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1.  メッセージ 《ネタバレ》 
「灼熱の魂」以降この監督の作品はチェックしているが、観る者を引きつける画力と構成力は本作でも健在。地球外生命体に対峙するという題材でありながら、テーマは常に主人公の内面に置かれている。彼らが彼女に提供した「武器」の持つ意味とは…愛娘の誕生や成長など、幸せであるはずの瞬間に見せるエイミー・アダムスの影のある表情が、その重みを感じさせる。
[映画館(字幕)] 8点(2017-05-21 09:52:29)
2.  サラの鍵 《ネタバレ》 
 久々にレビューを書かずにはいられない作品に出会った気がします。作品のインパクトが強すぎて、自分の頭の中でうまく処理できない、というだけかもしれませんが。。   1942年と現代が交差しながら話が進みますが、構成が巧みで、個々のシーンも存在感があり、そしてエンディングも非常に素晴らしい。鍵と共に重い悲しみを抱き続けながら、それでも強く生きようとしたサラの人生が、同じ名を与えられた罪のないあの子供の幸せに何らかの形で繋がるのだとしたら、、、サラの人生も、そしてあの息子さんの涙も、(たとえそれがほんの少しだとしても)報われるのではないでしょうか。そんな事を感じました。    ミニシアターでの鑑賞でしたが、エンドロールが終わるまで一人も席を立たず、突きつけられた難題に思索を巡らせているような重い雰囲気が場内を覆っていました。
[映画館(字幕)] 9点(2012-02-20 18:22:20)
3.  告白(2010) 《ネタバレ》 
個人的には2010年上半期№1の衝撃作。原作は未読。エンドロールが終わっても、しばらくの間だれも席を立つ客はいなかった。教育、家族、恋愛、友情、命といった、これまで世間で「是なるもの」として築き上げられてきた価値観が完全に崩れ去っている中学校。表層の一体感に終始し、人間関係はすでにその根幹を失っている。自分一人で世界観を築き上げる危険性や、集団になった途端に一種の思考が停止する脆弱性の中で、各人が有する愛情はその対外的なバランスを失い、対象を(ときに偏執的なまでに)特化していく。主人公の森口をとってもそれは例外ではない。彼女は教師でありながらその愛情は娘に集中的に注がれ、娘を殺した生徒に徹底的なまでの復讐を仕掛けていく。(個人的にはラストの「な~んてね。」も狂言とは思えなかった。彼女に少しでも教育者としての自覚が残っているのならば、辞職までして復讐に集中する事は無いように思える。)ただ一人、自らの二面性に気づき、悩み、また恋愛し、人間の「善」なる部分を信じようとした美月が無残に殺されるストーリーが何とも救いがない。現代社会が抱える問題を潜在的に映し出す物語にradioheadの音楽が絶妙に重なり、作品としての力をいっそう増しているように感じられた。
[映画館(邦画)] 9点(2010-07-09 18:49:08)(良:1票)
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