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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  リトル・ヴォイス 《ネタバレ》 
イギリスのソープオペラ(連ドラ)ですね、これ。みじめな人々が、サクセスストーリーを夢見ながらも、結局みじめなまま(?)で終わる。ま、ハリウッド並みのサクセス人生なんて、そうは転がってないんだよ、と。主人公に、自分の才能に過剰な自信を持ち、目をキラキラさせて「今は苦しくったって、夢は叶うわ!!」と叫ぶ可愛い子を据えるパターンが多いなか、正直、ルックスも性格もイマイチ・・・というか描き方が微妙すぎてどっちもよく分からん、というこの映画は新鮮ではありました。最後、幸せそうに笑う主人公に勝手な未来を描いてあげることが、見た者に許される最大の遊びかな。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-08-27 07:49:38)
2.  黙秘 《ネタバレ》 
みんな、ギリギリのところでせめぎ合っている。刑事と被疑者。主人と使用人。夫と妻。父と娘。そして母と娘(この関係が最大の緊張を孕んでいるような気がする)。一見したところ、よくある関係性の連続。でも内実は、それらのうち一つとして、真実を照らす「普通」の関係にない。せめぎ合い、ねじれ、そして事件は起きた。日蝕という幻想的な非日常空間を背景に、それぞれの関係性が、想像だにしなかった暴露をはじめる。実力者揃いの俳優達が、キングの世界観を丁寧につくり上げた、見ごたえのある作品。(サウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐が、あの意地悪刑事だなんて!)
[地上波(字幕)] 8点(2005-04-20 07:33:09)
3.  フェイク
パチーノの、もはや彼の反則ワザとも言える「初老の哀愁を、少し小さめの背中とアイフル犬並みに潤んだギョロ目で訴える」演技が全開。デップも、それを邪魔しない程度のはっちゃけぶりと、微妙に破綻した主人公の人格描写で面目躍如。脇役のお兄さん達も、ウザ系アン・ヘッシュも、ちょっとした陰の部分の出し具合がお上手で。でも。いくら俳優陣の演技が冴えていても。いくら実話でも。罪のない店員や仲間を散々ボコったり殺したりしながら、「友情」だの「信頼」だのを行間に語らせ、「ヤクザだって苦悩してるんだぜ」なノリで最後はカタルシスを誘い出す、そんなストーリーのあざとさが苦手かも。
[地上波(字幕)] 5点(2005-04-15 09:22:07)
4.  ラストサマー
謎を解こうと、テレビの前で握りこぶしつくってドキドキしてたら、謎は、もう解けてた。てか、謎なんて、もともとなかった。握ったこぶしの行き場がなくて、こった肩を叩いてみた。どっとつかれた。
3点(2005-03-12 08:28:55)
5.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
観てしまいました……おつかれ~>自分。ある意味、かなりがっつり観てしまったんです。バーホーベンというからには、何気ない設定のなかに、いちいち非常にエロい&くだらない小細工が隠れているんだろう、と。例えば、あの脳ミソ吸い取るネチョネチョした虫、取りあえずバーホーベンさんならヒトの性器を意識したはず、だって無意味に嬉しそうな局部アップ多すぎ!とか。カルメンという名前、オペラのタイトルロールで男を骨抜きにする酒場のお色気お姉ちゃんのことだったよなー、デニスぴったりじゃん!とか。がんばって色々考えてたら、いつの間にか映画が終わってました。「えっと、どんなストーリーだっけ?」と最後友人に助けを求めたら、かったるそうに「えー?虫退治の話」と言われました。
4点(2005-01-21 09:10:30)(笑:1票)
6.  アイス・ストーム
話に起伏が無いなー、嫌いな人は徹底的にきらいだろうなー、登場人物に笑顔が全くないしー、落ち込むよなー、とネガティブなことばかりを考えながらも、ひきつけられて見てしまった作品。見終わった後の乾いた空気と空虚感が、実は心地よい。アメリカのこの時代を描いた作品となると、ふつう、型にはまった音楽とファッションとライフスタイルがこれでもかとアピールされるのだけど、これは違う。ロックが爆音で流れない70年代ムービーなんて初めて!と思わせる劇中音楽は、大いにアジアな趣き。なるほどね、アン・リー。
7点(2004-08-31 08:37:04)
7.  プロポーズ 《ネタバレ》 
テキサス娘レニー嬢は、やっぱりこういう「30%すれっからし風味」がよく似合う。出来すぎでも、野心ギラギラでも、たちの悪過ぎの不良娘でもない、そこらの隣の女の子風。真っ白花嫁集団にも特に恨まれずに彼をモノにできたのも、彼女なればこそ。レニーだけでなく使い捨て状態の婚約者を演じる女優陣も見事。その分、主人公クリス、なんか弱い。弱いからこそ成り立つ映画なんだけど。。
5点(2004-07-18 05:46:11)
8.  エグゼクティブ・デシジョン 《ネタバレ》 
灰色の脳細胞を持つベルギー人の名探偵が、アラビア語をしゃべるブチ切れテロリスト。世界を「沈黙」させるカンフーアクションの雄が、コント並み?にあっけなく死ぬ隊員一号。誇り高き消防士兄弟の兄・ラッセルが(以下略)。俳優の仕事って大変だなぁ。……じゃなくて。よく出来た映画でした。
6点(2004-05-18 07:59:13)
9.  スリーピー・ホロウ 《ネタバレ》 
「科学的な捜査」を標榜するデップ君、シャーロック・ホームズ系かと思いきや、一転おどろおどろしい金田一風に……名付けて「騎士が来たりて首を狩る」(ちょっとイッちゃってる気味の娘っ子付き)。それにしても、主人公には最後まで「あんたがいなかったら事件は解決しなかった!ありがとう!」という必然性がなかったなぁ……こんなヘタレでもヒーローに/主人公にになれる、という新手の教育的配慮なのかしらん。いやむしろ、真の主人公は首無し騎士かも。あれだけ出まくって、吼えまくって、殺しまくって、でも実はおばちゃんの手の平の上で転がされてただけだった、というオチは、おぞましい形相が数カットで晒されただけのクリストファー・ウォーケンの扱いと共に、なんだか切ない。
7点(2004-05-17 09:54:15)
10.  オーバー・ザ・ムーン
なぜか、コレとGIジェーン(デミ・ムーア主演)を立て続けに見てしまい、ヴィゴ・モーテンセンの変わりっぷり(ちょっとヒッピー入ったロマンチックな「ブラウス屋」→デミ・ムーアをしごき倒す非道の鬼軍曹)に感服……いい俳優さんですね。今や「王」になって「帰還」している彼、さすがの活躍ぶりです。対するダイアン・レインも好演技――だけど、彼女演じる人妻の言動は、時代背景を抜きにしても、ちょっと理解しづらい。既婚女性の「自分見つめなおしストーリー」が珍しくなくなっている今、彼女の心の描写がもう少し丁寧だったら、更に良い映画になっただろうにという気がしています。
6点(2004-05-07 02:51:22)
11.  ビッグ・ダディ
サンドラー、かなり好き。でも同じ「ろくに働いていないいい加減な独身男が、子供とのふれあいを通して……」という設定なら、ヒュー・グラントのアバウト・ア・ボーイの方が良かった。だってこれ、皆さんが仰るように、最後が大団円すぎ。無理やり感動のハッピーエンドにせず、サンドラーらしいボケと毒針でトドメをさすような結末でも良かったんじゃないかなぁ。
6点(2004-04-02 01:17:50)
12.  マン・オン・ザ・ムーン 《ネタバレ》 
「カウフマンを面白いと思うか」と「この映画を面白いと思うか」は、全くの別モノなのかもしれない。自分の場合、前者はNo、後者はYes。素材はイマイチだけれど上手く味付けしたなぁというのが感想(逆の事を思う人の方が多数かも?)。特に後半部分が秀逸だ。自分の孤独や苦しみを他人に理解・共感してもらえないことほど辛いことはない、と考える人は多い。特に癌なんかに侵された日には。でも、それで笑いを取ろうと考える人は、少ない。そして、取った笑いで自分も笑っちゃおうとする癌患者なんて、ほぼ皆無。こんな稀有な人間を演じるのって不可能に近いとも思えるのだけれど、キャリーの熱演の中にその光と影が見事に宿っていた。正直、カウフマンというコメディアンに対しては何の評価も出来ない。ただこの作品、他人から笑いや怒りを引き出すことを生きる糧にしている人間の、死を直視してなおそれに貪欲に突き進む姿と、その「死に方」こそが結局その人の「生き方」なのかな、と思わせる人生の幕引きの見せ方は上手い。これは殆どキャリーの好演のなせる技。それを確信させられるのが、インチキ療法中の吹っ切れ笑顔と葬儀中のミュージカル調フィルムということで、どうもこの映画、カウフマンが笑えるか笑えないかでは評価出来ない気がする。
8点(2004-03-29 09:09:47)(良:2票)
13.  ピアノ・レッスン
先に見た友人が繰り返していた「美しい」という言葉、私には鑑賞中一度も浮かんでは来なかった。美しいのは音楽だけ。美男美女が出てくるわけでもなく(ブ男度高し)、絵的に「美」を追求しているいるとも思えない。むしろ、グロいしエロい。ロコツだしキモい。そこにあるのは、匂い立つような人間の「性」と「生」の交尾……それでも、何かとてつもなく美しいものを見てしまったかのような錯覚に陥る、この空気感は何なのだろう……
8点(2004-02-19 07:48:02)
14.  クイズ・ショウ
テレビ局の横暴の暴露、ヤラセや差別の弾劾は、社会性のある問題提起ではある。でも。この映画にとって、それはバックボーンにしか過ぎないんじゃないか、とも思う。「社会性」という言葉は、「社会」が変われば包含する内容が変わる。あの当時のあの問題は、現代の我々――既にテレビ局のやらせ問題に飼い馴らされている――に対して、正直、あまりインパクトを与えないだろう。だから「新しさを感じない」という感想が漏れるのも、もっとも。でも、敢えてそんな古めの食材で料理したレッドフォードおじさんが問いたかったのは、そこで苦悶する「人間」の姿だったのではないか。堕ちて行くエリートの姿と、果ての無い苦悶やカタルシスを描く人間ドラマだけは、「社会性」の「社会」が意味を失っても、残っていくような気がする。「人間のドラマ」として見た。俳優が上手かった。それで、この点数。
8点(2004-02-19 06:16:13)
15.  スライディング・ドア
好きな女優さんではないので悔しいけれど、パルトロー、上手い!ロンドンのミドルクラス出身のお洒落なワーキング・ガールの話し方(アクセントは勿論、イントネーション、言葉を選ぶ時の間の空け方、単語を区切るペース)が完璧……セリフだけ聴くと、ブリジット・ジョーンズの数段上をいってる。ストーリーは、ブリジットの荒唐無稽ぶりに敵わないものの、「幸せな結末」に猪突猛進して「自分探し」に勤しむ独身女性の姿に、偶然性や、動かしがたい運命の影をプラスすることで、リアリティーを持たせている。想像上の「ありえない話」なのに「よくある話」と思わせちゃうところが秀逸。
8点(2004-02-16 07:34:51)
16.  フォー・ウェディング
この映画は、様々な人生の機知を語りかけてくれます。イギリスで披露宴におけるゲストの席順を熟考することは、日本でメニューに「伊勢海老のテルミドール」を入れるくらい重要なんだ、とか。結婚式とお葬式に立て続けに出る場合には、ネクタイの使いまわしは勿論のこと、牧師(僧侶?)の使いまわしにも注意しておかなきゃいけないぞ、とか。世界的ヒットをいくつも持っている超人気美形男優でも、バミューダ・パンツ姿はあまりに(以下自粛)、とか。4つの結婚式と1つのお葬式があれば、そりゃ人間、色々モノを知るわけです。
7点(2004-02-16 06:40:23)
17.  ジャック・サマースビー
澄み切った強い視線で射抜くように人を見据えるジョディー・フォスター(プライドを示唆する尖ったアゴは心もち前に。)が、南部の女の「逞しさ」と「可愛らしさ」を見事に好演。特に地味ながら後者が光っている点で、この映画は他のジョディー主演ものとは区別できるのかも。主人公は、タイトルからも分かるように当然ギア様なのだが、昨今のダメ・モテ・ジゴロぶりが背後霊のように透けて見え、最初から「あ、あやしぃ・・・」。ま、ご愛嬌か。このギア様が、「なりたい自分」になるべくアイデンティティの構築とその追求に文字通り「命を懸けた」、という物語なのだが、時代と人間の変化をしなやかに取り込み、ほとばしる感情を尖ったアゴに代弁させながら自分の思うところを突き進む、妻役ジョディーの「静」と「動」から目が離せなかった。
7点(2004-02-04 06:29:50)
18.  ファミリー・ゲーム/双子の天使
子役の凄さにも圧倒されるけれど、周りのオトナがそれぞれ役を「わきまえた」演技をサラッとしているところにも好感が持てる。オトナ=悪者、オトナ=子供の敵、といった図式を最初に勝手に作り上げてしまって、それを壊す過程でお涙頂戴のドラマを展開する、自称「感動の大作」が後を絶たない中、この映画のオトナ達は、それぞれが生き生きと自分の居場所で自分なりに子供と共存し、メロドラマに走らなくてもそこに「幸せ」があることを見せてくれている。なにげに実力者揃いの俳優・女優陣で、見ごたえアリ!
8点(2004-01-30 09:22:28)(良:1票)
19.  ジョー・ブラックをよろしく
ひたすら綺麗な顔の人たちを、丁寧にきちんと撮るとこうなります、という教科書的な(=退屈な)映画。……だと思っていた。が、ビデオ見て考え直し。綺麗な顔の人たち、だけじゃなくて、この人たちが交錯させる「視線」が凄く良い。疑惑、憧憬、焦燥、哀憫……それぞれの、それぞれに対する言葉にならない感情が、ちょっと上目遣い(お・ね・だ・り)だったり、ちょっと三白眼気味(ゴルァ!)だったり、ちょっと惚けてたり(ほへ?)する視線の中にすとーんとハマッてます。役者が上手いのか撮り方が上手いのか。生と死に翻弄される綺麗な人々の「視線」、取り合えず綺麗って理由だけでも一見の価値アリ。
8点(2003-12-22 06:21:11)
20.  マトリックス
この映画を「凄い」と思う時、劇中のマトリックスの中に自分が置かれているような気になる。「凄い」んじゃなくて、「凄い」と思わされているような。「凄い」と思うように、プログラムの製作者達・エージェント達によって操作されているような。……ま、「面白ければ」別にいいのかも知れないけれど。ただ、こんな風に、私たちは映画の作り出す仮想現実に空腹を満たされ、お腹も空かないのにもっと欲しくなり、もっと欲し続けるうちに常に満たされずにはいられなくなり、満たされ続けるうちに結局は何が欲しいのかも分かんなくなっちゃったりするのかな。・・・うーん、もしかしてこの映画に「凄い」って賛辞を贈ることは、この「もっともっと」のらせんを駆け上がる、ちょっと危険なことなのかも。もっとリアルに!もっと刺激的に!もっと破壊的に!……でも本当に欲しい(見たい)ものって……??「先端技術もれなく搭載」だけが取り得に見え始めたこの映画、ほんとに「凄い」のかちょっと考えてみます。だからこの点。
6点(2003-12-21 11:58:34)(良:1票)
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