Menu
 > レビュワー
 > イニシャルK さんの口コミ一覧。64ページ目
イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1489
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263646566676869707172737475
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1261.  でんきくらげ
大映は倒産直前に「軟体動物シリーズ」と銘打った映画を連作してたみたいで、増村保造監督による本作もそんな1本。去年1年間に10本も増村監督の映画を見ているせいか、かなり久しぶりに見る増村映画という気がする。うーん、渥美マリ演じるヒロインはいかにも「増村映画のヒロイン」という感じだし、クライマックスのヒロインの行動やラストの選択も増村監督らしいと思うし、見る前に思ったよりは面白かったのだが、正直これまで見た増村監督の映画と比べると何か物足りない。渥美マリはせりふ回しは確かに棒読みだけど、それが不思議と見ていて苦にならないしそんなに悪くないと思うのだが、「妻は告白する」や「清作の妻」などの増村映画の顔的存在の若尾文子や、「巨人と玩具」の野添ひとみ、「痴人の愛」の安田道代、「盲獣」の緑魔子といった強烈な印象を残すヒロインたちにくらべれば全然普通の印象しか残らないし、増村監督の演出もなにかいつもに比べて平凡に感じてしまったのは残念で、増村監督としてはこういう題材の映画は得意なはずなのに、圧倒的な「何か」が足りていないような気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-28 23:14:19)(良:1票)
1262.  刑事物語 《ネタバレ》 
シリーズ第1作。このシリーズは中学の頃によくテレビで見ていてかなり好きだった(今でも武田鉄矢といえば片山刑事のイメージが個人的には強い。)が、なぜかこの1作目だけは全く放送されず見る機会がなかった。それを今回、DVDにてようやく見ることが出来た。約13年ぶりの片山刑事との「再会」だったが、武田鉄矢演じる片山のキャラクターやハンガーアクションはとても懐かしかったし、基本的にシリアスなストーリーながら高倉健ファンの女刑事を演じる樹木希林や、西田敏行とのやりとりなどこの1作目から笑える部分もあり、それでいて、片山とヒロインである聾唖の女性との恋愛エピソードは切なく感動的で、この部分の武田鉄矢の熱演もそうだが、ヒロインを演じる有賀久代の演技が素晴らしく、彼女の演技がこの映画に深みを与えているのだと思う。片山が彼女から田中邦衛扮する恋人を紹介されるラストシーンが特に感動的で片山の涙いっぱいの笑顔が最高に切なく、本当にいいシーンで、以前このシリーズは「男はつらいよ」シリーズを参考にしていると聞いたことがあったが、このラストシーンはまさしく「男はつらいよ」を思わせているし、榊原るみ扮するマドンナが知的障害者という設定だった「男はつらいよ 奮闘篇」で養護教諭を演じていた田中邦衛を起用しているあたりにも「男はつらいよ」シリーズの影響が見られ、やっぱり相当意識して作っているのがよく分かる。全体的に見て映画の完成度自体はそれほど高くないと思うものの、じゅうぶんな佳作といえる映画になっていてとても面白かった。(主題歌の「唇をかみしめて」もやはり名曲。)続編も見直したいが、どうやら本作しかDVDが出ていないのが残念。ぜひ、続編4本もDVD化を願うところだ。
[DVD(邦画)] 8点(2009-10-22 19:39:32)(良:3票)
1263.  シコふんじゃった。 《ネタバレ》 
先週に「ファンシイダンス」を見てるので、主人公の弟が相撲部に入部するあたりは少し二番煎じかもと思ったが、「ファンシイダンス」に比べて、こちらの方がドラマ的にも感情移入がしやすく面白かった。この手の邦画は今では矢口史靖監督の作品をはじめ結構作られてるけど、「ウォーターボーイズ」なんかと比べてもこちらの方が見ていて相撲にかける情熱と必死さが伝わってきて、リーグ戦や入れ替え戦などはまるで甲子園の高校野球でも見ているかのようだった。(大げさで感傷的な音楽がないのもいい。)笑いのシーンもつぼを押さえていて、中でも過敏性腸炎の竹中直人の演技には爆笑。(中学の頃にもテレビ放送途中から見たことある映画だったが、この下りだけ覚えてた。)あとはやっぱり巨漢マネージャーの正子だろう。相撲部の中でいちばんの存在感を発揮していて、そこにいるだけでも印象に残るのに、男装して試合に出るシーンはやはりかなりのインパクトを残していてとても印象的だった。(演じている女優が全く知らない人なのもさらにこのキャラクターを印象的なものにしている。)ほかの登場人物たちもみな個性的で面白い。主人公兄弟に向かって「若貴兄弟」と言うシーンなど今見ると時代を感じてしまう部分も確かにあるが、この後、多くの亜流を生み出したのも分かる出来で、本作は間違いなく周防正行監督の最高傑作だと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2009-10-08 12:33:49)
1264.  ファンシイダンス
見る前は今見ると滑ってるかもと思っていたのだが、確かに時代を感じる部分は多いものの、軽いコメディー映画としての楽しさは充分にあり、当時まだアイドルのイメージが強かったであろう本木雅弘やこれが映画デビュー作の田口浩正、それに竹中直人が非常にいい味を出していてとても面白かった。田口浩正がトイレで羊羹を食べて食いつぶれるシーン(その食べっぷりがまたすごい。)などは実際に太った体形の住職を知っているからか失礼ながら「あの住職もこんな感じなのかなあ。」と思いつつも笑ってしまった。往年の東宝映画の脇役俳優である和尚役の村上冬樹がすっかりおじいさんになっていたが、彼もまたいい味を出してくれていて良かった。本作は周防正行監督の初の一般向け映画なのだが、葬式に対してお寺での生活を題材にしていたり、宮本信子をチョイ役で起用していたりと、見るからに伊丹十三監督を意識しているのが分かる作風となっているが、これは「マルサの女」と「マルサの女2」のメイキングを演出した周防監督が伊丹監督から受けた影響が大きいからなのではと思う。劇中音楽として使用される「若者たち」のメロディーも妙にマッチしていて印象に残った。(とはいえ、冒頭のロック調に編曲された同曲を主人公がバンドを従えて歌うシーンは少しひいてしまったが。)
[DVD(邦画)] 7点(2009-10-01 14:08:26)
1265.  それでもボクはやってない
周防正行監督といえばコメディー映画の印象が強いが、(と言いながらこの監督の映画でこれまで自分がまともに最初から最後まで見たのって「Shall We ダンス?」1本しかないのだが。)痴漢冤罪事件を描いたこの映画は周防監督本人が公開当時某番組で語っていたように全く笑えない硬派な社会派映画。とにかく作り込みがかなり徹底されていて、主人公(加瀬亮)を通して痴漢冤罪被害者の現実が淡々とリアルに描かれていてとてもみごたえがあり、そして見ていてとても怖かった。はっきり言って今時の日本映画でこれだけ社会性が強く、作り手である監督のメッセージがストレートに伝わってくる作品は(とくにこのような大手のテレビ局などが絡んだ大々的に公開される映画では)珍しいのではないだろうか。結末もいかにもありがちな甘いものではなく現実的であり、(裁判長を演じる小日向文世の演技が冷徹で淡々としているのも妙なリアルさがあって怖い。)ここにいちばん周防監督の力強いメッセージを感じることができる。この映画を見ると実際に痴漢冤罪に苦しむ人たちのことを考えさせられるし、なにより自分も電車に乗る(満員電車に乗ることはあまり無いが。)ので気をつけたいという意識が自然と一層強くなった。出演者も実に適役で、中でも主役の加瀬亮はもちろんだが母親役のもたいまさこの抑えた演技が特に良い。
[DVD(邦画)] 8点(2009-09-23 15:05:35)
1266.  太平洋の嵐 《ネタバレ》 
松林宗恵監督が亡くなって早いもので一ヶ月。この映画は真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを夏木陽介演じる主人公の視点から描いた松林監督の戦争映画。乗組員を全員退避させたあと沈みゆく戦艦内に二人だけ残った三船と田崎潤は当時の軍人というものの覚悟というものをよく表現していて良かったと思う。その後の海底に沈んだ戦艦内から霊体となった二人が出てきて「これ以上の犠牲者は出したくない」などと語り合うシーンは多少のやりすぎ感を感じなくもないが、松林監督の思いがストレートなメッセージとして伝えられているような気がしてとても印象深い。それに生き残った主人公たちの運命も考えさせられるものがある。ただ、史実をなぞっているためか物語としてはやや大味でドラマとしての深みがあまり感じられなかったのはちょっと残念で、「潜水艦イー57降伏せず」や「太平洋の翼」に比べると少し出来は落ちるかもしれない。そうそう、笑えるシーンこそないが、さりげなく「社長シリーズ」の小林桂樹と加東大介、そして戦前の喜劇映画の大スターである榎本健一(エノケン)を出しているあたりも松林監督らしい。
[DVD(邦画)] 7点(2009-09-19 15:48:55)
1267.  潜水艦イ-57降伏せず 《ネタバレ》 
松林宗恵監督の訃報はとても驚いたし、「社長シリーズ」をはじめまだそんなにたくさん松林作品を見たわけではないのにとても寂しい思いがする。そんな中で松林監督の追悼の意味を込めて本作を見た。潜水艦に女というシチュエーションは「ローレライ」を思わせるが、あり得ないほど荒唐無稽な映画でしかなかった「ローレライ」に対してこちらは一切の荒唐無稽さもなく、時々笑えるシーンをはさみつつもシリアスな戦争映画としてかなり見ごたえのある映画に仕上がっており、池部良や三橋達也ら出演者の熱演もあって「ローレライ」に比べるまでもなくはるかにまともである。これは既に青観さんが書かれているとおり、戦時中松林監督は海軍におり、主演の池部良も戦後しばらくは抑留生活を送っていた経験があるなどこの映画に関わったスタッフやキャストが実際に戦争を肌で感じている世代だからこそ出せるリアリティがあり、今現代の戦争映画とは比べ物にならないくらいの深みを感じられるからだと思う。ドラマに置いても最初は潜水艦の乗組員たちに偏見を持っていたミレーヌが高熱を出したときに乗組員全員が協力して氷を作ってくれ、それがきっかけで偏見を解くという展開は松林監督のメッセージが込められているようでとても印象に残った。乗組員の中に僧侶がいるのも松林監督らしい。それにしても松林監督の戦争映画を見ているとこの監督は必ずしも「社長シリーズ」だけの監督ではないと思えてくる。最後に、松林監督、お疲れ様でした。ごゆっくりとお休みください。
[DVD(邦画)] 8点(2009-09-03 18:08:35)(良:1票)
1268.  日本海大海戦
「日本のいちばん長い日」、「連合艦隊司令長官 山本五十六」に続く「東宝8・15シリーズ」の第3作で、日露戦争における日本海海戦を描いた大作映画。先週見た「日本海大海戦 海ゆかば」で東郷平八郎を演じていた三船がこの映画でも同じ役を演じていたりして何人か出演者がかぶっているのだが、こちらのほうが甘っちょろいエピソードもなく、純粋に日露戦争の経緯や政治ドラマが描かれていて見ごたえのある硬派な戦争映画に仕上がっていて面白かった。三船演じる東郷は「日本海大海戦 海ゆかば」でも重厚な存在感を放っていたが、本作では名実ともに主人公として描かれているためか、やはりこちらのほうがより存在感が大きくカッコイイ。「日本のいちばん長い日」と「連合艦隊司令長官 山本五十六」でナレーターを担当していた仲代達矢が役者として出演しているのは満を持してという感じがする。(三船との絡みがなかったのはちょっと残念。)しかし、なんといってもクライマックスのバルチック艦隊との戦闘シーンは三笠側の視点だけでなく、ちゃんとバルチック側の視点も入り、いかにして三笠がバルチック艦隊に勝てたかが非常にわかりやすく描かれているほか、その特撮に関しても同じ戦闘シーンを描いているにもかかわらず「日本海大海戦 海ゆかば」とは全く違う印象で、本作にも助監督として参加している中野照慶監督の自己満足に終わった感が強かったあちらに比べて見ごたえ充分な仕上がりで改めて円谷英二監督の特殊技術の描写のうまさを感じさせるスペクタクルシーンとなっていて素晴らしかった。そういえばこれが円谷監督の遺作だったはず。
[DVD(邦画)] 7点(2009-08-18 14:12:09)
1269.  日本海大海戦 海ゆかば
確かに三船の演技や仲代達矢のナレーションは重厚だし、伊東四朗や若い佐藤浩市も良かったのだが、肝心の内容は「3年B組金八先生」の生徒役だった沖田浩之と三原じゅん子(金八ファンを動員するためのキャスティングか。)の安っぽくそしてどうでもいい恋愛ドラマなどはっきり言って邪魔だし、なにより全体的に緊迫感が無く、散漫な印象でドラマとしての重厚感に乏しく、クライマックスの戦闘シーンも大事な部分がなにも描けておらず終わりかたも唐突に説明テロップ出してエンドロールでは途中で脚本家が丸投げしてしまったような印象しか残らない。その戦闘シーンにやたら爆発描写が多いのも中野照慶監督らしいと言えばそうだがちょっとやりすぎの感もあり、肝心の中身がスカスカだからだろうか自己満足のようにも思えるし。元々本作よりも同じく三船が東郷平八郎を演じる東宝の「日本海大海戦」が見たかったのだが、どうせなら東映の本作と見比べてみようかと先に本作を見たわけだが、この出来では口直しの意味も含めて余計に東宝の「日本海大海戦」が見たくなってしまう。
[DVD(邦画)] 3点(2009-08-11 14:24:14)
1270.  チェブラーシカ(1969)
子供向けかもと思いながら見始めたのだが、チェブラーシカのあまりの可愛さに思わず目を奪われてしまい、とても癒される気持ちになった。日本語版で見たのだが、吹き替えの大谷育江の声がなんとも絶妙で、より可愛さに拍車がかかっていて思わずはまってしまいそう。パペットアニメの手作り感も素晴らしく、ピクサーが作るようなCGアニメも嫌いではないが、こういうアナログ感ただようアニメはなにかCGにはない魅力があって好きだ。またこの映画は、オムニバス3話(特典映像として収録されているエピソードも含めると4話。)とも人間誰しもが持つであろう寂しさや悲しさといった孤独感や切なさというものを描き、登場するキャラクターたちに癒されながらも見終わって深く考えさせられる作品になっていて、ただのキャラクターものに終わらない奥深さがあり内容的にもじゅうぶん見ごたえのある映画だったと思う。それから、もう一度いうけど、やはりチェブラーシカがたまらなく可愛い。映画の評価は8点というところだけど、このたまらない可愛さにもう1点プラスの9点。
[DVD(吹替)] 9点(2009-08-10 18:51:27)
1271.  続・忍びの者 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。今回も監督は山本薩夫で前作同様社会派監督らしい目線もあるのだけど、前作の織田信長に加えて今回は徳川家康や豊臣秀吉が登場し、本能寺の変などの歴史上の出来事がわずか93分の間にぎっしりと詰め込まれており、今回のほうが前作よりも娯楽映画としての面白さは上だと思うし、話も前作より面白かった。しかし、少々エピソードを詰め込みすぎな感じがするのはちょっと残念な気もするし、五右衛門が釜茹でにされる直前にエンドマークが出るのもいかにもこの後の3作目につなげようとしている感があってなにかすっきりしないままなのもちょっと不満が残る。それに一部前作と演じる俳優が違う登場人物がいるのもちょっとなあ。でも、さっきも書いたように前作よりは面白いので今回も一応7点。それにしても森蘭丸を演じる山本圭(監督の甥)が若い。
[DVD(邦画)] 7点(2009-08-06 13:21:20)
1272.  忍びの者
雷蔵主演の忍者映画。社会派で知られる山本薩夫監督の作品ということでちょっとかたいかなと見る前に思っていたが、確かに単純な娯楽映画という感じは受けないものの、それでもなかなか面白かった。雷蔵の忍者役というのは初めて見たが相変わらずクールでかっこよく、それでいて演技もうまい。しかし、この映画ではそんな雷蔵よりも、やはり二つの顔を持つ忍者集団の頭領を演じる伊藤雄之助の存在感あふれる怪演ぶりがもっとも印象的で、中でも普通の老人という感じから突然ものすごい動きをはじめるあたりはインパクトが大きく、また不気味で怖い。まさしくこの役は伊藤雄之助ならではだと思う。そしてその部下を演じる加藤嘉もなにか不気味な演技を見せていてこちらも印象的。ただ、信長を演じる若山富三郎は体格が良すぎで、以前に見た「尻啖え孫市」で弟・勝新が演じた信長と同じくちょっと違和感を感じるのだが。続編もあるようなのでそちらも見てみよう。
[DVD(邦画)] 7点(2009-07-30 12:41:36)
1273.  富士山頂(1970)
のちにNHKの「プロジェクトX」でも取り上げられた富士山頂への2年間に渡る台風観測のための気象レーダーの設置工事を当時実際に気象庁に勤務していた新田次郎の小説をもとに映画化した作品。主演の裕次郎がプロデューサーも担当しており、「黒部の太陽」などと同じくビデオ・DVD未発売ということで、取りあえず今回の放送を見てみた。裕次郎と勝新の共演など、大作映画らしく出演者は豪華で、それなりに見ごたえもあるものの全体としては淡々としていてそれでいて大味な部分もありドラマとしての盛り上がりがあまりなく見終わってもそんなに印象に残らない感じ。でも、裕次郎と勝新の共演は同年の「待ち伏せ」より本作のほうがしっくり来ていると思うし、日活映画で裕次郎と共演することの多い芦田伸介、宇野重吉といった名優たちも良かった。渡哲也はあまり出演作見てないが、本作よりもっと後のほうがいいような気がする。勝新の本作での役名が「朝吉」で、これだけ聞くと「悪名」しか思い浮かばない。映画の評価としては本当は5点でもいいのだけど、おそらく今回のような機会でもなければ見れない映画だと思うのでおまけで1点プラス。予告編だけ見たことあるが、「黒部の太陽」がいつか見てみたい。
[地上波(邦画)] 6点(2009-07-22 23:52:27)
1274.  配達されない三通の手紙
野村芳太郎監督によるサスペンス映画。「危険な女たち」と同様に外国文学の映画化作品で、印象としてはそれほど深みもなく分かりやすい2時間ドラマ的な映画で、はっきり言って凡作なのだが、期待していなかったからか思ったよりは面白かったかな。(物足りなさもだいぶ感じるけど。)出演者も豪華でそれぞれの役者の演技を見ているだけで安心して見ていられる映画なのだが、中でも、終盤の栗原小巻の演技はかなりのインパクトで印象に残り、この女優のうまさを感じさせる。神崎愛がフルートを吹くシーンはなにかストーリーと絡むのかと思っていたが、たいして意味もなく、ただのサービスカットだったみたいで無くてもよさげに思う。彼女と一緒に手紙の謎を追う日系人のキャラクターもいかにもという感じだった。松坂慶子はうまいんだけど、今年既に何本か出演作を見てるせいかこういう役柄というのはちょっと違和感を感じる。その母親を演じる北林谷栄を見ていてつい「となりのトトロ」で声を演じていたカンタのばーちゃんを思い出してしまった。
[DVD(邦画)] 5点(2009-07-21 13:54:34)
1275.  その木戸を通って
市川崑監督が1993年に手がけた作品で、市川監督没後の去年11月に追悼上映として初めて劇場公開されたハイビジョン撮影の時代劇。原作は山本周五郎。「幻の名作、ついに公開」という触れ込みだったが、90年代の市川作品といえば外れが多い印象が強いためにあまり期待していなかったし、多少、製作会社の話題作りみたいな浅ましさも感じた。しかし、そんな不安は見ているうちに吹き飛んだ。市川監督らしい独特の映像美がこの作品でも健在で、元々はハイビジョン実験用のテレビ作品として作られた作品らしく、撮影もフィルムではなくVTRだが、明らかに映画を意識して作っているという感じがする。それに、同じ市川監督の「竹取物語」(いや、話の印象としては「つるー鶴ー」のほうが近いかも。)を思わせるようなストーリーながらイマイチだったあちらに比べるとこの作品はかなりの低迷期にあったこの時期の市川作品の中では佳作といえる出来になっており、ひょっとしたらこの作品が市川監督の90年代の作品の中ではいちばんいい気がするし、ラストシーンの余韻の残し方も良かった。出演者に目をやると、ストーリーの鍵となる記憶喪失の女をミステリアスに演じる浅野ゆう子が特によく、苦手な女優だが、こんなにいいと思ったのはおそらく初めてだろう。主演の中井貴一や、その他市川組常連俳優たちもいい味を出しているが、フランキー堺が市川作品に出演しているのはちょっと珍しい。
[DVD(邦画)] 8点(2009-07-16 15:15:39)(良:1票)
1276.  黒の奔流
自分を無罪判決に導いてくれた弁護士を愛してしまうヒロイン役の岡田茉莉子の情念のこもった演技はさすがと思わせるし、その弁護士を演じる山崎努のワルぶりも物凄く、二人とも実にハマリ役で素晴らしくこの二人の演技を見ているだけでも見応えのじゅうぶんある映画で、ストーリー的にも面白い映画ではあるんだけど、なんか全体的にドラマとしては平凡な印象で物足りない感もあり、もう少し演出にもパンチが欲しかった気がするし、もっとうまく料理していればひょっとしたら傑作になったかもと思うとちょっと残念。ただ、さっきも書いたように山崎努と岡田茉莉子の演技合戦は非常に見応えがあるし、平凡な印象ながら、それでも見て損のない映画だと思うので6点。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-01 21:45:35)
1277.  波の塔
汚職事件を担当する検事が容疑者の妻と不倫関係になるというサスペンスメロドラマ。監督は岩下志麻主演の「古都」で京都をこれでもかと言わんばかりに美しく撮り上げ、格調高い傑作に仕上げていた中村登なのだが、本作はそつなくまとまったプログラムピクチャーという感じ。主演の有馬稲子は確かに魅力的で演技もうまいと思うものの、なにかしっくり来ない感じがしたのも事実だし、個人的にはどちらかと言えば助演の桑野みゆきの方が好みだ。検事役の津川雅彦の演技ははっきり言って下手で、今もそんなに好きな俳優ではないが、それでも今のほうがいいと思える。ストーリーはどちらかと言えば汚職事件の絡んだサスペンスよりも、主役二人のメロドラマに焦点があてられてる感じであるが、深みはあまり感じられず、普通に昼ドラでやってそうなレベルなので正直見ていても退屈。しかし、ラストシーンは印象的だった。
[DVD(邦画)] 5点(2009-06-25 13:36:38)
1278.  天城越え(1983)
「砂の器」でもそうだったが、本作もサスペンス・ミステリーよりは人間ドラマに焦点が置かれた重厚で深みのある作品で、天城峠の美しいロケーションも素晴らしい。しかしなんといっても田中裕子。今まで何本か映画やドラマで見てるけど、こんなにも美しく、妖艶な魅力を放つ彼女を見るのは初めてな気がする。とくに犯行を自供したあと雨の中でびしょ濡れになるシーンはなんともいえない美しさでついウットリしてしまう。はっきり言ってこれなら主人公少年でなくてもこちらも惚れてしまいそうなくらいとにかく美しく、そして切ない。中盤の取り調べのシーンの演技もかなりの熱演で今まで田中裕子に対してこういう激しい演技をするというイメージがあまりなく、どちらかといえば少し病弱そうでおとなしい役が多いイメージが強かったため、かなり驚いた。そんな田中裕子にすっかり魅せられてしまったからか、ラストはやるせない気持ちになった。最初に書いたように重厚で深みのある映画で、映像も美しいのだが、やはり田中裕子の存在がこの映画の質をかなり高めているのは間違いないだろう。じゅうぶんに傑作といえる映画である。
[DVD(邦画)] 8点(2009-06-17 20:45:01)(良:2票)
1279.  彩り河
今年は松本清張生誕100年で、秋頃には東宝で「ゼロの焦点」のリメイク版が公開されるが、本作はそれまで松本清張原作映画の最新作だった作品。たぶん二時間ドラマのような雰囲気なんだろうなあと思いながら見たが、やはりその通りで、ヒロイン役がサスペンスドラマの印象が強い名取裕子というのもあって一層そういう感じの映画に見えてしまうんだが、まったく期待していなかったからか見る前に思っていたよりは面白かったかな。でも脚本4人がかりにしては主人公の背景や主人公とヒロインが結ばれていく過程はかなり適当に思えるし、ドラマに深みも感じられず、結局二時間ドラマのような安い印象しか残らないんだけども。三国連太郎の相変わらずの悪役ぶりは本作でもいかんなく発揮されていてすごい。当時まだJACのアクションスターだった主演の真田広之の演技はまだかたく、今でこそ世界的な活躍を見せている演技派の一人だが、この頃の真田広之は(そんなに見たわけではないのだが。)アクション映画に出ている時のほうが良いと思う。そういえばJAC時代の真田広之を深作欣二監督の映画以外で見るのはこれが初めてのような気もする。
[DVD(邦画)] 5点(2009-06-09 14:18:33)
1280.  真夜中の招待状
野村芳太郎監督のサスペンス映画というと松本清張原作という印象があるが、本作は遠藤周作が原作。主演の女優は確かにキレイだけど、妙にオカルトチックな要素が入っているのにはちょっとひいてしまった。ストーリーもはっきり言ってあまり面白くなく、野村監督の演出も平凡で、1月に見た「わるいやつら」に続いてあまり出来のいい映画には思えない。出演者も何か地味な印象だが、小林薫の若さにはちょっと驚いたし、丹波哲郎が催眠術をかけている姿はやはりちょっと胡散臭く怪しかった。米倉斎加年のこういう役って初めて見たような気がする。宮下順子は良かったが、この人物にはもう少し背景のドラマに深みがあると良かった。ラストの空港のシーンでの主人公の心変わりもあれではただ単に嫌な女にしか見えない。もうちょっと脚本も練ってほしかったなあ。
[DVD(邦画)] 4点(2009-06-04 15:43:59)
000.00%
190.60%
230.20%
3463.09%
4493.29%
531921.42%
634122.90%
734723.30%
828118.87%
9563.76%
10382.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS