141. 復讐は俺に任せろ
眩しい程の一家の幸せが崩壊するシーンは監督特有の無情さを感じる。悪玉どもがさらおうとする娘のもとへ駆けつける硬骨漢グレン・フォードに手に汗握るも、以降から結末までの盛り下がり方はどうしたことだろう。「復讐はアタシに任せてちょうだい」と言わんばかりにグロリア・グレアムに美味しいところを全部持っていかれちゃダメでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2017-05-17 12:40:31) |
142. 本日休診
三雲先生の利他の精神はまさに神対応。ほのぼのとした雰囲気の中に垣間見る世相、価値観がほろ苦い。 [DVD(邦画)] 7点(2017-02-27 00:48:57) |
143. スリ(1959)
《ネタバレ》 あの手この手のスリの手口の滑らかな美しさにウッカリ見惚れてしまう。金儲けしても青年は侘しいアパートで覇気のない暮らしをしている。悪運尽きて捕まった事で幸せを掴む結末だが、驕り高ぶった性根を入れ替えて働くことは出来るのか疑問が残る。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-14 15:26:48) |
144. 薄桜記
《ネタバレ》 五人組に卑劣な手段で凌辱された千春を「千春に非はないが、町人なら見過ごされることはあっても、武士の道ではそれが許されぬ。自分の頭では許していても肉体が許さぬのだ」と離縁し里に返す典膳。千春への愛情から義兄に真相を明かさず甘んじて太刀を浴びる。ボトリと落ちた右腕に武士の生き辛さを見る。ラストの立ち回りは端整な典膳とは真逆ののた打ち回りながらの一太刀一太刀の気迫が凄まじく侍の一分を見る。言う事なしの市川雷蔵に対して千春を演じた真城千都世の拙さが残念だった。 [DVD(邦画)] 7点(2016-06-04 01:16:01) |
145. 善魔
三國連太郎は瑞々しさに目を奪われるものの、早口過ぎて聞き辛いのは閉口しました。知性と義侠心を持ってはいるものの、身勝手で酷薄で意気地なしの本性が透けて見える役どころが十八番の森雅之はオーラ全開。淡島千景と繰り広げる澄まし返った会話は名人芸の域。堪能させてもらいました。引っ切り無しのBGMのくどさが鬱陶しくて堪りませんでした。 [DVD(邦画)] 7点(2014-08-25 00:05:06) |
146. 羅生門(1950)
初見、原作未読。真相はまさ藪の中。文明や科学が進化しても人の心は1000年前と大差ない事を思わされます。美しい画の中で躍動する役者達に豪華な額縁の名画を鑑賞しているようでした。赤ん坊の件はとってつけた感がありますが、今も昔も変わらぬ、この世は捨てたものではない事を見せてくれます。 [映画館(邦画)] 7点(2014-06-08 05:37:37) |
147. 恐怖の報酬(1953)
初見。予備知識なし。疲弊と閉塞が覆う街での荒んだ男達のやり取りに辟易しコックリしそうになったところへ降って湧いてでたニトログリセリン運搬任務に目が覚めました。障害物をクリアする各シーンは4人が見せる本性とジワリジワリ感が相俟った迫力満点の手に汗握るもので、私も周りの方々も「あ~」「うわ~」など思わず声が漏れてしまいました。無理筋なラストシーンに興を削がれたのが何とも惜しいところ。 [映画館(字幕)] 7点(2014-06-01 22:18:54) |
148. 十戒(1956)
人種がヒトを隔てる理不尽さを見せつける、モーゼがエジプトを追われるまでは見応えがありましたが、それ以降は苦痛に耐えての鑑賞でした。やられたらやり返す、正当防衛と言わんばかりに殺してしまう。そんな神さんが起こす奇跡に崇高さは感じられずオカルトチックなご都合主義に萎えました。老若男女、アヒル、羊、牛等の大移動のド迫力の映像とエドワード・G・ロビンソンのお姿を拝めたところに加点。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-04 01:59:23) |
149. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 初見。肉親の縁が薄い四人の葛藤が丹念に記されています。価値観を押しつける父と愛してやるから愛し返してと切望するキャルの対峙が哀しい。キャルが悔恨の情を示す父は死の床、兄は死の淵にいる結末が居た堪れない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-03 17:31:02) |
150. 夜と霧
公開された1955年から未だに似たような事がそこここで行われている。平時にはごく普通の人が上官の命令の下どんな事でもやってのける戦争のおぞましさ。証左となる本作は語り継がれるべき一品です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-01 17:47:11) |
151. ビルマの竪琴(1956)
水島上等兵の決意の基となる屍の山に対して牧歌的に過ぎる収容所。悲惨さが胸に迫って来ませんでした。若き三國連太郎の瑞々しさに惚れ惚れしました。 [DVD(邦画)] 7点(2013-09-06 01:08:48)(良:1票) |
152. 青春群像
《ネタバレ》 顔見るだけで虫唾が走ったファウストのエピソードを軸に口だけはよく動くニート五人組の無聊な日々が綴られています。モラルドと朝3時から働いている少年の別れのシーンに救いを見ました。やはり動かすのは身体なのです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-01 23:46:39) |
153. アフリカの女王
全編殆ど二人芝居の冒険物語。向こう見ずで頑固ながらもふと気弱な一面を見せるロージー、彼女に呆れつつも知識と知恵と腕力でもって彼女を守るチャーリー。共に垢抜けないものの、その心模様が実に見応えがあり、男らしさ、女らしさを示してくれる姿に最後まで釘付け状態でした。敵方が貧弱なのが玉に瑕ですが、ラストは爽快感がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-06 23:55:53) |
154. 汚れなき悪戯
《ネタバレ》 あどけなく愛しいマルセリーノが、「今すぐに」と旅立っていった結末に、茫然となりました。無償の愛情を惜しみなく注ぎ込んだ12人の父の心中を思うといたたまれないのですが、会う事が叶った母にお粥さん達の話をしている姿が想像出来るところにせめてもの救いを感じました。余韻の深い作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-18 01:21:18) |
155. 噂の女
娘が母に代わって、店を切り盛りしている姿に、それまでの曲折を思い感慨深いものがありました。監督の女性に対する労わりと励ましが仄かに滲み出ている秀作。 [DVD(邦画)] 7点(2011-07-29 23:21:03) |
156. 張込み(1958)
張り込み場所が都合良過ぎるのはご愛嬌。実直&無骨の二人組の、暑さに閉口しながらの地を這うような様子に、被害者の無念を晴らすという職務のリアルさを感じました。地味なテーマでありながら最後まで飽きさせない展開は見事。また、慟哭するなら、やらなかった後悔よりやった失敗に対するものでありたいと思わされました。 [DVD(邦画)] 7点(2010-08-22 00:51:19) |
157. 狼(1955)
《ネタバレ》 マスコミに「群狼」と名づけられた五人組。「狼の皮を被った羊」達が「羊の皮を被った狼」達に翻弄される過程が実に実に丹念に描き出されています。時代の被害者であり且つ加害者であるという彼等に対する監督の視線に、胸が詰まってしまう作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2009-11-29 14:35:09) |
158. 雨月物語
《ネタバレ》 御伽噺を思わせる内容の中で、幼子が食べる前に母の墓に供えて手を合わせるラストシーンにハッとさせられました。宮木への供養はその思いを汲み取って生涯を送る事であり、誰にもあてはまる事なのだと痛感させられます。映像と和楽によって、妖艶かつ物悲しい世界に惹き入れられます。ご参考までに、ビデオの台詞は幸いにしてクリアでした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-10-14 18:42:32) |
159. 赤線地帯
「夢の里」の人間模様。遊郭モノにありがちな、殊更おどろおどろしく描かれる男女の絡みや同性の取っ組み合いはありません。そのようなものが無くとも、個性がそれぞれ際立っている五人から共通して「生き抜いてやる」意志を感じた見応えのあるドラマでした。ですから、ゆめ子には何としても快復して欲しいと思うのです。余韻が残るラストシーンの演出が見事です。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-28 15:02:21) |
160. 花咲ける騎士道(1952)
起承転結、良く練られたストーリーがテンポ良く展開し、大団円(ちょっぴり強引ではありますが)で幕を閉じる。理屈抜きに面白く、小粋な会話も楽しめた活劇に満足しました。 お父さんに飛び乗られてグラついた馬は「あ痛たた~、もぅ・・」と思った事でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-28 14:12:10) |