力的に示すことで、あらゆる「差別」の否定にまで繋げたストーリー構成も良かった。   何と言っても、ジョン・トラボルタを自らの体型にコンプレックスを持つ母親役に配したことが、最大のファインプレイだろう。 やや引きこもり気味だった母親が、新進的な娘に刺激されて徐々に自分を曝け出していく流れは、トラボルタがどういう俳優か知っている人にとっては予定調和過ぎる要素ではあるが、巨漢の母親に扮した彼がBigな尻を振り乱し歌い踊る様は問答無用に爽快だ。 そして、すっとぼけてはいるけど理解のある人格者の父親を演じたのは、名優クリストファー・ウォーケン。 まさかトラボルタとウォーケンが「夫婦役」で共演し、愛に溢れたミュージカルシーンで共に歌い踊るとは……、拍手。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-05 23:15:59)(良:2票)
1197.  ジャガーノート
爆弾の解体シーンにおける、「赤か?青か?」の大定番を生み出したと言われる本作。 大定番の「初出」に相応しい見事なサスペンスアクションを堪能出来た。  冒頭の船出のシーンと“ブリタニック号”という船舶名から、海洋パニック映画の雰囲気を携えて映画はスタートする。しかし、その雰囲気を良い意味で一変させて、船上の爆弾解体と本国での犯人捜しという2本のラインを並行させてサスペンスフルな展開が巧みだったと思う。  ストーリー自体の巧みさもさることながら、やはり何と言っても特筆すべきは、爆弾解体の緊迫感だろう。 爆弾犯が仕組んだ幾重ものトラップかいくぐりながら解体していく様は、このジャンルの映画の常套手段的な演出であるが、その礎となった今作の”オリジナリティ”は上質で印象的だった。  それにしても、今作のタイトルを知ったのは映画「交渉人 真下正義」で犯人が引用したことからだが、このように優れた映画でもタイトルも知らない映画もまだまだ多いのだろうと思う。  観なければならない映画は尽きない。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-05 23:12:56)
1198.  ハゲタカ 《ネタバレ》 
「人生は金がすべてだ」、「金が人生の悲劇を生む」それらはすべて正しい。  ただ、自分自身も含めて、日本の、いや世界のその「現実」を、どれだけの人が本当の意味で理解しているのだろうか。 ということを、「ハゲタカ」のドラマシリーズとこの映画化作品を通じて思い続けた。  数年前、この国で立て続けに表立った某IT企業や某投資ファンドによる企業買収劇は、記憶に新しいところだ。 ただし、連日連夜報道されるその様を、一体どれほどの日本人が、自らが息づく国の経済危機を踏まえて見られていただろか。 自分自身もまさにそうだが、一連の騒動を全く別世界の“ショー”でも見るように、無責任に楽観視していた人がほとんどだと思う。  その国民の反応こそが、この国の抱える「危機」そのものだということを、この作品は具現化したのだと思う。  まさにタイムリーな社会性を如実に反映した設定、そこに映画ならではの娯楽性を加味した世界観は巧みだった。 経済情勢に全く疎い者でも、作品の中で巻き起こる顛末と現実の社会での出来事がみるみるリンクしていき、リアルな危機感と焦燥感に繋がっていく骨太な作品だったと思う。  玉山鉄二が演じた中国系ファンドマネージャーの悲哀が、この映画化作品の最たるポイントだった。 世界の底から生き抜き、憧れ続けた日本車メーカーの買収に心血を注ぐ様、そして、最期の最後まで金を拾い続ける様には、ドラマシリーズを通じたこの作品の「真意」が表われていたと思う。  金にまつわる人間の業、そして、罪と罰。 それは、決して否定することが出来ない人間の宿命なのかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-05 23:11:52)
1199.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
ギャングが証人抹殺のため、獰猛な毒蛇の大群を飛行機に忍び込ませ全乗客ごと墜落させてしまおうとする。 その滅茶苦茶な設定の段階で、このB級映画の成功は確約されたのかもしれない。  数年前にレンタルが開始された時点で、サミュエル・L・ジャクソン主演ということもあり、「一見の価値」はあるだろうと確信していたのだが、ようやく鑑賞に至った。  良いね。予想通りに良い「B級パニック映画」だった。  ヘビ嫌いの者にとっては思わず目を背けたくなるようなヘビの大群の問答無用に“ウジャウジャ”な様が、まず容赦ない。 それが完全密室の飛行機内を席巻するわけだから、その恐怖感は他のモンスターパニックとは異なり、リアルな分精神的に怖い。  むかつく脇役キャラがお約束のように酷い殺されたり、意外な脇役が窮地を救ったり、思わぬ恋模様や感動が生まれたり……。  ストーリーに内容なんてあってないようなもの。 でもそれが、この手の映画の「王道」であり、それを貫き通しているこの作品の価値は高い。  惜しむらくは、「犬」が生き残っていなかったこと……。最後の最後で飼い主の元へ戻ってくるシーンを期待したのだが。それがあれば更に痛快感がプラスされていただろう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-05 23:10:01)(良:1票)
1200.  ナイル殺人事件(1978) 《ネタバレ》 
数多のミステリー作品のもはや「礎」とも言えるものが、アガサ・クリスティのミステリーだと思う。それは「王道」であり、ありきたりに感じようが、展開が強引で腑に落ちないと感じようが、否定出来る術は無い。  ただその「王道」に対して、敢えてというか、改めて苦言を呈することができるのならば、一つだけ言いたい。  現場となる遊覧船に同乗しながら、3度の殺人を繰り広げられ、挙げ句犯人の死も食い止められずにいて、よくも「いい推理だった」なんて言えたものだ……。 これまで他の作家の作品でも大いに感じてきたことだが、物語を冷静に振り返ると、その違和感はいつもつきまとう。  ただし、そういう違和感を感じたからと言って、この映画が面白くないなんてことは断じてない。 それは、アガサ・クリスティーのミステリーにおける「王道」ぶりは、その違和感さえも含むからだ。  一見すると、ミステリーの主人公は「謎」を解き明かす“名探偵”のように思える。 でもそれは間違いで、ミステリーの主人公は事件の発生によって巻き起こる「謎」そのものであり、そもそも「謎」が生まれそれが解き明かされない限り、主人公は登場すらしないことになる。 エルキュール・ポワロをはじめとする名探偵は、物語の狂言回しに過ぎないのだ。  入り組んだ「謎」を物語の中で優雅なまでに繰り広げ、狂言回しの名探偵がその正体を浮かび上がらせ、犯人の死によって締める。 そのすべてが、ミステリーに許された「美学」であり、それを如実に反映したこの映画もその優雅な美意識に溢れている。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-05 23:09:05)
0160.62%
1592.28%
2762.93%
31415.44%
41716.59%
52439.37%
637214.35%
752720.32%
852220.13%
929611.42%
101706.56%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS