1. スミス都へ行く
《ネタバレ》 いかにもフランク・キャプラといった、直球ど真ん中映画。昔観たときには理想を謳いあげる若いスミスに共感したが、今となっては、議会制民主主義の陥穽にはまったペインに惹きつけられる。ペインはかつてスミスだった。平凡な若者の熱い理想がいつしか猟官と保身に変わったのは、彼が過ごした年月のせいだけではないだろう。「立っている限り発言し続けられる」という議会のルール。ペインはそのルールを知ってはいたが、それを信じるには彼は賢すぎ、逆にスミスは愚かであるがゆえに自由でいられた。そこに両者の大きな違いがある。彼がスミスの行動に心を動かされるシーンは、同時に彼が自分の壁を乗り越える術-「愚かになること」-を知ったシーンだ。自分の闇を克服し、「愚者」となったペイン。恐らく彼は、スミスよりも優れた政治家になったに違いないと私は思う。 9点(2004-01-30 01:45:06)(良:2票) |
2. 風と共に去りぬ
7点(2004-01-08 16:04:43) |
3. オズの魔法使
《ネタバレ》 まるで宝石箱のような色の洪水は色を表現できる喜びに満ち,歌の質の高さは音を表現できる喜びに満ちている。童話「お菓子の家」が現実だったら...と夢想した人は多いだろうが,その夢のような映画。どのシーンも恐ろしいまでのクオリティの高さであるから名シーンをあげればきりがないのだが,強いてあげれば私のお気に入りはドロシーが黄色いレンガの道の突端につま先をおろし,オズへの一歩を踏み出すシーンだ。彼女が画面を旋回しながら歌い踊るとき,未知なる旅への高揚感が私の胸にも沸き起こってくる。あのダイナミックな躍動感と,らせん状に昇っていく高揚感こそが「オズ」の魅力そのものだと思う。ストーリー,キャラクター,歌,踊り,美術....どのシーンも良く考えられていて手抜きが全くない!「空前絶後」とか「前人未踏」という形容は,正にこの映画のためにあるのではあるまいか。「求めるものは既にある」というメッセージも素敵。 10点(2004-01-08 15:17:13)(良:2票) |
4. モダン・タイムス
8点(2004-01-08 12:32:59) |
5. 街の灯(1931)
9点(2004-01-08 12:31:45) |
6. 或る夜の出来事
面白い!思わず微笑み、笑い、楽しくなっている自分が居た。バスの車中で歌い踊るシーン、ヒッチハイクのシーン、ラストシーンと見所&楽しみ所が満載なのだからやむを得ない。現在の眼からみれば単純で他愛のないストーリーにもかかわらず、どうしてこうも面白いのだろう?。映画の技術はたしかに長足の進歩を遂げた。しかし、映画に必要なのは、いつの時代も製作者の心意気や思い入れだと私は思う。莫大な制作費を使って特撮するならそれもいい。だがしかし、それをなぜ我々観客が観る前から「知ってあげる」必要があるのか?そんなモノ「面白さ」と何の関係もないだろうに....。見終わったあと、そんな余計なことまで考えてしまった。 9点(2003-12-26 16:31:33)(良:1票) |