1301. アルゴ
《ネタバレ》 この映画を観ると、国にいると守られてんだなってつくづく思う。それ思うと、外交官って怖い仕事だと思うよ。この映画を観てて気になったのは、誰かスーパーヒーローがいて、事態を切り開いていくわけではなく、複数の人間が協力して仕事をこなしていく、しかもその仕事というのが、完全に敵視されて国民すべてが襲いかかってくるような国の中からの脱出というもので、これはもう世界は一つなんて呑気なこと言えない状況だなぁってこと。丁度オバマさんがもうアメリカは世界の警察官ではないって言っている時のアカデミー賞受賞だから、あぁアメリカ国民はもう嫌になってんだなぁと思わされた。映画はべンアフレックが監督も兼務してて、照れもあったのか、愚鈍な国家公務員を演じてたけど、大根だけど、逆にどんな状況でも慌てない、冷静なおっさんみたいな演技に思えて、好感感じたよって感じ。史実なんだから、あんなギリギリの脱出劇は、幼いなぁとも思ったけどね。頑張ってるよ、べンアフレック。こんな史実あったんだね。映画好きには嬉しい事実。べンもこれは映画関係者として映画化せねば!なんて力んじゃったんだろうね。分かる、分かる。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-22 06:25:34) |
1302. シェルタリング・スカイ
《ネタバレ》 「自分」のない人間を扱うのが好きなベルトリッチらしい作品。風土があって、文化があって、人間は品位を保つ。文化的に成功を収めた二人の夫婦が「文化」のない砂漠に来たら、どうなるか?ベルトリッチはそこで夫と死別した女性の転落をきれいな音楽の中で描く。この女性に体当たりの演技をしたのは、アカデミー(ノミネート)女優のデブラウィンガー。アクの強い旦那の強い理由は、妻への強い愛だった。それが死別のときに分かってても、妻であった彼女は糸の切れた凧のように、砂漠の放浪の民の男性に弄ばれてしまう。当然、放浪の民にも女性たちはいる。そこの女性たちの軽蔑のまなざしの中、彼女は追いだされる。そしてボロボロになって、話を聞きつけた現地の同国人が助けに現れる。最後、無口な老人の表情が、人生は無限ではない、その時々を一生懸命生きればよい、いたずらに自分を貶める必要はない、と語るのだった。自分はそう解釈しました。自分もできれば、生まれ育った国や土地を離れたくない。しかしそれがままならない時は、もみくちゃになってでも生きねば、と思う。ベルトリッチが空っぽ人間を責めるのを止めだした頃の作品です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-01-21 05:12:23) |
1303. チャンプ(1979)
《ネタバレ》 ボクシングって練習、練習のハングリーな人が魂かけて、リングにあがるもんなんでしょう?こんな息子の愛にあふれ、ギャンブル・酒びたりで、練習風景はたま~に、の人が同じリングに上がれば、そりゃ危険ですって!すぐ手を上げちゃう人が結婚に失敗し、自暴自棄になるような精神状態で、子どもの無尽の愛に支えられ(ごまかし!)てるような人には、勝負の人生はまぁ無理なんでしょうね。だけど、この親父は最後、息子に大きな愛を示したので、これはハッピーエンドだね。よく頑張ったよ!見習いたいものです。ボクシング漫画の名作「がんばれ元気」を思い出した。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-01-18 22:50:40) |
1304. ラスト・タイクーン
《ネタバレ》 いや、これは収穫だった。某レンタル屋の企画にのった作品だったが、そうでもなきゃ、これは見逃すとこだった。面白い!コロンボとかでよくハリウッドの裏側を見るが、この映画はハリウッドが舞台ながら、殺人も大いなる野心もなく、たたきあげのディレクターが女性に恋して一喜一憂し、あげくに失恋、やけになって、女優の卵に手を出すオッサンにその座を奪われるという、企業モノに仕立ててる。役名がムーアなら、目のあたりがジュリアンムーアに似てる女性や、ダイアンレイン似の、ロバートデニーロの近くで彼を見守る若い女性といい、エリアカザンって女性の描き方が自然で上手いと思った。エリアカザンって「欲望という名」「波止場」とか結構、面白い作品残してんだよね。もちろん「エデンの東」も・・。もし政治問題が起きなきゃ、きっと巨匠になってた人だよ。そういえば話の中にも組合問題出てきたなぁ。組合代表、演じるのがジャックニコルソンだったのが、笑っちゃった。夢工場のトップが、現実の女性問題では苦渋をなめるってとこが、ラストのデニーロの一人芝居に、悲哀を感じさせて、面白い映画だなぁと感じた。こういう映画も成立するんだってことか・・・(哀) [DVD(字幕)] 7点(2014-01-17 05:17:33) |
1305. 5つの銅貨
《ネタバレ》 古き良きアメリカ映画。さほど不幸でないのに迎えるラストの感動シーン。分かっちゃいるんだけど、小生、号泣。分かっちゃいるんだけどサ。友情とか家族愛とか、分かっちゃいるんだけど、こうもストレートだと、泣いちゃうんだね。それが分かった。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-17 04:58:55) |
1306. リアリティ・バイツ
《ネタバレ》 この頃のウィノナちゃんは可愛いね。小柄で、目が大きくて、どっちかって言うと、日本的。イーサンホークも同じような顔のトムクルーズより、人間的で好感もてる。本当にお互い異性関係だらしないの?って言うほど、誠実に見えちゃう。中流(上)ムービーと言ったジャンルでは「セントエルモ」からの流れで、この頃から、この辺のクラスの話では主役はパソコンが得意なオタクや引きこもりみたいになっていくようだ。ちょうど転換期の作品だよね。強いのか、弱いのか、よく分からない新人類登場の、エポック的青春映画。だから、そんな男女二人がくっついて大丈夫?って感じがラストする。社会との関わり合いに失敗してる二人だから・・。「セントエルモ」みたいに周囲にバッチリ見守られてる環境じゃないから、余計このラブストーリーって安定さ、欠くよねぇ。でもアメリカって少子化してないもんね、日本みたいに。2010年代、このクラスの結婚にいたるまでの青春映画を観てみたいな。あぁそうか、イーサンの「恋人までの距離」シリーズがそれに応える作品じゃないか?イーサンって学歴あって、でも一度は結婚失敗して、みたいな男をやらせると適役だね。その萌芽は、この作品からもうにじみ出てるよ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-13 00:25:43) |
1307. アウト・オブ・サイト
《ネタバレ》 面白かった!ソダーバーグって、犯罪娯楽モノって得意なんだね。「セックスと嘘と」とか「トラフィック」とかで有名になったから、社会派監督なんだぁって思ってましたけど・・。案外「オーシャン」シリーズの方が持前発揮だったんだ。ジョージクルーニーは一線超えてなかったら、ボンド候補だったんじゃないか?って思うほど、セクスィだね。 ストーリーも適度に肩に力入れずに観られる、安定した創り。脇がガッチリ固めてあるから、派手なアクションシーンなくとも、ここまで面白い!やはり映画は特撮じゃないよ! [DVD(字幕)] 7点(2014-01-13 00:00:37) |
1308. ローリング・サンダー(1977)
《ネタバレ》 シンプルな話ですよね。戦争(捕虜)の後遺症に、復讐劇。社会の悪が、戦争以上に酷いっていうのは、アメリカではよくあることなのでしょうか?だとしたら、人間の住む世界じゃないですよ、この国は。女性だって、あんなに朗らかでいられるわけがない。・・てことは、これはやはり創りもんってことが大前提でしょうね。エルパソにもサンアントニオにも行きましたけど、のんびりしてましたよ~。でもエルパソで、人につけられましたけどね。国境だってこともあるだろうけど。ポールシュレイダーは、ベトナムの後遺症でアメリカを戦場にしてしまう作風を創りだしましたけど、やっぱこの人自身が戦争のショックで意図してそんな話を創ろうとしてるんだろうと思いたい。この国と同盟国の日本人としては・・。この感覚って平和ボケなんだろうか? [DVD(字幕)] 7点(2014-01-10 06:23:20) |
1309. 斬る(1962)
《ネタバレ》 もうこの時代にここまで完成された映像の時代劇があったのか、というのが正直な感想。姉弟の二人のエピソードが凄い。姉の弟を救うためにとった行動が特に・・。後に弟と出逢ったときに、もうちょっと弟との感情の交流があればなぁとも思ったが。でも市川雷蔵の時代劇は、丁寧な感情の流れというより、非情な時代の秘剣モノというとこが見所みたいね。面白い! [DVD(邦画)] 7点(2014-01-02 02:30:03) |
1310. 天使の涙
《ネタバレ》 今やアジアきっての巨匠、ウォンカ―ウァイ。この作品の頃の遊び心が、後の傑作につながると思えば、映画センスをブンブン振り回してるやんちゃ坊主に思えて、微笑ましい。それにしても香港に蛍光灯は無いんかねぇ・・って感じの映像ですね。音楽が日本の演歌のような曲でも、どこかしらカッコいい。やはりどこを取っても、センスを持て余してるって感じだね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-29 06:00:46) |
1311. ペタル ダンス
《ネタバレ》 安藤サクラは本当にいい女優になった。本当に良かった・・(色んな役をやらされてたので、ちょっと心配だった)前半は彼女の自然な素振りに目がクギづけだった(なんか矛盾してるような・・笑)映画の内容はワガママな人のいない女子ムービー。だからドラマ性も特にない。けど繊細な起伏が心地よく風のようにふいてくる、そんな映画。元々、小生、「犬猫」以来、女子ムービーは好きな方。しかしこの映画は男の監督。この人の前作、前々作も小品ながら、心地よい映画だった。よくまぁ企画が通ったねって感じの・・。エンドロールで流れる曲は、この作品の空気にピッタシの透明感のあるメロディ。この映画の宣伝用のウェブサイトも出来がいいので、ご覧あれ。この曲が気持ちよく流れます♪ [DVD(邦画)] 7点(2013-12-29 03:38:49) |
1312. マン・オブ・スティール
《ネタバレ》 映像は唖然とするくらい凄い。この地球上では、これ以上の破壊っぷりを映像化できるのは不可能ではないか?と思うほど・・。しかし、ちょっと疲れちゃったよ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-22 22:08:33) |
1313. ゴールデンスランバー(2009)
《ネタバレ》 犯罪も絡めて、トリッキーな構造で話を創る伊坂幸太郎の映画。今回も二転三転する展開で、最後は思わずニヤリ。映画の本来の面白さを創り続ける作家は貴重だよね。CGに疲れた人にはピッタシの娯楽痛快活劇! [DVD(字幕)] 7点(2013-12-22 22:02:39) |
1314. わが青春のマリアンヌ
《ネタバレ》 松本零二先生お薦めの作品。そうか!メーテルのイメージはここから来たのか!それにしてもジュリアンデュヴィヴィエは、こんなに可愛い作品も残していたのか。それが発見だった。動物たちのうっとりする表情。池上遼一のキャラクターかよ!と思わせるような執事の風貌。罪のない、集団生活する子供たちの世界を絵本のような風景の中で描く。あの人はお嫁に行ってしまった。でも想い出を抱いて、僕は生きていく。愛を信じて・・ [DVD(字幕)] 7点(2013-12-15 08:52:26) |
1315. ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~
《ネタバレ》 宮崎駿の「未来少年コナン」を実写化したら、こんな風になるんじゃないか、と観ながら、思ってました。こんな作品、ありそうでないんですよね~。「スワロウテイル」かな~、なんて思ったけど、やはりこの作品は新しいと思う。アカデミー賞をとったら、今の同じような作品ばかりの映画界に一石を投じたんじゃないか、とも思いました。この監督、見届けていきたいですね。鬼才になりうるものを持ってる気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-17 01:20:21) |
1316. 舟を編む
《ネタバレ》 地味だけど、何年か一作はこういう作品がきちんと創られるべきだと思う。コツコツものをつくる大切さ、と言うか・・。派手さはないけど、こういう仕事が、この世界を支えてる。松田龍平ちゃんの役柄もピッタシ!「探偵はBARにいる」といい、最近、愛される性格のためか、良い作品に恵まれ、幸せみたいです。この調子で伸びていって欲しい。ラスト、パーティで小林薫とのツーショットで、お父さんの優作さんと小林さんの共演した森田監督の「それから」を思い出しました。映画界も変わってきてる。なんか感慨深かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2013-11-17 01:14:40) |
1317. 壬生義士伝
《ネタバレ》 新選組がどんなもんか分かった。今観ると、堺雅人や夏川結衣など、その後急成長した若手がいるのが分かり、面白い。堺雅人は沖田総司役だったのに、ニヤリ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-10-14 22:09:23) |
1318. じゃりン子チエ
《ネタバレ》 なぜか涙がこみあげる。今、こんな地域が日本にあるでしょうか? [DVD(邦画)] 7点(2013-10-06 01:59:10) |
1319. スカートの翼ひろげて
《ネタバレ》 最後、男の丸い背中が印象的。女性たちはみんな、ちゃっかり幸せになってるとこが面白い。ダメよ~、戦時下とはいえ、ハーレムの王様になったような気持ちに、身をまかせちゃ・・ [ビデオ(字幕)] 7点(2013-10-06 01:57:51) |
1320. 言の葉の庭
《ネタバレ》 爽やかな作品。いま、こんな爽やかな作品はアニメでしかお目にかからなくなったね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-10-06 01:55:47) |