141. 第三の男
《ネタバレ》 “一発屋の一本は駄作”という法則が自分の中にあるのですが、このキャロル・リードという監督の人気の出た作品はこれ一本のみだそうなので、今度こそその法則に例外を…と願っての鑑賞でしたが、やはりダメでした。 まず、オープニングから流れる音楽ですが、小さい頃からよく耳にする曲で元ネタに出会えて嬉しかったのですが、映画とマッチしているかと問われれば、ハマるどころか、かなり場違いな印象を与えていると言わざるを得ないほどのミスマッチな曲だと思います。しかも出てくるタイミングが悪く音量もストーリーを邪魔するほどの大きな音で流れてくることが多々あり、これはもう最悪なレベルと言ってもいいくらいでしょう。 更に最悪なのが、前半のストーリーを台無しにするかのようなハリーの存在。 映画前半は、事故で命を落としたハリーを運んだのが二人か三人か、即死かまたは会話が出来るほどの容体だったかなど、異なる複数の証言から真相を究明していくストーリーで進んでいくはずだったのが、ハリーの登場によってこれが根底から覆されてしまうという実に馬鹿げた急展開。 それまでの流れを一掃し推理を全て気泡に帰すようなこのストーリー展開は、今までの自分の推理は一体何だったんだというやり場のない怒りしか残らず、作る方も見た自分も、もうアホかという感情しか出て来ず。 細かい箇所もおかしなシーンばかりで、冒頭でホリーがハリーの自宅を訪ねたシーンで階上の住人からハリーはたった今死んだと聞かされるのも、妙にあっけらかんとした言い方ですし、車で講演会場に連れて来られたシーンも存在意義ゼロの無駄なシーン。 また、モノクロ映像が絶賛されているようですが、目を奪われるようなカメラワークは特に見当たらず、それどころか部屋の中のシーンでカメラを傾けて撮ったシーンも一番重要なワンショットのみに抑えれば効果が出たはずのところ、3回4回と無駄に多用してしまっていて作品を駄目にしているし、ストーリーに関係のない路上の人を何度もアップで捉えるのも意図が見えません。 遊園地を舞台にしたシークエンスはかえってサスペンス感が増すような効果を出していて、ここがこの映画での唯一の良かった所でしょうか。 それと、ラブストーリーの側面もあるようでしたが、自分は3人の誰にも共感は出来ず、どのような見方をしても良いところが見い出せない映画でした。 [映画館(字幕)] 5点(2012-11-04 22:03:32) |
142. チャップリンの寄席見物
《ネタバレ》 今度のチャップリンは一人二役で登場。 2階席を颯爽と降りてくるチャップリン。勢い余って最前列から落ちそうになったりするのが何度も繰り返し出てくるのが可笑しくて、一人で盛り上がって物を投げたり放水したりするのも見ていて楽しいです。 一方の金持ちチャップリンは同じ最前列でも楽団とは目と鼻の先の距離。指揮者のリアクションがチャップリン並みの大胆な指揮だったのが面白かったですし、チャップリンもそれに対して応戦したりして、周りの客が「オイ!コラ!」とばかりに一斉に立ち上がったりするシーンでも思わず吹いてしまいました。 後半は数々の曲芸師のオンパレード。 太っちょ女や蛇使いに凸凹コンビなど、チャップリンが舞台袖からちょっかい出していましたが、面白かったのは曲芸師の方よりも、むしろステージ前の楽団員の人が蛇に驚いた時に良いリアクションを取っていたのが笑えました。 [映画館(字幕)] 6点(2012-11-04 16:34:21) |
143. チャップリンの掃除夫
《ネタバレ》 道に落ちているごみを拾いながら仕事に向かうチャップリン。 作業着に着替えて、さぁ仕事・・・っとと、ちょっと待てぃ!何で金庫の中に着替えが入っとんのじゃ?しかも、扉のレバーもクルクル回りすぎだし。 前半の掃除のシーンはいつものドタバタコメディーで、チャップリンに長いものを持たせたらそれだけでもう危険なニオイが漂ってきます。 とまぁ、そんな事はどうでもよく、この映画の肝心要のストーリーは初期の作品では非常に珍しい極上のメロドラマ。 人違いから生まれる淡く切ないストーリーは、後の「街の灯」にも劣らないほどの隠れた名作と言えるでしょう。 片思いのエドナに捨てられてしまった花をごみ箱から拾い大切に抱き抱える姿や、もう一人のチャーリーが締めているネクタイを寂しそうに見つめる眼差しなどは、ドタバタや格闘シーンが大半の中で一段と輝いていたシーンです。 夢に出てきた出来事も、上手くハッピーエンドになったところで現実に戻ったりと、作品自体にペーソス感がよく出ていて「街の灯」の源流をこの映画で見た気がして、とても嬉しかったです。★通算400レビュー★ [映画館(字幕)] 8点(2012-11-04 15:53:03) |
144. チャップリンの女装
《ネタバレ》 かくれんぼをして遊んでいた男を池まで連れて来たところで、これはいつものパターンだなと思って油断していたら、いきなり背負い投げを繰り出してビックリ!しかも、一人目を突き飛ばすところからの長回しということもあって、2度ビックリなシーンです。 チャップリンが女装をするシーンでは、スカートのホックを外す時に正面からマネキンの腰に手を回して外していたのがちょっとヤラシかったですね。 やはり女装をしてもチャップリンはチャップリンで、仕草は女性らしさを出してはいるものの、人をおちょくったりからかってみたりというアクションは健在。 にしてもこのオヤジ、オープニングで奥さんをベンチにほったらかしにしてエドナについて行っちゃうし、女装したチャップリンにも抱きついちゃうし、このオヤジも相当女癖悪そう。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-30 00:58:24) |
145. 流砂
《ネタバレ》 オープニング、カウンターで3人並んで食事をしていると美女が店内へ。彼らの後ろをスッと通り過ぎると同時にBGMが流れてくる。 3人揃って後ろを振り返ったところで、こりゃコッテコテのコメディだなと思ったのですが、2000ドルの毛皮のコートを見せびらかしている所やゲーセンに盗みに入った時にミュージックボックス(?)が鳴り響いてしまったシーンなど、コッテコテではないにしろコメディの雰囲気が随所に出ていたのは良かったと思いました。 主人公のダンを演じていたミッキー・ルーニーという人は初めて見ましたが、ストーリーの中でドジを踏んだり周りに振り回されたりとコメディ色を出していた一方で、ピーター・ローレと絡むシーンやメキシコに逃亡するまでの一連のシークエンスなどサスペンスの味付けも抜かりがなかったりするところに一流の役者振りを感じることができましたし、また女優2人や整備工場の社長など脇を固める助演陣も好演だったと思います。 雪だるま式に事が大きくなっていくことを向こうではクイックサンドと言うのかわかりませんが、教訓として心にとどめておきたい映画でしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-28 18:33:43) |
146. アルコール先生 海水浴の巻
《ネタバレ》 これは完全に邦題で損をしているパターン。だって、海水浴してないし。 それどころか、帽子が風で飛ばされて取り合いをしているシーンのあの舞台のショボさが気になってしまいました。 ストーリーも、チャップリンがいつものごとく相手に絡んでいってるうちに他人を巻き込んだりというキーストン時代からのお決まりのパターンで、いい加減飽きてきた感じ。 途中、逆光にもかかわらず無理矢理撮っていたシーンがあったし、ラストも全員勢揃いでひっくり返って大団円・・・って、ちょっとアイディア不足であったような気がしました。 [映画館(字幕)] 5点(2012-10-23 00:23:03) |
147. チャップリンのお仕事
《ネタバレ》 前半のリヤカーを引く一連のシーンが色んな工夫が凝らしてあって面白いです。 ショートカットしろと言われ線路を横切る時、異様な速さでスルスルっと通り抜けていたのはフレームの外から紐で引っ張っていたか、または撮る時にゆっくり電車を動かしておいて再生時に早回しをしたか、はたまた逆回しか、などといくつかの推測が可能だと思います。 また坂道を登るシーンもカメラを傾けて撮ったと思われますが、真横から撮らずに斜めから撮ったり、チャップリンが宙に浮いた瞬間にフレームの左外側から引っ張ったりといったトリックが織り交ぜられているのが興味深いところです。 後半は、いつものドタバタ劇で特に目新しいところは見いだせず、ペンキや糊で部屋の中がメチャメチャになっていたのはちょっといただけないかなぁと。 ガスコンロは何回爆発すれば気が済むんだ?って感じですしオチも微妙でしたが、チャップリンの創意工夫が見られるのはやっぱり楽しいですね。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-23 00:02:18) |
148. チャップリンの失恋
《ネタバレ》 おそらく、チャップリン映画史上初のメロドラマなのでは。チャップリンの後ろ姿で幕を閉じるラストシーンは久しぶりに見た気がします。 それだけでなく、画面上のチャップリンも以前は全身のフルショットが大半で小さく映っていたシーンが多かったのですが、1915年のエッサネイ社移籍後はバストショットでの彼がふんだんに出て表情まではっきりと読み取れることが多くなったように思えますし、敵の倒し方も後ろからケツを蹴ったりラリアットを見舞うくらいしか手がなかったところに、今回は相手の正面から突っ込んでいったりと新たな技が加わったように思えました(笑)。 ストーリーの途中、農作業のシーンが若干長くとられ少々寄り道が過ぎたような感じになってしまったのと、エドナのフィアンセが突然現れたのが余り良くなかったと思いますが、卵を籠一杯に抱えているシーンなんかは幸せな雰囲気がとてもよく出ていて、こういった描写も一皮剥けたチャップリンを感じる事が出来て良いですね。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-21 03:24:47) |
149. チャップリンの駆け落ち
《ネタバレ》 いつもは荒々しい食事のシーンばかりのチャップリン。今回は珍しく上品に食事をしている・・・と思いきや、やっぱり変なことやっていて可笑しい。 見どころは後半のカーチェイスのシーンだと思いますが、固定カメラで撮っているシーンや走っている車を真横から撮ったシーンの他にチャップリンの乗った車を前から撮影し後ろから追いかけてくる車も一緒に映るように撮ったショットなど、撮り方のバリエーションがいろいろと出てきたなぁという印象。 最初車に乗ったとき、エドナからチャップリンに運転を代わったので、オイオイ大丈夫かよ?とか思いながら見ていたのですが、意外と普通に運転していましたね。 途中で車を止めて道に落ちているレンガを拾っていましたが、チャップリン映画って本当にちょうど良いタイミングで上手い具合にレンガが落ちていますし、どう見ても届かなそうな距離なのにテキトーに投げてもちゃんと相手に命中しちゃう。まぁ、コメディだからいいんだけど。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-20 23:09:19) |
150. アルコール先生 公園の巻
《ネタバレ》 冒頭のスリとのワンシーンがアホらしくて笑っちゃう。 舞台は言うまでもなく公園。人ごみに紛れているわけでもなく、1対1であんなに堂々とスリをする方もする方だし、される方もされる方で、余りの馬鹿馬鹿しさに妙にウケてしまいました。 その後でまた同じ人が出てきますが、チャップリンが杖の先で取った水筒みたいなのは何だったんろう。水筒もらってそんなに喜ぶかなぁとか思いながら見ていましたが・・・。 終盤で水辺のシーンになると、これはもうほぼ100%誰かが落ちるんだろうなということが予測できてしまうのですが、自殺志願者がお尻を突き出して蹴られるのを待っているっていうのもこれまた馬鹿っぽい。 この頃のエドナはちょっとぽっちゃりしていましたが、それはそれでまた可愛くて良いです。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-20 22:22:12) |
151. 多忙な一日(つらあて)
《ネタバレ》 最初出て来た時はただの女の人かと思っていたら少しずつ挙動が荒くなってきて、チャップリンが女装をしている事に気づくまでちょっと時間がかかりました。 映画の内容は、女装したチャップリンが他人にちょっかい出したりしながら乱闘に発展していくといういつもながらの展開。 どこが「多忙な一日」なのかはわかりませんが、喧嘩して海に落っこちておしまいという、それだけの映画という気がします。 海に落ちる直前もチャップリンの背後を映したりして、落ちることが予測できてしまうようなカメラワークだったことも減点対象。 まぁ、「自動車競走の巻」も「身替り運転」への布石ような位置付けの作品だったこともあり、この映画もきっと何かの作品へのステップのようなものとして撮ったのかもしれない・・・と思いたいです。 序盤で、カメラを手で回しているシーンが見れたことが唯一の見どころ。 [映画館(字幕)] 4点(2012-10-18 22:19:25) |
152. にわか雨
《ネタバレ》 これはちゃんとストーリーがよく練られ流れが出来ていて良いです。 ギャグシーンは、公園のカップルにちょっかい出したり、部屋を間違えたりといったお馴染みのギャグがほとんどですが、一発ギャグの寄せ集めで繋いでいくのではなく、ストーリーの中で生まれるギャグって感じ。 階段を滑り降りるシーンを見るに、1914年の時点で早くもチャップリンの身体能力の高さを垣間見ることができます(笑)。 夢遊病者の行動に振り回されたりするのも面白いですが、ちょうど良いタイミングで目を覚ますのもお約束のパターンでしょう。 よくよく考えたら、映画の中のチャップリンって食いもん投げたりとか靴食ったりとか、夢遊病者みたいな事ばかりやってるよなぁ~ [映画館(字幕)] 6点(2012-10-18 00:15:05) |
153. 恋の20分間
《ネタバレ》 う~ん・・・ちょっとアイディアに欠ける感じはあったかなと。 ベンチでイチャついてるカップルの邪魔をする一連のコメディシークエンスは、本題に入る前の序章的な位置づけで出てくるのなら結構ですが、結局それのみで終わってしまう。 後から出てくるカップルとも同じようなパターンで、こっちでもチャップリンと一悶着。 恋敵も警察もまとめて池に落として女をゲット・・・って、ちょっと締め方も弱い。 他のアイディアと組み合わせるとかして、もう少し話を広げた方が良かったと思いました。 [映画館(字幕)] 5点(2012-10-16 21:35:39) |
154. メーベルの身替り運転
《ネタバレ》 オープニングのワンショット。バイクに乗るチャップリンを後ろから捉えるカメラにちょっとした斬新さを感じます。 このころの映画はカメラを固定させて撮ったショットが大半を占めているので、フィックスにはフィックスの良さがあるものの、オープニングに力を入れた感じが伝わってきます。 さて、本作のチャップリンはいつもと様子が違う。よく見ると身なりもいつもと違っていて、どことなくワルの様相。 女に石は投げるわ、タイヤに穴は開けるわ、道にオイル撒くわで完全に悪役になりきっています。 爆弾を投げてレースの妨害をしたりしていましたが、最後は自分で投げた爆弾にひっくり返って悪役らしい終わり方。 一方のメーベルの方は普通にハッピーエンドで、ちょっとひねりが足りないかなぁという気がしますが、悪役のチャップリンが見れたのと自動車レースのアクションを撮った意欲は買いたいと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-16 00:15:15) |
155. 幻燈会
《ネタバレ》 映画前半の朝起きて食事をするところやテニスのシーンなどは特に面白いところは見当たらないのですが、後半からがこの映画のメインでしょう。 子供が遊び半分で撮った写真をスクリーンに映していると下宿の女将さんとイチャついている写真が出てきたりして、子供が大爆笑している傍らで観客が乱闘騒ぎになってしまうというアイディア一発で作った映画でしょう。 庭で子供が、そう言えば何か変な箱を持って遊んでるなぁと思ってみていたら、これが伏線だったという事。 初歩的でありながらも、伏線を張ってそれを回収するというストーリー構成がこの時代の映画にも行われていて、それが見られたのは貴重であり、良かったと思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-15 00:59:52) |
156. 暗黒街の弾痕(1937)
《ネタバレ》 ヘンリー・フォンダ扮するエディーが好演。なんですが、何故ジョーンが彼に惚れたのかが不明のままで、しかもストーリーの途中で運送屋のボスに暴力を振ったりというシーンが出てきていましたし、おまけに過去に2回も刑務所に入っていたと言うから、その謎は最後まで解消されないままでした。二人の背景が曖昧だから、例えて言うならば、根をちゃんと張っていないまま伸びてしまった木のような印象で、ストーリーに深みが感じられませんでした。 愛し合う過程が描かれない映画はよく観ますが、ストーリーに入っていける映画とそうでない映画とがあり、違いはどんなところにあるのか?これはよくわかりません。 ただ、映像的には確かに格好良いところがいくつかあって、鉄格子の影の造形とか電報の見せ方などは印象に残るものがありました。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-13 22:21:43) |
157. チャンピオン(1949)
《ネタバレ》 映画序盤のウエイトレスの女とのラブシーンが綺麗だったので、撮影は誰かと調べてみたらフランツ・プラナーという「ローマの休日」や「大いなる西部」を撮った人だと知って、流石だなぁと思いました。 特にシルエットのキスシーンが芸術的に美しく彼女との愛に“本物”を感じたのですが、中盤に差し掛かった頃になると幾度となく他の女に目移りしてしまっていて、マネージャーを乗り替えたり兄貴と喧嘩したりといったストーリー上の展開はもちろん、映像における象徴的なシーンを裏切るところからも、カーク・ダグラス演じるリッジの人となりが伺えると思いますし、またそういったシーンを敢えて作ることで映像面においても落差を出すように描いた監督の手腕には脱帽させられます。 全体的なストーリーは、教科書通り一人の単純男のサクセスストーリーで、こいつならここで乗り替えるだろうなとか、試合にも勝っちゃうんだろうなとか、電報の内容が母親の病気か何かだろうなとか、特に大きなサプライズもないままエンディングに向かうのですが、最後に劣勢だった試合を逆転して勝ってしまったり、試合後に倒れてしまったりという軽いどんでん返しが2回あったのが良かったと思いますが、逆に、序盤辺りの会話で殴り殺してしまうかもとかいう話が出てきていたので、兄貴がラストで死んでしまうことで伏線の回収をするのかと思っていたらそうではなかったのですが、トータル的には楽しんで観ることができたと思います。 ボクシングの映画ではなくあくまで人間ドラマを描いた映画なので、素人からチャンピオンになるまでのトレーニングなどが程よく端折られていたのも良かったですし、それでいて、リング上ではしっかりと迫力のあるボクシングのシーンが描かれていて、ツボを心得ているなぁと思いました。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-03 22:06:58) |
158. 都会の牙(1950)
《ネタバレ》 映画の後半辺りからストーリーが難しくなってきていて把握できない部分があったので本来ならばレビューは控えるところなのですが、どうしても書きたい事があったので書かせて頂くとすると、 休暇を取ってLAに行きホテルにチェックインした時のポワヮ~~~ンっていう音が物凄~く気になってしまい、その後で部屋に入ってからも2,3度聞こえてきたりして、あの音が鳴るたびに笑いを堪えながら観ていました。たぶん、何かの楽器の音だろうとは思うのですが、あの音は一体どのような意図で出したのだろうかと考えれば考えるほど気になってしまって夜も眠れないほどです。 それと、もう一つ気になったのが医者の無神経な態度。「お前は殺されたのだ」って、オイオイ・・・いくら重い病気でも少しは言い方ってもんがあるだろと思い、「お前は既に死んでいる」みたいな言い方をする医者がどこにいるんだとツッコミたくなってしまったりして、アメリカの医者って皆こんな言い方するんだろうかと疑問が出てきます。 看護婦がビグロウの背後でオロオロしながら書類を机に置いて行ったり、医者に病状を伝えられ売店の前に来ると待ち合わせでやって来た女性が恋人に手を振って抱擁するということが目の前で行われていたりといったワザとらしさ全開の演出なども出てきたりして、いろいろなところで無駄に誇張された箇所が見受けられたと思います。 また、音の話に戻りますが、扉がバタンと閉まった瞬間にジャジャ~ンと鳴ったりする演出も古臭い感じがしました。 [映画館(字幕)] 6点(2012-10-01 01:28:11) |
159. 他人の外套
《ネタバレ》 この頃のチャップリンにしては珍しく、しっかりとストーリーが練られていて最後まで楽しく観れました。 他人を巻き込んでのドタバタはよく出てきますが、特に夫婦喧嘩というのは普通にやっていても余計に激しくやっているように見えてしまいます。 しかも、ダブルでやっているもんだから激しさも2倍! 中年夫婦の方も奥さんが強そうで好演でしたし、チャップリンの奥さんが背後で腕まくりをして筋肉モリモリってポーズをとっているシーンに笑いと戦慄を覚えます。 中年のおじさんが子供を抱きかかえて戻ってきた時に奥さんが卒倒してしまうシーンに大爆笑。 最後は、チャップリン夫婦の方は無事に外套が戻ってきてハッピーエンドでしたが、中年夫婦の方はまた新たな火種が舞い込んできたりして、普通は双方互いにハッピーエンドで締めくくられますが、これはこれでまた良いエンディングですね。 [映画館(字幕)] 7点(2012-09-30 12:30:36) |
160. アルコール先生 原始時代の巻
《ネタバレ》 現代のチャップリンの寝ているベンチがヘタっているのと夢の中とで関連していないのが良くないんじゃないかな?帽子をかぶっていたりパイプをふかしていても夢の中だし、そこはご愛嬌。 女の奪い合いとその中の一人のヒロイン役とのやりとりがメインのストーリーでしたが、やや面白さに欠けていたのが致命的で、弓矢や石斧を使ったアクションも弱いし、オチもイマイチ。キートンなら大勢の女に追いかけられたりしただろうし、などと考えるとどうしてもこのくらいの点数になってしまいます。 [映画館(字幕)] 5点(2012-09-30 02:23:54) |