3. 青春デンデケデケデケ
大林監督といえば尾道(この映画の舞台は四国観音寺)、そしてロマンチックというよりセンチメンタルな作風はひとにより好き嫌いの分かれるところ(ちなみに私は好き)ですが、この映画はより普遍的な青春群像を扱っている点で多くのひとに共感を得るのではないでしょうか。若い頃何かに青春のエネルギーを注ぎこんだ記憶のある方なら、ちっくんを始めとした主人公の少年たちに自分の若かりし頃の姿を仮託することができるかもしれません。ちなみに、主人公ちっくん=原作者の芦原すなおではなく、芦原氏の高校時代の友人をモデルにした話ということです。実際の芦原氏は、作中ではラストの文化祭コンサートで照明係をしていたとか。ヴァレリーは「青春はエネルギーだけだ」といいましたが、そうでなければ若者に青春はもったいない。いつ見ても元気になれる、大林監督のベスト作品だと思います。 [ビデオ(邦画)] 9点(2004-01-07 16:39:04) |