1221. お早よう
小津映画の四番バッター杉村春子が、出番は少ないながらここでも大活躍。「もうやンなっちゃうよ本当に、ばあちゃん、あんた本当に楢山行きだよ!」って台詞自体もすごいけど、滑舌のいい彼女の口から発せられると小気味良く聞えるから面白い。久我美子や佐田啓二あたり、この映画じゃ子役に食われて印象が薄い。 [DVD(字幕)] 7点(2005-04-02 14:04:35) |
1222. 男はつらいよ 私の寅さん
寅さん映画初心者の方はこの作品から観る事がないようおすすめします。つうのも、前半の、めったに旅行なんかに出掛けないとらや家族の留守中の、寅さんの自己中なわがままっぷりときたら!俺は通常なら寅さん擁護派だけど、ここばかりは「あんたが旅に出てる間、みんなどれだけあんたの事心配してると思ってんだよ!」と叱り飛ばしたくなってしまいました。岸恵子との出会いが喧嘩からというのが新味といえば新味だけど、「あなたカバさん?熊さん?」っていう台詞位しか笑えなかったし。 [DVD(字幕)] 4点(2005-04-02 11:52:45) |
1223. 小早川家の秋
「彼岸花」での山本富士子と浪花千栄子のコンビを観ても明らかだけど、小津の様式化された画調に関西弁が加わると、なんか画面全体に弾みが出て演技も生き生きして見えてくるので不思議。それだけに何故か原節子だけが標準語なのが気になります。当時の東宝スター総出演といった趣で、芸達者な出演者たちを生かす為エピソードが分散化して何となく総花的になっちゃってるけど、これはこれで愉しめました。これ観るとあんな立派な日本家屋の廊下を素足で歩いてみたくなりますよね。煮ても焼いても食えない鴈治郎翁の存在感は抜群です。でもラスト近く、野辺送りのシーンで流れる観客の不安感を増長させる重厚な音楽は何だったんだろう・・・? [DVD(字幕)] 8点(2005-04-02 11:25:47) |
1224. 南太平洋(1958)
一般的には名作ミュージカルという評価みたいなんだけど・・・、自分決してミュージカル嫌いじゃないんだけど・・・。うーん、これはなんだか長いだけでひたすら退屈してしまいました。背中がゾクゾクするようなナンバーも前半に流れる「バリ・ハイ」位。 3点(2005-03-29 14:44:39) |
1225. 日本沈没(1973)
いしだあゆみの意味ありげで、実は全く本筋に無関係なキャラクターに大苦笑。いまわの際に電話ボックスで「じゅていーむ、ジュテーム・・・」ってアンタ一体何者だよWジョネーブに藤岡弘と逃げるっていうからてっきり「ジュネーブ、ジュネーブ」って地名連呼してるのかと思ったぞ。しかもラストまでちゃっかり生き残ってるし。小松左京原作ならまだ「復活の日」の方が上! 5点(2005-03-29 11:59:05)(笑:1票) |
1226. 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
皆さんの評価の通りこれはシリーズ中1、2を争う最高作ですね。リリー(浅丘ルリ子)と寅さんとの愛あるが故の意地の張り合いも見ごたえあるけど、もう一方でさくらとリリーの友情物語としての側面を持つ点でかなり異色なのでは。大体において、さくらは寅さんが恋する相手には一様に寛容な態度を取り続けていたが、リリーとはその他の女性たちとは明らかに違うスタンスで付き合っている。彼女の中でこの人ならお兄ちゃんとうまくやっていけるのでは・・・という肉親的あるいは女性的直感が働いたんでしょうね、多分。リリーのあの大きな瞳には単なる台詞以上の感情が込められていて、彼女なるが故に泣かされたシーンが幾つもありました。よかったです! [DVD(邦画)] 10点(2005-03-29 11:30:39) |
1227. 恋愛小説家
J・ニコルソン主演、そしてもう決して若くはない男女の恋の駆け引きという事で、昨年公開された「恋愛適齢期」との比較になってしまいますが、こちらのほうが出来が良いと思います。主役三人のキャラクターがこと細かに描きこまれてるし、何よりもラブシーンがキス止まりであった事が後味良いです。子犬の使い方は流石に少しズルいなあと思いましたけど。あとヒロインの感情がいつ「感謝」から「愛情」に変化したのかが ちょい説明不足ですね。 7点(2005-03-28 14:55:44) |
1228. サウンド・オブ・ミュージック
佳曲揃いの名作ミュージカル。数ある名曲の中でも、真夜中のあづまや??で長女と郵便配達の少年の微笑ましくも幼い恋が語られる「もうすぐ17才」が自分は一番好き。あの二人だけがハッピー・エンドにならなかったのは本当に残念でした。でもロバート・ワイズって「ウエストサイド物語」とこの映画の間に「たたり」なんつうモノクロホラー映画を軽く撮っちゃったりして節操があるようなないような、なんか不思議な監督だよなあ。 9点(2005-03-24 20:58:28) |
1229. 太陽を盗んだ男
良し悪しはともかく全編息もつかせぬ展開っていうのは日本映画の中じゃ本当に貴重。今なら浅野忠信とかが好んで演じそうなキャラクターですね。 7点(2005-03-21 18:11:56) |
1230. SONNY ソニー
うーん、ソニー君は何年かの軍隊生活で何を学んできたんですかねえ。軍隊時代の友人宅での破天荒なキレッぷりで、この主人公に対する興味や同情が一気に冷めてしまいました。ああいった環境で育った場合、人間はどういう形で成長するのかを観たかったんですけどね。ニューオーリンズの退廃的な街の雰囲気は、意外に良く出ていたとは思うんだけど・・・。 6点(2005-03-21 17:57:06) |
1231. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
映画館で観たけど、フツーに面白かったけどなあ・・・。ここでこれほどの酷評の嵐とは思わなかったです。だってここに出てくる人物すべて漫画のキャラクターでしょ?しかも「時空を超えた戦い」映画ってタイトルに謳ってあるわけだからネモ船長とドリアングレイが一緒にいてもおかしくない訳だし。うーん、俺の映画の観方が甘すぎるんですかね。 6点(2005-03-21 15:42:30) |
1232. ゴーストワールド
これラストの幕切れが凄く印象に残ってます。停まるはずのないバス停留所から彼女はどこへ行ってしまったのか・・・。観る人それぞれの感性でいろんな解釈が出来そうで面白かったですよね。 7点(2005-03-21 15:28:16) |
1233. 夫婦善哉
正にこれ、ド演歌「浪花恋しぐれ」の世界。まだあの歌の男には芸の精進っていう言い訳があったけど、森繁扮するこの柳吉はんには何もなし。勘当された金持ちのボンボンという肩書きだけ。女が稼いだ金ちょろまかすわ、妹に金を無心するはやりたい放題。それでも不思議と憎めない人物像になっているのは、当時の森繁自身のキャラクターと役柄が絶妙にマッチしているせいか。淡島千景扮する蝶子も男をふわっと包み込むような優しさと強さを兼ね備え、何ともいえない雰囲気がある女性像を創り上げ極めて魅力的。ちなみに大阪ミナミの「自由軒」東京西新橋に支店あります。この映画観て「生卵かけライスカレー」に興味を持った方は是非! なかなかイケますよ。 7点(2005-03-21 14:46:10)(良:1票) |
1234. メーン・イベント
ごく気軽に楽しめるコメディだけど、同コンビの「おかしなおかしな大追跡」より数等落ちる出来。ライアン・オニールはボクサー体型にゃ見えんでしょう、やっぱ。 5点(2005-03-14 10:48:57) |
1235. 復活の日
アメリカ映画的な乾いたダイナミックな演出と日本的なセンチメンタリズムがないまぜ状態で、うまく溶け合わず見ていて居心地悪かったです。多分公開当時より今の方がよりリアルに感じられる設定でしょうね、これは。あの主題歌、よくテレビのスポットで流れてたよなあ・・・。 7点(2005-03-14 10:42:16) |
1236. 千年の恋 ひかる源氏物語
「アバウト千人斬りの恋 エロひかる源氏物語」。こんな話12歳の子供にしちゃっていいんですか?揚げ羽の君松田聖子(平安朝の妖精←だってDVDにそう紹介されてる)の唐突な登場「どうかわたしに~(ジャカジャカジャン)呪文をかけてよ~」は幕内の余興という扱いと考えれば許容範囲。でもあれ、前後のエピソードとかカットされちゃったんじゃないのかなあ。彼女を門まで追ってきたとおぼしき男とのやりとりとかね。だもんだから彼女だけヘンテコなキャラクターで物笑いの種に・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2005-03-14 10:28:43) |
1237. フォーン・ブース
俺ね、一回銀行で金おろしてる時、ATMの横にある電話が鳴ったんで条件反射的に出ちゃった事あるんですよ。そん時えらく警備員さんに叱られたっけなあ・・・。だからこういう事って俺にとっちゃ有り得る話で面白かったです。 7点(2005-03-04 11:15:15) |
1238. ホワット・ライズ・ビニース
この映画あたりから、日本の配給会社の良い邦題つけてヒットさせようっていう意欲とか熱意みたいなものが全く感じられなくなりましたね。もうこれ何も思い浮かばないから原題のまんま公開しちゃえ、みたいな投げやりな調子で。その後の手抜き邦題連発を増長させた点でもこの映画の罪は重いと思います。内容は、ハリソンこういう役もやってみたかったんだねって思った位。 4点(2005-02-22 18:37:53) |
1239. シャーク・テイル
《ネタバレ》 出来不出来にかかわらず、海の中の物語という事でどうしても「ニモ」と比較されてしまうハンデを持った不幸な作品ですね、これは。「社会的名声や金より真実の愛」ってテーマも至ってシンプル、だから子供にもわかりやすく受けるかも。この程度の内容なら一時間半でも十分。自分は深海アニメ版「ウォール街」だなって思いながら観てました。「ニモ」よか評価が落ちるのは、ただ単に音痴の自分が全編に流れるヒップホップやレゲエのリズムに乗り切れなかったって理由だけ。トホホホ・・・。レニーが「アンジー」のアテレコ、ジャック・ブラックが「レニー」のアテレコ、なんか途中混乱したのは俺だけ? 6点(2005-02-22 12:53:18) |
1240. おかしなおかしな大追跡
面白かったです、これ。バーブラを生理的に受け付けないって人(意外に多いんだこれが)以外は絶対楽しめるはず。前半のカバンの取り違え騒動より、後半からのサンフランシスコの風景を最大限に利用した無声映画的カーチェイスの方が断然面白い。ライアン・オニール主演、超有名恋愛映画をパロった台詞が出てきます。バーブラの「時の過ぎ行くままに」が聴けるのも、ファンにとっちゃ嬉しいサービス。 7点(2005-02-17 18:18:26) |