1601. 60セカンズ
《ネタバレ》 日本の車は1台も盗んでもらえないのね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-07 22:35:10) |
1602. 波の塔
なんと半世紀も前から不倫をやっていた津川雅彦、はどうでも良くって、有馬稲子の映画ですね。髪をあげて暗い顔をした和服姿はあまり似合うと思わなかったが、何度か見せた切ないまなざしには背筋がゾクゾクした。あれには、ほとんどの男はイチコロじゃなかろうか。個人的には、それ以外は観るところが無かったです。このサイトのレビューでは出来るだけ使わないようにしている形容だけど、典型的な「テレビで充分」な映画。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-03-01 21:06:45) |
1603. 旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ
ベテラン男優のオンパレードだけど、イマイチ盛り上がりに欠ける作品でした。ブツ切りのエピソードの連続という感じで流れがよろしくない。動物たちの描写は活き活きしていているのだけど、それが却って役者さんたちの芝居を分断している印象です。西田敏行のこういう役どころにも少し飽きました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-27 00:44:38) |
1604. キューティ・ブロンド/ハッピーMAX
《ネタバレ》 こちらも第一作に続きエルが奮闘していた。二作目のジンクスを打破するために話をスケールアップさせようとした努力は伺えるが、やはり苦しい出来映え。ご都合主義を批判するのであれば、第一作も同レベルに都合が良い話。何が違うかというと、物語を通してエルが「獲得するもの」の違いだろう。今作でも法案を作り、可愛い動物を救い、幸せな結婚をして、と持ち前のポジティブさと機転と運で多くのものを得ているが、前作では「スタイル」「誇り」「人生の意味」といった、彼女にとってもっと根源的な価値を持つものを獲得していたと思う。「ロッキー」シリーズの1作目と2作目の関係が、そのまま当てはまるような印象だった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-02-11 21:04:48) |
1605. 無法松の一生(1958)
《ネタバレ》 「無法松」というからには、もっと無茶苦茶な男を想像していたんだけど、大きく予想に反しました。あの程度の乱暴は現在の視点なら「合法」でしょう。一途で義理堅く子供好きな男の健気な生き様でした。自分の恋心を切り出せずに、その純情を墓まで持って行ったのは、死んだ旦那に対する義理だったのでしょうか。コンセプトが一貫している生き方は潔く美しいと思います。でも、自分は観賞後にすっきりしないものがまとわりつきました。というか、映画自体が面白く感じられなかった。それは主人公の「一生」が最も大切なものを我慢していたからだと思います。我慢を美徳とする精神があるならば、それは間違いも内包していると思います。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-09 03:28:32) |
1606. 砂の器
《ネタバレ》 う~ん、私はイマイチでした。事件の痕跡から犯人を追って行くサスペンスとして、現代的な視点では粗が目立ちますが、細かい突っ込みどころは許容できても、根幹となる部分に頷けない。それは殺人の動機です。父親に会えと言われただけで、人を殺すとはどうしても思えない。「今は忙しいけど、落ち着いたらこっそり会いに行きます」で事は済むはず。また、ハンセン病が偏見を持たれていることくらいは緒形拳も解っているはずで、社会的に注目を浴びる立場の加藤剛に、引きずってでも親父に会わせるなどと言う訳がないのだ。この伝染病に対する偏見によって地位を失う恐れから、出生を知る男を殺したという展開は訴求点が明確になるけれど、当事者たちの心理を冷静に考察すればステレオタイプなご都合主義に落としたと言わざるを得ない。松本清張の小説の多くは、事件の背後にある社会問題をテーマにしていますが、その問題をあぶり出すことに偏重するあまり、事件の動機を安直に社会問題に帰結させる作品も見受けます。先日観た「ゼロの焦点(1961)」も同様でしたが、今作はそれを顕著に感じました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-09 03:01:16)(良:2票) |
1607. 逆境ナイン
《ネタバレ》 冒頭で校長役の藤岡弘が「勝てもしないクラブ活動など、やらん方がマシだ」と真顔で言います。あぁ、島本マンガの精神だ、と嬉しくて身震いしました。これは島本和彦のマンガを忠実に映像化したらどんなものになるか、という映画でした。結論を先に言ってしまうと、映画はちょっと苦しかった。頑張って島本テイストを映像に定着させようとしているし、かなりのレベルで達成している。鑑賞中は何度も声を出して笑いました。でも、やや間延びした展開やすべっている表現などもあり、彼の本領はマンガでこそ最も活きるということを再認識した印象でした。自分の基準に照らすとこの点数なんだけど、大きな不満は無いです。藤岡弘や堀北真希のキャスティングはとてもナイスだし、極めつけは透明ランナーでしょう。この言葉、30年ぶりくらいに聞きましたよ。話は逸れますが、私がこの映画を観たのも遅かったけれど、島本和彦のマンガを映画にすること自体が遅かったと思うのね。だってこのテイスト、80年代前半のデビュー作「炎の転校生」から変わっていない。私の知る限り、彼はその作品で「熱血」を初めてパロディにした人で、当時は新しいジャンルだった。マンガ表現が現在のように多様に枝分かれする前に映画化されていたら、もっと衝撃的だったと思う。理解されなかったかも知れないが…(笑)。エンディングの岡村孝子は最近観た映画の中では、最も心に染みたテーマソングでした。一途な感じが島本作品に似合うんですね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-06 21:40:51) |
1608. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
壮大なお話を壮大に描こうとしたのね、という以外に特に感想はありません。そうですか、って頷きました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-02-06 15:09:34) |
1609. ゼロの焦点(1961)
《ネタバレ》 う~ん、いくつか腑に落ちないことがあって映画全体の印象があやふやです。憲一は、内縁関係の久子に終始偽名を使っていた。職場に関しても偽っていたようなので、結婚が契機にならずとも、いずれは久子の前から消えるつもりでいたのだろう。だとしたら、無理矢理な偽装自殺なんて計画しなくても、失踪するだけで事が足りたのではないだろうか。久子に憲一を捜し当てる手段は無いと思います。それ以前に、普通に「別れたい」で済むと思うのだが、優柔不断でそれが言えなかったのなら、内縁関係を維持したまま東京で結婚式を挙げるような大胆さも無いはずで、謎解きのキーポイントとなる憲一の二重生活に違和感が残ります。「ぱんぱん」という過去を持つ女性たちの社会的ポジションを悲劇の背景として見せたかったはずだけど、自分には憲一の特殊で不可解な行動に意識が収束して、テーマが希薄に感じられました。佐和子にしても「ぱんぱん」の過去を知られただけで人を殺すことに違和感を覚えましたよ。具体的に強請られるようなシーンは無かったものね。久子の健気さには、演じる有馬稲子の可愛さも手伝ってホロっとしましたが…。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-06 05:19:09)(良:1票) |
1610. 幕末
坂本竜馬のお話だけど、話がはしょってあって多少なりとも知識がある者には食い足りなさが残る内容でした。というより、この人の物語をファンが納得するかたちで2時間に収めるのは無理があると思いますね。皆さん仰るように、錦之助の竜馬はちょっと苦しかった。やはり武蔵とか拝一刀のイメージが強く、剣を握らせ時の迫力で売ってる人という印象でした。吉永小百合のおりょうさんのお歯黒にはびっくりしました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-30 21:35:44) |
1611. 竜馬暗殺
《ネタバレ》 坂本竜馬の捉え方として、当時としては過去にない解釈をしていたのでしょう。そのあたり、いかにもATG映画という印象で、活動写真のようなコントラストの強いモノクロ画面も含めて実験映画的な趣きもあり、なんだか危険な匂いが漂っていました。今作の竜馬像のコンセプトはおそらく「カッコ悪い」。まず隠れ家を引っ越すところから始まるのだけど、その姿がフンドシ丸見え。覗き好きで女好き。ときどき自身の政治観も語っていましたが、基本は女といちゃつき、中岡慎太郎とじゃれあっていました。当時の竜馬像は維新回天の立役者以外に無かったはずだけど、それを破壊するところから始めている。ご立派な正義漢や革命家という描写より、怠慢も性欲もある青年として竜馬像を見直そうという試み。それがたとえカッコ悪くとも、これこそが肉体を持った竜馬という主張でしょう。その意気込みは理解するし、ATG映画らしい過激な語り口で構築された竜馬像は面白かった。ただ、今作の竜馬があのキャラクターのままで薩長同盟を成立させたのかというと疑問符も付きます。特に倒幕後に薩長に対してゲリラ戦を仕掛けると言わせたのもどうかと思う。大政奉還を成し遂げたとされる竜馬の真意が瓦解する発言でしょう。自分は司馬遼太郎「竜馬がゆく」を何度も読み返した保守派の竜馬ファン(笑)なもので、この竜馬像をそのまま受け入れるのはちょっとツライ。今年のNHK大河はなかなか良い出来映えだと思います。これも保守派の意見ですが…。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-27 01:27:30) |
1612. 感染列島
とても怖い内容だったけど、現実世界に生きる自分が同じ状況に直面するような危機感は感じませんでした。どこか他人事に思えるのは、映画として一部の登場人物の情感に寄り過ぎているからかな。主人公の周辺だけで局地戦をやっているような印象でした。自分は元々、世間が新型インフルエンザにナーバスになり過ぎているという意見を持っていることもありますが…。街頭に人がいなくなるほど停滞した社会という描写も唐突すぎた感があります。癌やウィルスというもの存在意義に言及していた藤竜也の言葉は耳に残りました。宿主を殺す癌やウイルスの存在意義って、本当に何なのでしょう? [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-26 02:33:00) |
1613. わるいやつら
片岡孝夫が演じる病院の二代目院長がとにかくお坊ちゃんでした。その犯行のやり口の適当なことと言ったら…。何気なく観ていても、あちらこちらに証拠を残しまくっているのが分かる。「わるいやつら」って云うより「マヌケな奴」とか「バカな奴」って映画じゃないの、と終盤近くまでは思っていました。でも、一応どんでん返しがありましたね。わるいやつは院長だけじゃなかった。あの院長には「坊やだからさ…」という有名な台詞が似合いますね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-21 16:55:49) |
1614. 姑獲鳥の夏
実相寺監督らしい凝った映像ですが、その映像自体の印象が強く、肝心のストーリーにおける謎がいまひとつ浮き上がってこない。映像の向こう側に隠れてしまっている印象。結果として謎解きもパッとしない。ちょっと空回り感、ありました。この監督の味である絵作りが悪い方向に作用していると思います。原田知世さんは、久しぶりに奇麗だなぁと見惚れました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-21 16:32:15) |
1615. 海の若大将
《ネタバレ》 シリーズを順番に観ていますが、この5作目にしてマンネリとかご都合主義とは違った意味で、初めて手抜きを感じました。主人公が大学で世話を焼いてくれる藤山陽子には見向きもしない(勿体ない!)のに、星由里子には無条件に好意を持つあたりに違和感があります。毎作、家族以外の人間関係はリセットされているんだから、多少は恋愛感情が起こる必然を見せて貰わないと…。お馴染みのスポーツで盛り上げるラストにも、登場人物たちの想いが主人公に伝わって奮起するような必然が無い。ろくに練習もしていないので、あれじゃ素質だけで勝負している印象です。そんなストーリーのためか、星由里子にも魅力を感じなかった。スピード違反を犯してまで彼女を水泳大会の会場に送った青大将が警察に連行される際の「行ってらっしゃい」はギャグに聞こえない。自分勝手な冷たい女です。ヒロインにそんなことを感じさせるのが致命的なミスですね。思わず辛口になりましたが、妹役の中真千子が奇麗になってきたなぁとか、江口役が二瓶正也から江原達怡に戻ったなぁとか、シリーズなりの楽しみ方もあるのは確かです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-17 12:31:08) |
1616. のだめカンタービレ最終楽章 前編
《ネタバレ》 原作は最終巻まで既読。TVシリーズは歯抜けで観ていて、ヨーロッパ編のテレビ特版も観ました。原作の通りに話が進むとしたら、今作の主役は千秋であって、のだめはほとんど出番なしだろうと思っていたらその通りでした。よく、この内容ならテレビで充分、という批評を見かけますが結果から言うとそれが当てはまります。せっかく映画なんだから、テレビとは何か違うことをやってくれるかな~と、少し期待していたんだけど、想定範囲内でした。TVシリーズが完成された演出のエッセンスを持ち、千秋ものだめもそれに合わせた芝居の型が出来てしまっている為に変える訳にいかない。TVの出来の良さが足枷になっている印象です。さらに、この前編のストーリーの本筋に絡んでこないのだめは、変態描写だけが先行するただのコメディアンで、本来のキャラクターが持つ繊細さや鋭さは出番が無かった。せっかく映画のスクリーンに映っている上野樹里に、もう少し真っ当な演技機会をあげたかったですね。いや、あの変態芝居も頑張ってるのは分かるんだけど…。この物語が語ってきた音楽観が集約する後編には、のだめの心理描写が重要なファクターになって来るはず。期待しています。 [映画館(邦画)] 4点(2010-01-06 01:26:09) |
1617. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 随分とノリの軽いタイムパラドックスもので、マジにパラドックスの中味を吟味するような気にならないコメディです。舞台劇として書かれた脚本をそのまま転用したようで、映画としては会話の突っ込み方やテンポがわざとらしく、自分には違和感が先行しました。暑苦しいバカ学生たちの中で、上野樹里がとても可愛かったの救いでした。ガンダムのBGMは何だか嬉しかったなぁ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-12-20 15:25:42) |
1618. 美女と液体人間
《ネタバレ》 核兵器実験による放射能を浴びたことが原因で、液体に変身した漁船の乗組員が東京でパニックを引き起こす映画。この映画の数年前に製作された「ゴジラ」は放射能が生んだ怪獣とされ、自分が子供の頃などは「放射能」という言葉が禍々しい突然変異を生み出す代名詞になっていたような気がする。これ、核兵器=放射能=人や動物の変身、といういう図式で誤った科学知識を市井に吹き込んでいたと言えなくもない。そもそも、放射能を浴びる、という言葉が正しくないよね。とはいえ、モチーフは明らかに1954年の第五福竜丸の被爆事件であり、当時としては生々しい題材だっと容易に想像できる。劇中に説明は無いが、液体人間たちが無差別に人を溶かしてゆくところには人としての意思が感じられないが、そんな彼らが東京に現れたことは故国への郷愁が本能として備わっていたからと解釈できる。地下水道で炎に焼かれて立ち尽くす液体人間たちには、安堵感よりも悲哀感が先行しました。怪獣が出ない東宝の特撮ものとしては「透明人間」に次いで2作目の作品で、シナリオの練られ方などがまだまだ稚拙であるが、人間の変身ものでは初のオリジナル。日本の特撮史的には意義のある作品でしょう。良いものは必ず使いまわす円谷プロは「ウルトラQ」の「2020年の挑戦」でも人を消し去る液体を扱っており、この映画での表現が活かされています。不気味な余韻を残す「ウルトラQ」のナレーションも、この映画から引き継がれて行ったことを知りました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-12-15 23:01:16) |
1619. ガチ☆ボーイ
《ネタバレ》 毎朝、日記を読んで我が身に起こっていることを知る。もし自分が同じ立場になったら、その事象を受け入れるだけで1日が終わる。そうなったら、翌日も同じことを繰り返すはず。時間は止まる。彼がプロレスに対する愛着から一歩を踏み出したとしたらそれは凄いことだけど、ゼロの記憶力を日記の記述で補うには限界があるはず。こんな病気が本当にあるかどうかは知らないが、どうもこの映画は障害の本質を曖昧に流しながら都合よくストーリーを作っている気がしてならない。観賞後に彼の毎日と将来をかなり真剣に考えたんだけど、明るい要素が見つからなかった。映画自体の口当たりは悪くないけど、これには感動なんて出来ない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-12-10 21:46:10)(良:2票) |
1620. 007/消されたライセンス
《ネタバレ》 組織の人間ではなく、個人として麻薬王を追うボンド。それは、逮捕するという目的ではなく殺すためだ。つまり、暗殺者である。ためらいなく暗殺者になれるのは、人を殺すことに慣れているから。彼はそこに疑問を覚えず突き進む。良くも悪くも、ボンドとはそういう人だということを改めて示している作品でした。007映画に倫理観を求めるものじゃないのだろうが、大義なく人を殺すのは後味悪かった。あの足を失った友人の立ち直りの早さも、その思いを強くした。若かりし頃のデル・トロが出ていますが、さすがの存在感でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-12-01 21:45:41) |