161. MARCO 母をたずねて三千里
《ネタバレ》 TVシリーズを見ていないので、端折られたところがよく分からなかった。 母親が元気なのか病気なのか、どうして手紙が届かないのか?などと消化不良で進んでいくところが残念。 たぶん題材は素晴らしいんだろうけど、強引に90分にまとめてしまった感あり。 マルコの意思や行動力は抜きん出ているが、実際問題艱難辛苦を招いたのは自分自身の軽率な単独行動によるところが大きいのであって、どうにも醒めてみてしまう自分がいた。 途中イタリア人が団結して歌を歌うとか、良いシーンもたくさんある。 6点献上。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-19 21:01:53) |
162. 日本沈没(1973)
《ネタバレ》 なんか想像してたのと違う。まだまだCGが発達していなかったため、実録で大崩壊時代をえがくのは難しいんだろうけど。 人間ドラマとパニック映画とどっちつかずで中途半端な印象だった。エピソードもぶつ切りが多いし。 他の人が触れていないけど、いしだあゆみがヒロイン役なのもかなりの違和感があった。花江(角ゆり子)のほうがよっぽど控えめな女性で好感触なんだが、当時自立しようとしていた強い女性を描きたかったのかしら? それにしても新型コロナ禍のいま、この映画を荒唐無稽だと言ってバカにもできないんだよな。日本脱出のところはいろいろ考えさせられるけど、現実には渡航禁止だし、日本より海外のほうがひどい状況になってしまっているわけで、別の状況だよね。 序盤の深海編はそこそこ楽しめたし、ここまでスケールの大きな話を映像化した努力には敬意を評したい。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-08-15 20:20:28) |
163. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(2017)
《ネタバレ》 低俗な趣味まるだしですね。私は男性ですが、女性目線で見るとまるで現実感がない。 真っ白いワンピース姿で松田聖子歌われてもね。ウンコネタとか、誰の趣味ですか? 他の人が書いてるけど、大人びた女子と、いつまでもガキな男子の対比が突き抜けてて、主人公ののりみちの魅力のないところが一番駄目。 アニメ版「時をかける少女」のヒットで、安易に古典のリメイクに走ろうと思ったのが運のつき。 二人でジャンプしちゃったときには、「いっけえぇぇ!」とか叫ぶのかと思った。 こんな駄作を映画館で観た方ご愁傷様でした、って言いたいところだけど、映像だけはやたら綺麗なので、大きなスクリーンで観たら「君の名は。」みたいにインパクト大なんだろうな。 [地上波(邦画)] 3点(2020-08-08 21:00:25) |
164. グラン・トリノ
ファンタジー娯楽映画が好きな私としては、あまりに重いテーマでなおかつ現実的な題材は好きじゃないんだが、いまのアメリカの現実をみているとこういう映画も評価せざるを得ない。 見終わって感動したとか、かっこいいとかそんな感情はなく、ただいろいろ考えさせられた。自分の立場としてならどう考えるだろうかと。なんせ、最初っから俗物でゲスな人間が続出するのである。しかもリアルな描かれ方で。 決して上映時間が短くないこの映画で惹きつけられるのは、登場人物の描き方とセリフの秀逸さのせいだろう。偏屈なりの老獪なジョークでやり込めたかと思えば、若い神父がビールを飲むシーンは印象的だ。 マイノリティーであるモン族の描かれ方は、目を合わせないとか日本人と共通するものを感じた。アジア人にとっては主人公との友情はまた一味違ったものに感じられると思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-29 22:14:16) |
165. ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
《ネタバレ》 北欧映画らしい丁寧で落ちついた硬派な作り。 まるでドキュメンタリーを思わせるが、下の方も言っているように実際のシーンを使ったほうが良かったと思う。テニスの試合のシーンではどうしてもプレーに素人っぽさが出てしまっているため迫力に欠ける。かといってプロ並みの選手を出すのは似ていないとダメなので、いっそのこと本物の試合シーンを使ってほしかった。 個人的にはマッケンロー時代より前は見ておらず、ボルグへの思い入れもなかったので、悪童マッケンローファンとしては悪態をつくことでどんどん集中力を増していくイケイケの展開を期待していたのだが、実際にはボルグの内面の葛藤が大きく描かれるため霞んでしまっているのが残念。ボルグの妻も魅力的には見えなかったし(すぐに離婚しているのでこれでいいのかもしれないが)。 ボルグの悪態封印も、どうやってそれを身につけていったのかが詳しく描かれていない点もマイナス。しかし全体的にはよく作られていると思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-07 18:08:01) |
166. 緋牡丹博徒
《ネタバレ》 そもそも血なまぐさいヤクザ映画は嫌いなタチで点数は辛め、しかし主演の藤純子と高倉健は若くてカッコいい。 当時の人気を考えるといかに多くの人に影響を与えたのか分かろうかというもの。 しかし脚本がややまずい。 この2人だけの物語が中心ならまだ良かったが、途中から登場人物がどんどん出てきて興ざめ。 惚れた腫れたのすったもんだの末に、あっし片方だけ靴下ぬぐの〜あふんとかやられても困るんだが。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-06-04 20:23:15) |
167. キングダム(2019)
《ネタバレ》 なかなか良い出来で面白かった。漫画の実写化でぶっとんだ世界そのままで、娯楽作品としてみればかなり楽しめる。 古代中国が舞台なので実写化は難しいと思うが、頑張っている。原作が良いのでしょうね。 難点は主人公の線が細すぎるので、ムキムキ豪傑男に力で勝ってるのはさすがに無理ありすぎ。 また怨みを持っている山の民がすんなりと味方になって救ってくれるなどのご都合主義も満載だが、楽しんで見るだけならこれもまた良しかと。 続きが楽しみ。 [地上波(字幕)] 7点(2020-05-30 12:39:36) |
168. 飢餓海峡
《ネタバレ》 これは名作であり、傑作だ。今の軽佻浮薄な作品が多いなかで、「砂の器」に匹敵する重厚感がある。 3時間で一気に見るのは長すぎる気もするが、質の高い人間ドラマが濃いので目を離せないのだ。 人の爪を10年も愛し続ける杉戸八重が樽見邸を訪ねていくシーンも見所のひとつ。見ている観客も樽見が「犬飼さん」なのか分からないまま進んでいき、もしやの展開に度肝を抜かれる。尋問を受けて堂々と自論を述べる樽見も圧巻。 やや拍子抜けで残念だったのはラストシーン。すべてを闇に葬り去った樽見の意図が描かれていないのであっけに取れるばかりで如何ともしがたい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-05-23 19:54:32) |
169. Wの悲劇
《ネタバレ》 何だろう、前半王道のラブロマンスものかと思いきや、後半にいっきにサスペンス色を増していく演出。よくできたようでも、中途半端なようでもある。舞台のシーンが多いので、演劇に携わっている人には特別かもしれない。 薬師丸ひろ子がこの時代はトップアイドルだった思い入れがある人にとっては特別な存在なのかもしれない、そうでない自分にはとびっきり最高の美人でもないがどこか魅力のある主人公はいたってフツー。この映画で光っているのは一途で男らしい世良公介と、何といっても三田佳子の圧巻の演技。 80年代の元気だった雰囲気はうまく生かされている。それと角川映画はストーリーが分かりやすいのは良い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-05-16 19:14:52) |
170. セーラー服と機関銃
《ネタバレ》 「カイカン」のセリフとともに薬師丸ひろ子が機関銃をぶっ放すというシーンだけが有名すぎて、だけど今まで観る機会がなかった。 青春映画かと思いきや、本格的なヤクザ映画でした。っていうか、コロナ騒ぎで世の中神経質になってんのに、なんでこんな物騒な映画を放送しようと思ったんだ、NHK。どぎついセリフでところどころ音声と字幕が消されちゃってるし。 しかし、渡瀬恒彦などのヤクザたちが次第に自分の汚さに気づいて立ち直っていく過程は嫌いじゃないし、薬師丸ひろ子の組長っぷりはなかなか堂にいっていて見応えがある。太っちょとか、何だかシュールな味わいの演出も角川映画っぽくてなかなか面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-05-05 21:43:35) |
171. ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
《ネタバレ》 下の人も言っているけど、びっくりするほどつまらない。 登場人物が魅力的でない、派手なバックミュージックがずーっと流れていて耳触り、面白くない会話ばっかりと、見ているのが苦痛になるレベル。 ハリウッドのドタバタ映画はもうとっくに見飽きてるんだよ。 このシリーズを見る人はハリポタ好きな人が多いだろうけど、それでも平均点がここまでしか上がっていない時点でダメなんだろう。おすすめしない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2020-04-13 14:52:16) |
172. ダーティハリー
《ネタバレ》 よく出来た刑事物だけど、もともと銃でドンパチが苦手なワタシ。 そりゃ主人公はカッコいいし、犯人はぶっ壊れていて面白いけど。しょせんはサスペンス。延々と追いかけっこ見せられても、ハリウッド映画の結末は初めっから見えてるし。メキシコ人の相棒も中途半端かなぁ。 バスの中では子供たちが陽気な歌を歌わされていたブラックジョークだけは最高。 犯人の人も役に入り込んでて違和感がないのは素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-06 19:36:08)(良:1票) |
173. 万引き家族
「海街Dairy」以外、この監督とは相性が悪いものと思っていたが、さすがに海外で評価されただけのことはある。 演出は素晴らしい出来だし、何より見ている最中にいろいろと考えさせられた。 変にねじ曲がってるNHK連続テレビ小説なんかより、この映画のほうが今の世相を反映していてよっぽど観る価値があるよ。 「まんぷく」では違和感ありまくりだった安藤サクラも、こっちのほうがよっぽど生き生きしているんじゃないか。 犯罪当事者と、世間一般の目線のズレなんかも鋭く風刺されていて、よく出来た映画だ。 忘れたころにまた観たい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-01 18:36:52) |
174. ザ・ウォーク
《ネタバレ》 綱渡りを始めるまでがともかくも長い。テンポの良し悪しじゃなくて、もっと短くできんかったのか。 肝心の綱渡りは、CGとは思えないほどリアルで素晴らしい。すこし高所恐怖症なので、400mの高さにはかなりビビった。 クラシックが流れるなど、「静」の表現をうまく使っており、魅せ方には感心させられる。 主人公はすぐ興奮しちゃようなイマドキの若王子風。もうちょっと大人のテイストが良かったな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-01-20 22:01:22) |
175. スター・ウォーズ/最後のジェダイ
《ネタバレ》 監督との相性が良かったのか、前作の2点からはやや浮上しました(笑) とくに前半はなかなかの見応え、しかし後半になるとやはりご都合主義のオンパレードですな。 いちばん違和感があったのは、宇宙遊泳と分身の術。念力で岩を大量に持ち上げるとか、超サイヤ人じゃないんだからさ。DBが大好きなのは分かるけど。 前作で女性と黒人というカードを出してきたわけですが、そこへベトナム系やらプエルトリコ人やらマイノリティーが次々に登場。昨今の多民族社会をどこまで反映させているのか知らないけど、大統領選じゃないんだからそこまでごきげん取ることもなかろうに。 もう二度と観ることはないだろう、ラストの次作が奇跡的に良い作品じゃなければ。 [地上波(吹替)] 4点(2019-12-23 20:45:34) |
176. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
ご都合主義もいい加減にしろと言いたい。 過去のシリーズで培ってきた「フォース」の意義を台無しにするストーリー。 どこかで見たようなエピソードに、結末まで見えているから面白くもなんともない。 シリーズのファンとしては過去の人物が出てきて良いのかもしれないが、 個人的にはしわくちゃで老けた元ヒーローと元ヒロインを見たかったわけではない。 少なくとも前シリーズまでで完結としておくべきだった。新たな作品ができあがるたびに、失望は大きくなる。 そして歳を重ねるごとにスターウォーズの世界が陳腐になってきているように思えてきてならない。 [地上波(吹替)] 2点(2019-12-21 22:56:10) |
177. 道(1954)
《ネタバレ》 久々に「ハズレ」作品を見た。 粗野な男が、ちょっと頭の弱い女性をひどい扱いをして物語が進んでいく。 これってどうにも気分が良くないし、第一面白くない。 途中のアクロバット芸人との心のやり取りはなかなか良かったが、殺人のあとに救いのない展開が続いて気が滅入るばかり。 雰囲気とか音楽が良いという声が多いが、傑出したものはなかった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-12-20 22:28:25)(良:1票) |
178. チャーリーとチョコレート工場
下の【いっちぃ】さんと同意見。かなり退屈な内容だった。 なにか現代の米国を揶揄している内容だと取れば深いのかもしれないが、会話のやりとりが的はずれで面白くないし、次の展開もワクワクしなかった。一度見れば充分かと。 でもリスの部屋がいるダストボックスエピソードは面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-12-15 18:36:45) |
179. ホーム・アローン3
《ネタバレ》 このシリーズのファンであれば、そこそこは楽しめる。 クスッと笑わせてくれる演出や、悪党を徹底的にやり込めるのはお手の物で、まるでリメイクを見ているかのよう。 一方で悪役がジョーペシでなかったせいか、なんとなくカタルシスに欠けたのはたしか。 いや4人組も個性があって面白いんだけど、なんか違うんだよね〜。 [地上波(吹替)] 6点(2019-12-09 16:04:04) |
180. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 いやこれは怖い。こんな怖い映画は見たことがない。が、傑作。 まず音楽が怖い。何が起こるのかまったく分からない場面でじんじんとくる。 閉鎖恐怖症的な怖さ。子供が三輪車でホテルをぐるぐる回るのがなんであんなに恐ろしいのか。 ジャックの顔や奥さんの顔。目を見開いたまま表情がない子供の顔。そういえば「REDRUM...」の繰り返しも意味が分からずおっかなかった。 身近な家族が狂っていく恐怖というのはもちろんだけど、後に引くような心をかき乱す怖さなのだ。PTSDになる人もいるだろう。 ともかくも演出が計算しつくされたに違いない。ホラーの傑作。 よく分からなかったのはジャックが狂っていった原因。 奥さんの幻視も必要なかったんじゃないか?そういえば、終盤の犬男も訳が分からない。 ラストは何だろうね。これらがすっきりしなかったので、8点ではなく7点。 なんで9点にしないのか?こんな怖い思いは当分の間したくない、忘れたころに見返したい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-06 22:50:18)(良:1票) |