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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1221.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」を見たら久しぶりに見たくなって25年ぶりくらいに見た。「声」に従って生活の糧である畑をつぶして野球場を作ろうという突拍子もないことを言い出した主人公レイ(ケビン・コスナー)に対して反対するどころか後押しする奥さんが素晴らしいし、出来上がった野球場に現れた亡霊の野球選手たちが試合をしているのをレイ一家が見ているシーンは郷愁を感じられるのが良い。それに、ジェームズ・アール・ジョーンズが良い味を出しているし、なんといってもバート・ランカスターの登場シーンがとても印象的で、なぜかこのシーンだけで泣けてくる。この映画のテーマは野球そのものではなく、誰でも持っている夢というものをテーマとし、叶えられなかった夢を叶えようとする男たちのファンタジーという印象が強いのだが、レイが亡き父ジョンとキャッチボールをするラストシーン、レイはこのキャッチボールを通してようやく父との確執を解くことができた。やはりこのラストシーンは本作がそれに加えて野球を通した父と息子の親子関係、これをいちばん描きたかったのだと感じるし、このキャッチボールのシーンは本当に自然と感動してしまって、このラストシーンだけでやっぱり本作は紛れもない野球映画の名作なのだと確信することができた。中学時代にこの映画が大好きという野球好きの先生に薦められて見て以来の再見だったのだが、その時は正直あまりピンと来ずに終わっていたのに、今見るとすごく良い映画だった、見直して良かったと思えた映画だった。やっぱり、映画の見方って年を経るごとに変わるものなんだなと改めて思う。(2019年3月9日更新)
[DVD(吹替)] 7点(2005-09-08 12:24:37)
1222.  大江戸の侠児
大川橋蔵主演の鼠小僧誕生秘話。BSの放送を最初はスルーするつもりでいたけど、加藤泰作品であることを知って見ることにした。そこそこ楽しめたけど、あまり印象に残らない作品だった。これの一つ前に見た加藤監督の映画「真田風雲録」がインパクトありすぎる作品だったのに対し、この映画はオーソドックスなつくりなのでよけいにそう感じるのかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2005-09-08 12:12:26)
1223.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
時代劇なのに現代(昭和30年代)の品川の街並みとナレーション(加藤武)をバックにタイトルロールというのが驚き。ストーリーはコメディーとしてはちょっと重い部分もあるんだけど、フランキー堺演じる佐平次のキャラクターがすごく好き。女と心中しようと川に飛び込んだ金ちゃん(小沢昭一)が後になって棺桶から生きて出てくるシーンに大爆笑した。ラストの墓場のシーンでのフランキーと市村俊幸のやりとりにも思いっきり笑わせてもらった。全体としては傑作なんだけど、やはりいちばん最後のシーンが川島監督の構想どおりのしめ方でないのと、おそらく時代劇初出演だったであろう裕次郎に違和感を感じたのがちょっと残念。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-09-07 21:12:22)
1224.  ウルトラマン物語 《ネタバレ》 
子供の頃にいちばんよく見ていたウルトラマン映画。ウン10年ぶりに見たが、やはり懐かしく見れた。タロウを主人公に少年時代から若きウルトラ戦士のタロウがウルトラの父との特訓を経て一人前の戦士になるまでを描いたシリーズ初のオリジナルストーリーの劇場版だが、父との師弟関係やタロウの焦りや悩みなどがちゃんと描かれ、普通にタロウの成長物語としてよく出来ていて、そのドラマとして見ごたえがあるし、子供だけではなく大人が見ても何か感じるものがあるのではないかと思う。それにもちろんテレビシリーズ「ウルトラマンタロウ」のエピソードゼロ的な見方も出来る映画になっていて今見てもじゅうぶん面白かった。ところどころで挿入される各テレビシリーズのウルトラヒーローたちと怪獣たちとの戦いの映像の本編への絡ませ方もうまいのだが、中でもジュダの配下として登場するヒッポリト星人は登場シーンはすべて「ウルトラマンA」での登場回の流用なのに中ボス的な存在感を放っていて、初めて見た時は「A」を見ていなかったのもあって、「A」を見た後になってもこの映画でのほうが印象強かったのだが、それは今でも変わらないかな。メインの声優陣に目をやると、少年タロウの声が野沢雅子、ウルトラの母の声が池田昌子で「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルというのもそうなのだが、主人公がタロウでウルトラの父の声をやっているのが石田「太郎」というダブルミーニング的なキャスティングも楽しい。また、成長したタロウの声が石丸博也で、主題歌を歌っているのが水木一郎というのも「マジンガーZ」を思い起こさせる。その水木一郎が先ごろ亡くなってしまったのは幼い頃から聴いて育っただけに非常に残念で惜しい。(2022年12月26日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-09-06 23:27:00)
1225.  サーカス(1928) 《ネタバレ》 
チャップリンはこの頃から単なるドタバタ喜劇に終わらないメッセージ性の強い映画を作っていくことになるが、本作はそういったメッセージ性は薄く、初期短編を思わせるようなドタバタ喜劇になっていて何も考えずに楽しめる作品。とにかくチャップリンの長編映画の中では笑えるという点ではいちばん面白い映画ではないかと思う。とくにライオンの檻でのシーンは笑えた。綱渡りのシーンも、実際にスタントなしで演じているだけあって見ごたえじゅうぶん。それでいてラストのちょっと切ない余韻の残し方はいかにもチャップリン映画らしい。チャップリンのほかの長編と比べれば深みはないし、名作として今でも知られる作品の多いチャップリン映画の中でもあまり知名度は高くないように思われる本作ではあるが、個人的にはこの映画も好きな一本で、もしチャップリンの映画を一本も見たことがない人には初期の短編作品とともにお勧めしたい映画だ。(2013年2月2日更新)
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-06 00:14:13)
1226.  女の園
内容は今から見るとすごく古臭いはずなのに不思議と若い僕でも最後まで面白く見られた映画。高峰秀子、高峰三枝子、久我美子、岸恵子と出演している女優たちが当時としてもとても豪華なメンバー。とくにW高峰の共演は当時かなり話題になったんだろうな。高峰三枝子が憎らしい悪役を好演しており、これを自分が見た当時は彼女の出演作を「犬神家の一族」しか見ていなかったため、「高峰三枝子=悪役」というイメージになってしまった。岸恵子はちょうど、「君の名は」シリーズの真っ最中の頃。後年の市川崑の映画に出ているときのようなクールさはなく、なよっとしていて妙にかわいかった。劇中に歌われる「古き都に咲きし花の命はー」で始まる歌がとても印象的だった。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-09-05 23:22:10)(良:2票)
1227.  シェルブールの雨傘
噂には聞いてたけど、本当に最初から最後までセリフが歌になっているのが驚きだった。この見たこともない手法に最初はちょっと面食らってしまったが、30分もすれば慣れていた。ストーリーは本当にオーソドックスすぎるが、全編に流れるミシェル・ルグランの美しい旋律を聴いているだけでも満足。雪のガソリンスタンドでのラストシーンがちょっと切なかった。本当はこの映画の点数を8点にして、音楽評価を10点にしようかと思ってたが、音楽がこの映画の魅力の大半だと思うので、ちょっと甘いかもしれないが両方10点にしておこう。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-09-05 01:34:56)(良:1票)
1228.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
確かコレ、最初見たときは「うる星やつら」自体を全く見たことがなく、内容以前に登場人物たちの関係がよく分からなかったのだが、その後、BSでテレビシリーズの再放送が始まり、それをある程度まで見たあとに見直すと、ちょっと分かりやすくなった。でも、作風はおもいっきり押井守の世界なのでそれでも何回見てもよく分からない部分はある。そんな作品だけど、好きな映画の一つなので9点。(ちょっとよく分からないレビューですいません。この映画って好きなんだけど感想述べにくいんだよなあ。)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2005-09-02 01:41:39)(良:1票)
1229.  私は二歳
松田道雄の育児書が原作。何の変哲もない家族の姿をその家の小さな男の子の目を通して描いており、とても暖かく見た後は幸せな気分になれる傑作。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-08-31 16:30:20)(良:1票)
1230.  チンプイ エリさま活動大写真 《ネタバレ》 
「チンプイ」も小学生の頃に好きでよく見ていた(確か裏番組が「ジャングル大帝」だったっけ。)ので久しぶりに見るこの劇場版も懐かしく見た。「チンプイ」は小学生の女の子であるエリがある日突然マール星のルルロフ殿下のお妃候補になってしまうというものだが、本作ではそのマール星でエリの伝記映画が作られることになるというストーリーで、言ってみれば映画撮影の舞台裏を描いた内容になっていて、そのおかげか思い出補正を抜きにして楽しむことができた。中盤あたりのエリの家にやって来たリリンが彼女と入れ替わる展開も面白かった(食事を終えたリリンがエリと入れ替わり、エリが食事を始めるシーンに爆笑。)が、やはり興味深いのはメインとなる映画撮影の部分で、ピルーカス監督はそのこだわり様とチンプイのセリフから名匠監督なのかとつい推察してしまうのは子供の頃ならなかったことだと思うし、映画監督(に限った話ではないが)はその映画の脚本がどんなに駄作でも情熱を持って取り組むという姿勢がこのピルーカス監督を通してよく描かれているし、撮影中の事故でリリンが負傷したとき、映画製作に反対していたエリがリリンの家族からの手紙を見て、自ら代役を買って出るシーンは感動的であるだけでなく、どんな映画でもそれを楽しみに待っている人がいることをも描いているのは作り手となる本郷みつる監督以下スタッフもそういう気持ちを持って作っているのだということが分かるし、何よりスタッフの映画愛が感じられるシーンとなっていて、とても良かった。こういうの好きだなぁ。(2023年3月18日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-31 16:20:13)(良:1票)
1231.  帰ってきたドラえもん 《ネタバレ》 
感動短編シリーズ第1作。「ドラえもん」の中でも名エピソードの一つである「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を原作にしていて、この話はついこの間見た「STANDBYEME ドラえもん」でもやっていたのだが、こちらの映画も久しぶりに見てみることに。夜眠れないドラえもんとのび太が散歩で出かけた公園でシーソーに乗っているシーンが本当に二人の別れが近いことを感じさせていて良いし、その後に現れたジャイアンに対してドラえもんに頼らず何度ボコボコにされても泣きながら立ち向かっていくのび太がまさに「漢」というものを感じさせていてかっこよく、その涙や「ドラえもんが安心して未来へ帰れないんだ」という言葉には友を思う優しい気持ちとドラえもんが居なくなるというさびしさが入り交じっていて、それだけでもう泣けてくる。ドラえもんとのび太の別れと再会を描いていて、二人の友情や絆の深さにももちろん感動してしまうのだが、やっぱりこのジャイアンとの決闘シーンにドラえもんに対するのび太の気持ちがいちばん表れていると感じるし、この話は友情の大切さもそうだが、それだけでなく困難に一人で立ち向かう勇気を持つことについてもちゃんと描いていて、やはり名作だと思わずにはいられない。ちなみに感動短編シリーズは大山ドラ末期近くに始まったものだが、原作の一つである「さようならドラえもん」は当初本当に最終回として書かれたものらしいので、純粋に大山ドラのメンバーでこのタイミングで映画としてやれたのは良かったと思う。(2023年2月24日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-28 14:28:33)
1232.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
近未来が舞台の映画なので荒唐無稽なのかなと思っていたら、案外そうではなく現実の世界でも起こりうるようなストーリーだったのでけっこう面白く見られた。でも最後のほうで普通のアクション映画になってしまったのがちょっと残念。これは余談だが、ジェームズ・クロムウェル演じる博士の声を日本語版で演じているのは大木民夫。だから彼の「コンピューターの中にゴーストがいる。」云々のセリフが「攻殻機動隊」の荒巻が言っているようにしか聞こえなかった。
[ビデオ(吹替)] 7点(2005-08-24 02:21:47)(良:1票)
1233.  オリエント急行殺人事件(1974)
アガサ・クリスティのポワロシリーズの中でもとくに有名な一篇を映画化したシドニー・ルメット監督によるオールスター大作。最近も日本で三谷幸喜脚本によるスペシャルドラマが放送されていたが、それをきっかけに再見。雪で立ち往生した列車が舞台ということもあってか、何やら舞台劇を見ているような進行で、あまり派手さはない映画だが、あまり退屈せずにそこそこ楽しめた。しかし、アルバート・フィニー演じるポワロにあまり魅力がなく、なんかただの胡散臭いおっさんにしか見えないし、脚本的にもせっかくドラマとして盛り上がりそうな話なのに、筋を追うのに精いっぱいでドラマ性が薄く、登場人物たちにもさして感情移入できなかったのが残念だった。ただ、容疑者たちがみんな怪しく、誰が犯人かと思わせておいてのあの真相は意外性があり、うまいと思う。(でも、脚本というより原作の力が大きいような気もする。)日本語吹き替え版で見たのだが、吹き替えで出演している納谷六朗や大塚周夫が最近亡くなってしまったのが惜しい。ルメット監督と言えば「十二人の怒れる男」が思い浮かぶが、本作も「12」という数字がキーワードになっているのはたぶん偶然だろうけど、「十二人の怒れる男」を見た後になって本作を見ると、それだけではないのではとつい勘ぐってしまう。(2015年2月11日更新)
[DVD(吹替)] 6点(2005-08-22 22:47:36)(良:1票)
1234.  怪談(1964) 《ネタバレ》 
小林正樹監督が小泉八雲の作品の中から4つのエピソードを映画化したオムニバス時代劇で、小林監督にとっては初のカラー作品となる映画でもある。ジャンルとしてはホラーに分類されるのかもしれないが、それよりも文学的な香りを感じさせる作品で、一般的なホラーとは違った趣があり、これぞ日本映画というような品性が感じられるのがいいし、小林監督が初カラーでこだわったという各話の色の使い方や武満徹の音楽も良い。3時間の長尺だが、これもオムニバス(短編3話と長編1話。)という構成のためか、案外すんなりと見ることができた。(昔見た時は1話ずつ分けて見た記憶があるけど。)ここからは各話について。第1話「黒髪」は、ややナレーション(滝沢修)による状況説明が多いと感じるものの、どことなく「雨月物語」を思わせるような話で、妻(新珠三千代)を捨てた男(三國連太郎)の身勝手さや、捨てられた妻の悲しみがよく描かれているが、やはりドラマとして見ごたえのあるものになっていて、同じ小林監督の「人間の条件」もそうだったが、やっぱり新珠三千代はこういう女の悲しみを演じると上手いなあと感じる。第2話「雪女」はおなじみの話ではあるが、全編をとおして映像的にはこの話の赤い夕焼けがもっとも印象的だった。雪女を演じる岸恵子もハマり役。第3話である「耳無し芳一の話」もよく知られている話であるが、オムニバスの本作の中では1時間超えの長編となっていて、昔見たときにはちょっと長いなと思ったのをよく覚えているが、この話がいちばん引き込まれ、長さも感じなかった。本作ではほとんどのシーンをセットで撮影しているが、冒頭の源平合戦のシーンはセットとは思えないほど力が入っていて迫力があるし、芳一(中村賀津雄)が奏でる琵琶の音色が美しく、芳一が亡霊たちの前で演奏するシーンをはじめ、全体的に芸術性も高く、この話だけでも本作を見る価値はじゅうぶんにあると思う。寺男ふたりが良い味を出しているのも良かった。第4話「茶碗の中」は、冒頭に断りが入るとおり結末が描かれないのがやはり少しもやっとするが、この話を最後に持ってくることで、締まりが良くうまく全体をまとめている。それに終わってみればこの4つの話の分け方もよく考えられたバランスの良い構成になっていて、これも上手かったと思う。(2024年1月3日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-16 18:09:51)
1235.  Shall we ダンス?(1995) 《ネタバレ》 
かなり久しぶりにDVDで再見したが、昔に初めて見たときはそんなに面白いとは思わなかった映画なのに、今になってあらためて見るとこれがかなり面白くて思わず見入ってしまった。平凡な毎日を送りながらもどこかに満たされない気持ちを持っているサラリーマンの男がふとしたきっかけで社交ダンスをはじめ、次第にのめり込んでいく姿が描かれているが、たとえ最初の動機は不純でも趣味を持つことの大切さ、素晴らしさや楽しさ、またそれによって人間は変われるということを感じることができるし、また、中年サラリーマンの悲哀を描いたドラマもよく描けていて、(この辺、初めて見たのが中学生くらいの頃だったんで分かんなかったんだろうなあ。)決して話題性だけではないちゃんとしたドラマとしての面白さのある映画になっているし、まさしく日本映画らしい映画で、日本映画だからこそできた傑作の一本だと改めて見て思った。周防正行監督の映画に欠かせない存在である竹中直人をはじめとしたわき役陣の強烈な個性も光り、周防監督らしいコメディとしての面白さもじゅうぶんあり、やはり周防監督はこういう肩の力を抜いて楽しめるコメディのほうがのちの社会派ドラマよりも合っていると思うしやっぱり好み。とはいえ、本作も次回作である「それでもボクはやってない」も電車が話の発端となっているのは偶然なのだろうかとつい考えてしまった。(まあ、考えすぎだとは思うけど。)ラストはなにか強引な気がしないでもないが、このラストの後味が最高なので気にはならなかった。タイトルになってる曲は劇中でも言及がある通り、もともと「王様と私」で使われた曲ではあるが、やはり今でも個人的には「王様と私」よりも本作のほうが印象が強い曲だ。ハリウッドリメイクもされているが、さっきも書いたように日本映画ならではの魅力のある映画だと思う。(2021年1月17日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-15 01:35:56)
1236.  馬鹿まるだし
喜劇としてはちょっと重たいけど、最後まで楽しく見られた。ハナ肇演じる安五郎のキャラクターが最高に面白い。「男はつらいよ」以降の山田作品では見られない展開や、「男はつらいよ」では見られなかったハナ肇と渥美清の絡み(初期の山田作品の常連であったハナ肇は「男はつらいよ」シリーズには一作も出ていないため。)が見られるのが嬉しい。ラストの植木等の使い方が「たそがれ清兵衛」の岸恵子と全く同じだったのがちょっとビックリした。 傑作とは言いにくい映画だけど、ラストの告白シーンにちょっと感動してしまったのでちょっと甘いかもしれないけど9点。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2005-08-14 17:47:05)
1237.  暴れん坊兄弟
東千代之介演じるのんきな兄と中村賀津雄演じるあわてものの弟とのやりとりが楽しい娯楽時代劇。二人が仕える殿様役の錦之助もチョイ役ながら実にはまっていて良かった。ただ、放送禁止用語でも言っているのかセリフがところどころとんでいたのが残念。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-08-12 23:54:31)
1238.  カルメン故郷に帰る 《ネタバレ》 
初めて見た時は「日本映画初のカラー映画」という知識だけで見て映像がものすごくキレイで印象に残った反面、ストーリーにイマイチのれなかった覚えがある作品だが、あらためて見直してみるとけっこう楽しかった。平穏な田舎の町に都会でストリッパーをやっている娘が帰ってくるという内容だが、全体的にはほのぼの人情喜劇という感じで安心して見ていられる無難な作りなのがいかにも松竹喜劇的でいい。高峰秀子といえばどちらかといえば過酷な運命に翻弄される芯の強い役柄が多い女優だが、この映画ではあっけらかんとしたカルメンを明るく演じているのも、「二十四の瞳」や「浮雲」などの彼女の主演作を何本か見たあとである今になって本作を見ると、かなり新鮮に感じる部分が多い。とくに高原で見せるストリップのシーンはこういうシーンを演じるという印象が皆無な女優だけにかなり衝撃的だった。脇役ではそんな娘に対する複雑な感情を抱く父親を演じる坂本武がいい。校長役の笠智衆もいい味を出している。戦争で盲目となった佐野周二は思わず「二十四の瞳」の岡田磯吉(田村高廣)を思い出さずにはいられないが、こんなところにもさりげなく木下恵介監督の戦争に対する怒りが込められているのだろう。さきほども書いたように全体的にほのぼのしていて放牧的な雰囲気にも癒される楽しい映画ではあるが、この佐野周二が運動会でオルガンを弾くシーンで笑われたと思い、演奏を中断してしまうシーンは本作で唯一、重く感じたシーンだった。本作は日本初のカラー映画であることもそうなのだが、成瀬巳喜男監督と並んで木下監督とも名コンビと言われる高峰秀子が初めて木下監督の映画に出演したという意味でも記念碑的といえる作品だろう。(2013年1月14日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-08-10 19:56:10)
1239.  生きものの記録
黒澤明が「七人の侍」の次に発表した作品。娯楽大作だった前作とは逆に静かな社会派の良作。当時35歳で老人役を初めて演じた三船の老けブリが見事。黒澤監督は晩年にも「八月の狂詩曲」という反核映画を作っているが、やはりこちらのほうがいい出来だと思う。「ウルトラQ」を思わせる不気味な音楽(早坂文雄の遺作)とラストシーンが印象的だった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-08-09 22:27:30)
1240.  羅生門(1950)
たぶん、ストーリーはそれほど複雑じゃないんだろうけど、途中からついていけなくなった。宮川一夫の撮影の素晴らしさにプラス1点。
[地上波(邦画)] 6点(2005-08-09 10:18:54)
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