121. アナザヘヴン
《ネタバレ》 同じ飯田譲治原作のTVドラマである「沙粧妙子 最後の事件」に中盤まではそっくり。「悪意」というキーワードも。「沙粧妙子」が面白かったので、かなり期待して観に行ったが、その期待は見事に裏切られた。前半は、サイコスリラーの王道行っててかなり良かったけど、後半は急ブレーキの超失速。特に、あの結末は何なんだ!超常現象で片付けないで、ちゃんと犯人を設定してくれ!真剣に「ミステリー」を観ようと思った人を、こけにしている終わり方だ!ほんとは0点でもよいのだが、市川実和子が、こんな駄作で体を張ってヌードまで披露した意気込みに3点献上! 3点(2004-02-02 19:46:36) |
122. Dolls ドールズ(2002)
《ネタバレ》 この作品の下敷きになっている、浄瑠璃やその他の物語に関する知識が全くないので、詳しいことはあまりよく分かりませんが、究極の愛(無償の愛)がテーマになっていることは分かりました。 で、昔TVでやっていた野島信司の「この世の果て」に似ているなぁ、と。西島&菅野ペアは保奈美のエピソード(愛する男のために全てをなくす女)で、深田恭子の話は横山めぐみのエピソード(愛する女の顔を見ないために自分の目をつぶす男)。うーん、そっくり。三橋&松原のエピソードは、何だか良く分からなかったです。 しかし、そんな突込みを忘れさせてくれるくらい、日本の四季の移り変わりと、それに合わせた衣装の素晴らしさに終始目を奪われていました。北野監督のこういうセンス、ほんと素晴らしいです。バイオレンスに固執しないで、こういった話やあの夏~、キッズリターンのような作品をもっと撮って欲しいです。 あと、菅野美穂が素晴らしい!台詞なんてないに等しいけど、目と表情だけであれだけ情感を表すことができる女優さんって他に見当たらないと思います。 もう一つ、深田恭子の「キミノヒトミニコイシテル」がしばらく頭から離れませんでした。~マジカルビーム♪ 6点(2004-02-02 01:38:36) |
123. 雨あがる
《ネタバレ》 日本の風景(空と山と川、緑と青の対比)の美しさ、日本ならではの夫婦像等、「日本」が美しく撮れている作品です。キャストでは、宮崎美子が今は絶滅してしまった(?)大和撫子という人種を好演していて、こんな嫁さんが欲しいぞー、と真剣に思ってしまいました。あとは、寺尾聡も人の良い浪人を好演しています。しかし、幾つかけちを付けたくなるところがありました。まず、黒沢明監督に捧げる、はいただけないです。最初から逃げ道を作っているみたいで、げんなりしました。で、マイナス1点。次は、皆さん書かれてますが、主人公夫婦以外のキャスティング(原田美枝子は除く)、特に城内の侍は、もう全てが失敗だったと思います。いくら黒沢明の遺作だからって、スタッフはともかくとして、キャストまでそこに拘る必要があったのでしょうか。吉岡秀隆もなんだかなぁ、と思いましたが、特にひどいのは三船史郎。二十数年ぶりの映画主演だったらしいけど、自分から言わせたら、引き受けるんじゃないよ、と言いたかったです。安宿の酒宴のシーンも、時間を割いている割りには味が無かったなぁ。ここは、マイナス2点。最後に、殺陣のシーンで血飛沫が首から吹き出るところがありますが、これは余計だった気がしてますし、入れるにしてももう少しマシな血飛沫にして欲しかった。マイナス1点して、計4点引きます。 6点(2004-02-01 21:41:55) |
124. ピンポン
《ネタバレ》 シコふんじゃった、からもう2度と出ることはないと思っていたスポーツ映画の傑作。こちらは、「友情」のひとつのあり方を見せてくれた作品。 ペコに憧れて卓球を始めたスマイル。自分を追い抜いてしまったスマイルが、ずっと待っていたから頑張れたペコ。こんなペコとスマイルのような、張りがあって、お互い高めあう関係って、とても素晴らしいと思います。 最後の決勝戦、同じステージに立った者にしか味わえない至福の瞬間。しかも、その相手が最高の友達でライバル。感動しないわけがない!ライバル(お互いがそうだと認め合っていないとダメですよ)なくして成長なし、です。 [DVD(字幕)] 10点(2004-02-01 06:26:26) |
125. 殺し屋1
この作品は、絶対映像不可能だと思っていたし、残酷すぎて許されるわけもないとも思っていたので、それを映像化したスタッフのチャレンジ精神に6点あげちゃいます。 でも、抑えた演技を監督が要求したのか、全般的に台詞がとても聞き取り難かったので-1点。 あとは、1の空手がいまいちしょぼかったので、これも-1点。 4点(2004-02-01 04:43:16) |
126. 千年女優
PERFECT BLUEと同じで、虚実が入り混じるストーリーは、そこいらの実写ドラマよりもよく練られています。女優さんが主人公だけど、アニメだからこその演出が盛りだくさん。観る人によって様々な解釈ができるというか、観る人に答えが委ねられている、間口の広い作品だと思います。 7点(2004-02-01 04:22:15) |
127. PERFECT BLUE
実写でも観てみたいくらい、脚本が良く出来た作品ですが、アニメならではの演出も多数あるので難しいかな、とも思ってみたり。絶妙な伏線の張り方で、ストーリーは秀逸です。そんじょそこらの実写サイコサスペンスよりは、こちらのほうが全然面白いです。あと、主人公の未麻を元セイントフォーの岩男さんが演じているが、狙ったのかなぁー、と勘繰ったりもしてます。 7点(2004-02-01 04:12:50) |
128. 伝説巨神イデオン 発動篇
たぶん、観た人全てに感じるであろう超弩級のインパクトとトラウマ。日本アニメ史上最高に、のちのクリエイターたちに影響を与えたであろう作品。そして、壮大かつ業の深い作品。富野は一貫して「人はなぜ戦わなければならないのか?」というテーマを各作品で扱ってきたが、ここまで深く掘り下げた作品は他には見当たらない。しかし惜しいかな、何せその登場が軽く10年は早すぎた。だから今こそ、改めて全ての人に観て欲しい。特に、エヴァにはまった人達に。しかし、入手困難なのが痛すぎる。 [ビデオ(字幕)] 10点(2004-02-01 03:50:04) |
129. 踊る大捜査線 THE MOVIE
TVシリーズを全く観ていなくてもそこそこ楽しむことが出来る敷居の低さを、自分としては評価しています。 が、わざわざ映画にする程の内容でもないとは思いますし、せっかく映画化したのに、オリジナリティは皆無に等しく、色んな名作映画の美味しいところをパクリすぎ、だとも思いました。 5点(2004-02-01 03:23:51) |
130. THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
庵野監督は、確信犯なのでしょうか?TVシリーズが視聴率低調で打ち切り決定→不可解な終り方→ファンからの真の最終回の要求→総集編+最終回で映画化、の一連の流れは、監督も好きだというイデオンとまるっきり同じ。哲学色・宗教色がもの凄く強い作風も。 さて、この作品のテーマは「アイデンティティ」だと思います。シンジの存在理由=エヴァに乗る理由という構図で、それ以外に己の価値を認められないシンジに対して、最初から最後まで「何故エヴァに乗るのか」と執拗に問い掛けてきます。シンジも葛藤し、鑑賞している我々も考えさせられます。そして出た答えは、何だったのでしょう? シンジが人類補完計画を否定したことで、自分の存在理由に関しすら何か不確かな現代に「皆、ただそこに居るだけで素晴らしい存在なんだ」という監督のメッセージを、私自身は感じました。 さて、エヴァは総集編に手を加えすぎていたので、TVを観ていない人達にとっては、総集編とこの作品の両方を観てもなんのこっちゃと言う感じですよね。と言うか、総集編はありますが、この作品はやはりTVシリーズを観ていた人達が鑑賞することを前提に作られた作品だと思います。自分はTVシリーズをあまり真剣に観ていなかったので、大まかにしか話は覚えていませんでしたが、それでも十分に楽しむことができました。細かい謎解き云々は、そうしたい人達だけがすればいいことで、大まかな主題さえ理解できればいいのだと思います。 [DVD(邦画)] 9点(2004-02-01 03:15:15) |
131. グーニーズ
一言で言うと「心の中のジュブナイル」。公開当時は小学生でしたが、大人になった今でも、この映画、特に最後の海賊船が海に出て行くシーンを観ると、夢中になったゲームのエンディングと相俟って、その当時のことを鮮明に思い出させてくれる、自分にとってすごく大切な作品。子供の時に観れて、本当に良かったと思います。夢見ることを忘れた、今の子供に観て欲しいです。おい、子供達!外に出て遊んでみろよ!ゲームなんかより楽しい世界が身の回りにはたくさん潜んでいるんだぜ!って、すごく説得力があると思います。シンディー・ローパーの主題歌も、映画にピッタリな名曲。最近まで、着メロにしてました。DVDが1,500円、なんてお買い得!! [映画館(字幕)] 10点(2004-02-01 02:24:42) |
132. 魔界転生(1981)
登場人物もオールスターなら、俳優人もオールスター。若山富三郎と千葉真一の殺陣、佳那晃子の妖艶さ、もう素晴らしいの一言。観ている人を飽きさせない、最高のエンターテイメント。これだけできのよい作品を、わざわざリメイクしようとする意図が理解できない。 9点(2004-02-01 02:11:58) |
133. 里見八犬伝(1983)
この里見八犬伝ですが、基本的にはアクション娯楽時代劇という位置付けで良いと思いますが、真田&薬師丸の主人公ペア以外にも、萩原&志穂見、京本&岡田と敵味方に別れて織り成される恋愛模様なんかもあったりして、てんこ盛りな内容です。単純に楽しめるという意味で、エンターテイメントとして良くできていると思います。静姫と旅の仲間、姫の帰還、ってな感じで、和風ロードオブザリングとも言えるかな(言い過ぎかも)。 7点(2004-02-01 02:01:54) |
134. 将軍家光の乱心 激突
映画館で観た初めての時代劇。なんだかすごく面白かった、という記憶が残っていたので、最近DVDで観直しましたが、やっぱり面白かったです。ストーリーもアクションも○。特に印象的だったのは、中国人の棒術使いを起用したり、千葉真一が敵役を演じていたり(柳生十兵衛と変わらんが)と、今までの時代劇とはちょっと変わっている点。あとは、主人公の仲間だけど、台詞のほとんどない織田裕二にも注目! 7点(2004-02-01 01:47:45) |
135. グリーン・デスティニー
デジタルなCGとアナログなワイヤー、のどちらが好きかで全てが決まると思います。 自分は、カンフーの新しい魅せ方を示してくれたパイオニアとして評価したい作品です。 あと、音楽(ヨー・ヨー・マのチェロ)も良かったです。 でも、ストーリーは、ちょっといまいちな部分もあります。 特に気になったのは、チャン・チェンとチャン・ツィイーの回想が長すぎなところです。 6点(2004-01-31 03:25:35) |
136. HERO(2002)
衣装と風景の色彩の美しさ。これはDolls(北野作品)と双璧。さすが中国という軍隊のスケールと空を駆ける無数の弓矢。一転二転三転する真実。トニー・レオンの演技。チャン・ツィイーの可愛さ。この辺だけでも、一見の価値ありだと思います。100分という上映時間も、ちょうど良かったんじゃないかと。だけど、せっかくジェット・リーを使っているのに、なんかアクションがちまちましていて、爽快感が全くないです。ワイヤーは嫌いじゃないんですが。しかし、英雄(ヒーロー)って始皇帝のことだったんですかねぇ…。分からん(?_?) 7点(2004-01-31 03:08:19) |
137. マレーナ
《ネタバレ》 主人公がマレーナに一目惚れをしてから、妄想を膨らませサルと化す様は、昔の自分を見ているようでほほえましい気持ちになりました。 さて、この作品は映像と音楽の一体化が見事で、この点に関しては同監督・音楽担当の「ニューシネマパラダイス」に匹敵する出来だと思います。例えるならば、シチリアのアルバムを音楽付きで見ている感じです。 個人的に印象的だったのは、マレーナにおばさん達が集団リンチを加えるシーンと、一年ぶりに帰ってきたマレーナにリンチを加えたおばさん達がやさしくするシーンの、おばさん達のギャップです。もう今までより綺麗じゃなくなったあんたは嫉妬の対象なんかじゃないわよ、と言わんばかりの勝ち誇ったあの態度。女性の内面に潜む「美」に対する執着を、ここまで描ききった作品は存在しないのでは?恐いですねぇ。 [DVD(字幕)] 8点(2004-01-30 21:59:26) |
138. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
洋画で初めて泣き、一番多くの人に勧めた作品です。 この映画は、まさに人生の縮図。出逢いと別れ、主人公の人間としての成長をこれだけバランス良く描いている作品は、他にはそうは見当たらないです。 また、この完全版と劇場版とは全く別の作品として考えると、こちらはトトの成長に一番のスポットが当てられている作品で、劇場版はトトとアルフレッドの友情の物語な訳で、どちらも本当に素晴らしい出来栄えで、あとは好みの問題だと思います。 ちなみに、わたしは両方とも大好きです。 10点(2004-01-30 21:37:38)(良:1票) |
139. 超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~
ミンメイの歌が聞きたくなって、つい何度も観返してしまう作品。芸術(絵画や音楽)は民族や時代を超えた普遍性のあるもの、という捕らえ方をすれば、かなり納得させられる設定です。 ラストで、ミンメイが歌う「愛・覚えていますか」にのせて戦闘が行われるシーンが出てきますが、これはアニメ史上に残る名場面だと思います。バルキリーはかっこいいし、曲もいいし。 ストーリーは詰め込みすぎな感じも無く、2時間で非常によくまとまっていると思います。ただ、一条・早瀬・ミンメイの三角関係というか恋愛で、割とお腹一杯にさせられてしまう点が、個人的には減点対象。ドロドロし過ぎ…。 主題歌もいい曲だが、エンドロールでかかる「天使の絵の具」も最高!! [ビデオ(邦画)] 7点(2004-01-30 19:05:00) |
140. 機動戦士ガンダムF91
富野・安彦・大河原のメインスタッフ3人がZガンダム以来顔を揃えた、というだけで期待感が膨らんだ作品でした。さすがにクオリティー高いです。森口博子の歌う主題歌も、この映画にピッタリで最高に出来。減点対象は、ガンダムの終盤の動き(性能?)がスーパーロボットの範疇に片足を突っ込んでしまった点(明らかにリアルじゃない)、クロスボーンのMSのデザインがあまりにもいけていない点です(許し難い!)。のちのガンダムシリーズにも、この辺(MSの性能やデザイン)は大きく影響を与えてしまったので、自分はこれでガンダムは打ち止めにしました。 6点(2004-01-30 04:36:07) |