121. 横道世之介
《ネタバレ》 描かれているのは80年代のシーンがほとんどですが、目の位置はあくまでも現代で、「いまを生きる人が、80年代だった時のことを思い出す」という設定です。でも「あの頃は良かったなぁ・・・」的な懐古趣味とは違い、いろいろな人の「そういや昔さぁ・・・」の共通項が横道世之介、つまり「世之介青春物語」ではなく、みんなが世之介のことを思い出す映画です。 多少ウザったいところのある世之介、お嬢様の祥子など、キャラの輪郭を少し誇張しているところはありますが、出てくる人はみんな「普通の人」で、起こる出来事も「ありがちな日常」です。 そこに、世之介の死を「えっ、ここで?」というタイミングで挟んできます。しかもあっさりと。その後も、これまでの延長線上のような感じで世之介の様子が自然に描かれるのですが、ここを境に、ひとつひとつの出来事が、ラストに向けてじわ~っと効いてくるんですよねー。祥子が友人の子供とハンバーグをパンにはさんで食べるシーン、祥子に届いた写真とカメラを手に入れた世之介・・・涙が出てきましたが、でもすごく幸福感がありました。加藤のセリフだったか、まさに「出会ったことで得した気分」になれるような作品でしたね。 この映画、監督や脚本等の力量やセンスはもちろん、役者の演技が光っていました! 特に吉高由里子の、病院で名前を呼び捨てで呼び合うシーン、タクシーの中での表情の演技は素晴らしかったです! 自分の笑いのツボにハマったのが、同じアパートの小暮さん。小窓から顔だけ出して「隣の人、死んでるかもしれないし」「やっぱ東京ではそういうことがよく・・・」「ないわよ。めったにないわよ!」のシーン、何度も見返して笑っちゃいました。 ただひとつ、ラストで、祥子に宛てた手紙を読む母親の声、あれはどうなんでしょう??? これまでの流れにそぐわない、違和感のある演出のように感じました・・・。ラストなんだし、あんな説明的な感じよりも、映像でもっと素敵に伝える方法があったと思うのですが・・・、 でも、全体のクオリティはかなりハイレベルで、満足できる一本であることに変わりありません。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2017-04-03 20:38:44)(良:1票) |
122. コン・ティキ
《ネタバレ》 いろいろあって、いかだで海を渡ることになり、いざ海に出たら様々な問題に直面しながらもなんとか到着。でも「実話だからその通りに描く」では、ただの再現ドラマになってしまいますね。冒険もの・ヒューマンドラマ、どちらの観点からも中途半端という印象でした。展開が予想通り過ぎて、もうちょっとスパイスがほしかったです。 海に出たら、到着するまで海でのシーンが延々と続きます。内容は、海洋アドベンチャー映画にありがちなものばかりで、ピンチの時の緊張感もさほど伝わってこないし、「海の冒険」をメインテーマにしてしまったことで、凡庸な印象になってしまったような気がします。 航海中の出来事とリンクさせた各乗組員のドラマ・エピソードなどが絡んでくれば、ドラマとしての面白さが増したのでは?また、実際にこの冒険が、どれだけ学術的に価値があったのかわかりませんが、アカデミックな部分をもっとクローズアップさせられなかったのでしょうか? ヨメの別れの手紙、あれをラストに持ってくるのはちょっとどうか・・・ 冒険がメインの展開に合わせるなら、そんなエピソードは最後の「彼ら達のその後」の中に折り込んでしまえばいいはず。そこに焦点を合わせたドラマを作るのなら、全体の作り方・見せ方はもっと違ってきたように思えます。 映像はかなり凝っていたようですが、それが「すごい!」と思わせるだけの背景がないため、ただの腕自慢に感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-09 10:42:10) |
123. 女子ーズ
冒頭の、戦隊モノのパロディーには笑えましたが、だんだん低空飛行になり、そのまま墜落しそうでした。チャン・グンソクや宍戸錠など、たまにツボにハマるギャグや、イエローのツッコミのうまさのおかげで最後まで観ることができましたが、やはり中身が無さ過ぎるのと、特に思い入れのある女優もいなかったので、う~ん・・・といった感じです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-11-21 21:50:12)(良:1票) |
124. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 うわあ~、すっごく良かったです~! 単純な話を、これほどまでに魅力ある構成に仕立てる吉田監督の演出センスはさすが! 「桐島、部活やめるってよ」の時も驚きましたが、この作品は、さらにハイレベルな出来だと思いました! 登場人物は、男も女もろくでなしばかりで、こんなどうしようもないクズ人間しかいない町、日本から隔離しろよと言いたくなるほど。いかにもサイバラが描きそうな男女の恋愛模様・人生模様をコメディタッチで描いています。嫌悪感だけが残りそうなキャラクターばかりで、普通なら途中で観るのをやめてしまうところですが、なぜか引き込まれて、そして最後の切ないオチ・・・。 それまでのベタベタな「現実」を描くことで、最後が余計に際立っていましたね。 現実と妄想、まったく相容れない要素を、みっちゃんの「デート中?邪魔してごめんねぇ」のセリフが両者を結び付け、ひとつの世界へと違和感なくまとめ上げています。 一番印象的だったのが、なおこの、鹿島に髪をかき上げられた時の微笑み、そしてラストの子供が迎えに来て声を掛けられた時の微笑み・・・ まったく同じアングルですが、あえて同じシーンのように見せることで、後者の「これからは母としてしあわせになる」というメッセージがしっかりと伝わり、見ている側も救われました♪ 小池栄子、役者としてあまり良い印象はありませんでしたが、この映画では輝いていたと思います。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2016-11-09 18:22:55) |
125. アイデン&ティティ
終盤にかけて多少魅かれる部分はありましたが、薄っぺらい内容で「なんだこれ?」って感じでした。麻生久美子もクドカンも峯田くんもみうらじゅんも好きなのに・・・。似たような話、どこにでもありそうだし、共感できる部分も見どころも特になく、なんか、水で薄め過ぎたカルピスを飲んだような、残念な気分です。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-10-05 21:34:27) |
126. 読書する女
面白いのかどうなのか、よくわからないまま、結局最後まで観てしまいました。話そのものより、音楽と映像(色使い)の美しさが印象に残っています。 官能的なシーンが多いのにドロドロした感じがなくライトでコミカルな雰囲気、モーパッサンやマルクス、ボードレールなどの本の内容と読まれる側のキャラとがうまくリンクしていて、こういうのを「いかにもフランスらしい、おしゃれで知的なフランス映画」って言うんでしょうね(好きか嫌いかは別にして)。 マリーのちょっと突飛な発想や行動は、なんだかサザエさんを連想してしまってあまり好きではありませんでしたが、将軍夫人のメイドのベッラには、何か自分と共通するような、とても不思議な魅力を感じました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-09-14 13:59:24) |
127. ルート225
《ネタバレ》 ラストシーンが「帰れない」ので、あれっ?と思いましたが、だとしたらいろいろな解釈ができると思います。「まぁいろいろあったけど、姉弟の絆も深まって、元の世界に戻ってめでたしめでたし・・・」では、あまりにも普通過ぎますよね。なぜ結末が、元の世界に帰れないというすっきりしない設定なのか。そして、弟の「ひとりじゃなく僕たち2人一緒にこの世界に来たのは、絶対何か理由があるはず」というセリフが、この映画を読み解く鍵なのでは? エリ子ひとりではなく「エリ子と弟の2人」にとって、AとA´との世界の大きな違いは「両親に会えない」ということ。つまり、元の世界に帰れないのは、もしかしたら「両親が突然死んでしまって、もう会えない」という現実を、「パラレルワールドに迷い込んで両親に会えなくなった」という空想の世界に置き換えて表現しているのでは? だとしたら、「2人一緒にこの世界に来た意味」や「帰れない=もう両親に会えない」につながるなーと思いました。 この話そのものがメタファーなのかもしれませんね。 そろそろ親離れする微妙な年齢である15歳。最初は、クールでいること・カッコつけることが大人・・・という、あの年頃特有の背伸びの仕方で、弟にも途中「カッコつけてるんじゃないよ!」とキレられますが、最後の電話では両親への思いを泣きながら素直に母に伝える・・・。そして弟も、いじめられていた八百屋の息子に全力でぶつかっていく勇気・・・。 素直な心と、困難に立ち向かっていく勇気があれば、ラストの、東京駅で別れる2人のように、どんなに辛い状況でも、笑って一歩前に進んでいける・・・的なメッセージが込められていたのかもしれません。 最後の電話も、ほんとにもう帰れなかったからこそ、観終わったあと、あのシーンが一層感動的に感じられるんですよねー。 タイトルも「エリ子、15歳!」などではなく(笑)、15の二乗というのは、人間って、今の自分(15歳)に明日の新しい自分(15歳)が掛け合わさることで成長していく・・・というようなこと・・・かな? ルート225=国道225号線、テレビのニュースの悪徳こけし業者やソーセージ=15歳の“性”長とか、隠喩的にも見えますが、自分には、あれは単なる「小ネタ」のように思えました(笑) [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-09-05 20:21:03) |
128. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 郵便配達人と詩人との心のつながりを描いた、本当にいい映画でした。特に最後の、マリオが島のいろいろな音を集めるシーンからラストまでのつながりが素晴らしく感動しました! マリオが死ぬシーンを、過去のフラッシュバック的に見せる手法が効果的だったと思います。話の中に「共産党員」を強調するセリフが多かったので、何か政治的なことが絡んでくるのかと思ったら、最後、ぬる~い感じになりかけた話を、しっかりと辛口な後味に仕上げてくれました。 ただ、詩的表現とか隠喩(メタファー)が話の中に出てくるわりには、説明的なセリフも多く、ちょっと直接的な印象でした。どうせなら映像表現も、もっと隠喩的にした方が、内容とリンクして面白くなったような気もします。 映画って、観る側の精神的コンディションや知性、人生の経験値等によって、印象も大きく変わってくるということを、この映画で痛感させられました。20年くらい前、ツタヤでこの映画のビデオを借りて、確かに観たはずのに、話の内容も映像の美しさも、まったく記憶になく、自転車で手紙を配達しているシーンくらいしか憶えていませんでした。当然、今回観た時のような感動もなく「なんとなく盛り上がらない・・・」程度の印象でした。過去に「つまらない」と思った映画も、もう一度観ると、新しい発見や感動に出会えるかも。もちろん、その逆もあるでしょうけど・・・。喜怒哀楽や感動の質など、アメリカンな映画スタイルに辟易してきた人には、この映画はオススメです。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-05-17 16:18:33)(良:1票) |
129. 鑑定士と顔のない依頼人
《ネタバレ》 ニューシネマパラダイスの監督の作品ということで、心温まるヒューマンドラマだと勝手に思い込んでいたら・・・(笑) でもやっぱりこれは、単純な犯罪映画じゃなくて、ヒューマンドラマだと思います。 絵が全部盗まれたシーンでは、「女に免疫のないオタクなおっちゃんが、若い娘に入れ込むとロクなことにならないよなぁ・・・」程度の感想しかありませんでしたが、でもラストまでのシーンで、印象は変わりました。肖像画の女性しか愛せず、生の女性とは目も合わせられないような男が、クレア(偽)のおかげでようやく、男として最高の悦びを得ることができます。最初は、哀れな様子を見てかわいそうと思いましたが、彼にとっては「The Best Offer」だったのでは? アガサ・クリスティの「地中海殺人事件」で、女優と一晩いい思いをした金持ちがめちゃ高い宝石をプレゼントした後で捨てられ、その男に言ったポワロの「男女の秘めごとに値をつけるのですか?」というセリフが、ふと頭に浮かびました。 盗まれた絵よりも、思い出されるのはクレアと愛し合った瞬間のことばかり。彼にとって失ってショックだったのは、絵ではなくてクレア。そのことに気付いただけでも、この人は幸せなのかも・・・。 草食系とか呼ばれてるアホ男子や、アニメキャラやフィギュアしか愛せないオタク君が、ナマの女を知ってしまったら、このおっちゃんと同じように、コロッと弄ばれてスッテンテンにされるんだろうなぁ・・・。 この映画は、そういう人に向けての警鐘?(笑) それから、「貞節は最も異常な性的倒錯」というフレーズには、激しく同意です♪ [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-17 16:11:12)(良:1票) |
130. ガリレオΦ(エピソードゼロ)<TVM>
ドラマのガリレオシリーズを見ている人には、そこそこ楽しめると思います。実際は机上の空論かもしれませんが、それでもスペシャルドラマらしい、大胆なトリックで面白かったです。学生時代の草薙刑事とのエピソードも良かったし、ただ、内海刑事が出ていないのは残念でしたね。それにしても、長澤まさみの演技がひど過ぎて、最初から最後までイライラ!これって、役者としての力量の問題?それとも演出方法の問題? [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-05-17 16:03:39) |
131. ロスト・ハイウェイ
《ネタバレ》 この映画の中で実際に起こったのは、ビデオに映された映像と、刑事に殴られて鼻血→死刑確定→独房に入って頭が痛いと苦しんでいるところまで。それ以外のシーンは、ほとんど「事実をそのまま記憶したくない」フレッドの深層心理。浮気した奥さんを殺害して死刑囚になった人が精神的に不安定になり、事実=記憶を脳内変換した様子が描かれています。フロイトとかの心理学で、「インプットされた記憶が別のカタチとなって現れるのが夢である」みたいなことを表しているのではないでしょうか? 最初は、わけがわからない感じでしたが、以前「マルホランド・ドライブ」を観ていたので、フレッドがピートに入れ替わるところから、「あの映画と似た感じかも・・・」と思い始めました。でも「マルホ~」に比べて脚本の作り込みが甘かったり、「観る人のご想像におまかせ」的なところも多く、ちょっと残念でした。 ですが、意味もよくわからないのに飽きさせることもなく、最後まで観る人の興味をわしづかみにする脚本・映像・音楽ってすごいですよね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-09 01:16:04)(良:1票) |
132. エイプリルフールズ
《ネタバレ》 う~ん、面白くない・・・ことはなかったのですが・・・。全般的に、何でもかんでもセリフで説明しようとし過ぎなのでは?「ここは言葉よりも、映像だけで表現すればいいのに・・・」と思えるシーン、たくさんあったと思います。それに、各エピソードの掘り下げ方が浅過ぎて、感動系のエピソードも安っぽく感じられました。 よくある、群像劇を最後ひとつにまとめるという手法も効果的に機能していないし、ラストシーンのUFO登場、あれはもう完全にダメでしょ!(笑) 最後に「ウソのようなホントの話」みたいなオチにしたかったのでしょうが、だったらせめて少年の「・・・えっ!? えぇぇっっっ!?」の表情だけで終わってほしかったですね。つい「ほんとにUFO見せてどうするの?」ってツッコミ入れちゃいました(笑) でも寺島親子のエピソードだけは良かったです。現在の父親に土下座するシーンは泣けましたね。それに「女なら誰でもできる仕事」の社会見学シーンは印象的でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-05-09 00:58:16) |
133. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 ドイツ統一によって社会や生活が変わっている様子を、珍しく東ドイツ側の視点で描かれています。歴史的・政治的な出来事をテーマとして扱うと、特に東側目線で表現しようとすると重苦しくなりがちですが、一般市民の家族愛を軸に、コメディっぽい要素もうまく絡めながら、質の良いヒューマンドラマとしてまとめられています。最後、テレビの画面ではなく、息子を見る母のシーンは最高でしたね。でも、息子の気持ちもわからないでもないですけど、母親に真実を伝えないのはどうかと・・・。 あと、お父さんとの絡み、もう少し何とかならなかったんですかねぇ? せっかく登場したのにちょっと尻すぼみっぽい印象が残念でした。 資本主義とか社会主義とか、いろいろな宗教など、この星では多種多様な考え方がぶつかって争いが絶えない・・・なんて、宇宙規模からみれば目クソ鼻クソ程度みたいなことが語られていましたね。どの平和論も、最終結論は「相手を認めること」。こんな簡単なことなのにねぇ・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-09 00:52:19) |
134. サザエさん(1956)
《ネタバレ》 あの時代の空気の記憶が少しでも残っている人にとっては、懐かしさでいっぱいだったと思います。あのサザエ、前半は「知的レベルはバカボンのパパ並みか?」と思うほどで、イライラさせられっぱなし。お転婆というより、ただのバカという印象でしたが、でもあの時代は、ああいうのが面白かったんですよね。 仲代達矢のノリスケやダークダックスの御用聞きに「おぉ~」と驚かされますが、一番印象的だったのは、松島トモ子のワカメがクリスマスパーティーの余興で歌った「♪私の名前ワカ~メちゃん~」という曲。今も耳に付いて離れません・・・(^^; これも一応、ミュージカル映画というジャンルに入るんですかねぇ?(笑) 映画の出来そのものはこんなものでしょうが、昔の庶民の生活など、文化的考察という観点で当時を検証する記録映像としては、貴重だと思います。 なによりもすごいと思ったのは、この映画のサザエのキャラクターが、現在(日曜夜6:30)まで変わらずに受け継がれていること。この映画を観て改めて「サザエさん」という漫画の偉大さを思い知ることができました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-04-11 20:55:43) |
135. 恐怖のレストラン<TVM>
子供の頃、平日の14時からにサンテレビで放送していたのを見た記憶があります。ダンナが消えてしまって、すごく怖い状況でハラハラしながら見ていました。途中まではハッキリ内容を憶えているのですが、結末がどうなったのか、一応犯人は思い出したものの、詳しい内容はあまり印象に残っていません・・・。 [地上波(吹替)] 5点(2016-01-24 17:49:17) |
136. お早よう
ご近所の様子を淡々と描く、一見「無駄」のようなあいさつや井戸端会議が、実はコミュニケーションの潤滑油となって社会の軋みを防いでいる、無駄の大事さを説いているように思えました。 これを観ると、現代の、無駄なものは一切排除という風潮が、なんだかギスギスした社会を作ってしまったような気がします。「テレビは一億総白痴化の元凶」というのも、その通りになってますね。次男のアイラブユーがウケているようですが、自分は序盤の「オフコース、マダム」で吹き出しました(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-18 18:58:20) |
137. そこのみにて光輝く
主役の演技力は素晴らしいと思うし、ラストの美しさなどは「すごい!」としか言いようがないくらい救済感あふれるシーンで、映画としてのクオリティは決して低くないと思いますが、登場人物に共感できる部分がない、というより、大嫌いな性質の人間ばかりだったため、映画の評価よりも不愉快さが先行してしまいました。 特に、拓児のような精神的に弱いダメ人間、どこまで自分を下げりゃ気が済むんだと言いたくなるような千夏。解説には「閉塞感漂う北の町で~」とありましたが、町に閉塞感があるわけじゃなく、こういう人たちの目線で社会を描けば、南国のパラダイスだって閉塞感漂う世界になっちゃいますよ・・・としか思えませんでした。ラストシーンが本当に美しかっただけに、とても残念でした。 もうちょっと違うカタチで料理してくれれば、美味しさを味わえたと思うのに・・・。単に、自分の好き嫌いだけで、料理そのものの評価まで下げるようなマネはしたくありませんが、やはり平均点よりは低い点数になってしまってすみません・・・。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-12-09 10:28:53) |
138. クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
《ネタバレ》 ロボとーちゃんを通して、家族愛や父親のあり方を描いた内容で、クレヨンしんちゃんの「いつものパターン」でありながらも、涙を誘うシーンがいくつもありましたね。特にしんのすけへの拷問シーン、ベタだなぁ・・・とは思いながらも涙が止まりません。ただ、本物のとーちゃんと記憶をコピーしたロボとーちゃん、それに対して家族は・・・?というテーマを、子供でも楽しめる内容にしようとすると、どうしても掘り下げ方が甘くなるし、自分的には、なんだかスッキリしない・・・という印象です。 それよりも、警察署長(だっけ?)の黒岩仁太郎というキャラに興味が湧きました。家族から冷たく扱われ、でも何も言い返すこともできない・・・その鬱屈した心が今回の引き金となっているわけですが、これ、イジメられる子供や、理不尽な目に遭っても抵抗できないタイプの人の精神構造ですね。そして「いつかやっつけてやる!」という妄想だけが膨らんでいき、あまり良くない方向に進んでいく・・・。そういう彼が最後、ただ「やられて終わり」では、ちょっと救いようがないような気もしました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-12-06 20:22:25) |
139. 花とアリス殺人事件
「花とアリス」の前日譚ということで、雰囲気はそのままに、また新しい「花とアリス」を観た、という感じです。でも登場人物は「Love Letter」に近かったですね。湯田光太郎は藤井樹っぽいし、陸奥睦美なんてモロに及川早苗でしたね(笑) いかにも中学生の間から生まれた“殺人事件”をきっかけに、花とアリスが出会うあたりから話は一気に面白くなります。そしてその“真相”は・・・ほんとにかわいいエピソードでした♪ 一応、アニメ映画という扱いですが、一般的なアニメとは少し異なり、実写映画を、人物の部分だけアニメーションにした、という感じで、声も、声優のアフレコというより、実写映画の演技に近い感じでした。ストーリーはもちろん、いかにも岩井俊二らしい、光と音楽による美しい映像が好きな方なら、きっと楽しめると思います。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-12-06 20:15:36) |
140. 甘い毒
悪女モノって、痛快感か共感できる部分がないとキビシイですね。この主人公には、特に魅かれる部分もなく、金に汚い、ただの小ズルい女、としか映りませんでした。夫を殺すために若いオトコを利用するのですが、見た目もキャラもこの程度の女に夢中になるかぁ?と感じてしまったので、あまり楽しめませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-12-06 11:55:13) |