1401. 殺人の追憶
《ネタバレ》 結論から先に言うと、この映画は最近数多く封切られている韓国映画の中でも特に優れた作品の一つだと思う。結構長い上映時間であるにもかかわらず、観ている間、自分は身じろぎもせず画面に釘付け状態だった。飽きっぽい自分には信じられない事。それだけ演出の馬力というか、ぐいぐいと物語に観客を惹きつけて離さないエネルギーは凄い物があった。まだ15年程前の韓国の原始的な犯罪捜査方法も興味深かったし、二人の対照的な刑事のキャラクターも過不足なくうまく描けていた。クライマックスの雨のシーンの映像も凄いの一言。しかーし!!高い完成度は認めた上で、どうしても自分はこの映画に言いたいことがある!当時の韓国には「集団下校」っていう習慣はなかったのか?最初の2人位はまだしも、後の被害者たちはあまりに無防備すぎやしないか?って事だ。これは「猟奇女性連続殺人もの」ジャンルに共通して言える不満なので、この映画に限った事ではない。むしろこれは事件の真犯人に向けて湧いてくる憤りなのかも・・・。実話の映画化っていうのは難しいと改めて感じた。見終えた後の爽快感に欠けるのは、どうしても否めないためだ。 8点(2004-03-26 23:45:06) |
1402. 愛の泉
「スリー・コインズ・インザ・ファウンテーン」とシナトラの大熱唱から始まるこの映画、明らかに当時流行していたヨーロッパ観光映画の典型例。アカデミー作品賞にノミネートされた当時の評価にもかかわらず、今は全く語られる事がないのは、出演者が地味すぎるからか?うーんでも地味な出演者にもかかわらず、永遠の都、ローマの風景は、あの「ローマの休日」よりも美しくカメラに捉えられてるんだけどな・・・。あ、でもそれだけじゃ駄目か。 6点(2004-03-25 23:34:45) |
1403. 女が階段を上る時
銀座の高級クラブを舞台にした男と女の駆け引きがストーリーの主軸、成瀬監督らしからぬ派手目な題材と思いきやこれが意外に面白い。出演者は成瀬映画の常連で巧い人ばかりだが、先日亡くなった若いホステス役の団令子と、ヒロインの高峰と結婚までこぎつけようとする加東大介が特に好演。自分は去年池袋の文芸座で観ましたが、観客席はほぼ満席の状態で、成瀬人気の相変わらずの高さを思い知らされました。 7点(2004-03-25 23:15:09) |
1404. ラスト・レター(1980)
かなり前に吹き替え版を見ただけなんで細部までは記憶にないんですが、ダイアン・レインは障害を持った女の子で殻に閉じこもってるんだけど、エルビス・プレスリーとの文通がきっかけで、 徐々に心を開いていくっていう良いお話でした。先生役やってた、デボラ・ラフィンっていつの間にか消えちゃいましたよね。一時はどうなる事かと思ったダイアンだったけど、見事復活を遂げて、当時のファンとしては嬉しい限り。昔っから思ってた事だけど「スクリーン」と「ロードショー」でスターの名前の表記が違うのはどうしてですかね?例えばダイアンは前者では「レーン」、後者じゃ「レイン」って決まってた。テイタム・オニールも「テータム」と「テイタム」だったし。大した事じゃないけど映画ファンになった当初お世話になった二誌に対する素朴な疑問。単なるポリシー?(追記)ロイス・レインさん!的確なご回答ありがとうございます!そもそも「スクリーン」が独自の表記方だったんですね~。私は当初どっちかと言えば大衆的?な「ロードショー」支持派だったので。 [地上波(吹替)] 6点(2004-03-24 00:47:38) |
1405. スター誕生
すみません!登録した本人のレビューが遅くなって。自分もバーブラ・ストライサンド好きなんですよ。「エバーグリーン」は 何度聞いても泣かせる名曲だし。キューカー版との比較は酷かもしれないけど、音楽界を舞台にしたラブストーリーとして観る分には面白いと思います。確か、アカデミー賞の主題歌賞獲った時に司会のジェーン・フォンダから、「今日は製作者が歌います!」って紹介されたんですよね。そのシーン観たかったなー。 6点(2004-03-24 00:28:51) |
1406. 早春物語
この映画での原田知世の髪型が妙に似合ってなくて、「何か違う!これは俺の好きだった芳山君じゃないっ!」って憤慨した記憶有り。うーん、多分その頃の自分はまだ「時かけシンドローム」にかかってたんだろうな。澤井監督なのでドラマとしての作りはしっかりしていたと思います。 4点(2004-03-20 17:52:01) |
1407. 恋愛適齢期
同じくJ・ニコルソン主演の「愛と追憶の日々」を観た時も思った事だが、シルバー世代のラブシーンというのは出来ればサラッと描いてもらいたいっていうのが本音だ。というのも何となく自分の肉親の事なんかを連想したりして、気恥ずかしくなるというか居たたまれない気持ちになってしまうからである。この映画でもやっぱりそうだった。テーマ的にあまり男性は観ないと思うんで、あえて言わせて頂くとこの映画はすこぶる女性側に甘く都合のいいお話になってます。これを観たらダイアン・キートン世代の女性たちは更に増長する事間違いなし(W)それにしてもキアヌよ、いいのか?君は、賑やかし程度のこんな二枚目の役で。 5点(2004-03-18 22:34:50)(良:1票) |
1408. あなただけ今晩は
個人的にジャック・レモン(愛川欽也)、シャーリー・マクレーン(小原乃梨子=のび太)の吹き替え版のほうが笑えました。イメージびったりで、字幕では表現しきれない微妙なニュアンスをよく二人がカバーしていたと思います。 9点(2004-03-18 11:33:32) |
1409. 復讐は俺に任せろ
何年か前のリバイバル公開で観ました。展開がキビキビしていて無駄が なくかなり面白かった記憶有り。脇役時代のリー・マーヴィンとその情婦(グロリア・グレアム)が煮えたぎるコーヒーを浴びせられるっていうかなり痛いシーンがあって、その印象だけが突出してます。この時代 でも警察内部の腐敗についても触れられていて驚きました。 7点(2004-03-14 17:27:48) |
1410. M(1931)
異常犯罪者による小児殺人の犯人探しの映画かと思ったらさにあらず。途中から魔女裁判さながらの意表を突いた展開には驚き。これはこれでかなり怖い。泣き喚きながら許しを乞う犯人の末路が哀れ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-03-14 16:52:09) |
1411. きょうのできごと a day on the planet
《ネタバレ》 これは本当に観客を選ぶ映画です。ストーリー重視派の人にとっては、ただダラダラくっちゃべってるだけって印象を与えかねない。監督の意図はわかります。普段どおりの日常生活こそ、彼らにとってかけがえのない貴重な時間なんじゃないかってメッセージ、よく伝わって来ました。プラスちょっと時間軸を動かしてみようって遊び心も面白い。でもそれ「だけ」を描くにしちゃ、彼らの「キャラ立ち」少なすぎやしませんか?田中麗奈は酔ってるか寝てるかどっちかで、伊藤歩と役を交換しても同じじゃないかって正直思った位。妻夫木への気持ちもあいまいというか淡白というか。唯一生彩を放ってたのは後半登場する池脇千鶴、でも彼女とて「ジョゼ」の二番煎じのようなキャラ設定。この役は彼女の為に取って付けたような印象なので、彼女が出た事で全体としてのバランスが悪くなってしまった。これだけのメンツを集めたなら、もっと面白い映画が出来たはずだと自分は確信してるので、敢えて辛い点数にさせて頂きます。 5点(2004-03-14 14:55:19) |
1412. ビッグ・フィッシュ
子供の頃って童話とか聞いてる時、途中「ねえ、それから?それからどうなったの?」って親にねだったりするじゃないですか。自分はこの映画を観てる間、久しく忘れていたそんなわくわくするような気持ちを存分に味わう事が出来ました。虚実入り交じった奇想天外なストーリー展開に魅了され、且つ父親とのコミニュケーション不全症候群の自分にとっては、ツボはまりまくり、いい大人が泣く泣く・・・。やられました!この映画はティム・バートン特製、大人のための飛びきり上等な絵本に仕上ってると思います。看板に珍しく偽りなし、これはまぎれもなく彼の最高傑作です。映画が好きで良かったと思える瞬間が確かにこの映画にはある!<補足>tommymarandaさん、自分も女性の方がこの映画、評価が辛いかもなって思いましたよ。ジェシカ・ラングはもちろん好演ですが、妻の心理が多少描き足りないって気もしたんで。でもいいじゃないですか、たまにゃ男性側に迎合する映画があったって。 10点(2004-03-13 14:05:21)(良:3票) |
1413. ギルダ
ベストランキング上位に常にランクされている「ショーシャンクの 空に」の原作、「刑務所のリタ・ヘイワース」はこの映画での彼女 の事。確かビリー・ワイルダーの「第十七捕虜収容所」でもネタにされていたような記憶あり。それほどこの作品の彼女は魅惑的で衝撃的だった。ストーリーなんて全然記憶に残らない。脳裏に浮かぶのは、ただただギターを爪弾きながら、リタがテーブルに座って歌うシーンのみ。いいじゃないか、主演女優の旬の魅力をフィルムに 残す事のみに全精力を傾けた映画があったって。 7点(2004-03-04 21:36:54)(良:1票) |
1414. クイール
《ネタバレ》 椎名桔平扮する盲導犬の調教師が、「(困ったように)クイールさーん」と何度も呼びかけるのが観ていてすごく気持ちよかった。何ていうか、犬といえども人格(犬だから犬格?)を尊重するってポリシーが彼らにはあるんだなって。あくまで主役は「クイールさん」って事で、芸達者な出演者の分をわきまえた抑えた演技も好印象。これ心底犬を愛してやまない人たちにとっては、たまらない映画だと思います。くれぐれもクレジットタイトルが流れても席を立たないように。でも崔監督、こんな素直でハートフルな映画撮っちゃっていいんですか?(W) 7点(2004-03-04 21:08:16)(良:1票) |
1415. 噂の二人
亡き淀川長治さんが珍しく「最低の二人」とこの映画の事を酷評 されてましたね。もちろんオリジナルのワイラー監督「この三人」と比較しての発言でしたけど。シャーリー扮するマーサがカレンにカミングアウトする時の哀切極まりない演技、ラスト、不穏な雰囲気を察知したオードリーの駆け出す表情とか、忘れがたいシーンが幾つもあるのはやはりワイラー監督の格調高い演出の賜物だと思います。何度も繰り返して観たくなるタイプの映画ではないけど、自分は好きです。 8点(2004-03-02 21:31:25) |
1416. ホテル ビーナス
無国籍、無機質な雰囲気に出演者の皆さんの個性がうまくはまってたと思います。主演のチョナン・カンよりも、モノクロの画面で更に美貌が際立った中谷美紀、香川照之のほうが韓国語でうまく感情こめて芝居してたのには正直驚きました。ただ・・・、残念なのはおそらくテレビ局が製作に絡んでいるせいでしょうが、友情出演らしき若干2名(誰とはあえて書きません)のせいでこの映画に一番大切なはずの「空気感」がブチ壊しになってしまった事。いい加減 気づいて下さいよ。この内容での2時間超えはやっぱ冗長すぎ、その辺を刈り込んで30分短くしたらうまくまとまったと思うんだけどな・・・、惜しい! 5点(2004-03-02 20:46:23) |
1417. 配達されない三通の手紙
原作はエラリー・クイーンの「災厄の町」。昔、よくゴールデンタイムにテレビでやってたんで何回も観ました。出てる人が何気に豪華なのでお茶の間にぴったりって言ったらいいか。出演者の顔ぶれで何となく犯人がわかってしまう、わかりやすいサスペンス映画です。余談ですが自分はガキの頃、この映画と「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のタイトルがなかなか区別がつきませんでした。 6点(2004-02-26 18:05:44) |
1418. 銀座の恋の物語
あの有名な曲から映画が出来たのか、映画から曲が生まれたのか、 よく知らないが、流行歌がらみの企画ものとしては良く出来ていると思います。40年前の銀座松屋デパートとか街頭風景とか、細かい部分をいちいち自分は面白がって観てしまう人なので、ルリ子さんの記憶喪失の回復があまりに唐突とかいう多少の欠点には目をつぶります。 7点(2004-02-26 17:51:25) |
1419. 大脱走
男の永遠の「現状からの脱出願望」を満たしてくれる映画。 今度、銀座東劇で何十年かぶりにニュープリントでリバイバルされるんで、まだ見てない人は大スクリーンで是非! [映画館(字幕)] 9点(2004-02-25 23:31:53)(良:3票) |
1420. マスター・アンド・コマンダー
《ネタバレ》 すみません、自分はこの映画の鑑賞法、完全に間違えてました。「うおぉぉー!!すっげー大海原!そうだよな、やっぱ海は男のロマンだよなっ。何い?フランス軍がこの船の居場所を察知して攻撃しに来る?そっか、この船の中にフランスのスパイがいるんだな?出て来い!そんな奴はラッセル様が退治してくれよう!へえ~、ガラパコス諸島にゃいろんな珍しい動物がいるんだ、こりゃ船医さんもしばらく滞在したくなるのも無理ないよ・・・ってところでスパイ退治は・・・?えっ?えー!?これでおしまい?」・・・よーく考えたら、無線も何もないこんな昔にスパイ行為なんて出来る訳ないんだった。 5点(2004-02-22 16:23:28)(笑:1票) |