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1.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
持てる時間をすべて使い、人間ではないと言われる生活に耐え、走り回り、どつきまわす、まさに韓国版ポパイ(フレンチコネクションより)。そこにあるのは正義等と言える口当たりの良いものではなく、「犯人を挙げる執念」だろう。そのエネルギーは、正悪を超えて、違法手段を用いることへの嫌悪感、冤罪の危険性も吹き飛ばし、まだ見えぬ犯人に向けて猛進していき、観ている側もその渦に巻き込まれていく。 ラストですべてを掛けて追いつめたと思われた犯人は、実は違った・・・その時、冷静・理論的だったキム・サンギョンの失望に打ちのめされた表情と悔しさと怒りで犯人と思わる人間に銃を向けるラストシーンはまさに名場面で、観客に大きなカタルシスを与える。 実話をもとにした未解決事件をドキュメンタリーではなく、エンターテイメントとして作った成功作品。主演のソン・ガンホの骨太な存在感に支えられた男臭い映画で、昨今では邦画・ハリウッドでもあまりお目にかからない、傑作フィルム・ノワール!
[DVD(字幕)] 10点(2011-04-24 21:17:24)(良:1票)
2.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
日本では未公開らしいですが勿体ないですねー、こういった埋もれた傑作に出会うことがあるので、DVD映画鑑賞を止められない!本作もそんな映画です。原作はデニス・ルヘインですから、観る前から可能性は秘めていましたが、予想以上。 あらゆる人達の行為、それも善意と思われる行為はすべて水泡に帰してしまい、後には苦い現実しか残らないという、最近のハリウッドでは少なくなったノワール調の映画で、イーストウッドなどが好みそうな内容です。 ラスト近くのモーガン・フリーマン演じるドイルと少女の穏やかで楽しげな光景は、砂上の城であることが分かるだけに、観ていて目頭が熱くなります。 母の元に戻すという主人公は、信念も感じられずどこか青臭く薄っぺらく感じられ、いかに単なる傍観者の一般的な正しさの主張が現実社会で無力で無意味かを痛感させられます。 ドイル警部、ブレサント刑事、ライオネル。最後までお金目当てを思わせ、子供の幸せを願うライオネルと、ライオネルの思いと娘を失ったドイルの悲しみを埋め、娘の幸せの為に泥を被るブレサント、失った我が子への代償と彼らの思いに応え、娘に幸福な環境を提供するドイル。彼らは現実に対処するには、一般的な正論より個人的な信頼関係に価値があることを相互に知っており、だからこそ実行に移せたのだろうし、彼らのような、自らが正しいと思った事に対してそれを実行し、且つ結果に対して責任を引き受ける覚悟を相互に持っている関係には、胸が熱くなり、理想の成熟した大人とは彼らのような存在を言うのでしょう 
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-06 23:15:06)(良:1票)
3.  あるいは裏切りという名の犬 《ネタバレ》 
久々のノワール映画で、全体に暗い映像で音楽も抑えめ。ハリウッドとは違う、しっとりとした艶のあるノワール映画です。これがハリウッドに行くと、スピード感とスリルはあるのですが、騒々しく艶のない映画になりがちで、それも嫌いではないのですが、本作は、このしっとりした艶が良さのひとつですね。 クランは冷酷非情な悪人というより、権力志向が強いが弱い、いわば一般的な人間で運が悪過ぎたにすぎないかも。レオの妻が死んだ際、撃たれて死亡したと偽ったのは、罪悪感、それもレオに対する罪悪感だろうし、手錠をはめられたレオが娘にキスをする為に手錠を解くことを特別に許すあたり、出来る限り善人でありたい、それでいて出世もしたい通俗的なグランが想像できる。 一方レオは、職業倫理より個人としての人間性、つまりは信頼関係を最重視する人間で、情報を得た見返りに犯罪を見逃す、これは警官の職業倫理からすれば当然間違いで、彼は上層部に報告して、情報は得て、且つ、情報屋(シリアン)を捕まえるのが警察官としての模範だろう。しかしここで、個人としての人間性・価値観を重視するレオは、犯罪者である情報屋を最後まで庇う。そして庇って貰ったシリアンもレオの妻に義理として金を届ける。 社会的には真っ向から対立するはずの警官と犯罪者が、その社会的仮面を超え、個人として信頼関係を築いている。不完全な社会(そもそも完璧な社会など存在し得ない)では、個人の価値観が社会の規範を超越し得ることがあり、その個人の価値観をそのまま社会正義へ横滑りさせてしまうと、どこか嘘くさくなるが、本作は映像・音楽同様静かに底流させており、これが上質ノワールとして成立させている要因ですね。 
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-31 14:55:09)
4.  シリアナ
煮込み料理なのに煮込み不足だった・・・個々の具材は良いのに、煮込み不足で味は染みてないわ、ガリガリ硬いわ・・・そんな感じです。 物語の背景が複雑、登場人物・機関も多数になりがちな社会派サスペンスでは、主人公を中心に物語を展開していくのがノーマルな手法だが、本作はあえて群像劇的なスタイル(パルプフィクション等と同様)にて社会派サスペンスを展開させ、且つ、説明する時間が不足している為、観客は完全に置き去りです・・・大別して3つの物語がありますが、それぞれ70~90分要する物語を、半分かそれ以下の時間に圧縮し、且つ、細切れにして配列した為に複雑怪奇なものに仕上がっている。 以下は完全に個人的な予想です。監督及び脚本は共にスティーヴン・ギャガンですが、彼は本質的には脚本家で、現状では監督として力量不足ということではないかと思いますね。 脚本段階では、かなり練り込んだものになっており、アカデミー賞に相当するものだったかもしれない。しかし、実際に撮影を始めて編集する段階では、脚本を100%表現するには250-320分の大作になってしまうので纏めようとしたが、結局うまく纏められず、不完全燃焼なものになってしまったのではないかと。 有り得ない話ですが、今作を踏まえた上で、彼が同じテーマで、再度脚本から作り直して監督したなら、かなり上質な映画が出来そうな雰囲気はありそうなだけに残念です。 ともかく今作に関して言えば、完全に失敗で、監督&脚本家の自己満足に終わってしまったので、次回作に期待ですかねー、それでだめなら、監督向いてないかも・・・
[DVD(字幕)] 2点(2010-05-04 23:13:08)
5.  ディパーテッド
スコセッシ監督と言えば、一昔前までは当然デ・ニーロとなる所ですが、近年はそのデ・ニーロ推薦のレオ様(古い??)を起用することが多いですね。レオ様と言うと、どうしても甘いイメージがあって、スコセッシ作品から最近遠ざかっていたのですが、結構イイ役者になっていてビックリ!今後に期待したい所です。しかし今作に関して言えば、予想していたとはいえ、ジャック・ニコルソンが凄すぎるわ、何なんでしょうかこのオヤジは。シャイニングの頃からキレっぷりには定評のある?ニコルソンですが、今作でもイイ味出しちゃってますね。酒・オンナ・ヤク・殺しだけに生きている、まさに怪物のコステロを熱演です。このオヤジが放つ、いつキレて暴れ始めるか分からない妖しくヤバい雰囲気は独特のものですね、哀愁を感じさせるとかならデ・ニーロやアル・パチーノかと思うけど、この雰囲気、言い換えれば野獣性みたいなのを出せるのは、やはりジャック・ニコルソン!食事のシーンで切れた「手」を持つシーンや両手・全身を血に染めて普通には話しているシーンは鳥肌ものです!映画全体はストーリー的に出来すぎの部分が多分にありますが、楽しめたし、上述の強烈なアク&クセある演技のニコルソンも含めてこの点数→ 
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-13 11:32:16)
6.  シン・シティ
意図的な安っぽい演出、複数ストーリーによる人物の交錯など、まさにタランティーノ節といった構成の映画です。それに今作では、モノクロ映像にどきつい赤という演出、この「赤」は良いです!血と情熱の赤は、モノクロで抑え気味の映像に、スパイスとして作用し、映像に躍動感のようなものを与えています。この躍動感こそがアクションシーンと合わせて、40~50代フィルムノワールとは違う、21世紀の進化したノワールと言ったところでしょう。また、ヴォイスオーバーで男達の内的独白をさせることで、孤独感を強調する演出も成功していると思います。一方、これもタランティーノ映画に共通するもので、意図的に抒情的な部分を削ぎ落として、クールな部分を強調するのですが、個人的にはもう少しウェットな感覚を与えて欲しい所です!これは趣味の問題で、タランティーノ的ダンディズムと私の価値観(平たく言えば「カッコイイ男の定義」)が微妙に違うので、どうしようもない所と分かっているのですが・・・やはりチャンドラー的ダンディズムと比較してしまいますね~。しかしながら、映画全体としては、映像面、構成面ともに傑作に入る部類だと思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-08 13:15:53)
7.  ハリウッドランド 《ネタバレ》 
男の哀愁が漂う至極のノワール作品。過去と現在を交錯させる展開は、観づらいものがあるけど、ジョージ・リーブスの死という不幸な結末を最初に観客に示すことで、生前の元気で覇気あるジョージの姿が、不幸な結末との対比で一層物悲しいものにする作り方は、秀逸です。才能の限界や年齢から来る美貌の限界など、どうすることも出来ない挫折感や苦悩を抱える人物を、ベン・アフレック、ダイアン・レインの好演はもちろんだが、個人的には、エイドリアン・ブロディ扮する私立探偵ルイス・シモの生きざまに・・・(涙)。彼の置かれたクソのような境遇では、人に言っては笑われるか、相手にされない正義感を抱えながら、自らもクソの振りをし、その仮面をつけて生きている。女に別れを告げるシーンは、彼女の為というより、それまで彼女の浮気や自分の信念に目を背けて来た自分自身を捨て、信念に従って生きることを選んだシーンとして、大変印象深い。しかしその選択は遅すぎ、ある人間は死んでしまい、自殺した人間の周囲を騒がしただけで終わってしまう。彼の信念に従った行動は何の結果も生まず、すべては徒労であり無意味だったのだろうか??そうは思いたくない・・・彼の息子は、かつての仮面を付けた父親の言うことは聞かなくても、何かをやり抜いた彼の言うことなら耳を傾け、父親として尊敬し、認めるのではないだろうか?映画のラストでは語られてないが、語らずに観客に解釈を委ねるあたりは、ハリウッド的ではない心憎い演出であり、個人的にはこういう演出を見習って欲しいです。
[DVD(字幕)] 9点(2008-06-01 23:59:49)
8.  ローレライ
「潜水艦映画にハズレなし」の法則を打ち破ったローレライシステム、恐るべし・・・
[DVD(字幕)] 1点(2005-12-07 13:34:50)(笑:2票)
9.  ミリオンダラー・ベイビー
マギーは自分の尊厳を守るため下を噛み切ってでも死のうとし、フランキーは殺人とも言える尊厳死に手を貸し、スクラップは片目を失明してジムの雑用係として生きていく。自らの決断によってどのような重大な結果を招こうとも、それに耐えて強く生きることをイーストウッドは主張しているのだろう。それは素晴らしいことであり、批難するものではない。しかし、強い人間ばかりではない。無神論者に近いイーストウッドは、神が存在しないのなら人間がすべてを背負うしかないという人神又は超人のような人間像を提示してくる。「ミスティック~」の時はあまり感じなかったが、本作では23年もミサに通っていたフランキーだが、そこの牧師(又は神父)は偽善的に描かれており、フランキー自身も「マギーが必要としているのは神ではなく私だ」と述べている。イーストウッドは人間や個人に対して過剰な期待をしているのではないだろうか。言い換えれば、人間や個人に対する思い上がりが感じられてしまうのだ。ただ、予定調和的なハッピーエンドを強制される風土のハリウッドにおいて、現在のイーストウッドは稀有な存在だし、再鑑賞に耐えうる作品を撮る監督で貴重だとは思う。 
[DVD(字幕)] 2点(2005-12-06 18:50:22)
10.  パッション(2004)
イエスの「善性」を際立たせるためとはいえ、やり過ぎでは?というのが正直な印象。あれではサディストの兵士に虐められてるだけになってます。別にイエスでなくて、囚人でも捕まったスパイであっても、虐められる側に同情して見るので同じ印象を持つことでしょう。わざわざナザレのイエスを題材にするなら、相手(兵士など)を貶めてイエスの善性を強調するような手法は取って欲しくなかったです。キリスト教の国では当然知っていることかもしれないけど、イエスが何を訴えようとして人々を惹きつけ、ユダのように離れていき、何故大祭司達に罰せられねばならなかったのかなどを描かないと、イエスの全体像が見えず、映画としては失敗だと思います。個人的にはキリスト教・イエス像と言うと遠藤周作さんの影響が強いせいか、イエスが十字架の上で亡くなった後に起こる奇跡のようなシーンには抵抗がありました。このシーンを挿入したことで、隣人を愛せ、敵を愛せなど「愛」について語るわりには「神の愛」より「神の罰」の印象を強く受けてしまいました。それがアメリカの考えだと言われれば何となく理解できるんですが、個人的には、あまり好きになれません。
[DVD(字幕)] 3点(2005-05-02 14:35:39)
11.  ロスト・イン・トランスレーション 《ネタバレ》 
他の人も言われているように「外国人向け東京ガイド」といった感じがあり、実在するものを使っており、番組まで実在の番組を使ってました。マシュー南はいつもどおりのハイテンションで、いつもと違い?スベってました(笑)スベってくれという指示が出てたのか、それともリアルでスベったかは不明。あの空気ならスベって当然か。そんなことは置いといて、ただの東京ガイドではなくストーリーの方も捨てたもんじゃなかったです。自分を見失ったような喪失感を抱いた2人が異国の地で惹かれあう、これは異国ならではでしょう。母国なら、そういう喪失感に自分でも気づかず生活し、相手のことも敏感に察することはないでしょう。あの二人が交わるには「異国」という舞台が必要だったと思います。それが東京である必然性には疑問があるんですけどね。そういう交わることがない2人が一瞬交わり、離れてそれぞれの日常に帰っていく。そして、もう2度と交わることはないだろうし、交わらない方が幸福だろう。ラストも爽やかで、とても後味の良い作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-28 20:58:56)
12.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
生きてる意味があるのだろうか?そんな疑問を持つ人もいれば、いない人もいると思う。この映画の登場人物達はそんな疑問に嵌った人達で、この疑問は生活するには無意味どころか、むしろ有害ですらあるのに、嵌ってしまうと離れられない非常に厄介なしろものです。人から気遣ってもらいそれに感謝していても、誰かのことを愛していても、この疑問の外にはなかなか抜け出せない…いつも「私は生きてる意味があるだろうか?」その疑問だけが頭の中を駆け巡っていて、自分が生きていることに意味を見出せない。死んだように生きている彼らにとって生きていることは喜びどころか苦痛で屈辱でしかない、一口に言えばニヒリズムの状態なわけだけど、自分でもそれが解っていても抜け出せない。そんな彼らには共感するし、特に何の問題もなさそうなローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)には特に共感しました。その中で彼らは自殺したり、旅立ったりと、その環境から抜け出そうとします。それが彼らの「生きるとは何か?」の答えなのでしょう。しかし、現在の私の答えは彼らとは違うものです。私は未来に可能性が無く、怠惰な日常が果てしなく続こうとも、それに耐えていくことが「生きる」ことであり、それが周りの、そして自分の幸せにも繋がると思ってます。最後に私事なんですが、以前の私も生きていることが無意味に感じられ、苦痛であり、そこから抜け出す方法は自殺しかないんじゃないか?そんなことを思ってました。かなり頭でっかちになってたとは思うけど、そんな過去があるからこの映画を楽しめたのかもしれません。
8点(2004-11-11 15:58:24)
13.  ミスティック・リバー
「ミリオンダラー・ベイビー」を観たのを機会に再度鑑賞。この映画ほど観るたびに評価が変わる映画も少ない。1回目はデイブの悲惨さとジミーの妻の勝手ぶりだけが目に付き、2回目はアメリカ的正義を強要されているようで不快に感じ、3回目はミリオンダラー・ベイビーの後に観たためか、これまた評価が一変。これほどに「生きる」ことの罪の重さが圧し掛かってくる映画少ないと思うに至りました。生きることは決断の連続であり、それにより大きな罪を背負ってしまうことがある。誰かの責任という訳ではなく、神ではない人間が背負うには重過ぎる罪を背負って生きていくことをこの映画は痛切に描き出した、イーストウッドの力量には驚かされる。好きかと言えば好きではない映画だが、再鑑賞に耐える厚みを備えた傑作です。ただ、好きではないので点数は相変わらず低め。 
[DVD(字幕)] 3点(2004-10-02 23:55:38)
14.  散歩する惑星
ストーリーが無いに等しい映画で、なにが面白いの?と聴かれると困るんですが、あえて言えば、この監督と価値観が近いということでしょうか。登場人物のほとんどが苦悩を抱えた、憐れむべき人達です。しかし最近の社会はというと、競争して打ち勝て、合理化しろ、この映画では「安く仕入れて、高く売れ」で、イエス像まで商売道具になってしまう。けど、人間はそれだけでは生きていけない、それ以外の何かが必要なんだと思う。例えば映画でも言ってる「詩」なんかもそのひとつでしょう。そういったものが登場人物達には必要で、おそらく自分にも必要なんだと思う。競争、商売、お金、それ以外にも重要なものがある!このことを直線的に描くと、どこか偽善的になったり、説教っぽくなったりしてしまう。そこで、ちょっと(かなりか?)ぼやかして描く。言いたい事がある、けど、はっきり言えない又は言わない、この辺りが良いですねー。けど、ストーリーはどうにも…だったので点数はこんなもんです。
6点(2004-05-22 21:30:44)
15.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
社会主義が崩壊し資本主義に圧倒されていく流れの中では、社会主義に対する風当たりが厳しくなるのは仕方が無い。しかし、社会主義の全てが間違っているわけではないし、その中でそこそこ幸せに生活していた人達がいたわけです。そういった人達にとって変革は必ずしも良いものではなかった。仕事は失うし、かつての労働者の英雄はタクシー運転手になってるし…社会の中でしか人は生きられないが、社会は個人の思いとは関係なく回転し、流れていくようで哀しかったです。けど、映画全体はコメディということもあって、それほど湿っぽくありません。また、西でも東でも禁止されている散骨をするシーンは、西だ、東だ、資本主義だ、社会主義だ、そんなことより大事なことがあると訴えているようで、救われました。
7点(2004-05-09 14:22:33)
16.  過去のない男 《ネタバレ》 
発見した自分の過去に、もう戻る場所が無いとは残酷です…生きてきた自分はなんだったんだ?と疑問を持たずにはいられません。けど未来にはかすかな希望が持てる、過去は大事だけど、過去のみで生きてるわけじゃないんですよね。人生はいつでもやりなおせる、やりなおしができないと思うのはひょっとしたら過去に縛られすぎてるせいかもしれません。いつもながら、カウリスマキ監督の人間に対する眼差しはやさしく暖かい。 
7点(2004-05-05 17:07:48)
17.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
このやりきれない気持ちをどこに持っていったらいいのやら、残された人達(観客も含めて)はどうしたらいいの。彼女はあのようにしか生きられない、どうしようもないです。私は裁判のときに全部喋ってしまう類なので共感はできないけど、セルマを何とかしてあげたいと思いました。けど自分の近くにも彼女のような人がいても、私は気が付いてあげることもできないかもしれません、情けない話ですけど。ドキュメンタリータッチのカメラワークは批判も多いけど、セルマという一人の女性の人生を見せられている感じがして好きです、悲しさ、せつなさも倍増です。
9点(2002-07-15 06:28:46)
18.  英雄の条件
ベトナムとアメリカという視点で見ると???となるけど、国の為に戦った1軍人と国家という視点で見ていたので、国を思う彼の純粋さに素直に感動できました。この映画は戦争賛美やアメリカ万歳といよりは、国家というものの傲慢さを描いた印象でした。軍人は国の為に戦うが、国家のために犠牲になるのが当然というわけではないでしょう。
8点(2002-07-15 01:26:58)
19.  パール・ハーバー
多くの人が言っている事に、私も同意。アメリカは正義!アメリカは正しい!アメリカ万歳!という内容で、これだから米国は戦争するんだと痛感しました。それと製作者は映画の歴史をもっと勉強すべきだと思う、映画は製作者の意図とは別に娯楽であると同時にプロパガンの役割を担うということを解ってない。ラブストーリーとしては三角関係を描いてるだけで特別見るべきものもなかった、日本の連続ドラマと同じレベル。
3点(2002-07-12 05:37:30)
20.  弟切草
このつまらなさ!伝説になるカモ~、映画館で金払ってたらキレてるぞ。これなら全部奥菜恵の入浴シーンの方がいい、奥菜のかわいさに1点。
1点(2002-04-20 20:52:32)
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