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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2589
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1261.  クローズZEROII
原作「クローズ」の最大の魅力は、バラエティー豊かな“キャラクター性”だと思う。 決して主人公の描写に注力するわけではなく、むしろ周囲の様々なキャラクターに確固たる人間性を持たせ、様々な視点から極限の不良世界を構築したことが、この漫画の最大の成功理由だと思う。  そしてこの「映画化」が成功した理由も、まさに同じポイントを確実に抑えたからだと思う。 山田孝之が演じる芹沢多摩雄をはじめとする鈴蘭の面々、そしてトップ鳴海大我をはじめとする宝仙の面々。 映画独自のオリジナルストーリーでありながら、原作漫画に登場してもおかしくない(むしろ登場してほしい)と思わせるほど、魅力的なキャラクター造形が出来たことこそ、最大の勝因だろう。  特に、山田孝之のパフォーマンスは素晴らしい。 個人的にはそもそも好きな俳優ではなかったので、「クローズ」に出演という報を聞いた時は、彼があの漫画の世界観にどう息づけるというのかと、全く期待していなかった。 が、見事に主人公の最大のライバルというオリジナルキャラクターを演じ切り、強烈な印象を残した。時に二カッと笑いながら殴り合いをする様は、最も”クローズ的”だと感じさせる存在感だった。  この「クローズZERO」二部作は、監督三池崇史のバイオレンス性と多様性が、伝説的な不良漫画とこれ以上ない絶妙な具合で融合した作品である。 その完成度の高さは、ひとつのサプライズであったが、それは決して偶然などではなく、揺るぎない必然性の元で生まれた結果だ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-10-23 14:03:45)(良:1票)
1262.  スピード・レーサー
自宅で、ブルーレイディスクが見られるようになって、初めて見る映画を何にするか? それは、映画好き&家電好きにとってかなり重要な問題だったりする。  レンタルショップのブルーレイコーナーに集められた作品群を前に、暫し思案した結果、見る機会を失っていた今作を手に取った。  流石にスゴイ。映像に度肝を抜かれたのは久しぶりだ。しかもそれが自宅のテレビで味わえるのだから、スゴイ時代になったものだと思う。  ウォシャウスキー兄弟が持ち前の“オタク魂”を、良い意味で好き勝手に発揮した快作だと思う。 こういう映画は「中途半端」な部分があった時点で“負け”である。 ただそこは、「マトリックス」で映画自体の常識をひっくり返した同兄弟だけあって、そう文字通りとことん“突っ走っている”。  原作は往年の日本のテレビアニメ「マッハGoGoGo」である。 日本で生まれたアニメや漫画が海を渡り、ハリウッドで映画化されるという構図は、最近続発されているが、その中ではかなりレベルの高い仕上がりを見せているとも思う。  やはりこれくらい問答無用に突っ走れるだけの、原作に対するこだわりと愛着がなければ、映画化は成功しない。  人生初のブルーレイ鑑賞にふさわしい映画だったと思う。  P.S.ただ、真田広之の役どころはもう少しおいしくしてあげて欲しかった……。 
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-09-19 14:16:55)(良:1票)
1263.  トランスフォーマー
これほどまでに、「クソクソ面白いクソ映画」は観たことがない。(下品ですみません)  ストーリーなんてあって無いようなものという言い回しはよく聞くが、これほどまでその文句に相応しい映画もない。 そもそもの発端の設定から、主人公のキャラクター性、他のキャラクターたちの言動に至るまで、本来あるはずの整合性はほころびまくり、ただただブロックバスター映画としての“勢い”だけで突っ走る。  ただ、その“勢い”が馬鹿馬鹿しいまでに物凄い。  「トランスフォーマー」という玩具は、自分も幼少時によく遊んだおもちゃで、持っていたのは、戦闘機からロボットに変身(トランスフォーム)するタイプだった(今作の中では悪役……)。 自分が遊んでいた時には、漫画とかアニメとかは無かったと思う。 基本的に“一人遊び”が好きな子供だったので、一人好き勝手にストーリーを想像しつつ、「ドカーン」、「バキューン」と遊んでいた記憶が、沸々と蘇ってきた。  「物凄い」のは、誰しもがやっていたであろうそういう“一人遊び”のまさに延長線上に、この莫大な製作費によって生み出されたブロックバスター映画が存在するということだ。  ハリウッドを代表するいい大人たちが、よってたかって「子供の空想」を真剣に映像化するという試み。 「理屈」や「リアリティ」なんて言葉の意味すら知らないよ、と言わんばかりの怒濤の映像世界には、感嘆を通り越し、心底ほくそ笑んでしまう。  「なんて馬鹿馬鹿しい……」と思いつつ、これほどまで楽しめてしまうその要因は、ハリウッドでエンターテイメント映画を創り続ける重鎮たちの意地とプライド、そして偉大なる“永遠の子ども心”に他ならない。  子どもの頃に遊んでいた時、何を考えていたか全く思い出せない様に、この映画を観て「何かが残るか?」というと、何も残らない。“クソ映画”と吐き捨てても仕方あるまい。  ただし、圧倒的に「面白い」がね。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-24 01:58:02)(良:2票)
1264.  スラムドッグ$ミリオネア
クイズ番組が好きだ。  問題に答えるための「知識」は、自分がこれまでの人生の中で生み出した結晶で、クイズ番組はそれを確認できる一つの方法だからだ。  「知識」は、積極的な勉学の果てに得たものだろうが、偶然知り得たものであろうが、その価値は変わらないと思う。  自分だけのオリジナルの人生を経て、結果として“知っていた”ということ、それが最も重要なことだ。  そういう概念を根底に敷いて、スラム街に生まれ育った青年の一つの「運命」を、巧みな映画術で描き出した良い映画だったと思う。  前面的に描かれる“クイズショー”は、インドのスラム街の現状とそこに生きる子供たちの現実を如実に表現するための「縮図」で、出題される問題の一つ一つが、主人公の青年の人生にリンクしていく構成が見事だった。  当たり前の様にゴミ山の中を裸足で走り回り、当たり前の様に孤児になり、当たり前の様に物乞いをし、当たり前の様に犯罪に手を染めていく少年たちには、不思議なくらい陰惨さを感じない。 それは、彼らが自分たちが生きるその環境を「当たり前のこと」として受け入れ、生きる覚悟をしているから。  欺瞞に満ちたクイズショーで大金を手に入れることも「運命」。 銃弾を浴び札束で溢れたバスタブで果てることも「運命」。  そのさじ加減を一体誰が決められるというのだろうか。 
[映画館(字幕)] 7点(2009-04-28 23:58:40)(良:1票)
1265.  飢餓海峡
久しぶりに、古い日本映画の骨太なサスペンスが観たくなり、週末の深夜のレンタルショップで今作のDVDを手にとった。  深夜の鑑賞で、183分という上映時間はさすがに長かった。 物語の題材も想像よりもセンセーショナルなものではなく、どちらかというとありきたりな部類のものだったので、淡々としたモノクロ映像の中で次第にまどろんできた。  しかし、ストーリーの展開以上に、映し出される登場人物たちの言動や、時代の風俗描写に惹き付けられる部分があり、そういう部分がこの映画の「力」なのだろうと思った。  時に緻密に、時に大胆に描き出される映画作りの空気感は、まさにこの時代の日本映画の力強さだと感じる。  ただ細かい展開を見ると、もう少しサスペンスとして面白味を持たせることもできたのではないかと思う。 10年という年月の間に絡む人間模様をもっと密に描くことができれば、それぞれの人間性や葛藤が更に如実に伝えられたのではないかと思った。 いまひとつ、それぞれの人間の感情が響いてこなかったことは、映画の性質上勿体なかった。  ただし繰り返しになるが、この大長編を独特の空気感で描き出すことができたこの時代の日本映画のパワーは物凄い。 現在、これほどの規模の大作映画の製作となれば、安易な商業主義に走ってしまうことは必至であり、今作のような特徴のある作品には成らないと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-26 10:27:22)
1266.  夜のピクニック
24時間かけて、80㎞の道のりを、高校生活を共にする仲間たちと歩き通すという稀有な行事「歩行祭」。  「一緒に並んで歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」 すべては、その想いに尽きると思う。  それは、毎朝毎朝10㎞近い道のりを自転車通学したことや、部活が終わって疲れきっているのにたわいもない話を延々としていたことと全く同じで、自分自身も感じてきたその“特別さ”がよみがえってきた時、この映画の真の価値が煌めいたと思う。  おそらく初めてのことだが、実は、映画を観る数時間前に原作を読み終えたばかりだった。 そのことによって、作中の登場人物たちの心情が掴めやすかったと同時に、描き方として不充分だなと思われるところも多々あったと思う。 特に映画の序盤は、原作の持つ空気感が表現されていなくて、映画作品として「失敗」かなとも思った。  しかし、「歩行祭」も折り返しを経て、物語が“ゴール”に向けて突き進むにつれ、空気感が一変する。 疲労困憊の中、それぞれの高校生たちが心情を吐露していくその息づかいが、とても情感に溢れ素晴らしかった。  それは同時に、将来の日本映画界を担うであろう若い俳優たちが、この作品の中だけでも確実に成熟していく様を見ているようで、今まさに等身大の若者たちが「成長」を遂げている姿だったのではないかと思う。  「ただそれだけのこと」の素晴らしさ。 そこには明確な理由も派手さもなく、ただただじわりと染み渡る。  時の重なりとともに、何ものにも代え難くなるその「特別」に涙が出る。
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-16 01:06:39)(良:2票)
1267.  タロットカード殺人事件 《ネタバレ》 
永遠の“女好き”ウッディ・アレンが、新たなディーバとしてスカーレット・ヨハンソンを迎えた第二作。  連続殺人事件を追うという主題に反してコメディ要素たっぷりのストーリーテリングの中で、いかにヨハンソンを魅力的に映し撮るか、その部分に徹底的に心血を注いだウッディ・アレンは流石だ。 他の作品ではクールな役柄が多いスカーレット・ヨハンソンだが、そのセクシーさを保ちつつ、見事にコメディエンヌぶりを発揮していて、終始ニヤニヤしながら観てしまった。  邦題がいかになミステリ調なので、サスペンスフルな展開を期待していると肩すかしをくってしまうだろうが、ウッディ・アレンという監督を知っている人であれば、相変わらずの調子に安心感を覚えつつ、良い意味で終始“のんき”に楽しめる作品だった。  ヨハンソン演じる主人公に終始振り回されながら、大事なところであっさりあの世いきしていしまう道化的な役割を自らに当て込むあたりにも、ウッディ・アレン独特のらしさと、コメディ作家としてのある意味でのプライドを感じられた。 もう80歳近い高齢のはずだが、これからも楽しい映画をつくり続けてほしいものだ。  スカーレット・ヨハンソンの魅力に酔い、ウッディ・アレンのユーモアを心ゆくまで堪能する。そういう愛すべき映画だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-22 13:07:16)
1268.  7つの贈り物 《ネタバレ》 
主人公のベンは、見ず知らずの他人7人に対し、“ある計画”の上で各人の運命を変える“贈り物”を与えていく。 主人公を演じるウィル・スミスの瞳の中に在る決して消えることのない“愁い”が、とても印象的な映画だった。  主人公の「行為」が本質的な意味で正しいかどうか、それを判断することはとても難しい。 別の方法を選択すべきだったとも思うし、本人にとってはそれ以外無かったという決断も理解できる。  自らの中で膨張する思いに耐えきれず、断固たる意志のもとに下した"決意”は、その正当性を度外視して、心が揺さぶられる。 そして、その一連の行動の中で、残酷にも恋に落ち、愛の元で最後のプロセスを実行する様に、涙が溢れた。  この映画は、観客それぞれの価値観において、大いに是非が分かれると思う。 ただ僕は、一人の男がひたすらに苦悩し、不器用で愚かな決断をする姿に、人間の人間らしい部分を感じずにはいられなかった。 物語の美徳的な部分ではなく、そういう人間の不完全さを目の前にし、感動した。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-21 20:19:02)(良:1票)
1269.  ハリウッドランド 《ネタバレ》 
レンタル店の“ミステリー”にジャンル分けされていた今作。 もちろん、ハリウッドで実際に起こった俳優の自殺事件と、その真相を明らかにしようとするプロセスを描いている以上、そのジャンル分けは間違ってはいないと思う。  ただし、この映画の面白さは、謎が解明される顛末にあるわけではない。 往年のハリウッドのきらびやかさと、その裏に確実に広がっていた「闇」を、綿密なディディールの中で描いたところに、その醍醐味はあると思う。  ヒーロースターの死の謎を、しがない私立探偵が運命的に追い求める。 メイキングの中の言葉の通り、「人の人生を追うことで、自分の人生を見つめ直す」映画であると思う。  華やかな銀幕の世界の裏側に隠された深い闇。 それは必ずしも「犯罪」に直結するものばかりではなく、俳優をはじめとする映画に関わるすべての人間に確実に潜む“心の中の闇”であったのだと思う。  「光」は「闇」があるからこそ初めて成立する。その避けられない現実の皮肉を、ミステリーという娯楽性によって巧みに彩ってみせた作品だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 10:58:36)
1270.  ワールド・オブ・ライズ
中東を主舞台とした“対テロ戦争”における情報戦を描いた今作。 敵を欺き、ある時は味方さえも欺き、生と死の狭間での戦いは、決して安直な派手さはなく、その痛々しさのみが様々な側面で突き刺さる。  それは、この映画が今この瞬間も繰り広げられている「現実」の一側面を描いているからに他ならないと思う。  ディカプリオ演じる主人公が、自らの命をさらしながらも感じ続ける葛藤。 それは、“対テロ”の名の下に突き進めるこの「戦争」が、果たして正真正銘の「正義」なのかということに他ならない。  「異文化」への排除行為の先にあるものは決して「平和」などではなく、愚かしく、絶え間なく続く「報復」の螺旋である。 ということを、痛々しく見せつけてくる作品だった。   それにしても、リドリー・スコット監督作品は、「アメリカン・ギャングスター」に続き今年2本目である。 時間を空けず、これほどの骨太な大作映画を連発してくるこの巨匠のパワーに感嘆する。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-23 18:56:48)
1271.  彼が二度愛したS
サスペンス映画が好きである。 鑑賞者の思惑を大いに覆すストーリーに惹かれるものだ。  が、今作の場合は、ストーリーに驚くべき起伏があるわけではない。 もちろん、ただ平坦なだけではサスペンス映画として成立しないので、程よい緊張感と“二転”くらいのエスプリは持ち合わせている。  ただこの映画の面白さは、そういうストーリー展開にあるわけではなく、映画を構築する他の要素の質の高さによるところが多いと思う。 最近は、とにかくストーリーに「衝撃」を押し出そうとする作品が多いだけに、今作のようなサスペンス映画は少し珍しい。  では何が良いのか?  ユアン・マクレガー、ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズら出演者たちのキャラクターに即したビジュアルの美しさ。 高級ホテルに高級スーツなどから発せられる洗練されているからこそ、同時に醸し出されるある種の“禍々しさ”。  そういった主人公の感情と、ストーリーを彩るラグジュアリーが、映画を魅惑的に仕上げているのだと思う。  「驚き」には欠けるが、たまにはこういうオールディーさを感じるようなサスペンス映画も悪くない。
[映画館(字幕)] 7点(2008-11-19 14:12:49)(良:2票)
1272.  最高の人生の見つけ方(2007)
“最高の人生の見つけ方”、この邦題自体は気に入らないが、そのために必要なのは、自分が既に得ている「幸福」をきちんと見出すことだと思う。 Bucket Listに書かれた“死ぬまでにやりたいこと”をこなしていくプロセスは、あくまでそのためのきっかけに過ぎなかった。 残されたリストの項目が、ひとつずつ、必然的に消化されていく様がとても感慨深く、上質な余韻として残っていく。  ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが、老人の悲哀をそれぞれ演じるという時点で、思わず「ずるい」と言いたくなるくらい安心できる。 そして思惑通りに、二人の大俳優はキャラクターの全く違う老人の哀愁を演じて、魅せる。  それにしても、すっかり“爺さん”になってしまったジャック・ニコルソンには、どうしても少し寂しい感じがしてしまう。だけれど、ふいに見せる相変わらずの“悪ガキ”っぽい目つきを見て安心した。 
[インターネット(字幕)] 7点(2008-09-23 23:35:22)(良:1票)
1273.  エリザベス:ゴールデン・エイジ
前作「エリザベス」から実に10年ぶりの続編。 まず驚かされるのは、10年経ってもまったく劣化のないケイト・ブランシェットの神々しいまでの麗しさと、10年を経たからこそ更に強まった彼女の存在感の大きさだ。  世界史に対してあまり明るくないので、実際の時代背景だとか人物像について無知な部分が多いのだけれど、ブランシェットが演じるエリザベス一世の姿には、問答無用の説得力があり、現在に繋がる英国史を築いた女王の姿にくるいないと確信せずにはいられない。  前作を遥かに凌駕する映像世界の絢爛豪華さも、申し分なく、重厚な宮廷内の描写や迫力の海戦シーンにも圧倒させられる。 しかし、ケイト・ブランシェットのもはや「大女優」としての威厳が、そういうビジュアル的な力強さを抑えつけ、あくまで映画を彩る一つの要素に至らしめている。  スペインの無敵艦隊を退け、大英帝国の礎を確固たるもとしたエリザベスの文字通り威風堂々とした姿には、神に選ばれた者の「運命」を感じた。  ただ、やはりもう少し当時のヨーロッパ史の勉強をしてから見るべきだとは思った。そうすれば、更にこの映画の深みを堪能できたと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-23 11:56:04)
1274.  ノーカントリー
2007年のアカデミー賞を席巻したコーエン兄弟監督作品。  2001年の「バーバー」を観て以来、この兄弟の映画は、とりあえず観ておかないと損をするという感覚がこびりついている。  世界観が独特なだけに、好き嫌いの触れ幅が激しく、主観的な感想として当たり外れも多いのだが、今作はアカデミー賞の主要部門を確実に抑えた作品だけあって、またエライ映画世界を生み出したものだと思う。  正直なところ、一度観ただけでは、この映画の本質と染み込んだ味わいの深さを堪能しきれていないと思う。  3人のまったく異なる登場人物たちが暗示するアメリカという国の凶暴性と、不条理さ、虚無的な絶望感。 それらが、絶妙な台詞回しや、奇妙な緊迫感を終始携えた演出の中に垣間見えはしたが、鑑賞者としてそのすべてを確実に捉えきれたかというと、自信はない。  ただそれでも、この映画が持つ深みと、説明がつかない濃密さは感じ取ることができたし、初見としてはそれでいいと思う。  トミー・リー・ジョーンズの哀愁を携えた演技は渋かった。 しかしこの作品の中で圧倒的だったのは、やはり助演男優賞を獲得したハビエル・バルデムの超絶な怪演だろう。 “ぬぼ~”とした風貌から滲み出る奇怪さと、圧倒的な恐ろしさは、悪役史上に残る存在感だった。  自分自身の読解力の低さで、問答無用に「大傑作」と断言できないことは情けない限りだが、それは再び観る時の楽しみとしてとっておこうと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-08-30 02:39:05)
1275.  転々
「人生」なんてものは、まさに“転々”としていくもので、悲しい事も、嬉しい事も、順繰りにめぐるものだと思う。 ただ、幸せは、はっきりと目に見えるものではないし、これがそうだと実感できるものではないから、見逃してしまいがちで、辛い事ばかりに目がいってしまうのだと思う。  そういう人生の中での、ささやかな幸せを、淡々と、とぼとぼと、踏みしめるように映し出した映画だった。  三木聡監督らしいゆる~い可笑しさと、ふいに垣間見せる温かさの中で、オダギリジョーと三浦友和がさらにゆる~く息づく。  冒頭では、ただの借金を抱えた大学生とそれを追う取立屋だった二人の関係が、東京の可笑しさに溢れた“散歩”を通じて、次第に“疑似親子”のそれになっていく様に、人と人が触れ合うことによってはじめて生じる滑稽さと、その素晴らしさを感じる。  むさくるしい風貌の男二人の掛け合いがメインの映画なので、上野樹里と蒼井優が出演した「亀は意外と速く泳ぐ」ほどの華やかさはなく全体的に地味な感じはあるが、その分、じんわりと暖かみが染み渡る作品だったと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2008-06-21 10:46:14)(良:1票)
1276.  ザ・マジックアワー
三谷幸喜が、「映画」そのものをパロディー化した「映画」を作った。 それは、今の日本を代表する喜劇作家が、辿り着いた一つの到達点かもしれない。  前作「THE 有頂天ホテル」ほどの娯楽映画としての煌めきはないが、それ以上に、「映画」そのものに対するあらゆる憧れと愛に溢れた映画だと思う。  ひたすらに銀幕での成功を夢見る売れない映画俳優を、今や日本映画界のトップ俳優と言っても決して過言ではない佐藤浩市が演じるという“面白さ”。 そしてその映画俳優の滑稽な様を、絶妙に演じて見せた佐藤浩市と、それを引き出した三谷幸喜。 この俳優と監督のコラボレーションの成功が、そのままこの映画の成功だと思う。  喜劇を、ただ喜劇で終わらせないことが、三谷幸喜という作家が優れた部分で、この映画の核心も、そういう要素が溢れる。  売れない映画俳優が、ギャングの抗争に巻き込まれ、騙されたままひたすらに演じ続ける。 そこには、作り込まれた笑いのエッセンスと共に、どこまでも自分の夢を真っすぐに追い求める不器用な男の愛すべき姿が表われる。  映画が好きな人、夢を追い求める人、または追い求めたことがある人にとって、その姿には、特に胸を締め付ける程の感慨深さが残る。  良い映画だったと思う。  
[映画館(邦画)] 7点(2008-06-10 00:34:49)(良:1票)
1277.  犯人に告ぐ
かつての誘拐事件で心に傷を負った敏腕刑事が、新たに巻き起こった連続児童殺人事件を、テレビを通じて犯人と対峙する「劇場型捜査」として挑む。  原作は未読だったので、色眼鏡なく展開するストーリーに入り込むことができ、トータル的にはまずまずよく出来た映画だという印象に落ち着いた。 主人公を演じた豊川悦司は、キャラクターによく合い安定した演技を見せたと思う。笹野高史をはじめとして、脇を固める俳優陣は地味めながらも実力者揃いで味のある存在感をもって作品を支えていた。  想像するに、原作をうまくまとめて決して破綻することなく映像化しているのだと思う。ただその体裁の良さが、同時に映画作品としてやや「味が薄い」という印象に繋がっているとも思う。 「劇場型捜査」というセンセーショナルな要素を核心に据えてはいるが、このストリーのミステリー性はそれほど練り込まれたものではなく、むしろベタと言える程シンプルだ。 原作を読んでいないので想像の範疇を出ないが、この物語の本質は、真犯人特定のプロセスではなく、主人公を中心とした「劇場型捜査」に絡む群像のドラマ性にあるのではないかと思う。 そういう意味では、もう少し主人公以外の登場人物たちの人間性を深く掘り起こして欲しかったと思う。そうすれば、もう少しアクの強い映画に仕上がったのではないか。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-22 03:12:43)(良:1票)
1278.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
暗黒のロンドンで暗躍する理髪師の殺人鬼“スウィーニー・トッド”を、ティム・バートン+ジョニー・デップの盟友コンビで、「ミュージカル」というスパイスをドギツク加えて相変わらずの“特異世界”の中に息づかせた。   鑑賞後まで“スウィーニー・トッド”というキャラクターを知らず、今作はティム・バートンの完全オリジナル作品かと思っていた。 実は創作の殺人鬼キャラクターとしてかなり有名で幾度も舞台化、映画化されていることを知り、ティム・バートンらしからぬ最後まで深い闇を秘めたラストにも頷けた。   全編通して悪趣味かつクオリティの高いビジュアルは、ティム・バートン監督ならではで、そこで惜しげもなく歌声を披露しながら、またもやアクの強いキャラクターを体現してみせたジョニー・デップと合わせて、作品から醸し出される雰囲気に反して安心して観られた。 ティム・バートン監督のパートナーでもあるヘレナ・ボナム・カーターも内にまがまがしい狂気を秘めたパイ屋の女主人を、妖しい魅力で表現してみせたと思う。   狂気に溢れた殺人鬼の物語をミュージカル調で映像化してみせたティム・バートンの力量にはもはや隙はなく、ジョニー・デップの魅力も合わせて概ね満足度は高い映画であると言える。 ただ、今作で6作目の監督&主演コンビとなる彼らの化学反応に、安心感を覚えつつもそろそろ新たな“爆発”を見せてほしいというのも映画ファンとしては正直な心情だったりする。   そういう意味では、題材の強烈さに反して今ひとつ“驚き”はない映画だったかもしれない。   
[映画館(字幕)] 7点(2008-01-19 21:25:42)(良:1票)
1279.  アース
2008年一発目の鑑賞作品は、“地球”そのものをストレートに映し出したネイチャー・ドキュメンタリー。 昨年末から公開された予告編の圧倒的な映像を見て、「これはスクリーンで見なければならない」と心に決めていた。  今、立っているこの地球の美しさと壮大さ。それは、地球上に生きる誰もが、知るべき、“知られざる世界”だと思った。 すべての人間が、この実態を知れば、きっとこの惑星はもっと豊かさに溢れるのではないか。  この惑星に生存する幾多の生物、その誰のためでもなく、人類自らのために、この惑星の豊かさを保っていかなければならないと思う。
[映画館(吹替)] 7点(2008-01-14 14:00:47)
1280.  アイ・アム・レジェンド
ウィル・スミスは一体何回地球を救えば気が済むのか。 と、もはや“はまり役”とも言える”救世主役”をウィル・スミスがいつものように陽気にこなすエンターテイメント大作だろうと気軽に構えていたのだけれど、想像以上に「恐怖」に溢れた作品だった。  この映画での最たる「恐怖」。それは、全世界を滅ぼす細菌の恐怖でも、闇の中から急襲してくるゾンビ化した感染者たちの恐怖でもなく、たった一人世界に残されたという「孤独」に対する恐怖だ。  愛する家族を皮切りに、周囲の人間が次々に失われていき、ただ一人世界に残された男に与えられたものは、果てしない絶望と、愛犬のサム、そして「残された世界を救う」という盲目的な使命……。  悲壮感に溢れつつも、決していつものノリも忘れないウィル・スミスは、主人公としてバランスがよく安定感があった。 映画の大半を一人で立ち回ることができるのも彼の俳優としての実力があればこそだろう。  エンターテイメント大作として申し分はない完成度は保っており、主人公が悪戦苦闘するアクション性と共に、孤独に対する悲哀にも溢れ、一辺倒ではない映画として仕上がっていると思う。 ただ、ゾンビ化した感染者についての伏線が中途半端に張られたままで解消されていなかったり、そもそもの原因となるウィルスについてやや説明不足な感も残ったのは、残念。  まあ、とにもかくにも、今後ともウィル・スミスには地球を救っていってもらいたいと思う次第。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-30 19:07:41)
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