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わいえすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 107
性別 男性
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1.  友罪 《ネタバレ》 
ロバート・アルトマン風の群像劇として観るべきなのか悩む。佐藤浩市扮するタクシー運転手の存在は必要だったのか疑問が残る。 そしてそれ以上に疑問なのが、現在の殺人事件と、鈴木との関りが、ほとんど追求されていない点である。 近所で過去と類似する事件が起きれば、当然、最重要容疑者の一人ということになる。更なる事件を防ぐためにも、益田としては、まずその点を明らかにすることが最優先となるはずである。そして、犯行を現在進行形で続けているとすれば、恐怖や怒りといった感情も、より増幅されるであろう。 例えば、DNAとかアリバイなどがあり、初期段階で『少年A』ではない、鈴木ではない、とかいう描写でもあれば、まだ納得できる。しかし、そのような描写は記憶にない(覚えていないだけかも)。そもそも、そういった描写があったとしたら、事件そのものが必要なくなる。現在の事件が鈴木を『少年A』に導くためだったとしても、それが近所である必要はない。遠隔地でも充分なはずである。近所で事件が起きるということは、当然のことながら、鈴木が犯人である可能性にリードされざるを得ないわけで、にも関わらず作中で、雑誌記者の元カノがいるにも関わらず、そうした点を追求した形跡がほとんど見られない、というのは理解に苦しむ。 もっとも、その線で話を引っ張ると、サイコサスペンスホラーと化してしまい、元々のコンセプトからはかけ離れた作品になってしまうのであろう。 さらに、公園でのシーンで、鈴木が『少年A』であると告白した時に、現在の事件について言及したのか。これも覚えていません。 いずれにしても、そうした点を正そうとすると、ストーリーを根底からひっくり返す必要が出てくるのであろう。原作の問題なのか、シナリオの問題なのか、原作を読んでいないので不明です。 まあ観ている最中は、そうした点は気にならなかった。 瑛太の演技は、モデルがないだけに難しかったであろう。 本物の『少年A』も、この日本のどこかで今も生きている。我々は、彼らの罪にどう向き合うべきなのか、問われている。しかし、答えはないのであろう。 最後の佐藤浩市の微笑みがいいですね。やっぱり孫の誕生が嬉しいのであろう。誰もそれを否定できまい。 ところで地元民としては、入間郡で事件が起きて、犯人が所沢在住まではいいとして、タクシーが川口というのは遠すぎないか。まあロケの都合ですね。 いろいろ書いたけど、もし間違ってたらごめんね。
[映画館(邦画)] 7点(2018-06-13 09:48:34)
2.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
私もトレードを少々やっているのだが、天井で買って、底で売って、を繰り返している。あの規模で、逆張りのショートを二年間続けるなど信じられない。しかも顧客からのプレッシャーに加えて、債務不履行が増えているのに、値段が上昇するという不可解。ルールも何もあったもんじゃない。作中でも触れていたが確かに昔は、銀行員は真面目でお堅いというのが一般的なイメージであった。証券会社の方が悪名高かったと思う。いつからこうなったのだろうか。いきなり役者が説明を始めたり、テロップが出たり、こういう『アウトサイド』な演出は割と好きです。ドキュメンタリー映画が一般化しているが、その影響なのかな。四人とも(というか六人?)強烈なキャラクターだが、彼らの憤りと葛藤には誰もが共感できるだろう。何故、愚行が繰り返されるのか。派遣切りとかブラックにも通じるところがあると思うのだが、良心の欠如というより、想像力の欠如が問題のような気がする。ある種の集団心理だ。そっちの方向から分析すれば、再発も防げるのではないだろうか。リーマンの社内に潜入するシーンが切ない。私もアベノミクス崩壊に賭けて、全力ショートしよう。
[映画館(字幕)] 10点(2017-01-12 01:47:09)
3.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 
カソリック教会での児童虐待。私が初めて知ったのは、CBSドキュメントによってだったと思う。恐らく十年以上も前だろう。現在ではほぼ『常識』として認知されているが、そうなるまでには当然何らかのきっかけがあったわけだ。この記事がそうだったんですね。性欲すなわち『種の保存』本能は、人間にとって最も根源的で強力な欲求なので、何らかの手段によって解消しないと、必ずゆがんだ形で暴発する。中世以来の魔女狩りなども、明らかに性的倒錯の発露だと思う。それにしてもこの規模と人数には驚かされる。最初は地味だなあと思って見ていたが、被害者の話を聞いているうちに、こちらまで心を動かされた。そこから話に引き込まれていく。うまい構成だ。カソリック教会、日本だと創○学会や解○に喧嘩を売るようなものだろうか。記者たちのプレッシャーは想像を絶するものがある。いやいや、教会の方がまだ良心的かも。決して他人事ではない。彼らのようなジャーナリストは日本に存在するのか。やっぱり文春?ネットの普及によって、既存メディアには逆風が吹いている。しかしネット自体が新聞やテレビにかなり依存している。誠実さに心打たれる良作。
[映画館(字幕)] 10点(2017-01-12 01:39:08)
4.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 
過去に原作を二回ほど読んでいたにもかかわらず、内容をあまり覚えていなかった。しかし映画を見ながら思い出した。コントロール、ナイフ使いのリッキー・ター。ギラムが若い。年配の男だと思っていた。妻も若くてギャルっぽい。もっと地味でキャリアっぽいタイプを想像していた。カーラは顔が見えないにもかかわらず、ほぼイメージ通りなのが凄い。孤独な学生と元スパイの交流。さりげないヒューマニズムもル・カレの魅力だと思うが、きっちり描かれていて好感が持てる。運転するシーンがいい。そして何と言ってもスマイリーをゲイリーが演じるとは。太っていないスマイリーなどあり得るのか。しかしこれが見事にスマイリーなのだ。お互いに壁の向こう側にいて、顔も見えない相手に対して、策を弄して人生を破滅させようとする。アクションはほとんどない。書類を漁り、証言を集め、過去を一つずつゆっくりと辿っていく。何もかもが地味な作品だが、冷戦時代の諜報戦のリアリティと恐ろしさを、これほど堪能できる作品は他にないだろう。最初から最後までゾクゾクしっ放しでした。続編が超絶楽しみ。
[映画館(字幕)] 10点(2017-01-12 01:28:22)
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