161. キッチン(1989)
川原亜矢子の存在感は面白い。 でも、こういう静かなさざなみのような映画は苦手。 [ビデオ(邦画)] 4点(2012-12-12 20:25:06) |
162. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版
《ネタバレ》 ギャング映画の中では『ゴッドファーザー』の次に好き。 4時間近い長尺なのに、最後まで引き付けられる。 ヌードルスの青年~老年期を演じたデニーロはさすが。 それに比べて、デボラ役のエリザベス・マクガヴァンは見劣りする。 少女時代を演じたジェニファー・コネリーは、イメージぴったりだったのに。 音楽もいい。優雅な「アマポーラ」とエンニオ・モリコーネの切ない調べが胸に響く。 音楽も相まって若き日々へのノスタルジーを誘う。 ゴミ清掃車のくだりが、こねくりすぎてわかりにくい。 もっとすんなり落とすような話にしてほしかった。 ヌードルスが阿片でトリップして笑うラストシーンが印象的。 こちらも捻ってはいるが、まだ腑に落ちる。 つらすぎる現実から目を背けて、楽しかった頃に逃避しなければいけないほど、ボロボロになった姿が浮かび上がる。 ヌードルスはいい時代の思い出だけを拠りどころに、なんとか正気を保ってきた。 だから、マックスの告白した真実を今さら認める必要はなく、撃たなかったのだろう。 ヌードルスにとって、マックスはベイリー長官ではなく、あの銃撃戦で死んだ親友なのだ。 このとき流れる「イエスタディ」が、良き時代への郷愁を表している。 惜しいのは、マックスが仲間を裏切る動機が、いまひとつ説得力をもたないことか。 いくつか伏線は張ってはいるけど、それでもまだすっきりとはしない。 『ゴッドファーザー』との比較でいうなら、『ゴッドファーザー』のほうがわかりやすい。 描き方が素直なので、解釈が分かれる部分もない。 その点、本作は変にこねすぎた嫌いがあって、すぐには理解しづらい箇所がある。 また、時系列が少年期、青年期、現在と行きかうので、少し混乱する。 ただ、見直すと、初見では気づかなかったセリフや表情を確認できる。 冒頭で、ヌードルスがファットモーの店に戻ってきた場面。 「時計の鍵を返しに来た」 あの時に止まっていた時間が、再び動き出す。 そこからラストに至るまで、無駄なシーンがなく、いたるところに伏線が張られているのに気づく。 ところが、最初の劇場公開では、監督の意向に反して、製作サイドの都合で無残にハサミを入れられたとか。 計算されつくしているのに、それでうまくつながるわけがない。 監督は不本意な編集を不服とし、後に自らの手で完全版を出した。 作り手としての意地と執念が結実したことに拍手。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-12 20:19:48) |
163. ザ・フライ
よくできてるけど、気持ちが悪い。 [地上波(吹替)] 5点(2012-12-11 21:11:18) |
164. 漂流教室
《ネタバレ》 CGの発達してない時代に、この原作の映画化は無謀だった。 それに、ストーリーも思いつきのデタラメに改変。 意味のないアメリカンスクールの設定。教室で突然始まるミュージカル。 怪物との戦闘中にピアノを弾く教師。脈絡なく挿入される少女のシャワーシーン。 観る者を凍りつかせるクサいセリフと演出。 漫画の原作を台無しにした映画としては、『デビルマン』と双璧。 [ビデオ(邦画)] 0点(2012-12-10 19:13:04) |
165. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 若い頃に最初観たときは、ヌルい映画だなという印象で、自分の中での評価は低かった。 世間の評価が自分の印象よりずいぶん高かったので、数年後にもう一度観てみると、最初観たときより面白かった。 ただ、内容はほとんど忘れていたので、その時の自分にとってはそれほど心を動かされるものがなかったということ。 ところが、最近久しぶりに見直してみると、なぜか心に染みた。 映画は観る時期を選ぶということか。 映画しか娯楽がなかった時代の映画館内の熱気が伝わってくるよう。 テレビや他の娯楽が増えて、街のみんなが一箇所で盛り上がるようなことはなくなったが、そういう不便な時代のほうが本当は楽しいのかもしれない。 想い出の映画館が取り壊される様子には、センチメンタリズムとノスタルジーがかきたてられる。 トトに対するアルフレードと母の深い愛情には胸を打たれる。 年を経るほどに味わい深くなる類の映画のようで、またいつか観直すことになるだろう。 [ビデオ(吹替)] 9点(2012-12-06 00:51:19)(良:1票) |
166. シャイニング(1980)
原作者のスティーヴン・キングが、出来上がった映画を観て、キューブリック監督に激怒したらしいから、原作と映画はずいぶん違うのだろうが、これはこれで面白い。 呪われた館の恐怖がでている。 -------------- 久々に再鑑賞してみたら、思ったよりも深いホラーだった。 ネイティブインディアンの怨霊を示すものがストーリーにこめられていて、その怨霊が白人を狂気の世界に誘う。 聖なる霊能力であるシャイニングを持つ者と、それを排除しようとする悪霊世界。 ラストの写真も意味深で余韻が残る。 何よりキャスティングが抜群で、ニコルソンの狂気は言うまでもないが、妻役のシェリー・デュヴァルもエキセントリックな雰囲気がハマっている。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-05 15:39:25) |
167. バック・トゥ・ザ・フューチャー
これぞエンターテイメント、万人が楽しめる映画。 マーティがタイムマシンで過去に戻り、自分の両親たちとも絡みながら奮戦する様子が楽しい。 久しぶりに見直してみると、伏線がしっかり張られて無駄のない構成に感心する。、 タイムマシンのパラドックスを巧妙にストーリーに組み入れているが、難解な解説抜きでわかりやすく話に乗っていけるように仕上げた手腕はすばらしい。 [ビデオ(吹替)] 8点(2012-12-05 14:26:50) |
168. アマデウス
天才モーツアルトに対する宮廷音楽家サリエリの苦悩が見事に描かれている。 ストーリーに引き込まれて、160分の長さを感じさせない映画。 ディレクターズカット版より20分短いが、重厚なドラマになっている。 [ビデオ(吹替)] 9点(2012-12-05 14:05:41) |