1. 年下のひと
女たらしの美しい男は眺めているだけで、幸せな気分。わが国にはあんまりいないタイプだから。恋愛はドロドロ。でも、恋愛はもともとドロドロなものだし、特に物書き同士は映画にもあったように、「作家は虚構を生きる」から、あんなもんでしょう。「彼は私のすべて」いいなあ~。そんな人に巡り遭えただけでも、あなた、幸せってモンですよ。 7点(2004-09-18 14:35:02) |
2. イギリスから来た男
ちょっと殺し過ぎの感は否めないが、私は充分感情移入出来た。自分の知りえないところで、最も愛した人(或いは深く関わった人くらいでも)が、自分のせいで不幸な人生を歩んだのではないか?という思いはかなり辛いものだ。幸せだったのか、不幸だったのか、殺されたのか、事故だったのか、どうしてそうなったのか?この父親の知りたい願望(本当に知りたいだけなのだ)は、そのためなら命さえ惜しくないほど強烈なもので、人間というのはつまりはそういう変なものなのだと、既に中年になった私は思う。この父親の悔恨は、私の胸をかなり打った。若い時見たら、全然分からなかったかもしれない。 7点(2004-06-10 01:49:28) |
3. スリーピー・ホロウ
青味がかった映像が綺麗な、ファンタジー・ホラーといったらいいのか、そんな作品です。ホラーはちょっと勘弁、という人も大丈夫、これなら見ても夜中にトイレに行けます。金髪のクリスティーナ・リッチは、彼女と識別出来ないほど何故か可愛いです(美容番組の変身前と変身後みたい)。いつもやや濃い目のジョニー・デップも薄目のいい男振りを発揮しています。筋はどうということもないので、全て作り物、とハラハラドキドキせずに、雰囲気を大いに楽しんだら良いでしょう。 6点(2004-01-04 00:46:17) |
4. ダンス・ウィズ・ウルブズ
うーん、批評しにくい作品だなと思います。演技もメッセージも悪くないのに、もう1度観たいとは思わない。ジーンと来ない。感動しない。どうしてか?とにかく、長い、だらだら長い。プラス、何となく主演のケビン・コスナーの内面があんまり伝わってこない気がするんだけど・・・。台詞が練られてないのかなあ? 6点(2004-01-03 18:58:47) |
5. ブエノスアイレス
いい役者だなあ、レスリー・チャンて。さらばわが愛も、このブエノスアイレスも彼じゃなきゃ。他の役者なんてもう全く想像できないもの。すごいよ。何で死んじゃったんだろう、あらためて、合掌。 7点(2004-01-03 16:02:33) |
6. ジュラシック・パーク
初めて観たときの驚きは今でも忘れられない。当時まだ小学生だった我が家の息子(恐竜博士と友達から呼ばれていたっけ)は、恐竜が追いかけてくるシーンで、余りのリアルさに恐怖で完全に固まってしまっていた。失神したらどうしようかと、私はその方が怖かった。 7点(2003-12-13 01:05:35) |
7. スリング・ブレイド
結末がちょっと受け入れ難いです。それにしても、この俳優さんは怖いです。出てくる度に作品によってまるで、別人。この俳優さんを見るたびに、警察の面通しにもし自分が目撃者として呼ばれたらどうしよう、と怯えてしまいます。この人が犯罪者じゃなくて、俳優で良かったです。 6点(2003-11-26 21:37:07) |
8. クッキー・フォーチュン
最初ちょっと眠くなるような感じだったんですが、後からぐんぐん引き込まれてしまいました。映画を観る楽しみって私の場合、まさにこういう映画に出会えることにあるんだなと思いました。まるで綿密に作られた劇を観ているようです。俳優も素晴らしいです。特に脇役の警官とか婦警、歌手、魚屋などなど。ピタッとハマッています。主演の女優も、ハリウッドの俳優ってどうしてこうも別人のように役によって見えるのか不思議なくらいです。グレン・クローズはともかく、リヴ・タイラーはアルマゲドンやジョエルだっけ?とは完全に別人だし、ジュリアン・ムーアもハンニバルからは想像も出来ません。皆さんさすが芸達者です。 9点(2003-11-06 22:32:15) |
9. 隣人は静かに笑う
後味の悪い映画だが、それだけに逆にリアリティが増す。現実はこんなものかもしれない。うーん、用心して生きなきゃ。余計な心配かな?でも、主人公は何にも悪いことしてないのに、それどころか子供を助けた(これも既に罠か)良い人なのに、本当に可哀想。怪しいと思った時点で、何か証拠(極秘の書簡とか)を残せなかったのか、と思う。こういうハリウッド映画もありなんだ、と印象深い作品です。 7点(2003-10-09 22:39:33) |
10. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
前に映画館で観たときより、家でこの間、DVDで観たときの方が感動が大きかった。ドキュメンタリー風に話は淡々と進むが、歌手イブライム・フェレールの最後の言葉を聞くとき、胸が詰まる。映像から想像される通り、彼らは厳しい生活を余儀なくされて来たのだ。ラテンの音楽、ダンスもやはり彼らの物だと強く思った。日本人が何をやっても所詮真似事に過ぎない。でも、ラテン音楽もダンスも大好きだから、嫌がらずに是非歓迎してね。 8点(2003-10-08 22:08:47) |
11. 乙女の祈り
《ネタバレ》 圧巻。好きな映画ではないけど、多くの人に見て欲しい。特に精神にかかわる仕事をしている人は必見じゃないかと思います。殺人を題材にした映画はあまりに多いけど、ここまで何故?に拘った映画は無いのでは?実話だけに説得力がある。粘土細工や、少女達が遊ぶ森の中のシーンが、お人形いっぱい、お花いっぱいのメルヘンチック、だけに妄想が肥大化し安易に殺人に至る経緯が恐ろしく不気味だ。「乙女の祈り」なんていう題に騙されて観るととんでもない目に遭う。 8点(2003-09-29 00:45:20) |
12. 海の上のピアニスト
これは一種の御伽噺だと思います。あんな状態で1人で船の中で、生きていられるわけないですもん。船は何か母親の胎内のようなものなのだと思います。一生出ないでそこに安住する、外を一切知らず生きる、それが出来たらそれはそれで幸せかもしれない、この監督の映画は大体、幼年時代の思い出がすごく重要な要素でしょ。その行き着いたところが、この映画のような気がします。子供、幼児、赤ちゃん、胎内と。でも、私はだからといって、この映画が悪いとは決して思いません。多くの人々が持つ普遍的な憧れを全く違った形を借りて、とても美しく表現していると思います。世の中を広く知るってそんなに大事なことなのでしょうか?ぅん? 8点(2003-09-29 00:28:16) |
13. ライフ・イズ・ビューティフル
評判は高かったけど、私はそう感動できませんでした。何か状況設定に無理がありすぎるような気がしました。如何に困難な状況にあっても笑いやユーモアを忘れずにというのは、そうありたいものだと思いますが、実際あの状況で可能だったのでしょうか?主人公の言動に逆に神経を逆なでされるような不快感を抱いたところもありました。日本人と欧米人では感覚が違うのでしょうか?戦車の話は良く出来ているとは思いましたが。良かった良かった、是非見て、と他人に私は薦められません。 6点(2003-09-29 00:12:06) |
14. セントラル・ステーション
私の好きな範疇の映画です。確か本当のストリートチルドレンから選ばれたんじゃなかったかな、主役の男の子が良かったです。南米や中南米の映画って、我々日本人から見ると、妙に酷薄なところと、人情味溢れるところが、混ぜこぜになっていて面白い。どういう展開になるのか意外と予測がつかないこともあってへぇーっと思わされたりするんだけど、この映画は予測通りだった。 7点(2003-09-28 23:57:18) |
15. 踊れトスカーナ!
なんとものどかな田舎が羨ましくなるような映画でした。とても現代とは思えない位、素朴でつつましい生活。でもあくまで陽気で、とっても楽しそう。ほのぼのして、こういう生活もいいなあと思わせられるようなそんな感じがしました。 6点(2003-09-27 02:49:28) |
16. スウィート ヒアアフター
あんまり面白くはないけど、見た後けっこう印象深くのちのちまで覚えている映画の類。真実を暴くより、過去の悲劇は黙して語らず、静かな共同体として今の生活を守るほうが人々は癒されるのだ、ということなのでしょうか?わかるような、納得できないような、自分の方に引き寄せて考えてみても難しい問題ですね。生きていくことの共通した困難さが良く描かれていると思う。 6点(2003-09-15 23:00:03) |
17. 暗い日曜日
《ネタバレ》 ヒロインが綺麗すぎるくらい綺麗。あんな女性なら、男2人に女1人というのも充分説得力あり。「暗い日曜日」は確かに繰り返し色々な映画でも使われているし、時代の陰鬱な雰囲気をよく捕らえていると思う。この映画でついにこの曲のCDを買ってしまった。最後恨みを晴らせて良かったと思うけど、あんなにおじいさんになってからじゃ辛いなあ、それに息子は一体誰の子なんだろう?もしかして?そういうことはないのか、多分、彼女には分かっているのかな。 8点(2003-08-30 01:36:34) |
18. シャンドライの恋
期待して観たんだけど、何か期待はずれというかつまんなかった。ビデオで良かった。ちょっと切ない部分もあるにはあるんだけど、あんまり身につまされない。どうしてか分からないけど。両主人公共に素直に感情移入出来ないせいだと思う。 5点(2003-08-29 23:04:04) |
19. ファイアーライト
前半ものすごく切なくて、いいなあって思ってみていたら、後半するする上手くいってしまって、あれれ~っと拍子抜け。そう物事上手くいくかなあ。まあ、いくときもあるけど、映画がこうだと実人生の厳しさが身に沁みてしまいます。でも、決して悪い映画ではありません。 7点(2003-08-29 19:29:45) |
20. ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ
映画としては色々不満もあるけれど、本物のジャクリーヌ・デュプレのチェロの演奏にすっかりハマってしまった。結果、山のようにCDを買い毎晩デュプレ漬け。しかし、聴けば聴くほど魂を吸い取られるように素晴らしい。いくら天才といっても彼女のように10代の頃にあんな高価な由緒ある楽器を2つもプレゼントされた演奏家なんて、彼女以外にどの位いる?そういう意味で必見の映画です。天才の孤独感なんて、所詮凡人にはわからないでしょう。だって天才である苦しみなんて、天才しかわからないんだから。この世のものとも思えないような音楽を奏でるために生まれてきて、それ以外はとてつもなく辛い人生を送った女性に合掌するしかない。彼女の存在を知らずに死ななくて良かったと思うので、この映画に感謝。 7点(2003-08-29 00:58:35) |