1. 獣人島
「ドクターモローの島」の元作が1932年に作られていたのに驚きです。 当時の方にとってモジャモジャ獸人は恐怖だったでしょう。 画面停止してまじまじと眺めてもベラ・ルゴシとは分からず、気高きドラキュラ伯爵が演じているのが何か寂しい。 自分だけは特別との掟破りが破滅を招いたチャールズ・ロートンの姿は、今のいろんなレベルのエライさんに通じるところかと。 リメイク作と比べるのはどうかと思いますが、どうしても迫力に欠けて物足りなさを感じてしまったのが残念。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-02-07 19:31:10) |
2. 十字路の夜
1932年製で題名通り夜のシーンが多いのは結構観づらかった。 メグレ警視の冴えた推理であれよあれよという間に解決したのには、置いてきぼりにされた私は呆気にとられるばかり。 警視の魅力はゼロながら、猫被った悪女のネッチョリした語り口が印象にのこります。+4点 [インターネット(字幕)] 4点(2025-02-04 15:02:44) |
3. バーバリー・コースト
自警団の私刑に見る未成熟な法と秩序。 ミリアム・ホプキンスのキスシーン無き恋心。 見下げ果てた極悪人が作品を〆る男っぷり。 忘れ難いシーンがあちこちにある、一流の名に違わぬキャスト・スタッフの仕事ぶりが見事な秀作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-22 12:58:25) |
4. クレオパトラ(1934)
《ネタバレ》 史実に疎く、お話には「そういう事があったのですね」としか思えず。 クレオパトラに骨抜きにされるシーザー&アントニーに呆れ果てますが、クローデット・コルベールの魔女のような妖気には抗えなかったのは説得力があります。 モノクロながら衣装・セットの壮大にも程がある美術関係スタッフの尽力に点数を。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-11-06 19:03:41) |
5. 悪魔スヴェンガリ
タイトルからバリモア大暴れを期待して催眠術をかけるお顔に「待ってましたぁ」ワクワク爆上がりでしたが。 叶わぬ恋への諦念を噛みしめる切ないお話で、コーフンも冷めガッカリする事無く余韻が深い結末まで一気見でした。 物凄いメイクもあって超絶オトコマエの面影があまり感じられなかったものの、その名演振りに拍手であります。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-09-11 14:07:33) |
6. ミッドナイト(1939)
クローデット・コルベール、ドン・アメチーに釣られて。 クレジットのジョン・バリモア、ビリー・ワイルダー、チャールズ・ブランケットに歓声を。 冒頭から、ワイルダー印のラストショットまで濃密なテンポの良い展開であっという間にお開きで、もうちょっと観たかったですね。 かつての山城新伍さんのご発言、「3角関係だから角が立つ、4角、5角・・・角が無くなって丸く収まる」が思い浮かんだ、男女5人は、良質な脚本・舞台で明るく生き生きと、且つ、ほんの少しほろ苦く、絶妙な塩梅に拍手。 MIPはコルベール、明るい部分を一手に引き受けた飄々とした姿が素晴らしい。 バリモアの往年の超絶美男子の面影が感じられないお顔がチョーッピリ残念でありました。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-08-19 01:58:53) |
7. 今晩は愛して頂戴ナ
モーリス・シュバリエ目当てでしたが、ルーベン・マムーリアン監督に期待うなぎ登り。 オープニング、下町一日の始まりの活気溢れる姿を描く映像と音にこちらもウキウキ。更に期待が高まる。 ミュージカルアレルギーの身であっても本作でのシュバリエやチャールズ・オーブリー・スミスの歌が微笑ましいのが不思議。 筋立ても脳天気過ぎずベタ過ぎず。 昭和7年作でのスローモーションシーンに100へぇ。 名匠の遊び心溢れる意欲作に楽しませて貰えました。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-06 20:45:35) |
8. ル・ミリオン
ミュージカル仕立ての作品は大の苦手な私でも本作はウキウキ楽しめたのが不思議。 上着を巡る全員の右往左往ぶりに大笑い。 心地良いひとときを過ごせた良作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-03 10:44:17) |
9. 地の果てを行く
パリで殺人を犯した男がスペイン傭兵として辿り着いたモロッコでのドラマ。 若きジャン・ギャバン細身の出で立ちはウットリするものがありました。 立て板に水のような展開とご都合主義のような結末に熱くなれないのが残念な作品です。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-05-03 10:34:09) |
10. スザン・レノックス
笑顔を多々見せる26歳ガルボ、ヒゲ無し30歳ゲイブル。魚釣りシーンを始めお宝映像満載でした。 冒頭での彼女の誕生から成長過程の演出は切れ味の鋭さに驚くと共に拍手。 小粋なお話を期待していたので、若さ故なのか ♪Time goes by♪ そのままの展開に疲れました。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-06 03:16:03) |
11. 四十二番街
お目当てバズビー・バークレイによるミュージカルシーンはフットライトパレード、ゴールド・ディガーズには劣るものの、人間万華鏡の美しさ、パカッと開いて列車になる斬新さは流石の一言。完成するまでどれだけの時間を要したのか。 初日の幕が下りるまでを描いたドラマパートでラストショットの舞台監督のやりきった感が沁みるものでした。 ジンジャー・ロジャースを初めとする200人の青春ドラマを堪能出来ました。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-06-12 13:08:07) |
12. 光に叛く者
《ネタバレ》 ウォルター・ヒューストンとボリス・カーロフの眼力が凄い迫力。気弱な好青年ではあるものの、あの状況で犯人の名前を吐かないのは二人に劣らない迫力でありました。哀れな青年に悔し涙を流すのかと思ったのですが・・・脱力の結末に唖然となりました。 92年前の刑務所ものはなかなかの見応えだった良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-06-09 00:08:14) |
13. 暗殺者の家
知りすぎていた男の元作なのですね。銃撃戦がくどかったかな。ピーター・ローレはパンチに欠けるもののなかなかの存在感でありました。 [インターネット(字幕)] 4点(2023-06-03 01:35:26) |
14. メリー
殺人!のドイツ語版リメイク作だそうで。陪審員の評議模様、真犯人の最期には見るべきものがありましたが、総じて凡庸でヒッチコックらしさを感じられない作品でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-26 13:45:48) |
15. 嵐ケ丘(1939)
高名な原作未読。原作は面白いのだろうか、見応えゼロのつまらなさに驚きました。ヒースクリフの復讐話ながら小綺麗に着飾っているだけで、どのようにしてどういう点が成長したのかサッパリ分からず。キャシーの低脳・・・は言い過ぎとして単純な振る舞いにも呆れかえる。二人してウダウダした挙げ句のとってつけたかのような結末に何の感慨も湧かず。原作はおもしろいのだろうか・・・読む気力も無いけれど。 フローラ・ロブソンの存在感とデヴィッド・ニーヴンの初々しい姿に加点。 [インターネット(字幕)] 3点(2023-05-12 14:01:10) |
16. どん底(1936)
ゴーリキー作品と言うことで難解又は辛気くさい予感は嬉しいハズレでカラリとした味わいある作品でした。MIPはルイ・ジューヴェで落ちぶれたとは1ミリも思っていないあっけらかんとした姿は妙に励まされました。生きてるだけで丸儲けというのでしょう。流石のジャン・ギャバンも貫禄負けの感がありました。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-04-11 02:07:26) |
17. 自由を我等に
《ネタバレ》 不当な弾圧と闘い自由を勝ち取る話かとの予想は嬉しい大ハズレ。しっかりとした起承転結でカラリと明るく、時に大笑いさせられ、自由に対する風刺に考えさせられる秀作です。 モダン・タイムス製作時に本作を参考にしたというのに無限へぇであると共に言われてみれば納得できます。 [DVD(字幕)] 8点(2023-02-24 02:18:38) |
18. ランジュ氏の犯罪
ランジュが誰を殺すのか直ぐに分かります。小狡く好色家で恥知らず尚且つ男前で淀みなくペラペラペラペラ喋り倒すバタラ社長が主役。ジュール・ベリ絶品の演技で私の血圧計は崩壊。泣きべそかいての最期を今か今かと待っていたので、淡泊な演出が物足りなかったところです。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-26 01:59:09) |
19. 風雲のチャイナ
《ネタバレ》 1920年代、内戦に於ける中国が舞台。アメリカ人宣教師とフィアンセが上海で結婚式を挙げる当日はぐれてしまい、助けてくれた中国軍将軍との愛憎模様が描かれています。将軍の人物像が甘ちゃん以外はキャプラらしからぬユーモアも甘さも無い苦いお話な珍品で、アメリカ人宣教師の独り善がり、思い上がりを指摘しているのに100へぇです。バーバラ・スタンウィックはまずまずといったところ。将軍のメイクが11時5分のような眉毛と思いっきりつり上がった細い目に苦笑ですが、演じるニルス・アスターというスウェーデン人がとってもオトコマエなのに1000へぇで、お茶をあおる姿が甘いというか切ないというかリプレイタイムとなりました。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-27 04:00:43) |
20. 魔人ドラキュラ
ドラキュラ伯爵像を確立させたベラ・ルゴシ。能楽のような立ち居振る舞いで端正な顔立ちながら見開かれた目はまさに人外。唯一無二のキャラクターを得ながらトッド・ブラウニングらしからぬおとなしい演出が何とも惜しいところです。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-14 01:21:04) |