1. 隠し砦の三悪人
《ネタバレ》 この頃の黒澤はほんとうに面白かった。脚本も素晴らしい!一番のツボは上原美佐演ずる雪姫でしょう。決してうまいとはいえないんですが、立ち姿・寝姿・座ってる姿、全てにオーラが出ています。そして射すくめられるような鋭い眼光、なんたる存在感。思わず、姫さまああ!お許しを~!愚かなわたくしめをその鞭で思う存分お打ちくださいとひれ伏したくなる威光・カリスマ性を感じます。最後の姫様化粧も妖艶。真の支配者とはこうでなくてはならない。長澤まさみにはその「支配者オーラ」がないのよねえ。調べたらわずか2年で引退したらしいですね。ああ!もったいない。こんな女優はもうでないかも。まさに幻の女優という名にふさわしいです。作品自体は8点ですが、敬愛の思いをこめて上原美佐さまに1点を献上いたします!今どうなさってるのでしょう?逢いたいような逢いたくないような。 [地上波(邦画)] 9点(2008-09-21 00:09:51) |
2. 赤線地帯
《ネタバレ》 昔の役者は存在感はあるものの、ナチュラルな演技はできないと思っていました。 ところが・・・これはすごい。京マチコ、若尾文子など、女優陣の演技のなんと ナチュラルなことか。これは監督の手腕でしょうか? 話もおもしろい。しかし、みなさんが指摘してるように、音楽だけは困ったもんです。できるなら差し替えてほしいくらいです。 [地上波(邦画)] 9点(2007-04-19 03:00:55) |
3. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 この初代ゴジラは水爆の化身として描かれていた。 その最後は水爆よりも更に恐ろしい新兵器によって滅ぼされる。 これならいい。これなら筋が通ってる。 しかしながら、水爆の化身であったものは、宇宙からの侵略者の圧倒的軍事力の前には もう一度登場せざるを得なくなるのだ。そして子供たちにも人気者になる。 善となっていく。これだと水爆も使いようによっちゃ、いいものじゃないの?という思想になってしまう。 平成になってそれじゃいけないと、またゴジラを悪役にしてしまったが、 どっかおかしい。なにかモヤモヤが残ってしまう。どっか軽いのですよ。 やっぱりどっかアイドル化・ヒーロー化してるのだ。 水爆の化身がアイドルになっていいのだろうか。 しかしながら、この特撮はすごい。SFXというよりは、職人の工芸品を見てる感じだ。この重量感、存在感、完ぺきなフォルムは、50年過ぎた今になっても 超えられてない。映画界も職人がいなくなってしまったのかもしれない。 ちなみに円谷職人特撮は、その後のラドンで最高潮を迎えると思ってる。 7点(2004-10-05 13:26:29) |
4. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 テーマはおもしろいが、いかんせん今となっては テンポが遅すぎる。60分でもいいくらい。 京マチコさんの演技は黒沢が好きそうな 気の強い怒鳴り泣きわめくタイプの女。 しかし、今見返してみると逆のほうがいいと思った。優しく静かでさめざめと泣き、殺してと男にねだる女が本当に怖いんじゃないだろうか。ラストも甘いと思った。 誰かも書いていたが、全編に絶え間なく流れてる音楽もうるさく、合わない。 2点(2004-02-05 21:40:34) |
5. 七人の侍
以後、黒沢は結局これを超えることができなかったと思う。 映画の全てのエッセンスが詰まった作品。 絶対テレビの小画面でみて評価してはならない映画。 これこそ、シネマックスで大公開すべきだろう。 9点(2004-01-02 11:33:59) |
6. 情婦
《ネタバレ》 なぜにここで高得点なのかわからない、何かの陰謀じゃないかと 疑ってしまうほどの駄作に感じた。 というか、もう今となっては、演出も脚本も演技も カメラワークもなにもかも古い。 セリフのあまりの多さにも辟易。 役者たちは表情に乏しいか、あるいは臭い演技。 ラストのこれまたラストのどんでん返しもとって付けたような 唐突さがある。 最後の事件も、これまた唐突で無理があると感じた。 しかし、批判の多い情婦という邦題の意味は納得した。 0点(2003-12-29 20:46:42)(笑:1票) |