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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1721.  黄金の七人 《ネタバレ》 
イタリアン・コメディにしては珍しいポップなセンスの良さがいいですね~。あの有名なテーマミュージックは私らの世代には『11PM』のテーマをどうしても思い出してしまいます(『11PM』に影響を与えたというのが正しい表現ですが)。こういう音楽だけでワクワク・ドキドキさせてくれる映画はなかなか貴重ですよね。金庫室の床に開けた穴からボトボトと金塊が落ちてくるシーンは、何度見てもサイキックな快感を覚えてしまうんですよ。 今回観直して気がついたんですが、『バンク・ジョブ』と細部が似ているなということです。アマチュア無線家が交信を傍受して警察に通報するところなぞそっくり同じ。 ん、考えてみると『バンク・ジョブ』の元ネタである実際の銀行強盗事件でも無線交信が録音されていたそうで、本作で脚本家が考えだしたエピソードが現実になっちゃったということでしょうか? だとすると、まさに「事実は映画より奇なり」です。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-13 20:47:42)
1722.  存在の耐えられない軽さ 《ネタバレ》 
“驚異の目力”が武器のプレイボーイ外科医、まさに“肉食獣”と言える女流画家、そして腋毛ボーボーの田舎娘、この三人が見せる純愛とは対極に位置するような恋愛劇ですが、ドロドロになりがちなストーリーなのにどこか突き抜けた明るさがある語り口です。ヨーロッパ俳優を多く使い撮影監督もスヴェン・ニクヴィストなので、ハリウッド資本ながら欧州映画の様な味わいがありました。スヴェン・ニクヴィストのカメラがまた美しくて、「プラハの春」の記録映像にデイ・ルイスやビノシュが映り込むところなぞ素晴らしい映像テクニックです。黒い山高帽をかぶった下着姿のレナ・オリンはポスターやパッケージにも使われてこの映画のシンボルみたいな存在ですが、本作での彼女のセクシーさはちょっと尋常ではない。人間の存在なんて「耐えられないほど」軽く歴史の激動にのみ込まれてしまうはかないものかもしれませんが、それでもそれぞれが生きた証しは必ず残ってゆくものなんでしょうね。そう考えるとラストのフェード・アウトには泣かされてしまいました。それにしても役者がいい演技を見せてくれる映画はホント上映時間の長さなど気にならないものですね。
[DVD(字幕)] 9点(2011-08-10 22:44:50)
1723.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス 《ネタバレ》 
『イデアの森』よりも馴染みが深い監督の顔ぶれですが、さてどうでしょうか。①カウリスマキ カウリスマキの作風は短編に向いているというか、普通に撮った長編から任意に10分間だけ切り取ったみたいな不思議な感じ。6点②ヴィクトル・エリセ ごめんなさい!今までエリセって聞くと「長―い、眠―い」という一部の世評を聞いて敬遠していましたが、本作を観て打ちのめされました。この詩情あふれる10分はまさに至福です。優れた映画作家は時の流れの質感を自由にコントロールできるんだと初めて知りました。10点③ヘルツォーク この人ほんと辺境ものが好きですねー。テーマはいいんだけど、「これってフェイクだよね?」ってことがずっと気になっちゃってマイナスでした。5点④ジャームッシュ やっぱこの人は短編の名手ですね、トレーラー・ハウスという狭い空間を使って一人の女優を赤裸々に見せてくれます。9点⑤ヴェンダース これも一種のロード・ムーヴィーですよね、とてつもないバッド・トリップですけど。このエピソードが本作中でいちばん濃かったんじゃないでしょうか。可愛いオチもちゃんとあって感心しました。8点⑥スパイク・リー このゴアvsブッシュの大統領選については『リカウント』という長編が詳しいのですが、あの内容を10分でまとめたってのはある意味すごいことです。ただねえ、本作のエピソードとしてふさわしいかと言うと、それはまた別のお話し。『イデアの森』のゴダールといい勝負のやりたい放題でした。5点⑦チェン・カイコー 東洋代表カイコーは怪談風味で勝負ですか。この『聊斎志異』チックなエピソードにラストあのアニメーションを持ってくるセンスは気に入りました。それに“エアー引っ越し”は思わず爆笑でした。7点  それぞれの監督が個性というか得意技を見せてくれて満足できました、平均をとって7点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 01:14:48)(良:3票)
1724.  10ミニッツ・オールダー イデアの森 《ネタバレ》 
嫌いな監督と知らない監督ばかりでしたが、さて評価は如何に。①ベルトリッチ まさに『ベルトリッチ版“胡蝶の夢”』東洋の昔ばなし風で自分にはいちばん親しみを感じたエピソードです。8点②マイク・フィッギス 本作の中でいちばん斬新なアイデアで撮られていますが、イマイチ自分には合わなかったです。5点③イジー・メンツェル 「顔に歴史あり」というところでしょうか。このピーター・ローレみたいな顔したチェコの老優のことを知っていればまた感慨が深かったんでしょうが。6点④イシュトヴァン・サボー まさに「人生10分先は闇」ですね。技術的に難しかったかもしれませんが、できれば10分間ずっとワンカットで撮って欲しかったところです。6点⑤クレール・ドニ 予想外の駄洒落オチに唖然・呆然。5点⑥フォルカー・シュレンドルフ 「哲学する蚊」を見せられてもねえ。4点⑦マイケル・ラドフォード 10分で判るアインシュタインの相対性理論。悲しきタイム・パラドックスです。7点⑧ゴダール 良くも悪くもゴダール節炸裂、まあ観る前から予想した通りでした。たしかにこんなパワーを持った映画作家はもう現れないかもしれませんね。5点  というわけで、平均をとって四捨五入、評価6点ということで。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-07 01:16:33)
1725.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
シャマランくんには、『シックスセンス』では「若いのにすげーテクニックを持ったやっちゃ!」と感嘆させられ、『アンブレイカブル』を観て「こいつは正真正銘の大バカだ!」と唖然とさせられたものですが、こわごわ観た本作は落ち着いて観れる出来でした。ただ観始めてからストーリー展開に既視感を強く感じてきまして、半ばぐらいのところで大昔にTVで観たロジャー・コーマンの『恐怖の獣人』とそっくりだと気がついたのです。まさかまさかとラストまで行くと、オチも一緒で「こりゃ翻案というかリメイクじゃん」と呆然としちゃいました。とは言え、私は決して本作をそれで否定するようなケチな料簡は持っていません、『恐怖の獣人』はアイデアはともかくとしてしょせんはC級映画ですし、そのプロットを現代に甦らせたシャマランの意欲は買いたいところです。あのロン・ハワードの娘は決して美人じゃないけど“盲目がゆえの怖いもの知らず的な勇気”を上手く演じていました、しかしやり過ぎで“ほんとに盲目かよ”と突っ込みたくなる部分がちょっと多すぎです。ネタばれしすぎるのであまり詳しく論じれませんが、そもそも「盲目のくせになんで怪物が近づいてくるのが判るんじゃ!」とだけは声を大にして言わせて下さい(笑)。シャマランくんはオリジナルなストーリーだと風呂敷を広げるだけで収拾がつかなくなる傾向が顕著なので、これからもリメイク・翻案ネタで勝負した方が賢明ですよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-03 22:24:59)
1726.  突撃隊 《ネタバレ》 
組織になじまない一匹狼だけど技量は抜群というと、同年に製作された『戦う翼』の爆撃機パイロットと思いっきりキャラがかぶるのですが、やっぱりマックイーンは将校じゃなくて兵士役が似合うんですよね、本作のマックイーンはえらくスリムで眼がギラギラしていてまさにオオカミという迫力です。マガジン三本をテープでくくったM3短機関銃は他の映画では観たことない使用法ですがいかにも実戦的で、私の中ではマックイーンのシンボルみたいなものです。ドン・シーゲルの無駄のないスピィーディな演出はB級映画のレベルを超えていますね。そう言えば、同じロケ地で撮ったんじゃないかと思うほどTVの『コンバット』に雰囲気が似てますね、音楽が同じレナード・ローゼンマンだったせいもあるかな。
[地上波(吹替)] 7点(2011-08-01 21:41:41)
1727.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
この映画のオチはただただ“?”が頭に浮かぶだけでしたが、どうしてこうなっちゃうんだろうと考えてみると、ひとえに主人公サラ・モートンが「信頼ならざる語り手」であることが原因なんですよね。こういうプロットならば、南仏に行ってからの映像はすべてサラの主観で統一されなければならないのに、ところどころにジュリーの視点で撮られたショットが交じっているから余計に混乱してしまうんですよ。ジョー・ライト監督の『つぐない』も「信頼ならざる語り手」がストーリー・テリングしてゆくお話しで本作と似てますけど、『つぐない』は脚本家の手腕が本作のオゾンより格段に優れていて、原作小説を見事に脚色していて違和感はなかったと思います。また、筋には関係ないのにマルセルの不気味な娘が登場したり、ベッド脇から外した十字架がいつの間にか元の位置に戻っているなどのシーンには、“この世界はサラの妄想なんだよ”とオゾンが伏線を張っている様な気がしました。まあどちらにしても、騙されたという快感はあまり感じられないちょっと不思議な後味でした。 付け足しですけど、ロンドンでイギリス人同士が仏語で会話するのはなんとかして欲しかったですね。海外向けに英語の吹き替えも入れた方が良かったのでは。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-31 09:40:44)
1728.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
エログロ番長ヴァーホーヴェンのハリウッド卒業(中退?)記念作で、“透明人間もの”というB級色あふれる題材で攻めてくるとはさすがですねえ。古今東西、“透明人間もの”として製作された映画の中でもたぶん本作がもっともヴァジェットを使っているんでしょうが、ヴァーホーヴェンにしてはグロは薄味、エロは中坊の妄想(というか、『青い体験』レベル)みたいでファンとしてはちょっと不満が残ります。そもそも映画前半で透明化と逆透明化のグロ味たっぷりのヴィジュアルを見せてしまった時点でやりたい事が終わっちゃってますので、その後のベーコンの暴れっぷりなんて付け足しみたいなもんです。しょせん生身の人間が単に透明になっただけだし、裸だし、そんな大したことができるわけないんですよ。そう考えると、ほとんど地下の研究所だけで展開するストーリーはまあ妥当と言えるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-30 16:35:06)
1729.  JFK 《ネタバレ》 
自分は俗に言う「陰謀史観」というやつは鼻から相手にしないのですが、ケネディ暗殺だけはどう考えてもウォーレン委員会の公式発表はおかしいと思っています。オリヴァー・ストーンは「ケネディ暗殺が自分の青春を狂わせた」と信じているお方ですから、そりゃ私の様な半可通でもなっとくさせてくれる構成力というか力技で暗殺の陰謀を再現してくれました。でもその「虚実織り交ぜて」というのが曲者で、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか判りにくいある意味「危ないプロパガンダ映画」としての側面も持っているのも事実です。ストーリーは後半クレイ・ショーという男の裁判が焦点になるんですが、こんな小物が有罪になってもどうケネディ暗殺の陰謀を暴くことになったのかが非常に判りにくい。もっともこの裁判シークエンスでのケヴィン・コスナーの論告は映画史に残る様な屈指の迫力で、最後の方なんかコスナーの声が喋り過ぎでかすれてくるぐらいですから。ストーンはこのシークエンスが撮りたいがために三時間もの長さの映画を製作した様なもんですけど、正直ぐいぐい引き込まれちゃって長さはあまり気になりませんでした。ラスト、ギャリソン親子三人が肩を並べて裁判所を出てゆくところをロングで捉えたショットは、『アンタッチャブル』を思い出させてくれました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-24 00:23:15)
1730.  最後の突撃(1944) 《ネタバレ》 
名匠キャロル・リードが第二次大戦時に撮ったプロパガンダ映画ですが、なかなかの佳作です。戦時中は米英の映画監督たちも競ってプロパガンダ映画を撮っていますけど(ジョン・フォード、ジョン・ヒューストン、フランク・キャプラ、フリッツ・ラング、etc)私が今まで観た中では最良のプロパガンダ映画だったと思います。ちなみに最悪はスターリンが撮らせた『ベルリン陥落』で、トラウマになるほど凶悪な映画です。 さてストーリーは招集された市井の市民たち8人をこれまた予備役将校のデヴィッド・ニーヴンが一人前の兵士に育ててゆくというプロパガンダ映画の王道ですが、8人がけっこう個性豊かに描かれているので訓練場面ばかりですが意外と退屈せずに観れます。ニーヴンは実は俳優になるまでは士官学校卒業のバリバリの現役将校だったそうで、大戦が始まると英国陸軍に大佐の階級で復帰しています。大佐と言うと連隊長の階級ですが、さすがに実戦に出ることはなく情報部などにいたようです。軍に入って将校を勤めたハリウッドスターは多いですが、ニーヴンの大佐が最高位ではないでしょうか。北アフリカに送られた彼らはドイツ軍と激戦になって「最後の突撃」に赴くところでこの映画は終わるのですが、まるで第一次大戦のときの様にゆっくり歩きながら敵陣に向かってゆく姿は、日本軍の玉砕・バンザイ突撃とは違って「勝って生き残るんだ!」というしぶといジョンブル魂が感じられました。 フランス人酒場の主人役でピーター・ユスティノフが出演し共同で脚本も書いていますが、この人脚本家としてもなかなかの腕前だったんですね、感心しました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-23 17:24:51)
1731.  バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト 《ネタバレ》 
この映画のハーヴェイ・カイテル、もうとてもじゃないけど正気の人とは思えません。あのフルチン踊りには参りました。そしてあの……(以下あまりにもお下劣なシーンの描写なのでカットさせていただきます)。こういう奇行・蛮行を繰り広げる悪徳刑事の破滅に至るまでの数日間がテーマなんですが、カイテルの演技が実にリアルというか自然なので驚いちゃいますよ、本作に限って言えば完全にデ・ニーロを超えていますね。信仰を持っているのに日常的に悪事を働く人間の心理というのが初めて理解できた様な気がします。決して人に勧められる映画じゃないのですが、観てしまったらちょっと人生観が変わってしまうかもしれないほどのインパクトがある劇薬みたいな一篇です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-07-21 00:46:49)
1732.  ノウイング 《ネタバレ》 
ディスカバリー・チャンネルで太陽フレアがとりあげられていて、誕生から40億年の歴史を持つ地球は過去に太陽フレアに直撃されたことがあった可能性があると聞いた後だけに、この映画で描かれる地球滅亡はなんかリアルでした。ところがキリスト教文明の世界観では、人類も恐竜などの様に絶滅するときが来ると言うことはどうしても許しがたいことみたいですな。この映画のプロットはキリスト教で言うところの“携挙(キリストが再臨するときに信者を天につれてゆく)”をそのまま画にした様なもので、そっちの方に話が暴走し始めるとせっかく前半のオカルチックな雰囲気が吹っ飛んでしまいました。だいたい、あの数字が羅列された紙はこの映画で結局なんの意味があったんでしょうかね。最近のハリウッドSF映画は安易に宗教をモチーフにする例が多すぎるんではないでしょうか。そう考えると、キューブリックやスピルバーグは偉大だなとつくづく感じてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-07-18 23:16:43)(良:1票)
1733.  ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 
あのオリジナルをここまでテンポ良くリメイクできたというのは上出来です。無駄に大人数だったオリジナルの窃盗団を技能抜群の6人に絞ったのは最近のアクション映画の常道ですが、映画としてはオーシャンズ・シリーズよりまとまっているのは確か。音楽の使い方もセンスが良くて、オリジナルでクインシー・ジョーンズが魅せてくれたシャレた雰囲気を上手くアレンジしたなと思います。 まあ言っちゃなんですが、ミニを使って逃げると言うプロットに必然性がないのが難点ですけど、そういうお話しなので素晴らしいカーアクションに免じて許してやってください(笑)。あと一言、ブリッジャー役はやっぱマイケル、ケインを使って欲しかったな、オリジナルの役者をキャスティングするのはリメイクの礼儀作法ですから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-13 21:40:04)
1734.  普通の人々
時代は全然違いますけど、本作を観て私は小津安二郎の映画とついつい比べてしまいました。レッドフォードの演出は驚くほど繊細で、これが初監督とは思えません。ティモシー・ハットンはこの演技で見事初ノミネートでオスカー受賞しちゃったわけですが、どうも一発屋だったみたいで、近年は全然名前を聞かなくなっちゃいましたね。80年代以降でもっとも伸びなかったオスカー受賞俳優と言ってもいいんじゃないかな(ちなみに女優ではミラ・ソルヴィーノ)。なっとく行かないのはこの映画でオスカーに本当にふさわしい演技だったメアリー・タイラー・ムーアが受賞できなかったことで、実にもったいない。この人は本来コメディが得意分野ですが、ここまでシリアスな演技ができると言うことは評価が高いと思います。 ラストは家庭崩壊みたいな感じですが、不思議と暗さは感じなくて何か希望と再生の一筋の光が見えていると感じました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-12 00:41:58)(良:1票)
1735.  ミニミニ大作戦(1969) 《ネタバレ》 
シャレた泥棒映画は、やっぱり英国製がいちばんですね。実はリメイク版の方を先に観ちゃったのですが、新旧見比べるてみると泥棒グループの人数とそのグダグダぶりが大きな違いです。オリジナルの方はそのピリッとしない連中をユーモアたっぷりに描いていて楽しいし、あの大女フェチのピーチ教授なんかなんのために登場したのか忘れてしまうほどのおかしさです。とは言えいちばんけったいなキャラはノエル・カワードが演じる“刑務所の王”ブリッジャーで決まりです。看守を引き連れて自由に刑務所の外へ出ていくは、刑務所長の方がブリッジャーにへりくだって応接するは、この映画が撮られたときにはすでに英国演劇界の伝説になっていたノエル・カワードのセルフ・パロディみたいでした。ミニの突っ走るシーンでは展示場の屋根に上ってまた降りてくるところがすごかったですね。クインシー・ジョーンズの歌曲も良かったし大満足ですが、ラフ・ヴァローネがボスのマフィアが途中からどっかに消えてしまったのは脚本のアナでしょう。ラストに登場するとばっかり思っていましたので、拍子抜けしました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-11 23:48:03)
1736.  ガープの世界 《ネタバレ》 
ジョン・アーヴィングの映画化としては『ホテル・ニューハンプシャー』よりよっぽど成功していると言えるでしょう。現代アメリカ文学お得意の寓話仕立てではありますが、単純に観ればアンチ・フェミニズム映画であるのは間違いないでしょう。私には、男性として、職業作家としてロビン・ウィリアムスが母親や妻などの女性たちに翻弄されてゆく波乱万丈の人生が強烈でした。母親グレン・クローズが身ごもるエピソードは果たしてなんのメタファーなのか自分にはイマイチ理解できないのですが、冒頭とラストに出てくる赤ん坊を見ていると、人間という生物は男と女がいなければ存在できないんだなとしみじみ思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-10 23:54:51)
1737.  ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊 《ネタバレ》 
自ら監督・脚本・製作も兼ねているからしょうがないかもしれませんが、主演のレイン・ニシカワという人の演技がどうもいけません。見た目が40代のふつうのおっさんなのでいくら軍曹とは言っても他の兵士に比べてあまりに違和感があり過ぎでした。こんなに演技が下手なら主役は他の俳優にしたらもっと観られる作品になったと思いますよ。パット・モリタ(本作が遺作)、タムリン・トミタと日系人俳優がけっこう出演していますけど、ジェイソン・スコット・リーまでが日系人役で最初はちょっとびっくりでした。ところが観終わってみれば彼がいちばん印象的な良い演技だったのは皮肉なもんです。有名な「テキサス大隊の救出」をテーマにしているのですが、バジェットの関係かあまり戦闘シーンは盛り上がりませんでした。しかし211名を救出するために800名以上の日系人兵士が死傷するとは何とも言葉もありません。 そう言えばこの442連隊戦闘団の物語を渡辺謙が監督で映画化すると言う話があるそうじゃありませんか、期待しましょう。
[DVD(字幕)] 4点(2011-07-08 21:22:41)
1738.  スラップ・ショット 《ネタバレ》 
アイス・ホッケーはプロレスと並んでアメリカではプアー・ホワイトが熱狂するプロ競技なんだそうですが、その何となくマイナーな感じがポール・ニューマン以外の選手たちの顔つきに良く出ていました。ジョージ・ロイ・ヒルってたぶんアイス・ホッケーのファンなんじゃないでしょうか、なんかホッケーに対する愛情が伝わってくるんですよ。ですけどこれはそうとうレベルが高いおバカ映画であることも確かです。ニューマンの演じるコーチも策士なのかと思えば、どっこい単なる出たとこ勝負のおバカキャラみたいで掴みどころがない奴でした。“決勝戦は綺麗に勝とう”というのはこの手の映画では定石ですが、“スカウトが来てるぞ!”と聞いたとたんにラフスタイルに逆戻りというのはけっこうさわやか(?)な展開でした。それにしても見分けがつかないハンセン三兄弟と相手チームのアーネスト・ボーグナインの息子みたいな顔した選手、強烈なキャラでした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-07 21:57:51)
1739.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
世評が高い本作ですが、自分にはどうも肌が合わない、どちらかというかトンデモ系に分類してしまいます。“反権力”はいいんですけど、この映画の様な表現は70年代でもさすがにセンスが悪いと言えるのでは。脚本自体が団塊世代的な感性に満ち満ちていて、いかにもゴールデン街の飲み屋あたりで語られそうな発想が頭でっかちです。池上季実子のラジオDJとプロデューサー風間杜夫のあのバカバカしく紋切り型のセリフと、“マスコミ=反権力”という幻想がこびりついた行動にはほんと辟易しました。素人の教師が原爆を自作しちゃうという素晴らしいプロットなのに、この監督にはユーモアとかギャグを理解していないインテリ特有の欠点があって、せっかく沢田研二がそれまでの邦画にはないユニークなキャラを創造しているのに生かし切れていない。菅原文太の不死身ぶり(とは言え最後には死んじゃいますけど)はもうコメディの域に達しているのですが、なんでこれをギャグとして撮らないのか、その監督のセンスの悪さにはつきあいきれませんでした。良かったとしみじみ思ったのは、我が青春時代の新宿や渋谷の街がフィルムに残されていることです。
[DVD(邦画)] 3点(2011-07-06 00:38:36)
1740.  ダウンタウン物語 《ネタバレ》 
子供だけが出演するギャング・ミュージカル、しかも大半の子役が素人に毛が生えた程度の経験しかなくて歌は吹き替えとなりゃまさに学芸会映画かということになってしまいます。本作が初監督だったアラン・パーカー自身も「今頃になって言うのもなんだけど、よくあんなバカな企画を思いついたものだ」としみじみ語っているぐらいですが、くだらないと切って捨てるには惜しいセンスがあるんですよね。自分がポール・ウィリアムスが好きだってこともたしかですが、このまま大人のキャストで撮っても十分通用するギャグが詰まった脚本が良いんです。そしてジョディ・フォスター、そりゃ『タクシー・ドライバー』と同時期ということもありますが、その演技と妖艶さはもうずば抜けてますよ。意外なところではデクスター・フレッチャーも出ていて、この人ほんと芸歴長いんだなと感心しました。ラスト近くにジョディ・フォスターが顔にパイをぶつけられて吐き捨てるセリフ、「これがショウビジネスよ!」には思わず爆笑です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-04 00:30:04)
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