Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧。83ページ目
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1641.  レミーのおいしいレストラン 《ネタバレ》 
ピクサー作品はCG臭さを感じさせない努力なんてものはもはや当り前の事で、ポイントはそこからもっと先、どれだけ独自の世界を組み上げてゆくか、というところにあるような感じがします(世のCGは実写との合成まで含めてCG臭いモノが殆どだったりするのですが)。今回の『レミー』に感じたのは、昔のファミリー向け実写映画の匂い。もちろん、ディズニーも含めて。そう言えば、最近こういう味わいの映画ってなかったなぁ、と懐かしさに浸りました。もしかするとディズニーの正統な流れを汲んでいるのはピクサーなのかもしれません。映画はネズミ達が大挙して作った料理を果たして食べたいと思えるのか?という大きなひっかかりを感じて(そこに今日の誰が作ったかも判らない食品に対する疑念や、偏見や差別に対して試されていたりとかの意図があったにしても)、ラストにしても共存ではなく棲み分けという形に落ち着いている点で、問題を投げかけた、でも回収はしていないという感じがしないでもありませんでした。また、物語上、実は頭数揃えるためだけに必要だったキャラ達に対して、意味ありげに多くの設定と描写をし過ぎているために、「クライマックス前であっさり退場」に違和感を抱いてしまったり。でも、そんな部分をマイナスしても、ピクサーの安定した水準で提供される娯楽は存分に楽しめました。ピクサーはモーションや表情がちょうどいい心地良さなんですよね。マリオネットががちゃがちゃ動いてるような硬さも、アメリカのトゥーンにありがちな極端な表情の付け方もなくて。デザインもクセがあるのになじめます、って感じですし。ピクサーのセンスの前では、毎回細かい事なんてどうでもよくなっちゃうなぁ。
[映画館(字幕)] 8点(2007-08-19 18:19:42)(良:1票)
1642.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 
原恵一作品という事でどうしても期待してしまいますが、良くも悪くもマトモな佳作アニメ止まりでした。前半の、上原家内や康一の生活範囲内だけで描かれる世界は楽しく弾んでいてちょっとした描写にまで凝っていて感心するものの、マスコミが絡み始めてからの展開になると、どんどんと作画は崩れるし、演出の間が悪くなってゆくし、展開が間延びするしで、雑な印象になってしまうのが残念です。物語の構造が80年代に濫造された『E.T.』フォーマットものの枠内に納まってしまっているのも意外性に欠けてしまいますし。それに多分、今回も宮崎アニメや『クレしん』映画と同様、脚本なしでコンテから直接作業に入っているのではないかと思われますが、進行がいびつになってしまっている気がして、見る前に2時間18分って大丈夫な尺なのかなぁ?と思ったのですが、結局のところやはり大丈夫じゃなかったなぁ、と。あと20分削れたでしょう。後半の演出の間の悪さと、デザインも描き方も違う作品なのに『クレしん』的作画になってしまう状態に、ああ、途中で力尽きたんだなぁ、みたいな。疎外されてゆくものの気持ちを大切に描いていた筈なのに、最後の方でキャラに唐突にテーマとして喋らせてしまったり、自然を大切にしてない人間がいかん!と説教臭くなってしまうのもどうかと(そもそもエコロジー映画は資源を大量消費して成立するアニメーション映画という形式との矛盾を抱えてるのですよね・・・)。でもクゥは可愛かったし、ワクワクできたし面白かったしで、期待したほどではないけれど・・・という感じかな。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-05 17:30:21)(良:2票)
1643.  チルソクの夏 《ネタバレ》 
ぎゃー! 私はこの映画のコ達と同じ時代の世代なワケですが、いくらナンでもここまでアレじゃないですよぅ。あれじゃ中学生だ・・・。それにしてもすっごい古臭いセンス。「ロミオとジュリエット」をまんま引用しちゃったり、海に向って「バカヤロー!」って叫んだり、友達が歌いながら登場したり。舞台になった70年代だったら通用するか、っていうとその頃でも古臭いであろう、ある種永遠の古臭さ。そもそも脚本がエピソードを盛り上げるための刹那的な作りになっていて呆れます。メイン4人が、友達同士だっていうのに、画面上の時間が全てみたいな会話をしてるし(例えば1ヶ月経過してて、その間一切の会話がなかったとしか思えない状態だったり)、夜の9時から花火大会が始まったり、何故かわざわざ見送りに間に合わないタイミングで飛び出したり(脱走するくらいならさっさと最初から行ってればいいワケで)。韓国と日本の間にある問題は、単なる障害物みたいな扱いだし、とにかくもーセンスのなさ加減にぐったり。でも私にとって最大の問題はこの監督が現在撮影中の「夕凪の街 桜の国」ですね。奇跡のようなマンガだけに、映像化しないのがいちばん正しい選択だって思ってる原作が、この映画と同じセンスで映画化されちゃったら、もー泣くに泣けないですよ・・・。
[DVD(邦画)] 3点(2007-08-05 17:07:41)(良:1票)
1644.  夕凪の街 桜の国 《ネタバレ》 
映画化して欲しくなかったマンガですが、映画になった以上は前向きに、なるべく多くの人に見て貰いたい物語だよね、と思っていたものの・・・実際に見たら、この映画を見るくらいなら原作買って読みなさい!と強く言いたい状態になってしまいました。この監督や脚本家や作曲家は、あの原作を読んで、そんなにもクサ~い感傷たっぷりのイメージしか湧いてこなかったんでしょうかねぇ? 原作が大切に大切に描いていた事を、この映画は無神経に破壊しまくります。反核をこんなにも声高に叫んだりはしてないでしょ? さりげなく描かれていた事柄をどうだ!と言わんばかりに大袈裟に取り上げてますし(髪飾りが最たるものですし、旭が打越に会うシーンなんて、読んでて気付かない人は気付かないままでいいという描き方だったのに)、あえて被爆者をシンボリックに描いていたのに、直接写真を見せてしまったり、重要な「空白」をスルーしてしまったりと散々。物語全体は明るい日常を描いていて、その中にふと闇が射したり人を振り返ってみたり、という原作の構造をまるっきり無視して最初から最後までああ悲しい、ああ感動したと大騒ぎな映画。いや、この監督に決定した時点で嫌な予感はしてたんですが(100人の映画監督がいたら、99番目に相応しい程度の人だし)、この人の余計な反戦意識だとか、どうにもならないクサさだとかがモロに出てしまっていて嫌な予感的中。1つだけ、これだけはどうしても言いたいのは、この物語の中のいちばん重要な部分って「確かにこの二人を選んで生まれて来ようと決めたのだ」のところだと思うんですが、違います? そこがこの映画ではちゃんと重要になってました? やっぱり映画化なんかしなければ良かったのに。
[映画館(邦画)] 3点(2007-07-28 21:14:49)(良:2票)
1645.  ピアノの森 《ネタバレ》 
原作未読です。この人のマンガ好きなんですけど、すーぐ中断しちゃって、下手すると2~3年間が開いて、再開したのはいいけどガラッと絵柄が変わっちゃってて、とかあるから未完な状態じゃ手を出せませんわぁ。さて、これは多分、ほんの序盤のところをアニメ化したのだと思うのですが、最初はなんだか凡庸なアニメという感じでした。作画がちょっと丁寧な(マッドハウスならば当たり前)テレビアニメといった風情で、演出に映画的な空間の描き方、時間の流れ方がない状態で、これはツラいわぁ、と。物語も、海が何故、どういった経緯からあの音を、そしてあのメロディを創造したのかが全く見えず(単に赤ん坊時代からピアノと共にそこに居た、では、音楽のセオリーは決して身に付かないでしょうし)「天才だから」で片付けられてしまっている点で、入り込める要素をスポイルしてしまっている気がします。もっとも、『のだめ』『神童』とピアノマンガはどれも同じ欠点を持っていますが。ところが映画は誉子の唐突な登場によって俄然魅力を放ち、音楽とドラマとが相互に高揚感を持って高まってゆきます。なんだ、誉子をもっと前に出しておけばドラマに幅が出たんじゃん、と。この点、残念ね。メインに声優を使っていないため、少々聴きづらい部分もありましたし、キャラに合ってるかなぁ?と頭をヒネる感じもありましたが、みんな想像以上に上手かったです。最初と最後を綺麗にまとめる事で小さくまとまってしまった感はあるものの、クライマックス以降での広がりに、続きを見たいと思わせてくれました。
[映画館(邦画)] 7点(2007-07-28 20:50:54)(良:1票)
1646.  ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 《ネタバレ》 
まずは、あのダラダラした原作をよくスッキリとまとめたと褒めたいところです。米語版を辞書を片手に読んだので時間がかかったせいもあるのでしょうが、ホグワーツと魔法省の対立、ヴォルデモートの復活という一大事展開のハズが、こんなモンでいいの?と頭ヒネリまくり状態だった原作は、映画化でスリムになる事で楽しめるものになりました。監督生、クィディッチあたりはばっさりカット(ロンかわいそ)、延々ぶちギレハリーやOWLはさらりと、そして出来の悪いロールプレイングゲームみたいだったクライマックスのアンブリッジの部屋~森~魔法省の展開も畳み掛けるような展開でスッキリ。もちろん、毎度の割愛し過ぎ感は今回も健在でしたけど。子供向けな匂いはもはや消え失せ、冒頭からずっとダークな雰囲気に支配されて陰鬱な感じではあるのですが、演出センスはいいです。それゆえクライマックスで皇帝対ヨーダみたいな凡庸なノリになってしまうのが残念。各派の面々の展開もちゃんと見えないままに肝心なシーンまでさらりと流されてしまいますしねぇ。しかしこれだけキャラに愛着が湧いてると、もう何でも許せちゃいそうな気がしないでもないです。原作で魅力的だった新キャラのトンクスとルーナ、トンクスは残念な描かれ方でしたが、ルーナは原作以上に魅力的。今回の映画は原作の欠点を補ってる感もありました。
[映画館(字幕)] 7点(2007-07-14 18:08:27)(良:1票)
1647.  シュレック3 《ネタバレ》 
まあ毎度のシュレックですね。今回もそこそこ。今回は1作目のようなおとぎ話パロディも2作目のような映画パロディも薄めで、どちらかというと物語とキャラ頼りになってる訳ですが、まず物語は盛り上がりに欠けるかなぁ。計画もなく突入して捕まる、というパターンを1作の映画の中で3度も繰り返すのはさすがにダメでしょ。いちいち腰を砕く展開になる訳ですし。あんだけ物語のブレーンにいっぱい名前連ねてて、どうしてそんな脚本になっちゃうんだか・・・。キャラ的にはシュレックがごくごく常識的小市民に納まっている点で、もはや魅力が喪失しちゃってるという感じ。脇キャラの方がよっぽど魅力的ですわ。ボンクラ映画ファンな私的には、『死ぬのは奴らだ』とクライマックスのスーパーヒロインモノの流れにピクリ!と反応しましたけど、それくらいですねぇ。モデリングもモーションも格段に進化した『シュレック』ですが、作品そのものはひどく保守的な道を歩んでるなぁ、という印象でした。
[映画館(字幕)] 5点(2007-07-01 20:48:55)(良:1票)
1648.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
1作目の芸が細かいトコ、2作目のスペクタクルなトコ、3作目の舞台がどんどんと移ってゆくトコ、それらをまとめて凝縮してみせたような4作目でした。1作目の絶妙な匙加減には及んでませんが、大味だった2作目、ハンパな印象の3作目をシャッキリ作り直し!みたいな感じで、見ていてとても気持ちのいい映画。細かいところをツッコんでしまうとキリがありませんが(これまでのシリーズの展開をボヤかしてるけど、あれだけ情報に強い敵なのにジョン・マクレーンをただの一介の刑事としてしか見てないように見えるとか、システムが集中し過ぎていてあまりに単純に見えるとか、ハッカー同士の思考が同じところに簡単に帰結してしまうならば、捜査側だって簡単にそこに行き着くんでないの?とか)、後半のやりすぎイケイケ展開の前にはどうでもいい些細な事に思えます。ここは素直にジョン・マクレーンの極端な究極の運の悪さを楽しむとしましょう、ってカンジ。コンピュータ社会はダメ!みたいな古びた老害ハリウッドの思考パターンから抜け出して、体もアタマも使い様、ってお話になってるのも良いですね。その上バディムービーに親子の物語にアクション、カーチェイス、スペクタクルと娯楽映画のフルコース状態、そしてそのどれもが楽しめる、安心お見事なハリウッド映画。欠点はカメラが動きすぎなのと、つるつるウィリスがなかなかジョン・マクレーンに見えてこなかったこと。
[映画館(字幕)] 8点(2007-06-23 20:44:33)(笑:1票)
1649.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
暑苦しいむさ苦しい映画ですわなぁ。映像はキレイなんだけど10分で慣れますな。あのCGの血飛沫って『バトロワ』や『座頭市』と一緒で、濡れが感じられないのですよね。粉末状で匂いなし、みたいな。地面に落ちずに空中で消えちゃうし。肝心の物語は退屈。数万の軍勢に300人で挑むっていうんだから、どんだけ知力を尽くすのかと思いきや、谷にみんなでお団子になって挟まって通せんぼ。ひたすらそれだけ。なんとかそのお団子をどけようとアレコレ手を変えてくるペルシャ軍の方がよっぽど楽しいわ。全編マッチョな映画で、女性のオッパイも何度か登場するものの揃いも揃って貧乳なのでワザとか?ってカンジ。いちばんカッコ良かったのはエンドクレジット。レイヤー何枚重ねてんねん!みたいな。暑苦しい夏を男肉祭りで更に暑苦しく過ごすにゃもってこいな映画ですな・・・。
[映画館(字幕)] 6点(2007-06-17 17:34:48)
1650.  ザ・シューター/極大射程 《ネタバレ》 
かつて優秀な軍人だった男が今は一人山に引きこもっていて、でもそこに軍幹部が訪れて、ってなんだかセガール映画みたいだなぁ、と思ってましたが、結局そういう映画の世界から全くブレる事のない正統派B級映画でした。上院議員や軍幹部の陰謀はなんだか雑ですし、やってくる敵のみなさんはみんなマヌケ、全身丸出し状態で走っても弾が当たらない、悪の権力者なんぞ殺してしまうのがいちばん、というイケイケ(死語)なオチまで含めて、誠に正しい姿をしております。綿密に張り巡らされた陰謀と情報合戦の世界を描いた息苦しい映画かな?と思ったのですが、見終わってスッキリな筋肉系シネマだったので、まあ個人的には嬉しい誤算ですか。でもマーク・ウォールバーグってば、そういう路線を突っ走るつもりでなんでしょうかねぇ? だったらもう少しアクションで見せて欲しい気もしましたが。セガールだったら何十人やってこようが全部拳で倒してるぞ、って思ってしまいました。もっともそれじゃこの映画での主人公のスキル設定そのものが無意味になっちゃいますね。
[映画館(字幕)] 6点(2007-06-02 16:44:51)
1651.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 
大義や理想の前で弱き者が犠牲になり、肉親の絆すらも断ち切られる。痛い映画です。戦争がもたらす傷は、その時だけのものではなく、ずっとずっと後の時代になっても残り続けます。この映画で描かれたような悲劇はアイルランドだけではなく、ドイツや朝鮮半島、ソ連崩壊後の国々、そしてイラクでも現在進行形で続いています。志を同じにしながらやがて仲違いしてゆく1組の兄弟の姿を通して、大義や思想に縛られる事、それを人間性よりも優先してしまう事の恐ろしさを説いています。この映画に出てくる人々は皆、熱く語りながらどことなくクールで、それゆえ強い感情移入はせず、ラストでも涙は出ませんでしたが、心にずっしりと重くのしかかってくるものが残りました。ちょっとカメラが動きすぎで像がブレてる事が多かったのが残念ですが、兄弟や幼なじみを殺さなければならないという異常さが異常ではない状態が訪れる可能性が誰にでもある、という事を力強く示してみせた力作でした。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-26 22:13:20)
1652.  カンバセーションズ 《ネタバレ》 
結婚式で再会した、かつて愛し合っていた男女の一夜の物語。中年にさしかかった同じ歳の二人、男は浮き名を流し、女は医者と結婚し家庭を築いています。そんな二人が会話の駆け引きをしつつやがて燃え上がり・・・とってもジミで小さい題材なんですが、全編シネスコサイズを左右2画面に分けたままで展開する状態の実験的ワールドでは、俄然面白く映画が弾みます。左右が単に男女を隔てているのではなくて、片方が回想になったり、過去とシンクロしたり、空想画面になったり、時間が前後してたり、パラレルな進行でミスリード誘ったり。これ、どんどんと関係が明らかになってくる進行も含めて、本当は3回見るのが正しい見方かもしれませんね。1度見て全体を俯瞰したら、今度は右画面オンリー、そして左画面オンリーって。最後の最後、2つのフレームがいつの間にやら1つに合わさった瞬間をどう見たらいいのか、あれこれ考えるのも楽しいかも。タイトにまとまった84分ですが、2画面は1画面の数倍雄弁だったりする事に気付かされたのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-26 22:11:16)
1653.  主人公は僕だった 《ネタバレ》 
うーん、ここ数年の中では最も映画館で見た事が失敗って思った作品かも。お金よりも時間が勿体ないや。オープニングからしばし続くCGの合成はステキでした。まあ、それだけ。荒唐無稽な基本設定が存在しながら、哲学的な方向に走るって点では『マルコビッチの穴』みたいですが、タイトルや予告編からはそんなカラーは見えませんでしたからね。単なるコメディだと思ったのに。誰かの声が自分の行動や心理をいちいち解説してみせる、この起点は面白いのですが、主人公の原因追及が心理学から文学研究へと向かうとやたら理屈っぽくなっちゃう。それでも推理ものの如く解明していって、という展開ならばいいのですが、死か文学的価値の破棄かの選択肢を迫られるに至って、何を言ってるんだか、って感じになってしまい。いかにも物書きの思考から生まれた物語って感じです。大体、映画をトレースしただけではとてもではないけれど名作文学になりそうな気がしなかったりするのはどうもねぇ。単なるマクガフィンなんでしょうけどさ。でもでも、私にとってこの映画の最大のマイナスポイントは紹介文を読んだだけで一生絶対に見る事はないと決めていた『モンティ・パイソン 人生狂騒曲』を、ほんの部分だけでも見せられてしまった事ですね。最悪の気分。本当はそれだけでも0点付けたいところなんですけど。
[映画館(字幕)] 2点(2007-05-20 21:22:50)(良:1票)
1654.  佐賀のがばいばあちゃん 《ネタバレ》 
画面から匂いのしてくる映画でした。夏の川辺の匂い、かまどの煙の匂い、釜から立ち上る湯気の匂い、蚊取り線香の匂い。昔の日本の匂いを画面から感じられただけでも、この映画いいな、と思いました。物語は悲劇に寄る事なく愛すべき人々の温かさを描いていて、悪人なんて全然出てこなくて、だけど人の優しさ、温かさが逆に少年の生い立ちを際立たせて切なく悲しかったりもします。散文調でドラマの流れがないために、深みが感じられない面はあるのですが(ばあちゃんの言動は面白くも含蓄に富んでいますが、貧しさの中で7人の子供を育て生きてきた重さが伝わってくるようなエピソードは全然なくて)、ばあちゃんと少年の過ごす時間を見つめられただけで、ほわほわじんわりと染みてくる映画でした。まー、でもあの少年が後に「もみじまんじゅう!」ってところに至ってしまいますよ、っていう繋がりを感じさせてくれても良かったかな。なんで真面目そうなサラリーマンなのかな?
[DVD(邦画)] 8点(2007-05-20 01:43:24)
1655.  ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 《ネタバレ》 
シリーズ3作目で日本へ行ってコケるって『がんばれ!ベアーズ』みたいな映画ですな。これ、ロケ現場に遭遇して(中目黒で撮ってたヤクザ事務所なパチンコ店周辺ね)、ガード脇の飲食店街にやたら電飾看板をいっぱい設置していて、毎度の映画やドラマの撮影にしちゃ派手ねぇって思ったんですが、後になってハリウッド映画だと知って納得。お金のかけ方が違います。日本で撮ったシーンと、日本っぽく撮ったシーンとでエキストラの民族が明らかに違ったりするんですが、あちらの人には東洋人の顔なんて区別付かなくておんなじだって感じなんでしょうね。メインの東洋人二人はどう見てもソン・ガンホと同じ遺伝子持ってるでしょ?みたいな顔だし(でも、そのうち一人はハンって名前なので間違いではないのかな)。さて、映画はすっかりB級ワールドに突入しておりましたが、結構楽しめました。やっぱりドリドリなノリこそがジャパニーズ!って感じですからね。勝負は峠だ!っていうのもヘンに判ってるわぁ、みたいな。アメリカの走り屋が日本文化を体験してゆくのと、スピードではなくドリフト主体の走行を覚えてゆくのがシンクロしていて、日本人から見ればそりゃないだろ!ってツッコミ箇所も多々ありはするものの、おバカジャポネズムの中の成長物語として笑って見られました。Z、シルビア、ランエボ、RX-7等々の日本車がどハデにドレスアップされてブイブイいってるのを見るのもまた楽し。現実にはこの映画みたいな走り方をしちゃいけませんから(自分が事故るのはともかく人に迷惑かけたらアカン)、このマンガやゲームのノリをまんま映画化したような映像を見て満足してましょう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-05-20 01:20:56)(良:1票)
1656.  出口のない海 《ネタバレ》 
まず映画としては撮影がとっても丁寧で綺麗で、良かったです。でも脚本はかなりガタガタね。オープニングから時間が戻った上で回想シーンで更に戻ったり、世界を捉える視点がクライマックスでいきなり主人公から整備士の青年にシフトしたり(唐突に彼のモノローグになるんだものなぁ)、だから見てるこちらとしては視点ブレるブレる。突如として死に急ぎ始める主人公から気持ちが離れてゆくんですわ。で、これは反戦映画のようにも見えますが、あくまでカッコ良く描かれてる訳ですよ、ここに出てくる死を選ぶ人々が。負けると判っているが、後世に語り継ぐために意味があるのだ、って点では『男たちの大和』と同じかな。確かにそういう歴史的事実があった、そういう悲劇があった、その通り。そしてそれを知る事も重要。でもね、赤紙が来て戦争に行った私の父や叔父の話、疎開した母の話なんかを聞いていると、どうも色々作られる映画との間に距離を感じるのですね。日本の戦争映画はみんながみんな最前線の人々となんの罪もなく犠牲になっていった人々の極で描かれているのですが、生き延びて今の日本を作った人々は蔑ろにされてるみたいな。俯瞰できず、悲劇に酔うばかりでそこに至る理由は問わず(問えず)。それはもう日本の戦争映画の限界かな。アメリカ人にも家族がいて、みたいな事を語りつつ、最後の方に出てくるアメリカ兵に魂を全く入れず類型的な進駐軍としてしか描けてない時点で、この映画もまた限界丸出し、と。
[DVD(邦画)] 5点(2007-05-18 01:34:11)(良:2票)
1657.   《ネタバレ》 
最後に船は絶対に沈まないといけないと思いました。そして「やっぱり!」って。だってこれは『悪い女』に続く裏『タイタニック』なのですから。水の上で孤立した空間と、外界を結ぶ舟は『春夏秋冬、そして春』、語らない二人は『うつせみ』、娘を失う事の恐怖を描いたように思えるあたりは『サマリア』と、キム・ギドク監督の総集編みたいな作品ではあります。水の上に漂う船を捉えた美しい映像と、胡弓の安らかな音色によるイメージとは裏腹な、愛憎の物語ですが、歪んだアブノーマルな愛に見えるけれど、男の欲望、女の愛は結局のところこんな感じなのではないですか?と。ひとつ言えるのは、ヒロインはあの後、家族の元で幸せに暮しました、でもなければ、彼と幸せになりました、でもないだろうな、って事。言わずもがなですか。それにしても私にはお爺ちゃんが仲代達矢に見えて仕方ありませんでした。船乗ってるから『男たちの大和』思い出しちゃった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 01:12:09)
1658.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
ぎゃー面白い! 最高ですねこれ。映画館で見なかった事が悔やまれます。飛行機パニック映画のフォーマットをきっちりと守りつつツッコミ満載のバカネタを真面目に描いてみせる姿勢に脱帽。CG使ってるのに安っぽい飛行シーンは『大空港』や『エアポート’77』みたいですし、乗客一人の命を狙っての強引な計画は『エアポート’80』風。『フライング・ハイ』の中ではお笑いネタだった「どなたか操縦できる人、います?」を真面目に演じる人々も楽しければ、結局イケイケ展開で強引にねじ伏せてしまうクライマックスにも大笑い。エッチしてるカップルが最初の犠牲になるってセオリーもきっちり守って。一方で東洋人が悪役なのでカッコいい英雄東洋人を登場させたり、黒人が主役なのでダメ黒人も登場させたり、人種に対する配慮もぬかりありませんし、レイの存在で最初に犠牲者フラグを見せておいて、なんてあたりは結構巧妙。唯一の不満を挙げればPSPで伏線張って、最後にプレステ2サイコー!とソニーを持ち上げる点ですか。私はXBOX派なので。まあ、そんな事はともかく、存分に笑わせて頂きました。サミュエルの仕事選ばなさ加減も最高。でもそろそろ誰か正統派の飛行機パニック映画を作ってくれないかなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-16 00:52:26)(良:1票)
1659.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 《ネタバレ》 
映画として面白いんじゃなくてバラエティとして面白い、みたいな感じでした。もう脚本めちゃくちゃ。少年とお姉さんと鬼太郎と、視点がぼやけっ放しで映画に芯がなく、その上エピソードがその場その場の思いつきみたいな世界で、投げっ放しかよ!ってツッコミ入れたくなるモノ続出。あの世ランドだかの開発ってどうなったのさ? 大体、少年が石を隠し持ってるってだけの状態で映画一本丸々引っ張るのは苦しすぎでしょう。別れのドラマを見せておきながら生き返らせちゃうのはないよなぁ。「人間はいつか死ぬ」と妖怪との違いを語っておきながら、人の死をあんな風に安易に扱うのは無神経な気が。ドラマの結末には映画的な余韻をあまり与えずバッサリ状態だし。『地獄堂霊界通信』『さくや妖怪伝』そしてこれと、どうしてキケンな出来の化け物映画はラストで踊りますかねぇ? で、一方でキャストは芸能人コスプレ大会みたいな状態で、そのキャラクターとしてちゃんと見る事はできなかったものの、ノリは楽しめました。西田敏行のクドさも、ああいうキャラなら最初から納得しちゃいます。田中麗奈は楽しそうに演じてましたし。『鬼太郎』の本格映画化を期待しちゃうとなんじゃこりゃ?状態ですが、バラエティ番組ノリで見る分には楽しい、でも、やっぱり「映画」を期待して見に行く人間に対してもフォローをして欲しかったな。
[映画館(邦画)] 5点(2007-05-12 17:58:19)
1660.  神童 《ネタバレ》 
原作と映画とは別物という意見もございましょうが、原作を頭の中から消し去って映画を見る事なんて不可能な訳で、だから別物として見るべきという意見は少々乱暴に思えてしまうのですよね。で、この映画、基本設定で大きく違うのが、うたが原作では小学生だけれど、ここでは中学生になっている点。これによって物語全体に大きな違いが生じているように思いました。奔放な小学生はわがままな中学生へと変わってしまったようでもあり、それ以上に大きいのが、ワオのうたに対する視点が原作の「普通の子供でありながら天才」な状態に、映画では微妙に異性に対する恋愛感情が加わっているようで、それは「神童」という核からの通俗的なブレを生じさせている感がなきにしもあらずで。それでも、原作のダイジェストの如き説明不足な急展開や、母親の存在が物語に占める割合の極端な軽減があったにしても、音が織り成してゆくドラマの盛り上がりは充分に映画的な感動を呼ぶものでした。それゆえ、クライマックスのコンサート後の展開はどうしたことかと。頂点からの突如の絶望、そして仄かな希望へと至る原作の展開は激しく改変されたのですが、あそこで一体うたに何があったのか、原作を読んでいない人がはっきり判るのでしょうか? 全ての音を無くしてしまうくらいの表現があったのならば良かったのですが、いかんせん不明瞭。うたとワオの物語に集約させた脚本は、ラストに至って作品世界を矮小化してしまった気がして残念でなりません。「大丈夫、あたしは音楽だから」はワオにとってだけの音楽ではなかったと思うのですが。
[映画館(邦画)] 6点(2007-05-06 22:10:30)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS