1. バグダッドの盗賊(1940)
映像的には40年代映画としては、今観ても結構すごい。ゼンマイ仕掛けの空飛ぶ馬が、宮殿の上空を走り回ったり、6つの腕がある像が動きだしたり、特に宮殿や、巨大な石像がある祠など、舞台美術がスペクタルな雰囲気でいい。ランプの巨人との合成映像も、うまく処理してて、観てて楽しい絵図らになってる。モンスターのたぐいは、巨大なクモくらいしか登場しないのがちょっと淋しいかな(しかもすぐやられる)。お話は魔法が使える大臣に国をのっとられた王と盗賊の少年が手をとって、やっつけるって内容。主役は盗賊の少年。ヒロインの隣国のお姫様がきれいでした。豪快に笑うランプの巨人もキャラがたってていい感じ。モンスターや戦闘シーンバリバリのファンタジー映画ではないので、めちゃテンションがあがるって感じじゃないけど、ホノボノファンタジー映画としては最後までそれなりに楽しめました。このバクダットの盗賊って、結構映画化されてるんですね。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-02 19:44:11)(良:1票) |
2. 紀元前百万年
恐竜百万年の元映画。なので、お話はだいたい同じ。向こうの方が恐竜などの特撮や、サービスは全然上なのは当然。こちらの恐竜はキグルミと実物の動物に装飾をほどこしての拡大合成。しかも合成技術もレベルが低いし、キグルミ恐竜なんて、場面ごとに大きさが全然違うし。途中で人と同じ大きさになってる映像は笑ってしまいます。ただ、こちらの映画はテンポがいいのと、話的はハッピーエンドなので観た後はちょっと気分がいいです。後、マグマが人をのみこむシーンは結構迫力あったかも。それに舞台美術とかはお金がかかっている感じ。白黒だし、途中の特撮のしょぼさにちょっとひいたりもしたけど意外に退屈せずに最後まで観れたのがびっくり。てゆーか、逆にまた恐竜百万年が観たくなったな~。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-13 18:41:40) |
3. アンノウン アイランド
これも日本では未公開作品。一応、いろんな所で「知られざる島」って紹介されてるが、厳密に邦題はない。で、登場するのはキグルミ恐竜。キグルミ恐竜ってのは、CGやパペットモーションに比べて人が入ってる分、動きも形も制限されて昔は造形だけみてショボって思ってそれだけでテンションが下がったけど、今はそのヘンテコに逆に不思議な魅力を感じてしまいます。普通のリアルさとは別の、映画の中の表現におもしろ味を感じてしまうのは年のせいなのか、はたまた、CGを観すぎたせいなのか、それとも今、ヘンテコさに愛情がもてるほど俺の中で秘かなヘンテコブームがはじまったのか。んなわけで、この映画のキグルミ恐竜はティラノタイプですが、こいつらの造形はかなりヘンテコです。人間が入ってる感がかなりあり、しかも動きもヘンテコ、手は小さすぎて実際に人の手が入れられないので、根元がもうしわけ程度に動くだけだし、立ってる仕草もなんだか、夢遊病者の人がユラユラつったてる感じだし、恐竜とは別物のなんだか違う生物って感じで、しかも、こいつらが集団でユラユラしてる姿は、チャチーとゆうよりむしろ滑稽な不気味さがありまして、逆になんだか見入ってしまいます。後、機械で動いているトカゲタイプの恐竜、目がヘンテコでやたら牙が多くて、漫画ベルセルクに出てきそうな悪夢の生物造形。ただ、動きがめっちゃショボイ。後、ゴリラみたいな猿人。こいつだけなんだか本物感があるけど、あんま大したことないか。こいつとユラユラ恐竜の戦いは闘ってるってゆーより、トントン相撲してる感じで。とにかくこの恐竜の表現はヘンテコ表現に愛情もって見れる方には新鮮かもしれませんが、今の時代のまともな映画好きなら、まったくもって残念な出来。しかもお話のほうはさらにヘンテコで登場人物がみんないがみ合ってるとゆう、まるで、マカロニ映画みたいなノリ。自分たちで殺し合うとゆう恐竜がなくても全然オッケーな映画でして、ワクワク感もドキドキ感もなく、ただ、殺伐としてるってゆーか。もちろん人と恐竜の合成映像もほとんどないので、キグルミ感もあって恐竜の大きさがまったくわからないってゆーか、人と同じ大きさにしか見えない別のモンスターって感じに思えてしまいます。短いのでサクッと観れますが、チャチさが楽しく感じれなければ、見なくてもいい映画です。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2008-12-08 19:57:29) |
4. 狼男(1941)
これがガンスじゃなくて元祖、狼男の映画らしい。でも第二弾らしい。これより前にもう一本あったらしいけど、今の狼男像の源はこれらしい。やっと観ました。感想は、うーん、なんていったらいーのか、狼男の映画そのものでした。みなさんが想像する狼男の映画、そのままです。だから展開とかはお約束。特撮は古い映画なんで期待しないでください。狼男が毛むくじゃらの眉毛の濃いおっさんに観えても、そこは突っ込まないでください。悲しい、ほんま踏んだり蹴ったりな男の悲惨な人生を観てあげてください。ほれた女性に婚約者がいて、自分は狼にかまれて、その好きな人を襲ってしまう犯罪者になりはててしまうなんて、せつなすぎる。そーいえば、冒頭から、その女性の部屋を望遠鏡で覗き見するストーカー的な兆候がありましたけど。本当の息子のことを理解してない強気なオヤジがこれまたせつなく、ジプシーの魔よけの呪文が妙に耳に残る映画でした。一時間ちょっとなんで、ゴシックでアンティークな白黒の狼男の映画をサラッと観たければ、どぞ。 5点(2004-11-26 10:52:44) |
5. 毒薬と老嬢
レビュー二人?どもMr.MONK様。あんまり有名な映画じゃないんかな~。んで映画の方は、舞台劇をもとにして作られたとか。だからお笑いの劇みたいな雰囲気。ほとんどが叔母姉妹の家での出来事。孤独な老人を毒殺するブラックなネタを、すっとぼけたドタバタなコメディーにした感じかな。ただ古いからかあんまし笑えんかった。アメリカのギャグっでただでさえ笑えんからしょうがないねんな~。いちいち突撃するおっさんとか、正直うっとうしい。でもクスッってゆーのはあるかな。必死になって死体と事件を隠蔽するケイリー・グラントにはまれば、それなりにおもろいと思う。ノリはいい感じなんで、なんか三谷幸喜が監督して日本映画でアレンジすれば、かなりおもろい映画になりそうやねんけど。 5点(2004-09-30 09:37:47) |
6. 素晴らしき哉、人生!(1946)
結論からいうと、感動してウルってきてもーてん。ただ、この映画、最後のクリスマスイヴまでが長すぎる気がするねん。だから、イヴまでちょっとしんどかった。もうちょっとまとめられたんちゃうかな。ダラダラ、ある男の人生を観てるって感じやったし(白黒ってのもあるかもしれん)。でも、そのダラダラを耐えたからこそ、最後の部分で感動できるんやね。最後で、初めて主役に感情移入できたんも、ダラダラ観てるうちに、いつしか主役の人生を味わってるってゆーのもあるからかも。あと自己の存在をここまではっきりと肯定されると、観てて気持ちがいいし、こーゆう、失くすことにより、大切な事がわかるってのってすごくよくわかる。私事やけど、一度、走りすぎで、両足痛めて、あんまり歩けなくて、すんごくモヤモヤしたことあるねん。そん時、走ったり普通に歩き回ったり飛んだりはねたり自由に動けることが、どれだけ素晴らしいことか、よく理解できた。しばらく安静して治ったら、うれしくて、必要以上に走り回ったもんな~。この映画の主人公のように道ゆく人に声かけたくなったし。後、車の免許、更新忘れて失効してしまった時も、もう一度、苦労して試験うけて、取り戻せた日なんて、うれしくて教習所の帰り道、知らない人に笑顔ふりまいて踊りながら帰ったもんな~。だからか、すごく共感できてんな~。彼女とかも長く付き合ってると、その存在の大切さがわかんなくなって、いなくなって初めてわかるねんな~。あの子、最高やったって。だから、ちょっとつらい事があれば、もし自分が今一番大切なものが失くなったらって想像するのもいーんちゃうかな。そーすれば、今の自分を少しでも取り戻せるかもしれんし。そんなことを、この映画を観て改めて思ってん。でも長いから、ちょっと減点、ごめん。 7点(2004-09-21 18:01:33)(良:1票) |
7. チャップリンの独裁者
ごめん、実はこの映画、めちゃめちゃ苦手やねん。なんでか、ゆーたら、最後の演説シーンを頭に思い出すだけで、人前でも涙目になってまうから。嘘ちゃうって。これ、ほんまの話。淀川さんがこの映画の話してるだけで、俺、おお泣きしてもーたもん。メッセージ性とかヒトラーとか映画としてどう?とかもうそんなことはどーでもえーねん。役としてじゃなくチャップリンとして、天国の母へ平和を願って語りかけるあの演説には、ほんと俺の涙を誘う、この世界で、単純だけど大切な思いを感じるねん。もうそれだけ。それだけで、これ書いてる今も涙目やねん。やっぱりちょっと俺おかしーかな。 10点(2004-08-25 16:17:03)(笑:2票) (良:2票) |
8. 市民ケーン
この映画にまつわる本を読んでみたら、びっくり、この映画で描かれる新聞王の話は実話やけど、その実話の男が唯一愛した妾(もちろん劇中のあのお人)のあそこを「バラの蕾」と呼んでいるってのを聞きつけて、それを茶化してオーソン・ウェルズが作った映画とか。おかげでウェルズはその新聞王の怒りをかい、その後かなりの妨害工作をうけたとか。これがほんまの話かどーかはわからんけど、そー思ってまた見たら、なんかまた新鮮に思えてしまった。色々な意味で楽しめる映画やね。そーゆうのってなんか好き。 10点(2004-05-17 00:48:45)(良:1票) |
9. レベッカ(1940)
ジョーン・フォンテインの役の女性が不憫で目が離せなっかた。なんか健気で、最後まで幸せになってくれよ~って思いつつ見てたので、ドキドキしっぱなしだった。マキシムと抱き合うたびに、ホッとしたり、悲しい目にあうたび、「もう見てられない」とびびったりで。俺がこーゆうタイプの映画で全然退屈せずに、しかも女性の主役に感情移入するってめずらしい。脚本がいいのか、さすがヒッチコックだからなのか。とにかく、おもしろかった。ちなみに、これでヒッチコックは六作品観たんやけど、全体的にすごくおもしろい。まだまだ、沢山あって、これからもたっぷり観れるので、ほんと楽しみ。今まで観ずにいてよかった。 10点(2004-05-13 20:52:16)(良:1票) |
10. 汚名
イングリッド・バーグマンはふっくら美人やと思う。特にふっくらしたほっぺが魅了的やと思う。んで俺の映画の評価やけど、所々、ドキドキする展開はあるけど、全体的には、イマヒトツやった。脚本があんまり好きちゃう。アリシアが不憫で。後、落ち着きすぎなデブリンが妙にむかついて。ヒッチコックでバーグマンなら「白い恐怖」の方がよかった。ま、バーグマンのほっぺた見れたからいいけど。 5点(2004-05-10 12:51:30) |
11. 白い恐怖(1945)
これは本当に昔の作品なんだろうか?おもしろすぎる。夢から真相を暴くところなんてゾクゾクしてもーた。「女性は恋をする前は分析医だが恋をすると患者になる」等のおしゃれな台詞もあって、ほんと観ててあきひん。それに白黒ってほんま、役者がはえるね。特に白黒のイングリッド・バーグマン。マジ綺麗。一見堅物。しかし恋すると愛情深い女性って役も魅力的やった。後、夢のシーンは、今の目で見てもすごく幻想的。びっくりした。オチはある程度は予想できるものの、他の部分で十分楽しませてくれるので気にならなくなる。この映画、どっちかというと、サスペンス色が強くて、他のヒッチコックの作品「裏窓」や「バルカン超特急」みたいな能天気さはない。でもテンポといい、雰囲気といい、今のサスペンス映画にはないおもしろさは、やっぱりヒッチコックの映画やなって思う。ラブロマンス風味の精神分析サスペンス映画を観たい人にオススメ。 10点(2004-05-08 09:18:45)(良:1票) |
12. 第三の男
《ネタバレ》 これ二回観た。最初観た時はえらい能天気な音楽のサスペンスやなって思ったが、オチを知ったうえで最近観たら、これ現代にも通じるフラレ男の典型的恋愛パターンを描いた恋愛の教科書みたいな映画やってんな。そー観ると、もう最初からホリィ君、いけてへん。態度も台詞も滑稽で。まず最初の出会いからして陰気くさい。アンナにしてみれば、「ウザッ」やで。さらに「好きやったけど、もーあの人おれへん、心の整理もできてへん、あ、男近づいてきよった、あんまさえへんな~、気くらいまぎれるやろ」と思ってるアンナが「彼女でも作ったら」というちょっと試すような台詞に対して、オドオドしてる時点でさらに減点。「暗黒街の顔役」のトニーみたく「今作ってるとこ」っていうズウズウしさくらいもったらいーのに。ワルになれんのよね、優しさ売りにしてるような男は。このへんでアンナ「こいつ彼氏にはできんな」と判断。そんな彼女が泣いてる時も、がんばるけど滑りまくり。アンナにしてみれば「こいつ、なにゆーとんねん こんな時に」みたいな感じ。ここアリダ・ヴァリの表情うますぎ。まさにそんな思いの愛想笑み。こんな顔された時点で、あきらめたらいーのに。アンナが去る時も、ノコノコ出向かなければいいのに、ホリィ君はワザワザ隠れたつもりでの見送り。しかし本当は見つかりたい。んで、やっぱり見つかり、「わしがしてあげた」と自分をアピール。ちょっとは気がむくかなって、あまい。案の定アンナに嫌われる。そしてラスト、フラレル男は最後まであきらめない。車を降りて彼女を待つ。アンナにしてみれば「ウザイなコイツ、どっかいけボケ」としか思ってない。それは観てる俺らも、あの長マワシで「フラレルで、フラレルで、やっぱフラレよった」という思いになり、並木道の情感あふれる風景とあいまって、フラレ男の寂しさだけが残る。主人公は第三の男ならず、ただの三の線の男だったいうオチ。うまいな。この監督。ジョセフ・コットンもフラレ男のいけてなさの演技うますぎる。でもそんなホリィ君に最後言いたい。「そんな、犯罪者の愛人タイプの女より、他にいい女いっぱいいるから、とっとと忘れて自分の人生がんばれよ」と。それにしてもフラレルメカニズムを克明に描いてておもしろいね。と、かなり、かたよった見方してみたけど、どーやろ? 10点(2004-05-02 10:38:08)(笑:3票) (良:2票) |
13. 失われた週末
モノクロで古い映画でしかもアル中の話。おもろなさそ~。でも評判がよいので、観たんやけど、ごめん、やっぱおもろい。アル中を題材にしたサスペンス映画みたいな感じ。俺、酒はほとんど飲まないが、このドキドキハラハラ感はのめり込んでもーた。二時間ちょっとあるけど、まったく退屈じゃないほど。ちょっと考えたんやけど、中毒って要素は誰にでもあると思うねん。その事しか考えられへんほど、夢中になってまうってあるやん?それの先にあるのが中毒じゃないんかな。それが単なる趣味や仕事なんかやと問題ないんやけど、非生産的で深刻なほど体や精神に害がある物がアル中で、しかも簡単に手に入る。習慣から中毒になる物もあるかもしれんし。中毒は中毒によって中和されるとしたら、他に夢中なれる物、恋愛や趣味や仕事なんかがうまく機能すれば救われると思うんやけど、どーやろ?俺もなにかの中毒かなって思ってこの映画観たら、共感できるとこあるかもしれん。ちなみに俺はウーロン茶中毒。 10点(2004-04-29 04:05:11) |