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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1461.  炎628 《ネタバレ》 
二次大戦を描いた映画の中でもソ連側が舞台になっているものは「スターリングラード」くらいしか観た記憶がなかったが、こちらはソ連の村、現在のベラルーシが舞台。詳しくは読み取れませんでしたが、その地域はドイツに占領されていて、民兵によるゲリラ戦が展開されている様相。その抵抗勢力に対してドイツ軍が行ったことが、ゲリラ戦に参加した少年の目を通して描かれます。DVDの映像特典では、スターリングラードの攻防を実際に体験した監督が、破壊された都市の悲惨な記憶を残すために製作したと言っていましたが、映画を観た印象はちょっと違います。この映画には戦闘という意味での戦争はありません。戦闘に参加していない市民を殺すドイツ軍が描かれています。ゲリラ掃討の作戦行動として、拠点となる村をチェックするのは当たり前だけど、非戦闘員までも無差別に殺すドイツ軍。その様が、娯楽を楽しんでいるかのように映ります。そこにはヒットラーの方針とか、ドイツ軍の軍規とか、戦略的な意義などは見えません。戦争という非日常でルールに規制されなくなった人間が何者になるのかが浮き上がります。残酷、残虐、非道、それとも非人間的。どの言葉も陳腐に聞こえる行為でした。場所が変われば、ソ連軍も似たようなことをやっていると思うし、当時の日本軍も同様だったのでしょう。今作は反戦映画とは思わないし、当時のドイツ軍の行いだけを糾弾しているとも思わない。種の存続以外の理由で他の生物や同属までも殺せる種族、人間。その特殊な存在を描いた映画だと思いました。本当に神の怒りがあるのなら、地上から人間がいなくなっても不思議じゃない。邦題の数字はドイツ軍に蹂躙された村の数とのことです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-05 19:56:27)
1462.  大奥(2006)
TVシリーズは見ていません。実話をベースにしたフィクションらしい。全体的にかなり退屈でした。あの大奥の方々は気に入らない同僚を追い落とす為だけに色々と画策しているように見えました。その気に入らない理由も、杉田かおるの表情を見る限りは、嫉妬というよりも自分が得られない女の悦びに浴している同性が恨めしいって感じです。いや、それを嫉妬と言うのかな…。タイトルは忘れましたが、ある姉妹の泥沼の戦いを描いたTVドラマのキャッチフレーズを思い出しました。「私よりも不幸でいて…」。これ、女性の嫉妬の深いところを突いていて今作にもはまると思うんだけど、いかがでしょう。さて、28歳にして男を知らなかった劇中の仲間由紀恵さんが西島秀俊と密通(笑)したときには、大きなお世話だろうがオメデトウと言ってあげたくなりました。大奥の事務職である彼女が男と通じちゃいけない理由が良く分かんなかったけどね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-02-05 03:07:30)
1463.  U-571 《ネタバレ》 
ドイツ軍の暗号機奪取を描いた戦争サスペンスと同時に「船長」の資質を問う作品でもあった訳だけど、ストーリー的に成功しているかというと、まあまあという程度でした。「船長」の資質に関しては、結果としてそれらしく見えたけれど、マシュー・マコノヒーが船長らしくないこともあって無理矢理な印象が拭えない。でも、全体としてはそこそこ観られたのは舞台が潜水艦だからだろう。話は逸れるが、潜水艦映画に駄作は無い、と言われる。その理由を考えてみた。艦外が見えないことで神経が搾られるような緊張感が容易に演出できるから。狭い場所に人が密集することで人間関係の起伏が作り易いから。動感に乏しく閉塞的な艦内描写と開放的な海上描写のバランスが良いから。人が根源的に持ってる閉鎖環境への恐れなども関係しているような気がする…。こんなところでしょうか。今作はその「潜水艦」に助けられた映画って感じでした。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-02-05 02:42:36)
1464.  機動戦士ガンダム
先日、お台場の実物大ガンダムが人気を博していました。架空のものを「実物」大に作るって発想自体が本来は変なはずなんだけど、ガンダム人気の根強さを象徴しています。この映画の元になったシリーズから30年。自分のようなファーストのリアル放送世代で、オタクのように入れ込んだ時期がある者としてはその魅力はいくらでも熱弁できるが、そんな輩だけで人気が30年も続くものなのか、という真っ当な疑問も浮かぶ。単純に考えると、新しい世代を取り込んでファン層が代謝しているということですね。ここにレビューするために久しぶりに劇場三部作を観ました。もはやストーリーに馴染みすぎて、大きな見せ場の少ない「Ⅰ」には特に感慨は無いんだけど、改めて良く出来ているとは思いました。いわゆる「突っ込みどころ」が極めて少ない。スペースコロニーとか、ミノフスキー粒子とか、SF作品としての設定をしっかりと作りこんでます。ロボットアニメで「戦争」を扱ったものも、それ以前には無かったんじゃないかな(たぶん)。少なくとも、現在に初めて観た人がいたとしても、極端に古くは感じないでしょう。冒頭のホワイトベース内のギスギスした空気などは、群像劇としてかえって新鮮に映ります。劇場三部作は基本的にシリーズの再編集ものだけど、三作観ればシリーズ43本のエッセンスを俯瞰できるようには作られているという意味で、考え方によっては良心的。この三部作の存在がファン層の代謝に寄与しているという側面もあるのでは、と思った次第です。
[映画館(邦画)] 5点(2010-01-31 04:08:06)
1465.  幕末
坂本竜馬のお話だけど、話がはしょってあって多少なりとも知識がある者には食い足りなさが残る内容でした。というより、この人の物語をファンが納得するかたちで2時間に収めるのは無理があると思いますね。皆さん仰るように、錦之助の竜馬はちょっと苦しかった。やはり武蔵とか拝一刀のイメージが強く、剣を握らせ時の迫力で売ってる人という印象でした。吉永小百合のおりょうさんのお歯黒にはびっくりしました。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-30 21:35:44)
1466.  ハタリ!
広大な大地を駆けるキリン、シマウマ、サイ、バッファロー。その姿だけでも見る価値ありました。ストーリーに深みや重みはないけれど、可笑しみと大らかさに満ちた映画でした。改めて、ジョン・ウェインは広い場所が似合う人ですね。骨太な人柄も舞台にはまっています。この作品には翳った部分が微塵もない。悪人が出てこない映画って貴重ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-29 21:58:26)
1467.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 
今作はあの殺人の動機を映像からどれだけ感じられるかによって視点も評価も分かれる作品だと思います。以下、自分の解釈です。あの少年は自慰くらいはやっているけれど童貞。セックスは知識として知っているが理解はしていない。母親や親近感を覚える女性に清く美しい幻想を擁く年頃でもある。しかし彼にはセックスが穢れたものとして認識されていた。その原因は母と叔父の密通。だいたい、肉親のセックスシーンほど見たくないものは無い。それも、母の相手は父親ではなく叔父である。その言葉にならない憤懣を母親にぶつける勇気も無く、グレるほど擦れてもいない。彼の憤懣の矛先は、行為自体の見え方も含めて男側に向いていたのではないか…。峠で出会った女は優しかった。娼婦の何たるかを知らない少年はその女に「母性」と「姉性」と「女性」の全てを感じていたと思える。その女が行きずりの土工に体を売っている現場を見た少年の脳裏によぎったものは、間違いなく母と叔父の穢れた関係。少年の中では、清く美しいはずの女を陵辱する男の行為だけが肥大し、衝動的に噴出した。それは、性に芽生え始めた頃の葛藤のひとつの結果。少年があと2~3歳年長だったなら、あるいは2~3歳若年だったなら、おそらく起こっていない殺人だった。少年の動機は理屈にするとこのようなことだと思います。映像では明確に語られないことが自分には肌感として感じられたので、とても深い作品として味わえました。 今作で特筆すべきは田中裕子でしょう。柔らかさとヤサグレ感を併せ持ち、少年の思春を惑わせるに充分な色気と儚さを感じさせる。警察の拷問ばりの取調べに失禁するシーンに女優魂を見ました。彼女の演技が少年心理の動揺に説得力を与えており、それが今作の骨格でもありました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-29 02:14:20)(良:3票)
1468.  竜馬暗殺 《ネタバレ》 
坂本竜馬の捉え方として、当時としては過去にない解釈をしていたのでしょう。そのあたり、いかにもATG映画という印象で、活動写真のようなコントラストの強いモノクロ画面も含めて実験映画的な趣きもあり、なんだか危険な匂いが漂っていました。今作の竜馬像のコンセプトはおそらく「カッコ悪い」。まず隠れ家を引っ越すところから始まるのだけど、その姿がフンドシ丸見え。覗き好きで女好き。ときどき自身の政治観も語っていましたが、基本は女といちゃつき、中岡慎太郎とじゃれあっていました。当時の竜馬像は維新回天の立役者以外に無かったはずだけど、それを破壊するところから始めている。ご立派な正義漢や革命家という描写より、怠慢も性欲もある青年として竜馬像を見直そうという試み。それがたとえカッコ悪くとも、これこそが肉体を持った竜馬という主張でしょう。その意気込みは理解するし、ATG映画らしい過激な語り口で構築された竜馬像は面白かった。ただ、今作の竜馬があのキャラクターのままで薩長同盟を成立させたのかというと疑問符も付きます。特に倒幕後に薩長に対してゲリラ戦を仕掛けると言わせたのもどうかと思う。大政奉還を成し遂げたとされる竜馬の真意が瓦解する発言でしょう。自分は司馬遼太郎「竜馬がゆく」を何度も読み返した保守派の竜馬ファン(笑)なもので、この竜馬像をそのまま受け入れるのはちょっとツライ。今年のNHK大河はなかなか良い出来映えだと思います。これも保守派の意見ですが…。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-29 01:54:25)
1469.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
思わせぶりな時間の倒置構成で物語を始め、真剣に犯人探しをさせるような殺人を重ねて行った末のオチがこれでいいんだろうか、と云う感想です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-01-27 15:31:20)(良:2票)
1470.  つぐない 《ネタバレ》 
思い通りにならない恋愛感情を、対象者への八つ当たりに代えてしまうことってありますね。勇気を出して言いますが、自分の経験則では女性に多い。男性より感情的ってことでしょう。恋愛感情に自覚が無い状態でも、八つ当たりが発生する例がこの映画です。未自覚だった分、ブレーキも掛からないようでした。たぶん意識の表層では、猥褻な手紙に対するお仕置きくらいに思っていたのでしょう。でも、あれは八つ当たりです。そのせいで逮捕された彼が可哀相でならない。映画ではその後の関係者の人生がしばらく綴られますが、何が言いたいのか良く分からなかった。最終的にはつぐないになっていないし…。自分は被害者の彼に代わって「いい加減にしろよ!」と叫びたくなりました。八つ当たりは止めてください。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-01-26 20:43:50)
1471.  実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 《ネタバレ》 
「こんな映画は難しくて総括できません」などと言ったら、殺されかねない…。そんな怖さを感じる映画でした。戦争映画などでこの100倍人が死んでも、こんなに怖かったことはない。あさま山荘で被害に遭われた方には申し訳ないが、あれはオマケみたいな事件だったんですね。少なくとも、この映画の頂点は山岳ベースでのリンチ殺人にある。自分には、出来もしないことをやろうとして苛立った執行部の八つ当たりにしか見えなかった。その八つ当たりが次第にエスカレートして行く。続くのは陰湿で過激なイジメです。イジメが原因で人が死んだら、いじめっ子も反省するのが普通ですが、このいじめっ子は共産革命の高邁な理想を精神的な隠れ蓑にして、反対に何故解ってくれないんだとばかりに悲愴ぶる。狂信的という言葉が似合う状況です。でも冷静に見るとイジメで死んでいるだけで、その情けないシンプルさがとても怖かったのだと思います。冒頭に一部フィクションがあるというテロップが入りますが、山荘で高校生が「勇気がなかった」と言った時に、これのことか、と思いました。あのひと言だけが浮いていたのは、ノンフィクションの流れの中に製作者のメッセージを強く感じたからです。この事件は学生運動に救いようの無い陰を落としました。もし、あの山岳ベースにいた人たちに森と永田を止める勇気があれば、その後の学生運動は良い意味で違った展開を見せたのでは…、という若松監督の悔しさが言わせたひと言だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-26 20:37:08)
1472.  ボルケーノ 《ネタバレ》 
ジョーンズおじさんがBOSSをやってます。とってもBOSSらしいBOSSでした。「2012」なんて観てしまうと、自然災害を人力で封じ込めるって都合良すぎる感じもしますが、みなさん力を合わせて頑張っていたので良しとしましょう。でも、ひとつミッションを成功させる度にこれで終わりとばかりに大喜びするアメリカ人たちの気質って、基本的にお気楽だなぁと改めて思う。そういえば誰かがどこかの火山噴火のエネルギーをヒロシマ原爆2万7000発分とか言ってたけれど、お前、そんなものを例に挙げるなよ、と。日本人には膨大なエネルギーという例になるけど、アメリカの人たちにも同様に聞こえるの? だとしたら、死者100人は少なすぎるぞ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-01-26 14:17:45)
1473.  感染列島
とても怖い内容だったけど、現実世界に生きる自分が同じ状況に直面するような危機感は感じませんでした。どこか他人事に思えるのは、映画として一部の登場人物の情感に寄り過ぎているからかな。主人公の周辺だけで局地戦をやっているような印象でした。自分は元々、世間が新型インフルエンザにナーバスになり過ぎているという意見を持っていることもありますが…。街頭に人がいなくなるほど停滞した社会という描写も唐突すぎた感があります。癌やウィルスというもの存在意義に言及していた藤竜也の言葉は耳に残りました。宿主を殺す癌やウイルスの存在意義って、本当に何なのでしょう?
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-26 14:14:59)
1474.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
公開中の「アバター」もそうですが、驚異的な映像という意味で映画を捉えたときエポックになった作品が何本かあると思います。自分にとっては、1968年「2001年」、1980年「帝国の逆襲」、その次に来たのが1993年の今作でした。だって、本当に恐竜がいると思いましたもの。後半は恐竜たちから逃げてばかりいるストーリーが少し残念でしたが、映像に驚いたという意味では過去最大級でした。ジュラシックパークを検分に訪れる博士たちは危険度や倫理観からNGを出します。そりゃ、ティラノサウルスにリアルに食われそうになったらそう言います。でも自分はとても残念でした。このプロジェクトが一般に公開されたら、自分もホンモノの恐竜が見られるぞ。そんな期待感で映画を観ていた気がする。だがら、しょげているハモンド氏にも同情しました。彼はたぶんスピルバーグの分身ですね。人を驚かして楽しませることを生き甲斐にしている人ですから。映像表現が飛躍的に進歩するタイミングって、10数年ごとに来るようです。この次、純粋に映像に驚かされるのは2025年くらいか…。ん? 私は何歳だ?
[映画館(字幕)] 8点(2010-01-26 11:50:23)(良:2票)
1475.  ローズ・イン・タイドランド
どこからお話が盛り上がっていくのかと思っていたけど、最後まで意味のない台詞と描写を続けただけだった。これを楽しめる方もいるようで、やっぱり人って色々ですな、って自分の方が少数派なんですが…。この監督との相性がとことん悪い。本来1点のところを2点にしたのは主演の彼女の色っぽさと頑張りに。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2010-01-26 00:59:36)
1476.  マーヴェリック
なんてこと無いところがいい映画、かな。徹底してお気楽に話が進んで行くんだけど、それが最後まで不快にならずに観られるという意味で、自分にとっては珍しい作品とも言える。バブルがはじけて四苦八苦していた我国と対称的に、景気が上向いてきた頃のアメリカって背景もあったのかな。 この監督、とても人や世の中が好きなんだなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-25 11:37:32)(良:1票)
1477.  スティング
たぶん誰にも、映画の楽しさや面白さを教えられた特別な作品があると思いますが、自分にとってはこの「スティング」がそれです。中学時代に名画座で観たのだけど、それまでほとんどゴジラやブルース・リーしか知らなかった自分に、映画の世界の楽しみ方を何倍にも膨張させてくれました。二大俳優の名演もさることながら、自分はジョージ・ロイ・ヒル監督の上手さを特筆したい。細かい話で恐縮だけど、役者がひと言を発する前の微妙な間と表情が、続く台詞と芝居を何倍にも引き立てるように緻密に計算されている。あからさまに笑わせるようなことはせず、劇中の人物たちが必死に真面目に取り組んでいる姿勢の隙間から漏れてくる笑いを、決してシニカルに見せるのではなく、温かく流れに乗せて行く。そんな演出です。初見から30年以上経ち、ポール・ニューマン氏もお亡くなりになりましたが、自分の中では色褪せることなく金色に輝き続けている映画です。まだ観ていない人には「うらやましい」って言ってしまいます。
[映画館(字幕)] 10点(2010-01-25 11:34:42)(良:2票)
1478.  理由(2004) 《ネタバレ》 
原作との「違い」に関してレビューします。ストーリーの流れはほぼ原作の通りでした。あの情感を極力排した原作を大林監督が映画にすることには先入観として違和感があったけれど、淡々としたドキュメントタッチで撮ろうとした意図は感じました。しかし、原作者っぽい人間を劇中に出してドキュメンタリーを気取った段階で黄色い信号が灯り、最後の八代祐司の扱いで、ある意味、ぶち壊しになりました。原作を読んでから随分と時間が経つので確信は無いけれど、この事件に関わった人たち全てに色々な「理由」があったということがメッセージであって、その総体として起こった事件だったはずです。今作のように八代祐司を時代を見渡す代表選手として着地させたらテーマが変化します。原作のエンディングにも確かに八代の幽霊話は出てきますが、自分に言わせると彼の「理由」が実は最も単純で分かりやすい。そこにフォーカスすると薄っぺらな不幸ものに見えます。犯行が起こる社会背景を、多くの人の「理由」を積み重ねることで薄く広くそして重く仄めかすことが原作の味わいでしたが、映画にはそれが無い。活字では、それぞれの人物の「理由」をもう少し吟味する時間があるのだけど、映画ではとても拾いきれない。あたかも犯人に行き着く為に次々とインタビューをこなして時間が過ぎて行く印象。ここに原作との決定的な「違い」が生じます。結論として、この原作は映画にすべき作品じゃなかったと思う。演出の手腕とか脚本の精度というレベルではなく、活字と映像の表現特性の違いが顕著になる題材で、原作が持つテーマ自体が映像化によって損なわれるからです。八代裕司役の加瀬亮の偏執的演技と、ちょい役だったけど多部未華子の存在感は光っていました。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-01-23 14:44:20)(良:1票)
1479.  無常 《ネタバレ》 
もの凄く強烈なことをメッセージしている映画だけど、普段考えたこともないような内容なので自分のことに置き換えて感じることが出来ない。自分の理解が及ばないという意味で、消化不良感が残る作品でした。ともかく主人公の田村亮がめちゃくちゃな奴です。いわゆるタブーを犯しまくります。一番の例が、実の姉を孕ませ子を産ませること。でも彼には彼なりの理屈がある。この映画の山場は坊さんとの問答。詳しくは映画を観て欲しいのだけど、彼は仏教的な浄土思想を無と結論付け、現実世界における掟の拠りどころを自分の妄念だけと規定し、それを行動原理にしている。つまり煩悩を進んで現実にして行く。その問答では口当たりの良い概念だけを語る坊さんに対して、理屈と行動に一貫性がある主人公が終始圧倒していました。変な喩えですが、主人公は親や学校に対してではなく、阿弥陀様に対してぐれている不良って感じです。煩悩から解脱し涅槃に至るという仏教思想を現実生活に照らし合わせたときに感じる都合の良さに、70年代の学生運動の問題意識で挑んでいるような映画でしょうか。やっていることはめちゃくちゃですが、とても真面目で凄い映画だと思います。今作が初監督となる実相寺氏の独特のフレームの切り方がモノクロ画面と相まって、作品に不気味な存在感を与えていました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-22 21:52:49)
1480.  銀座の恋の物語
ちょっと調べたところ、裕次郎と牧村旬子の同名デュエットが270万枚のセールスを記録したのが1961年なので、この映画はそのタイトルを拝借して製作されたってことですね。舞台は東京オリンピックを2年後に控えた東京。自己実現欲求と就職・結婚の関係性に時代がうかがえる。あのバラードの曲想とは少しちぐはぐな印象を覚える青春映画でした。お話は現代では使えないような記憶喪失ネタだけど、記憶を呼び戻す引き金としてあの歌が活躍していました。あの頃の東宝の洗練された美人女優に比べると、日活の浅丘ルリ子って随分と庶民的な顔をしていたんだなぁ、というのが自分のいちばんの感想。これ、褒め言葉です。とても可愛かった。当時の銀座周辺の風景も楽しめました。ちなみにタクシーの初乗り料金は80円でしたね。今後は少し訳知り顔で、カラオケ歌えます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-01-22 21:46:30)
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