1421. 金環蝕(1975)
実話がベースのようで、こういう人間が実在し、この国を動かしてきたのかなあと思うと、何とも言えない気持ちになる。もう皆死んでしまったが、登場人物が皆雁字搦めで窮屈そうで、最後はどういう思いで死んでいったのだろうと想像してしまった。権力闘争という点においては単なる殺し合いをする戦国時代モノよりは実感があるかな。 カネを得るために権力が必要なのか?権力を得るためにカネが必要なのか?カネと権力の手段と目的の関係性について考えさせられた。 好々爺のイメージだった、宇野重吉の悪役が印象的。 [地上波(邦画)] 6点(2014-03-13 13:05:41) |
1422. まぼろしの邪馬台国
竹中直人のオーバーな演技がちょっとコメディー的ではあるんだが、だんだんと見慣れてきて、夫婦の物語として見ればそんなに悪くはないんじゃないのかなと。昭和の田舎の町並みもうまく再現されていたし。但し、吉永小百合の心情表現が弱いので、エキセントリックな旦那にただ黙ってついていく女という感じになってしまい、ちょっと物足りなさはある。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-12 13:09:48) |
1423. 誰がために
《ネタバレ》 悪くはないんだけど、ちょっと物足りないというか。悲しみ・迷い・やるせなさ、みたいなものは伝わってくるんだが。戦場カメラマンという設定もどうなのかな。無感情さが設定上マイナスになっているような。最後やっちゃうのはちょっとイガイで、中途半端な終わり方も嫌いじゃないけど。 池脇千鶴の演技は最高。小池くんの静かな演技も中々。浅野忠信は微妙だな。自然体のような気もするし大根のような気もするし。もうちょっと感情表現してもいいんじゃないか?エリカは話にならない。音楽はやや過剰演出に感じたが。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-06 09:48:18) |
1424. 吉原炎上
明治末期の話なので、江戸時代とどの程度の差異があるのかわからないが、花魁ってのは日本文化のひとつではあるんだろうな。と思わせる作品で中々の大作だと思う。女達の狂乱は見応えあるんだが、男達が皆ヘナチョコ過ぎて男女の機微があまり感じられない。テーマ的にはそういう作品ではないのだろうけど、あまりにも男女の描き方に落差がありすぎて、男が女の引き立て役になるというより、そういうバカな男に奔走される女までもがさらにバカに見えてくる。何とも救いのない作品で、もうちょっと何とかできたのではないのかと。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-05 13:20:22) |
1425. 女帝 春日局
極道の妻たち 大奥編 って感じ。よくこんなの作ったなあ。かなり荒唐無稽な設定のような気もするが、歴史の真実は誰にもわからんし、あってもおかしくないと思わせる設定でもある。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-05 11:02:18) |
1426. 悪魔の手毬唄(1977)
《ネタバレ》 人が死んでも動揺せずに笑顔でヘラヘラしている岸恵子が犯人だろうなという事が、前半でわかってしまうのだが、これは岸恵子の演技の問題なのか?演出なのか?と悩んでしまう。 田舎の民話・因習的なおどろおどろしさのようなものは伝わってくるものの、ストーリーとしてたいしてオモシロイわけでもないし、ミステリーとしてはどうなんですかねえ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-03-04 11:28:43) |
1427. 犬猫
ダレた感じは悪くないし、タバコスパスパの結局オトコで揉めてしまう低レベルな30女のどうしようもない日常的な雰囲気も出ていたとは思うのだが、それを延々と見せられてもちょっと退屈かな。 どうも場所は図書館から類推するに杉並らしいのだが、巨大な川原が出てきたり、デカイ坂道が出てきたり、イマイチここは東京のどこなの?って違和感が拭えない。これだけの一軒家なら土地だけで5000万程度するはずで、留学するお友達は何者なの?この同居人たちはロクに働きもしないでカネはどうしてんの?等々ちょっとリアリティーがないというか、疑問がイッパイになる。 [地上波(邦画)] 4点(2014-03-03 11:26:43) |
1428. ダーリンは外国人
異人種結婚は「招かれざる客」という名作があるので、そのテイストに日本文化的なものが加味された作品を期待したのだが、よくあるガイジンの勘違いや単なる同棲バカップルのステレオタイプなすれ違いしか描かれてない。原作未読だが、結婚生活の苦労を描くとか、もうちょっとどうにか出来たんじゃないか?井上真央はまあまあよかったとは思うけど、ガイジンの役者はイマイチかな。 [地上波(邦画)] 3点(2014-03-03 09:48:53) |
1429. リアリズムの宿
ダルイ感じは悪くはないんだけど、設定にリアリズムがないかな。ちょっとあざといと言うか。オノマチは可愛くていいんだけど。 [地上波(邦画)] 4点(2014-02-28 12:53:47) |
1430. 大鹿村騒動記
《ネタバレ》 遺作という事で評価が高いようだが、作品としては失敗しているような。やはり喜劇は難しいな。かろうじて喜劇をやれてたのは松たか子ぐらい。 逃げた妻の「許さなくていいよ」に対し、自分の目を潰す演技で返して、「見なかった事にする」って事なのかな?と思ったが、エイタにダラダラと歌舞伎の粗筋説明させたり、演目の最中に余計な音楽入れたりと、いろいろと無理があるなあという印象。 原田芳雄という役者を知ったのは「君よ憤怒の河を渉れ」(自分にとっては結局これが彼の最高傑作かな)で、その後コレといった代表作もなく、かと言って独特の存在感のせいか名脇役という感じでもなく、役者としては不遇のまま亡くなってしまったのかなと思う。 [DVD(邦画)] 4点(2014-02-26 09:31:41) |
1431. うさぎドロップ
説教臭くて、凡庸で、よくこんなの映画にしたなあって感じ。子育て経験者が自己満足できりゃいいって作品なんですかね?マツケンは相変わらずの大根で存在感ないし。芦田愛菜ちゃんはよかったけど、彼女ありきで強引に企画・製作したって感じ。 [地上波(邦画)] 3点(2014-02-25 16:08:00) |
1432. 風速40米
あらすじ的には悪くはないのだが、宇野重吉の裏切りの動機がちょっとよくわからない。田園調布でお手伝いさんつきの豪邸に住み、美人と再婚し、生活には何の不満もないように思えるのだが。サラリーマンとしての野心かもしれないが、それにしたって何の確証もない危ない話だろうし。裕次郎は元気イッパイでいいのだが、渡辺美佐子とのWヒロインみたいになってしまって北原三枝の出番がちょっと少ないが難点か。まあでもこの頃の日活は勢いを感じるな。今見ても眩しいよ。 [地上波(邦画)] 5点(2014-02-25 13:15:55) |
1433. かあちゃん
ストレートな江戸時代の人情モノで、綺麗ないい話だとは思うんですけど、台詞回しのテンポがどうも好みではないし、岸恵子はミスキャストかな。どこかで計算がありそうで、ちょっと強かな雰囲気があって、タダのいい人には見えないところがある。まあ私が疑り深くて心が歪んでるのかもしれないですが。 [地上波(邦画)] 5点(2014-02-25 11:23:27) |
1434. ツナグ
「罪と罰」というか「罪と赦し」というか、女子高生のパートはロシア文学のよう。同時並行の「桜の園」でさらに重厚感が増してる印象(1990年版の映画を彷彿とさせる)。ギャルソン話でツナグくんがミスを犯しているところも何とも言えない余韻が。 が、その他の話が綺麗過ぎるというか甘ったるいのが残念。遺された側には色んな思いがあるのは当然だろうが、死者の無念さみたいなものが伝わってこない(女子高生のところは意味深ではある)。原作未読なので推測だが、映画用にわかりやすい話に改変したのかも。辻村深月は救いのない作品を書くというイメージなんだが。 [地上波(邦画)] 7点(2014-02-24 14:22:51) |
1435. メイン・テーマ
薬師丸ひろ子はちょっと元気ないし、野村・財津の大根ぶりはみてられないし。森田芳光の映像感覚は独特で、これはこれでいいような気もするが、片岡義男の世界観とはちょっと違うような。原作未読なのであくまでも印象ですけど。 [地上波(邦画)] 4点(2014-02-24 10:52:55) |
1436. Life 天国で君に逢えたら
太陽と海と音楽の効果なのか、ちょっと綺麗に作りすぎかな。もうちょっと心の葛藤や揺れみたいなものがあったのではないのかと。原作はまた違うのかもしれないが。子役の川島海荷ちゃんが収穫かな。 [DVD(邦画)] 5点(2014-02-21 12:27:20) |
1437. ゼロの焦点(2009)
原作は未読だが、流石に松本清張だけあって、人間の持つズルサ・弱さ・強かさ等々業の深さが感じられた。新しい出会いにより新しい人生を歩み、過去や記憶を無かった事にしたいというのは現代にも通じるテーマなのでは?(それまでの縁を裏切る事もあるでしょうし、自分の嫌な過去を知る人間には消えてもらいと思う事もあるでしょう)。 広末はミスキャストだし、音楽も仰々しいし、その他細かな点においていろいろとツッコミ所はあるものの、映像的にもよかったし、役者もよかったし、中々見応えのある作品だった。 [DVD(邦画)] 7点(2014-02-20 23:27:57)(良:1票) |
1438. 鉄コン筋クリート
子供にシロ・クロつけさせてもねえという気もするんだが、原作未読だとよくわからんのだろうな。いろいろと考えれば哲学的はあるんだろうが、考えるのも面倒クサイという感じ。 登場人物が総じて浅はかで中身がなく魅力あるキャラクターもいなくて、世界観とやらもちょっと古臭いというか、狙いすぎというか。20年以上前のマンガらしいので、時代と共に劣化してしまった印象。 こういう作品を評価したいという心情もわからないではないけど、自分にはダメだったな。 [DVD(邦画)] 3点(2014-02-19 11:42:24) |
1439. 60歳のラブレター
ありがちな設定ではあるけれど、高齢者の傲慢さや勘違い等々も描かれており、全体的には悪くはないんだが、ラストがダメだね。これじゃあ「大人の映画」ではない。因果応報的な末路をしっかり描くべき。ただ仕事人間だったってわけじゃないんだからさ。 いくらなんでもシラケルよ。 [DVD(邦画)] 4点(2014-02-18 16:33:45)(良:1票) |
1440. ハゲタカ
原作未読だが、ストーリーは三流企業小説だし、説明臭い台詞、仰々しい音楽とダメダメなんだが、玉鉄と高良はよかったな。遠藤憲一もダメ人間をやらせたら無敵。が、柴田は相変わらずの大根で、大森も存在感と華がないので主役をやるのはキツイ印象。 [DVD(邦画)] 5点(2014-02-18 11:33:06) |