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1.  海底二万哩 《ネタバレ》 
本作を元にしたような、NHKの人形劇の方を先に知っていたので、同じようなストーリーかと思っていたら、妙に哲学的な話だったので意外だった。ディズニーだし、「天才科学者が、自ら造った最新鋭の潜水艦で未知の大海原を冒険する」というような、ファンタジー性溢れる大娯楽作品だと勝手に想像していたので、頭の中を整理するまでにちょっと時間がかかった(私が悪いです。すみません)。個人的には、主要登場人物の誰にも感情移入が出来なかった点が痛かった。いくら戦争の火種となる火薬を積んでいるとはいえ、その船の乗組員もろともふっ飛ばすというネモの行為はちょっと理解できないし、最後まで和解か裏切りか立場がはっきりしなかったネッドもいただけなかった。また、ネモは天才という割には、潜水艦はすぐ座礁するし、自ら体当りしてダメージ受けてるし、人格的にもいわゆる「敬愛すべき船長」という感じではなくて、なんかその辺がちょっと…という感じだった。ただ、1954年という制作年を考えると、ミニチュアといい、造形といい、この映画はすごいと思った。ネッドは、どっかで見た顔だなあと思っていたら、カーク・ダグラスだったんですね。納得。
5点(2004-05-28 11:19:56)
2.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
まず、エニグマさんもおっしゃっているように、ゴジラと目が合うという恐怖。彼は確かに上から我々人間を認識し、見下ろしている。比べて申し訳ないけれど、最近のゴジラでは、ゴジラが街に現れても人間には目もくれず、ただノッシノッシと直線的に歩いて行くだけなので恐怖感がない。ゴジラの進行方向に対して直角に逃げればすぐ逃げ切れる雰囲気がある。しかし本作では「追われる/ 襲われる」という恐怖が痛いほどまでに表現されている。熱線でパトカーごと焼かれる警官や逃げ惑う人々、狭い路地に逃げ込んだが崩れてきた瓦礫の下敷になる人々など、白黒独特の画面とも相まって、トラウマになりそうなほどの恐怖を感じる。私は戦争を経験していないが、おそらくこれはまさに空襲の恐怖そのものではないかと思う。終戦間もない当時、戦時中を知るスタッフが手掛けたからこそ、空襲へのメタファであるこれらのシーンが、これほどまでの迫力を持ち得たんだと思う。また、「ゴジラが現れた! →(カット変わって)→逃げる人々」ではなく、人間とゴジラが同じ画面内に捉えられているのも、恐怖を増幅する一因だと思う。とにかく、本編・特撮、共に人間の目線から描くことに重点が置かれており、それがこの臨場感を生んでいるのだと思う。…と、ベタ誉めしてきたけれど、何の縛りもない、初作だったからこそのアドバンテージもあったはずで、そういう意味では、後の作品より完成度が高いのは当然かも知れない(もちろん、だからこそ逆に凄いのだけれど)。後のゴジラ人気で、人間よりゴジラを描くことにニーズが変わっていったことを考えると、後期の作品に人間の目線が足りないのも致し方ないかも知れない。けど、個人的にはもう一度、このスタンスでゴジラを描いた作品が見てみたいと思う。なんとかなりませんかね、東宝さん…?
10点(2003-11-16 16:31:57)
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