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しったか偽善者さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 75
性別 男性
自己紹介 かなりゆっくりですが、気まぐれにぼちぼちレビューしていきます。文章がヘタクソで背伸びして書いてますが大目に見てください。ストレス発散のため感情の捌け口として、ささやかな自己満足でレビューしておりますが、結果的に皆様を楽しませ、映画鑑賞のお役に立てれば幸いです。安っぽい正義感をふりかざしたような偽善的自己陶酔レビューが多いです。
「すべての作品を尊敬する謙虚な姿勢を失うことなく」、楽しみながら、かなり感情的なレビューをしております。クソ映画の弾劾は覚悟と労力を要し、めんどくさいので、あまりする気がありません(すべきなんでしょうけど)。基本的にお薦め作品の賞賛です。

大島渚「悦楽」、オリヴェイラ「神曲」、若松孝二「処女ゲバゲバ」など自分が新規登録要望した作品をレビューしてません。申し訳ありません。内容あるレビューをしたいと思ってたら腰が引けて時間がたってしまいました。とりあえず形だけでもこれからレビューしていきます。

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1.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 
芸術作品は大抵正義の欺瞞を暴き、善悪を相対化し、倫理の底を掘り下げていきます。だが、そんなのだけじゃない。あえて正気で善悪の姿をはっきり提示するものもあります。映画で言うならキャプラ作品やチャップリンの幾つかの作品なんかそうでしょう。私はこちらの方が大変だと思います。自分があえて相対化のまな板の上に乗るんですから、説得力はもちろん勇気が必要です(凡人の説得力だと目もあてられない駄作となるでしょう)。この作品のはっきりした善悪の描き方の潔さ、その説得力には拍手したいと思います。文句なしに引き込まれてしまう面白さは相当なものだと個人的に思うのですが・・人それぞれでしょうけど。良心の呵責にさいなまれて耐えきれなかった敵役先輩議員のラストの決断は現実ではあり得ないですよね。主人公がどんなに感動的な努力を払おうともあれがなければ敗北なわけで、これはやっぱりがんばれば報われる、人間の良心や理想を信頼しよう、という甘っちょろい話だとは思います。私自信甘っちょろいし、偽善者なのでこういうのには弱いんです。スミス君の議会での行為は牛歩戦術的な、制度の間隙を突いたものだと思いますが、あれが肯定できるかどうかは難しい問題だと思います。ただ一点文句なしに許せないのは、全体の雰囲気からすれば突っ込んでもしょうがないかもれませんが、スミス君が中傷記事書いた記者連中を殴ってまわる行為です。言語道断でしょう。あれだけで議員失格です。現実でもクビでしょう。他人の名誉を不当に侵害する表現行為が許されないのは当然ですが、彼は公人の議員だし、記事の内容も子供の悪口っぽいし、自力救済の暴力行為で報復するのを放置したら表現の自由なんて無意味になります。アメリカはそういうのには敏感だと思うんだけど・・。監督の悪いアメリカ的正義感や独善性が透けて見えるような気が・・。マイナス10点してやりたいくらいですが、映画がとても面白いので1点しか引きません。あ~、また正義ヅラした目もあてらられない偽善的コメント書いちゃった。
9点(2004-04-13 22:02:34)
2.  素晴らしき放浪者
「黄金の馬車」や「ゲームの規則」などのように、うわぁ、おもしれ~と拍手してしまうような作品ではないと思います(そりゃ人それぞれでしょうが)。正直ドラマの盛り上がりには欠けると思うし、感動的な話でもないですし・・。喜劇ですが娯楽性がこの作品の真髄だとは思いません。私個人は笑えません(ど~せ笑いのセンスがないですよ。)。笑うどころか不快でした。既成の常識的価値観を揺るがす型破りに自由な人間の生き様を見せつけられるんですが、浮浪者を羨ましいとは思いませんから(強がりかも・・)、家の中を散らかすブーデュの振る舞いにコノヤロ~とひたすら腹が立ちました。自由すぎます。本屋の親父もブルジョワとはいえ、書生の名を「青春」と呼んで本をプレゼントしたり、不倫してたり、望遠鏡から一目でブーデュの「素晴らしさ」を見抜いたりと、なかなか洒落たおっさんなのですが、ブーデュとはサリエリとモーツァルトの違いがあります。この不快さは現実のしがらみにがんじがらめになってる私のルサンチマンから来るのでしょう。ブーデュみたいな奴実際にはなかなかお目にかかれないでしょう。存在しないかもしれない。でも、とても生々しく心を揺さぶられました。リアルです。本作は楽しむ作品というよりも心に突き刺さる芸術作品と呼ぶにふさわしい映画だと思います。河のシーンは言うに及ばず、さりげなくも艶やかな映像は素人目にも芸術的です。それにしてもラスト。それまで不快ですらあったのに結局幸福感を味わえました。自由人への憧れを描いても、現実の小市民が愚かとは言ってません。
10点(2004-03-03 22:24:27)(良:1票)
3.  舞踏会の手帖
この時代の映画に詳しくなんかないですが、カッコつけてレビューします。オムニバス形式の最高傑作とかいう宣伝文句と名作の先入観から免れないのですが、ペシミスティックだけど温かみと甘美な余韻がある傑作でしょう。やっぱり。これを観たとき、第一話はそんなに面白く感じられず、2話になってからはまった記憶があります。ルイ・ジューヴェいいですね。相乗効果っていうんでしょうか。各話が連なっていくごとに、味わい深くなっていきます。でも、一話ごと短い時間であっという間に観る者を引き込む演出はすごいと思いますね。主人公ちょっと遊びすぎだよ、とも思いましたが、人間ある程度年をとると、あんな旅行は誰でも怖いけど夢見るもんじゃないでしょうか?いや、あんなにモテモテの人間そうはいないでしょうけど、あの人は自分に気があったと勝手に思い込んでる思い出の人っているでしょ?。現実にあんな旅行やったら失望するのがオチでしょうけど。本作は一種の願望の映画化だと思います。技術的な話や監督や俳優のことについては、私にはあまりできませんので他の方の素晴らしいレビューを見てください。きっと技術的にも凄いのでしょう。
9点(2004-02-24 22:04:26)(良:1票)
4.  ゲームの規則
「恐ろしいのは、人間誰しも言い分があるってことなんだ。」というのはここのレビューに当てはまる名言ですね。この世界映画史上の傑作と太鼓判を押されている本作を私ごときが拙いレビューすること自体恥ずかしいのですが、素人のたわいのない感想をお許しください。レビューのラインナップに箔をつけるゲスな意図がなきにしもあらずということを正直に告白します。しかし、いや、もう、圧倒されるばかりですね。これは。豊かな、あまりにも豊かな表現とでも言うんでしょうか。ゴダールは第二次大戦の予見で一つの時代の終わりだと批評したそうですが、哲学的に「祝祭(カーニバル)」とかうんちくたれることもできそうだし、現代社会へ引き付けての批評などいろんな語り口を許しそうで、とても一筋縄ではいきません。こう書くとスノッブな感じですが、評論家のものにしておくのが勿体無い面白さです。全く小難しくないハチャメチャなストーリーの裏に広大な世界が広がっているように見えるのです。観ている間はただ喜怒哀楽の波に飲まれるばかりですが、鑑賞後の余韻がこんなに豊かな作品てやっぱないですよ。元ネタの一つ「フィガロの結婚」と原作同じなあのオペラの神懸り的音楽から感じられる人間の優しさや人生の哀しさと似たようなものをこの映画の画面から感じるというのは大げさでしょうか?。ああ・・また作品の権威を笠に着た大絶賛をしてしまった。それにしても熊の着ぐるみ可愛くてしょうがないなぁ・・。
10点(2004-02-06 23:22:39)(良:1票)
5.  失はれた地平線
世の中、私なんぞよりキャプラにゾッコンのマニアの方々が大勢いるだろうに、この新規登録はどういうことなんでしょう?。この作品はたいした評価受けてないのでしょうか?。そこがなんか怖くて、原作未読だし知識ないんで誤ったこと書きそうだし、一番レビューは勇気がいるんですけど、登録したら責任もって早期にレビューしないといけないので思い切ってレビュー。他人の家でDVDを見せてもらったのですが、面白かったです。1930年代(35年だったかな?)に中国から脱出しようとしている次期イギリス外相と目される主人公とその弟を含む欧州人たちを乗せた飛行機(軍用機かな?)が謎のアジア人?にハイジャックされるがヒマラヤの奥地に不時着し、たどり着いたのは、科学文明社会とは隔絶した、争いも刑罰も病気もない不思議なユートピア、シャングリラだった。ヨーロッパへ帰ることを望む彼らだったが・・というアドベンチャー映画。キャプラの理想主義もここまで来るとちょっと怖いというか危ないというか・・あんなところには住みたくない人も多いことでしょう。私はあそこは楽チンそうなので住みたいです。DVDはネガが毀損してるオリジナル版を世界中からフィルムをかき集めて復活させようとしたものだそうで、まだ完全ではなく、なんと静止画像(?)で台詞だけという箇所があります。この点でオリジナル復旧版は作品として低評価される方もいらっしゃるでしょうが、私はそんなことに目くじら立てたくありません。少々違和感ありましたが、そこまで気になりませんでした。製作者の執念というか作品への愛というか、その研究努力に感心した次第です。
[DVD(吹替)] 8点(2004-01-18 20:21:28)
6.  大いなる幻影(1937) 《ネタバレ》 
この映画は、作品世界自体が「大いなる幻影」であるという切なさが心に迫るってくるし、優しさがキャラクターに溢れていて(悪人がほとんど出てこない)、それぞれの人間関係に胸を打たれた。おそらく幻影であろう男女の再会を願ってやまない。反戦映画としても素晴らしいと思う。でも、こういう映画って評価しにくいなぁ・・褒めるしかないみたいな・・アラを探すこと自体映画そのものにツバ吐くことに思えるし・・。しかし、そういう権威としての地位を確立してるのも、その権威自体も作品の力だと思う。私は映画の完成度、歴史的意義、読んだ評論、時代背景など個人的感動とは無関係とも思える要素も、その映画の評価とは切り離せないと思ってるし、名作をありがたがる自己満足など非難してもしょうがないと思っているので、自分はそういういやらしい権威に媚びた意識が感想に影響したことをおおいに認めて10点。豪華キャストの名演技、パイオニア的映像テクニック。そういう解説本に書いてたことへの賛美も含めて10点。
10点(2003-12-05 19:14:50)(良:2票)
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