1201. キングダム・オブ・ヘブン
《ネタバレ》 うーん・・・、何かスカッとしない映画だなあ。文句なしの金かかった大作だし、すさまじい人海戦術でリドリー・スコットらしい厚みのある映像なんだけど・・・。オーランド・ブルーム本格的主演第一作ってのが売りだけど、はっきり言ってこの大作、彼にはまだ荷が重すぎます。ジェレミー・アイアンズやエドワード・ノートンたちが脇を固めているけど、彼らにもこれと言って芝居のしどころがないし。ヒロインも中東圏の美人という事で選ばれたんだとは思うけど、パッとした華やかさに欠けてますね。主役も脇にも面白いキャラクターがいないから全体的に散漫な印象になっちゃってます。バカ王の末路も尻切れトンボ。奴を王にした時点でああいう結果になる事は予想出来た筈なのに。オーランド君の子分の坊主の人とかもっと活躍するのかと思ったんだけどなあ。このところ時代劇づいてるオーランド君、使い方が難しいです。見栄えはいいから第2ヒーローにならOKだと思うけど、ジョニー・デップみたいな芸達者がいると喰われ放題になっちゃうしねえ・・・。ここは次回作単独でロマンチック・コメディに挑戦してみたらどうでしょうか。 [試写会(字幕)] 5点(2005-04-23 11:30:25) |
1202. 男はつらいよ 寅次郎春の夢
有名な「寅次郎相合傘」での「メロン騒動」に比するように冒頭「ブドウ騒動」があります。そこの部分だけは面白かった。でもどうなんでしょう、いくら善意の固まりの寅やの人々とはいえ、御前様の鶴の一声で見ず知らずの外人を下宿させるなんて人が良すぎやしないでしょうか?それに20年前とはいえ、日本語もろくに話せないアメリカ人が薬の行商に単身日本にやって来るなんてありえるんでしょうか?この作品に関しては重箱の隅をほじくりたくなるようなアラが多すぎますね。 [DVD(字幕)] 4点(2005-04-22 17:24:36) |
1203. 17才 旅立ちのふたり
アイドル映画の達人澤井監督健在なり、の感強し。たとえ一時間強の小品であっても、内容が通俗的であっても、きちんとした映画文法に乗っ取った演出であれば大人の鑑賞に十分堪え得る作品になるって事を再確認しました。不覚にもウルウル来た瞬間が幾つか有り。主役の二人も監督の指導の下とはいえ、なかなかやるじゃないすか。周囲の大人たちもつまんない正月のテレビドラマなんかで彼女たちの才能を埋没させるんじゃない! [DVD(字幕)] 7点(2005-04-22 16:44:44)(良:1票) |
1204. 木曜組曲
こういう「大邸宅一同集合ミステリーもの」大好きです!クリスティの「そして誰もいなくなった」やフランス映画「自殺への契約書」(1957)を彷彿とさせる展開で冒頭からワクワクしながら観ました。しかもよくぞここまで集めたりと思わせる、いかにも業の深そうな曲者女優たちの競演、こりゃもう出来が悪くなりようがないでしょ。後半ツメがやや甘いかなと思ったけど大負けしてこの点数。やっぱ、モノ書く女には必要以上に近づかんほうがよさそうだなって思いました。結局のところミートソースの缶に毒は入ってたんでしょうか、それとも賞味期限切れの為の単なる味の変化? [DVD(字幕)] 8点(2005-04-22 00:06:00) |
1205. 憎いあンちくしょう
ニッポンにまだ高速道路が開通してなかった時代のロード・ムーヴィーの佳作。う-ん、これなんて表現したらいいんだが・・・、出演者の皆さんみんな異常なまでに感情の起伏が激しくて、終始テンションの高さに圧倒されてしまいました。蔵原監督が映像のテクニシャンというのはかねてから聞いてましたが、この作品でもその気配は充分過ぎるほど窺えます。「男はつらいよ」シリーズのリリーとこの映画の激情のヒロイン典子とを併せて観ると、浅丘ルリ子という女優の演技力の振幅の大きさが判るはず。裕ちゃんは、演技力など問題ではなく存在感だけでスターって輝きを放ってます。これから御覧になる方、東京から九州まで昔は国道一本道だったのか?などど余計な突っ込みはくれぐれもしないように! [DVD(吹替)] 7点(2005-04-17 15:14:46) |
1206. 大いなる西部
松嶋菜々子の満面の笑みにこの映画のオープニングシーン、疾走する駅馬車の車輪が重なって蘇ってきます。生茶の味が本当に新しくなったかどうかはさておき、この曲は「清新」というか、何か新しい時代の幕開けを予感させる素晴らしいテーマミュージックだと思います。インディアン殺戮ウエスタンよりこの映画に代表される旧時代と新時代、あるいは西部と東部の男の対立の構図のほうがやっぱり後味良いですね。ヒロイン、ジーン・シモンズの涼しげな目元、キリッとした凛々しい美しさが極めて魅力的。(NHK教育世界名画劇場→) [地上波(字幕)] 9点(2005-04-17 14:08:56) |
1207. 病院坂の首縊りの家
人物関係が複雑な原作を扱うのであれば、映像的にそれなりの状況設定で観客にわからせようとするのが筋ってモンでしょう。それを家系図なんか持ち出して安易に台詞で説明しようとしたってダメ!せっかくの佐久間良子の名演技も少しだけ肩から力が抜け初めた頃の桜田淳子の美しさも宝の持ち腐れ。「犬神家」や「手毬唄」はその点うまく原作を消化してたと思います。 [DVD(吹替)] 5点(2005-04-17 11:23:52) |
1208. 愛情物語(1984)
「メイン・テーマ」のレビューでも書いたんですが、これ前年の二本立てよりガクッと落ちる出来でした。最後のミュージカル??のシーンが辛うじて鑑賞に耐える程度って印象。たった一年しか経ってなかったのに、映画館の中での熱気も感じられなかったです。「ブレンディ」のコマーシャルで相変らず生活感ゼロ、透明感溢れる存在感を保ち続けてる、ある意味稀有な女優人生を歩んでる知世ちゃん、ここまで来ちゃうと今更殻を破って汚れ役とかに挑戦するより、このままのイメージで、美しく歳を重ねていってもらいたいなあと俺は思ってます。 [映画館(吹替)] 3点(2005-04-17 10:37:01) |
1209. ボディガード(1992)
特に優れた映画とも思えないのに、ゴールデン洋画劇場(番組名変わった?)とかで放映してると何気に最後まで観てしまう。なんでだろう・・・。ラストに一応カタルシスがあってホイットニーの熱唱が聴けるからでしょうか。 [地上波(吹替)] 6点(2005-04-10 17:30:44) |
1210. 旅路(1958)
地味目な設定、お話だけどいい映画です。その分キャストが賑やか。リタ・ヘイワースは最後の輝きといったところ。対するデボラ・カーはひっつめ髪のオールドミスに扮し演技力で勝負。原題の「セパレート・テーブル」をうまく取り入れた邦題にしてもらいたかったですね。そこだけが不満。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-10 17:15:43) |
1211. 鬼龍院花子の生涯
夏目雅子が胸をはだけ,恍惚の表情を浮かべている大看板を映画館の前でぼーっと見上げていたら母親にどつかれました。ええやん別にぃ! [地上波(字幕)] 6点(2005-04-09 17:28:43) |
1212. 探偵物語(1983)
これは自分にとって映画館がイベント会場だった時代の幸福な記憶と共に、永久に忘れる事の出来ない一本です。薬師丸ひろ子がこの映画で復帰すると聞くや否や、まず赤川次郎原作を熟読、「フラッシュバックひろ子」(写真集)を購入、当然前売り券を買い「ひろ子探偵局オリジナルバッチ」をゲット、万全の態勢で公開初日に臨みました。当日映画館のシートは同年代の中高生で埋め尽くされ、それはもう物凄い熱気で、ようやく映画が始まると・・・、あっさり同時上映の「時をかける少女」に寝返ってしまったオイラ・・・。映画館を出るとそこはキャラクター商品売場になってて、友人連中共々角川商法にまんまと乗せられてしまいました。今年の正月実家に帰ったらその映画館は更地になってて、なんか複雑な思いでそこを通り過ぎました。映画自体の感想は、この映画に限ってはどうでもいい事なのです。 [映画館(字幕)] 6点(2005-04-09 17:06:21) |
1213. 幻の湖
いやあ、聞きしにまさる物凄い迷作でした、これ。こんな破綻しまくり作品を「創立50周年記念映画」と大々的に銘打って公開した会社も会社。(確かこの年「南十字星」なんていう駄作もあったぞ)誰か橋本忍大先生の暴走を止められるスタッフはいなかったんでしょうか?それともスタッフ全員ランニングハイ状態で(あるいは雄琴実地取材で華麗なテクニックに骨抜きにされたともいう)正規の軌道に戻す術を見失ってしまったんでしょうか?とにかく毎日をごく平凡に過ごしている凡人には推察不可能なありえない展開です。鑑賞中、茫然自失のあまり言葉を失いかけましたがずーっと言いたかった事「おめーら、観音様拝んでるシーン長々撮ってないでかたせ梨乃の生乳早く拝ませんかい!!」あー、すっきりした・・・。 [DVD(吹替)] 3点(2005-04-09 10:55:24)(笑:1票) |
1214. マイ・フェア・レディ
「スペインの雨」から「踊り明かそう」にかけてのシークエンスはミュージカルとして最高だと思います。僕もこの映画、アスコット競馬場のシーンまでは面白かった。オードリーのケープに包まれたような豪華な衣装、素敵でした。ただその後ガクッと流れが止まってしまったのが残念。しかもそこから結構長い・・・。皆さん当然の事ながら、吹き替えの歌声についても言及されてますが、「JUST YOU WAIT」の一部はオードリーの声ですよ!(追記)オードリーの生の歌声が特典で入っているDVDを鑑賞、久々に 本編も観ました。「素敵じゃない?」や「SHOW ME」辺りの音域なら、あくまで贔屓目かもしれないけど、オードリーの地声でも忌憚ないように思えました。昔観た時後半やけに長いなあって思ったんですが再見したらそうでもなかったです。いやむしろ後半もっと端折っちゃったら大変な事に。点数1点プラスさせて頂きます! [地上波(吹替)] 8点(2005-04-07 15:41:33) |
1215. リベリオン
クリスチャン・ベールの一見冷酷そうに見えるクールな感じがうまく生かさせてました。俺ファンです!「マトリックス」のパクリかどうかとか細かい事抜きにして、人間としての苦悩葛藤がちゃんと描かれてている点だけでも、こちらのほうが優れてると思います。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-03 15:07:47) |
1216. マトリックス
この一作目だけは映画館で観ました。この程度の映画がなんで三部作まで作られるに至ったのか俺にとって前世紀末最大の謎でした。自分は「そんだったら何でもアリなんじゃねーの?」って殆どの近未来アクションを観る時つい思ってしまうんですが、不死身の主人公にスリルやサスペンスなんて起こしようがなく、ましてや感情移入など出来るはずもありません。 [映画館(字幕)] 4点(2005-04-03 14:39:29) |
1217. あした
JRでも「尾道駅」と新幹線が止まる「新尾道駅」じゃかなり距離があるそうです。なので名作揃いの「尾道三部作」と「新同左」っていうのは全く別物だという概念で観た方が良さそうですね。これ悪くはないけど不必要なシーンが多くて映画全体が間延びしてしまった印象があります。宝生舞はまだ初々しいけどこの頃からとんがった個性を見せてくれてます。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-02 17:57:58) |
1218. クリスタル殺人事件
これもクリスティの中じゃ極めて凡庸な原作なのに、わざわざ映画化した理由がわからない。「ジャイアンツ」で老け役を演じた夫婦コンビ久々のツーショット、故ロック・ハドソンは本当にあのまんま年を重ねていたが、エリザベス・テイラーは・・・テイラーは・・・あううう・・・(泣)(いや、この時期が一番太ってたんだよとあえて弁護してみる) [ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-02 17:13:22)(笑:1票) |
1219. 姉妹坂
大林監督って題材によって手を抜いてるとまでは言わないけど、手綱の緩め方変えすぎです。「ねらわれた学園」の後に「転校生」、「漂流教室」の後に「異人たちの夏」、んでもって「さびしんぼう」の後にこれっていうのはちょっとなあ・・・。良い意味でも悪い意味でも観客の期待を裏切るのがご趣味なんでしょうか。ちなみにこれは大林監督らしさが(俺にとっちゃ良質なセンチメンタリズム)一片も見出せないフツーの青春映画。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-04-02 16:41:47) |
1220. 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
この頃は、確か寅さんのマドンナ役に選ばれるという事は女優にとって最高のステイタスだった時期のはず。美貌絶頂期にあった松坂慶子が幸薄い瀬戸内の出身の大阪芸者を好演してました。惚れっぽい癖に、いざ直接的な局面に陥ると及び腰になって逃げ出す寅さん。それ故長く人気を保ち続けたのだとは思うが、この作品や後の「あじさいの恋」でのいしだあゆみとのギクシャクしたやりとりをみると男のダンディズムというより、もしや肉体的な欠陥があったのでは・・・なーんて考えてしまうのは穿ち過ぎ?でもそんな事させたらファンが猛反発したでしょうね。やっぱこれでいいのかあ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-04-02 15:54:25) |